Substance 3D Designer 16.0 がリリース!3D SDFノード、3Dシェイプの散布に対応したShape Splatter v2の追加など

CGソフト

2026年4月14日(現地時間)- Adobeより「Substance 3D Designer 16.0 」がリリースされました。

主な新機能

今回のバージョンでは、新たに追加された 「Shape Splatter」ノード と 「SDF」ノード によって、パターンの散布(スキャッタリング)や形状操作に関するワークフローが、より柔軟で創造的なものへと進化しました。

さらに、OpenPBR のネイティブサポートが追加されたほか、3D ビューにおける ディスプレイスメント設定の改善も行われ、マテリアル制作の表現力と操作性が向上しています。

What's New in Substance 3D Designer 16.0 | Adobe Substance 3D

新しいShape Splatter v2 ノード群

シェイプを散布する新しいアプローチ

新しく追加された 「Shape Splatter v2」ノード によって、これまで設定が難しかった複雑な散布表現が、より直感的かつ柔軟に扱えるようになりました。

デフォルトで形状同士が重ならないように配置される ポアソンディスク(Poisson disc)分布 や、均一に配置する Uniform 分布 など、より多くの分布メソッドが追加されており、自然で整ったパターンを簡単に生成できます。さらに Density Map(密度マップ) を使うことで、特定の領域に形状を集めたり、逆に疎らにしたりといった細かなコントロールも可能です。

また、上級者向けには Function Graph(関数グラフ) を利用して、独自のカスタム分布を構築することもでき、より高度な散布ロジックを自作することができます。

3D シェイプへの対応

散布される形状(シェイプ)は 3D オブジェクトとして扱えるようになり、X・Y・Z のすべての軸で移動・回転・スケーリングが行えるようになりました。これにより、平面的な散布では表現しきれなかった立体的な動きや変化を加えることができます。

ベースとなる形状には、立方体・球体・円柱といったシンプルなプリミティブだけでなく、ハイトマップを押し出して作成した形状や、専用に作られた 3D SDF(Signed Distance Field)シェイプ といった複雑なカスタム形状も使用できます。

これらの新機能によって、全体に動きがあり、より自然でバリエーション豊かな散布表現が可能になります。さらに、3D シェイプを反転して別バリエーションとして再利用できる機能も追加されており、環境アーティストにとって非常に恩恵のあるアップデートとなっています。

v2関連ノード

Shape splatter v1シリーズと同様に、v2にも専用のコンパニオンノードが用意されています。

Shape splatter v2 mapper

Shape splatter v2 mapperノードを使用すると、散布された3Dシェイプに対してテクスチャを投影できます。トライプレーナー投影(Triplanar projection)や、複数のテクスチャをマッピングするためのマテリアルID(Material IDs)もサポートされています。テクスチャのオフセットやカラーバリエーションは、全体的またはシェイプごとに個別に調整可能です。こちらも関数グラフを用いてカスタムのテクスチャマッピングを構築できます。

Shape splatter v2 to mask

Shape splatter v2 to mask ノードは、特定のシェイプやマテリアルIDを選択してマスクを作成し、グラフの下流工程でより細やかな制御を可能にします。

グリッドアトラス

カスタムパターンは個別に Shape Splatter v2 ノード に読み込むこともできますが、Grid Atlas (グリッドアトラス)にまとめてパックしておくことで、より軽量で効率的なワークフローを構築できます。これにより、パターンのパッキング作業がこれまでよりも簡単になりました。

マテリアルサンプル

Shape Splatter v2 のノード群をすぐに試せるように、「Rusty Bolts(錆びたボルト)」のマテリアルサンプルが用意されています。ノード構造や設定内容、使われているテクニックがひと目で理解できるよう丁寧に整理されており、必要な箇所には注釈も添えられています。

このサンプルは完全に編集可能で、実際にノードを差し替えたりパラメータを調整したりしながら、Shape Splatter v2 の仕組みを実践的に学べるサンドボックスとして活用できます。

3D SDF ノード

Designer 16.0 では、豊富に用意されたSDF用ノードカタログを活用し、関数グラフ内で 3D シェイプを生成できる強力な新メソッドが追加されました。

SDF(Signed Distance Field:符号付き距離場)は、空間内の各点を「特定の表面までの距離」として表現する手法です。この距離情報をもとに、さまざまなオペレーターで形状を変形・結合することで、複雑な 3D 形状を数学的に定義できます。

SDF関数は、以下の4つのカテゴリーに分類される新しいノード群で構成されています。

Primitives (プリミティブ)

基本的な構成要素です。必要に応じて調整できるいくつかのコントロールを備えたシンプルな形状を生成します。

収録ノード一覧を表示
  • Capped cone
  • Capped cone (2 points)
  • Capped torus
  • Capsule
  • Cone
  • Cube
  • Cylinder
  • Cylinder (2 points)
  • Ellipsoid
  • Elongated cylinder
  • Ground plane
  • Helix
  • Hexagonal prism
  • Infinite plane
  • Plane
  • Pyramid
  • Pyramid square
  • Rock
  • Sphere
  • Torus

Operators (オペレーター)

単純なブー単純なブーリアン演算から、モーフ、シェル、シンメトリーといった高度な処理まで、ノードに応じて形状を結合したり複製したりできるようになり、生成可能な 3D 形状の幅が大きく広がりました。

収録ノード一覧を表示
  • Intersection
  • Intersection smooth
  • Intersection surface
  • Morph
  • Repeat mirror
  • Rounding
  • Shell
  • Subtraction
  • Subtraction smooth
  • Symmetry
  • Union
  • Union chamfer
  • Union smooth

Transforms (トランスフォーム)

形状の位置、回転、サイズを調整するだけでなく、曲げ(bending)、ねじれ(twisting)、伸長(elongation)などの高度な変形も可能です。

収録ノード一覧を表示
  • Bend
  • Elongate
  • Flip
  • Offset
  • Offset P
  • Rotate
  • Rotate P
  • Scale
  • Twist

Material (マテリアル)

カラーやマテリアルIDなどの基本的なマテリアル属性を設定します。これはShape splatter v2ノードでマスクやカラーリングに使用できます。

収録ノード一覧を表示
  • Set material ID
  • Set material
  • Set color
  • Set roughness
  • Set metalness

わかりやすいアイコンを備えた軽量なノード群により、3D SDF関数の構築は想像以上に簡単に行えます。

3Dビューアノード

3D SDF 関数を構築する際には、生成される形状を 3D 空間で確認しながら作業することが欠かせません。

新しく追加された 3D ビューア(Viewer) ノードを使用すると、3D SDF や交差関数(intersection functions)を、カメラコントロールやカスタム環境光、カラー・ラフネス・メタルネスといった基本マテリアルのレンダリングに対応した 3D シーンとして可視化することができます。

また、生成された形状を詳細に確認したり、問題をデバッグしたりするための機能(AOVの個別レンダリングパス、SDFの等値線、バウンディングボックスのブリードカラーリングやグリッドといった視覚的ヘルパーなど)も含まれています。

OpenPBR サポート

OpenPBR Surfaceは、CG業界の標準として意図されたサーフェスシェーディングモデルの仕様であり、大多数のマテリアルを正確にモデル化することができます。

このマテリアルモデルがアプリケーション全体でサポートされるようになり、新しいレンダラー(Rasterizer、GPU Pathtracer)およびOpenGLレンダラーの両方に専用シェーダーが追加されました。

新しいグラフテンプレートを使用してこの広く採用されている業界標準を使い始めることができます。また、OpenPBRベースになった組み込みのマテリアルサンプルも用意されています。

OpenPBRシェーダーは3Dビューのデフォルトとなり、従来のPBRの用途をOpenPBRにマッピングすることで、以前のバージョンで作成されたグラフもネイティブにサポートします。

また、OpenPBRシェーダーはThin film(薄膜)やThin wall(薄壁)など、既存のシェーダーよりも多くのエフェクトをサポートしています。ラスタライゼーション(Rasterizer、OpenGL)で全てのエフェクトが利用可能になり、ついに屈折(refraction)もサポートされました。

特定のシェーダーを使用するワークフローで、表示内容と実際のマテリアル設定を確実に一致させるため、Substance グラフに新しい 「Material model(マテリアルモデル)」属性が追加されました。この属性により、3D ビューで表示されるグラフが、そのグラフに適したシェーダーを必ず使用するようになります。また、このマテリアルモデル属性は 公開される SBSAR ファイルにも含まれます。

3Dビューのディスプレイスメント制御

3Dビューのツールバーに新しく追加されたDisplacementポップアップから直接アクセスできるようになり、ディスプレイスメントとテッセレーションの調整がより迅速かつ簡単になりました。

マテリアルプロパティとレンダラー設定を何度も行き来することなく、Height scale(ハイトスケール)、Height level(ハイトレベル)、Tessellation(テッセレーション)の値を調整できます。これらのコントロールは、新しいレンダラー(Rasterizer、GPU Pathtracer)とOpenGLレンダラーの両方で利用可能です。

シーンに複数のマテリアルが含まれている場合、あらかじめShiftキーを押しながらシーンのオブジェクトをクリックして選択するか(RasterizerとGPU Pathtracerのみ)、シーンブラウザで選択することで、調整対象を指定できます。

その他の変更点

Constant value(定数)ノード

Substanceグラフで定数値に簡単にアクセスできるように、各タイプのシンプルな値を生成する新しいノードが追加されました。ライブラリの「Values > Constants」セクションにすべて揃っています。

MDLグラフとIrayのサポート終了

15.1のリリースでお知らせした通り、MDLグラフの機能セットとIrayレンダラーはDesignerから削除されました。Designerにおける高品質なフォトリアリスティック・レンダリングには、自社製のGPU Pathtracerが推奨レンダラーとなります。

DesignerはMDLから移行し、互換性が高く広くサポートされているマテリアル定義のシェーディング言語としてMaterialXを採用します。MaterialXはCG業界で急速に普及しており、USDファイルに含めることで、DCCツールやレンダラー間で完全なシーンのポータビリティを実現できます。

VFXプラットフォームのアップグレードとmacOSの最小要件

最新のVFXプラットフォーム標準を満たすため、C++ 20、Python 3.13、Qt 6.8などの主要ライブラリがアップグレードされました。また、macOSの最小サポートバージョンが「macOS 14 Sonoma」に更新されています。

その他すべてのアップデートはこちらから

価格とシステム要件

Substance 3D Designer は、Windows 10 64ビットバージョン22H2以降、macOS 11 Big Sur以降、Linuxで利用できます。

より詳しいシステム要件はこちらから

Substance 3D Designerは、Adobe Substance 3D アプリのサブスクリプションプランに含まれています。

  • Adobe Substance 3Dテクスチャリングプランには、Painter、Designer、Samplerアプリと、豊富な3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。 
  • Adobe Substance 3D Collectionプランには、Painter、Designer、Sampler、Stager、Modelerアプリと、豊富な3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。 
  • グループ版Adobe Substance 3D Collectionプランには、5つのアプリ、豊富な3Dアセット、1TBのストレージ、とライセンス管理や高度なサポートが含まれています。

価格は次のようになっています。

Adobe Substance 3D
テクスチャリング
月々プラン月々払い3,380 円
年間プラン(一括払い)33,880 円
Adobe Substance 3D
Collection
月々プラン月々払い8,180円
年間プラン(一括払い)81,880円
グループ版
Adobe Substance 3D
Collection
月々プラン月々払い16,280 円
年間プラン(一括払い)195,360 円

学生・教員向けライセンス

Substance 3Dは、大学・高等教育機関向けCreative Cloudコンプリートプラン(小中高校は対象外)に含まれており、追加料金なしで利用できます。高等教育機関向けプランにアセットは含まれていません。

また、Substance 3D Collection アプリは、高等教育機関の学生と教師が無料で利用できます。(非営利、教育目的での使用のみ)

■Steam版ライセンス

Adobe Substance 3D Designer はSteamでも購入可能です。

価格は、個別の買い切り価格が22,000円です。

また、 Substance 3D Indie サブスクリプションの一部としても利用することができます。このサブスクリプションは、Substance 3D Painter、Substance 3D Designer、Substance 3D Modeler の最新バージョンを常に利用できて、さらに 1,000 点のゲーム向け 3D アセットにもアクセスでき、2800円/月です。

Adobe Substance 3D Designer Steam ページへ


Substance 3D Designer ウェブサイトへ

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