2025年12月19日(現地時間) – Topaz Labsは、動画高画質化ソフトウェア「Topaz Video」のバージョン1.1.0をリリースしました。
新機能ハイライト
今回のアップデートは、ユーザーフィードバックに基づく名称の整理、プロフェッショナル向けの質感制御(グレイン・デノイズ)の刷新、そして特定のハードウェアにおける安定性向上に重点が置かれています。
Pro: Starlight Mini の名称復活

名称変更の背景
以前、「Project Starlight」と呼ばれていたモデルがクラウド版(Astra)で「Precision Quality」と改名された際、デスクトップ版では単に「Starlight」という名称に変更されました。しかし、これは「Starlight Mini(軽量版)」から「Mini」を取ったものであり、ユーザーの間で混乱を招いていました。
今回のアップデートで、このモデルは正式に「Starlight Mini」という名称に戻りました。今後は「Starlight」をAIモデルシリーズの総称とし、その中に「Mini」や「Sharp」といったバリエーションが存在するという体系になります。
AMDおよびMac環境での改善
これまでStarlight Miniを使用する際に発生していた以下の不具合が修正されました。
- 色収差の修正: RGBチャンネルのシフト(色がずれて滲む現象)が発生していた問題を解消しました。
- エクスポートエラーの修正: システム要件を満たしているにもかかわらず、エクスポートが失敗するケースを改善しました。
【重要:Starlight Miniの動作要件と制限】
Starlight Miniは非常に複雑でリソースを大量に消費するモデルです。使用前に以下の要件をご確認ください。
- ライセンス: ローカルでのレンダリングにはProアカウントが必要です。
- NVIDIA GPU: VRAM 10GB以上(推奨16GB以上)。
※Compute Capability 7.0以上が必須(GTX 10シリーズやQuadro Pシリーズは非対応です)。 - AMD GPU: VRAM 20GB以上を推奨。
- Mac: メモリ(RAM)36GB以上を推奨。
- システムRAM: 最低32GBが必要。
- プレビューの制限: 処理が重いため、通常の「プレビュー」や「フレームプレビュー」は機能しない場合があります。数秒間の範囲指定エクスポートを行って確認することを強く推奨します。
- クラウド制限: クラウドレンダリング時は最大5分までの制限があります。
刷新されたグレイン(Grain)
これまでのグレイン機能は、画像の上に単にノイズを乗せる「オーバーレイ」のような質感で、科学的な正確さに欠けていました。
今回のアップデートでは、カメラのレンズを通った光がフィルムやセンサーに反応するプロセス(輝度や波長の影響)を考慮し、グレインエンジンが一から作り直されました。
新しい3つのグレインタイプ
- Gaussian: 色情報(彩度)を含む一般的なデジタルノイズに近いグレイン。
- Grey: 彩度を含まない、輝度のみのモノクログレイン。
- Silver Rich: 古いフィルムストックの質感を再現した有機的なグレイン。デフォルト設定では強すぎる場合があるため、パラメータを控えめに調整することが推奨されています。

調整可能なパラメータ:Size(サイズ)、Density(密度)、Amount(量)
デノイズ機能の刷新
これまでTopaz Videoの主力だった「Nyx」モデルは、ノイズ除去だけでなく、同時にシャープ化やディテール強調を行う「エンハンスモデル」でした。しかし、VFXや映画制作の現場からは「素材の質感を変えずに、ノイズだけを取り除きたい」という強い要望がありました。
これに応えるため、「Denoise」フィルター(Nyx High-Fidelityベース)が追加されました。
VFXワークフロー向けの仕様
- 調整不可のシンプル設計: 余計な加工をしないため、調整プロパティはありません。
- ノイズマップの抽出 (Extract noise on export): コンポジット(合成)作業向けに、除去されたノイズ成分だけを抽出して保存する機能です。
- エクスポート時にチェックを入れると、エクスポートフォルダ内にTIFFシーケンスとしてノイズマップが生成されます。

※エクスポートされた動画ファイル自体からノイズマップを取り出すことはできません。
その他のアップデート
他にもプロフェッショナルな制作環境における安定性と互換性を向上させるため、以下のアップデートが行われました。
AE & DaVinci Resolveプラグインの更新
- 安定性の向上 (After Effects): 一部のPC環境で発生していた、フリーズやハングアップの問題が修正されました。
- 速度と品質の向上: DaVinci ResolveおよびAfter Effectsプラグインにおいて、全体的なエンハンス処理速度が向上し、出力品質も以前のバージョンより改善されています。
エンジンの改良とパフォーマンス
- ハードウェア固有のクラッシュ修正: Windows環境のAMD製GPU、およびNVIDIA RTX 20シリーズ使用時において、実行・エクスポート・フレームプレビュー中に発生していたクラッシュが大幅に減少しました。これにより、Windows環境(AMD/NVIDIA)での全体的なパフォーマンスが向上しています。
- アップスケール速度の向上: 特に2倍(2x)および4倍(4x)のアップスケール処理における一般的なパフォーマンスが改善されました。
コーデックの追加: DNxHR
編集ワークフローで広く利用される中間コーデック、DNxHRが追加されました。以下のプロファイルに対応しています。
- LB (Low Bandwidth)
- SQ (Standard Quality)
- HQ (High Quality)
- HQX (High Quality 10-bit)
- 444 (4:4:4 color space)

その他の修正と改善
- Starlight クラウドレンダリング: 全プラットフォームにおいて、クラウドレンダリング時の解像度不一致問題が修正されました。また、特定のエッジケース(稀な状況)において、クラウドダイアログに詳細情報が表示されるようになりました。
- UI/UXと不具合修正:
- 再生を開始するためにダブルクリックが必要だった問題を修正。
- 特定のエンコーダー使用時にStarlight MiniおよびStarlight Sharpが失敗する問題を修正。
- アプリケーション終了時にプロセスが完全に閉じない場合がある問題を修正。
価格とシステム要件
Topaz Video は、Windows 10 or 11(intel or AMD)、Windows 11(ARM)、macOS 12 Monterey 以降で利用することができます。
価格は以下の通りです。
- 無制限のローカルレンダリング
-
標準モデル
Proteus, Iris, Nyx, Rhea, Rhea XL, Artemis, Gaia, Theia, Apollo, Chronos, Aion, Themis, SDR to HDR, Stabilization
- Nyx XL モデル
- Starlight (クラウド) モデル
- Starlight Sharp (クラウド) モデル
- 25ビデオクラウドクレジット/月
-
限定的な商用利用
年間収益100万ドル未満の組織向け
- シート管理 (1〜5)
- Starlight (ローカル) モデル
- Starlight Sharp (ローカル) モデル
- 100ビデオクラウドクレジット/月
- 完全な商用利用
また、3つのデスクトップアプリが含まれた Desktop Collection や Topaz Studio の一部としても利用することができます。
Topaz Studio に関しては以下の記事をご覧ください。





























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