ArtEngine 2021.1 がリリース、新しいノードの追加や改善など

CGソフト

Unity は2月25日(現地時間)、2021年最初の ArtEngine のリリースを発表しました。

ArtEngine について

ArtEngineは昨年、Unityが買収したArtomatix社の主力製品です。買収時の記事は以下をご覧ください。

Unity、AIを活用したゲームアートツール開発のArtomatixを買収
Unity Technologiesは、AIを活用したゲームアートツールを開発しているArtomatixを買収しました。 Artomatixの創設者である...

ArtEngineは、スキャンベースとサンプルベースのマテリアル作成ワークフローにクリエイティブAIを使用した、アーティストフレンドリーな3Dコンテンツ作成ツールです。

PBRマテリアルへのフォト変換、高解像度化、ブレ修正、継ぎ目修正、ゆがみ修正、カラーマッチングなど、細かなマテリアル作成作業の負担を軽減し、アーティストがクリエイティブワークフローの付加価値を高める部分に集中できるように支援します。

■サンプルベースのワークフローとは

サンプルベース(example-based)のワークフローは、1からマテリアルを作成するのではなく、スキャン、写真、または前世代のメディアの古いアセットなどの必要なもののサンプルから作成し始めるというものです。そのサンプルから始め、コンピュータはそのデータをどう処理するかについての高度な指示を得て、手動で行われていたプロセスを自動化します。

  1. シードデータまたは作成したいものの例から開始
  2. 意図を定義する
  3. 自動化
  4. 微調整

以下の動画でArtEngineについて詳しく知ることができます。

ArtEngine ページへ

ArtEngine 2021.1

昨年はサンプルベースのツールキットの強化を図りつつ、強力なプロシージャルなノードの開発も推進して、サンプルベース、プロシージャルの両方の分野で開発が進められていました。今回の発表では、新機能の主要なハイライトと今後追加する予定の機能について紹介されています。

■Pattern Array ノード

新しい Pattern Array ノードを組み込んだプロシージャルなツールキットが公開されました。このノードを利用することで、巨大なキャンバスの上に、ビットマップやマテリアルを使って構成された複雑でシームレスなパターンを素早く効率的に作成することができます。また、このノードを Scatter ノードとして使用すれば、ビットマップやマテリアルを自然な形で分散させることもできます。

■新規導入されたノード、改良されたノード

新しいプロシージャルなノードの追加と、既存のサンプルベースノードにいくつかの大きな改良と機能追加がされています。

  • 新しい Noise ノード:ガウシアン、セルラー、クリスタル、雲など、さまざまなノイズのプロファイルを生成することで、ランダム化による表現にもう一工夫加えることができます。
  • 新しい Basic Shapes ノード:自分だけの基本形状を作成し、Pattern Array ノードに入力して、他の画像のマスクとして使うことができます。Basic Shape ノードと Pattern Array ノードを組み合わせて使うことで、無数のバリエーションを作成することができます。
  • よりリアルになった環境光の近似:Ambient Occulusion ノードの新しいアルゴリズムにより、より物理的に正確な描画結果を得られるようになりました。
  • 法線マップ生成の改良:Radial Compensation スライダーを備えた Multi-Angle to Texture ノードを利用して、より品質の高い法線マップを生成できます。
  • バッチ処理:バッチングワークフローを活用して、数千個のファイルをクリック 1 つでまとめて処理することができます(ArtEngine Studio でのみお使いいただけます)。

すべてのアップデート内容の確認はこちらから

今後の予定

2020年はすべて、安定性の問題の解決や、Unity のライセンシングシステムに移行するための時間などツールの整備に費やされていましたが、これからは「楽しい機能(fun stuff)」に取り掛かる準備が整ったと表現されています。

チェンジログを確認すると、昨年は月に一度以上アップデートがされているようでしたが、今年は、リリース数は少なくなり、その代わり毎回のリリースごとで提供される機能の数は多くなる予定のようです。

そして、搭載予定の新機能のひとつとしてStyle Transferが紹介されています。この機能は1 枚の画像のスタイルを抽出して、それをもう 1 枚の画像に適用するノードです。80年代のレトロゲームの感じを再現したり、ゴッホ風の画像を作成できたりします。

価格とシステム要件

ArtEngineは現在、Windows10とWindows8.1でのみサポートされています。

ArtEngineの通常ライセンスの価格は、1シート当たり月額11,400円+税 円(95ドル)、または年額136,800+税 円 (1,140ドル)。

5シートから購入でき、SDKやバッチ処理などフル機能にアクセスすることができる ArtEngine Studioライセンスは、1シート当たり月額40,000円+税 円(333ドル)、または年額480,000+税 円 (4,000ドル)。

テクスチャ作成ソフト Substanceのサブスクリプション価格は、99ドル/月、990ドル/年ですので、ArtEngineの通常ライセンスがおおよそSubstanceのPROライセンス相当となっています。

30日間無料のArtEngine トライアル版が使用できます。注意:無料トライアルが終了後、次月の料金が自動的に請求されます。無料トライアルを終了前にキャンセルしないと、その後 30 日間 ごとに請求が発生するので注意してください。

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ArtEngine 2021.1 の新しい 1 年、新しいノード

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