Blender用リギングアドオンの開発元であるArtellは、最新バージョンとなる「Auto-Rig Pro 3.76」を正式にリリースしました。
新機能ハイライト
今回のアップデートは、将来のBlenderバージョンを見据えた互換性の確保と、AIを活用したリギングプロセスのさらなる自動化に焦点が当てられています。
AIによる顔マーカー自動推定「Guess Facial」
「Smart」機能に、顔のマーカー位置をAIが自動的に推定する「Guess Facial」機能が追加されました。ディープラーニングモデル(v1.17)の改良により、手動での配置作業を大幅に短縮することが可能です。
また、頭部のジョイント位置をより正確に推定するための新しいマーカー「head_tip」も実装されました。
※現在は開発段階の機能であり、キャラクターのデザインによっては精度が異なる場合があります。
自然な口元の動き「Soft-Cheek」オプション
リグ生成時のオプションに「Soft-Cheek」が追加されました。これは頬の弾力や膨らみをシミュレートする機能で、口角を動かした際の変形がより有機的で自然なものになります。
これに伴い、デフォルトですべての頬コントローラーのトランスフォーム制限が解除され、アニメーターにとってより柔軟な調整が可能になりました。
このオプションを有効化すると、以下の2つの参照ボーンが追加され、表情の動きに合わせて頬が柔らかく変形するリアルなフェイシャルアニメーションを支えます。
- cheek_push_ref:口の内部に配置され、メインの頬ボーンを指すように設定されます。+Y軸方向への押し出し動作を定義し、頬の押し出し方向を調整する役割を持ちます。
- cheek_pole_ref:目と耳の中間、頬骨付近の皮膚上に配置することで最適な結果が得られます。頬の自然な動きを支える参照点として機能します。

cheek_push_ref

cheek_pole_ref
眉と舌のボーン構成の柔軟化
眉(Eyebrows)と舌(Tongue)のリグ作成において、任意のボーン数を設定できるようになりました。
特に眉については、ボーン数を変更しても既存の形状(シェイプ)を維持する機能が組み込まれており、デザインの変更にも柔軟に対応できます。
Blender 5.0 APIへの対応と互換性
このバージョンでは、将来リリースされるBlender 5.0のAPIをサポートしました。
これにより、次世代のBlender環境でもスムーズに動作するよう設計されています。また、これまでのバージョンとの後方互換性も維持されており、Rig、Remap、Export、Pickerの各モジュールが更新されています。
その他の新機能
他にも細かな機能追加やユーザビリティの向上についても、多くのアップデートが含まれています。
- Export
- Reset Transforms 設定の追加:アクションごとのベイク処理の間に、コントローラーのトランスフォームをリセットする機能です。キーフレームが打たれていないボーンが、別のアクションのオフセットを引き継いでしまう問題を回避するのに役立ちます。
- Rig
- リグ削除時の安全警告:誤操作防止のため、Xボタンでリグを削除しようとした際にポップアップで警告が表示されるようになりました。
- Pickerの複数眉サポート:専用のピッカーパネルが、複数の眉設定に対応しました。
- Remap
- Bake Only Existing Keyframes:リターゲット時に、元のモーションに存在するキーフレームのみをベイクする設定が追加されました。
- IK-FKスイッチの初期化:IK-FKの切り替えスイッチが、アニメーションの最初のフレームで自動的にキーフレーム登録されるようになりました。
- Smart
- 「Use Markers Depth」のデフォルト無効化:マーカーを手動配置する際、「Use Markers Depth(深度を使用)」オプションがデフォルトで無効に変更されました。
- AIファイルの自動クリーンアップ:新しいAIファイルをインストールする際、古いファイルが自動的に削除されるようになりました。
修正された不具合
本バージョンでは、Blender 4.5および5.0への対応に伴う互換性修正を含め、以下の不具合が解消されています。
- Blender 4.5 / 5.0 互換性の向上:Blender 4.5でのFカーブアクセス不具合や、Blender 5におけるドライバーのプロパティアクセス形式の変更(Skin関連)、カスタムPython環境での関数認識エラーなど、最新環境での動作安定性が向上しました。
- QuickRig の修正
- Auto IK Roll:手足のオプション設定において、「Auto IK Roll」が正しく適用されない問題が修正されました。
- Rig の修正
- ボーン生成・削除処理の適正化:頭部全体、眉、舌、口などのパーツ構成を変更(無効化やボーン数変更)した際に、関連するコントローラーやボーンが適切に削除・ペアレントされずエラーとなる複数の問題が修正されました。
- Blender 5でのDuplicate Mirror修正:
Blender 5環境下で「Duplicate Mirror」機能を使用した際、ボーン選択状態が維持されず正しいボーンカラーが割り当てられない問題が修正されました。
- エクスポート機能の修正:Kilt(キルト)のマスターコントローラーが出力されない問題や、スロットのないアクションの処理を改善。また、DataTransferモディファイアが適切に適用されないケース(Render設定オフ時やUnits x100時)が修正されました。
- Smart機能の修正
- AI・マーカー推定の修正:AI機能において、メディアタイプ設定ミス時のエラーや「Render Region」有効時のスクリーンショット不具合を修正。また、「Use Markers Depth」有効時には、穴のあるメッシュに対応するため首の深度評価をスキップするよう改善されました。
- Blender 5での指の整列:Blender 5環境下で、指のロール(回転軸)が正しく整列しない問題が修正されました。
- RigTools ツール関連の修正:負の軸を使用した場合のルートモーション抽出の不具合や、Blender 5でのリグレイヤー表示切替機能の互換性、FKスナップ時の位置リセット処理などが修正されました。
- Interactive Tweaksの互換性:Interactive Tweaks機能を使用する際、Blender 5におけるFカーブの互換性問題が修正されました。
アップデートの入手方法
正規購入ユーザーは、購入元のマイページ(Orders page)より最新版を無料でダウンロード可能です。開発者はユーザーからのフィードバックを求めており、バグを発見した際は報告を推奨しています。
【アップデート権限に関する注意】
「CyberSaleバンドル」の一部として購入された場合、またはBlender Marketの10周年記念「Superhive」キャンペーンでの無料ギフトとして本アドオンを入手された場合、今回のアップデートは無料対象外となります。これらのユーザーが最新機能を利用するためには、フルバージョンの購入が必要です。
価格とシステム要件
Auto-Rig Pro は、Blenderバージョン2.93 以降で利用できます。
価格は以下の通りです。
| プラン | 内容 | 価格 |
|---|---|---|
| (Lite) Auto-Rig Pro | Auto-Rig Proのコア機能のみのパッケージです。 無料アップデート(メール通知あり)とサポートメッセージも利用可能です。 | $25 |
| (Full) Auto-Rig Pro + Smart + Remap + Fbx Export | Auto-Rig Proの全機能入りパッケージです。 コア機能、Smartツール(二足歩行キャラクターの自動認識)、 Unreal/UnityへのFbxエクスポート、アニメーションをリターゲットするRemapツールが含まれます。無料アップデート(メール通知あり)とサポートメッセージも利用可能です。 | $50 |
| (Full) 10 Seats | Auto-Rig Proの全機能バージョンを10シート分利用できるライセンスです。 | $162 |
| (Full) 20 Seats | Auto-Rig Proの全機能バージョンを20シート分利用できるライセンスです。 | $227 |

























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