Blender Procedural によるBlenderアドオン「Dynamic Flow」の紹介です。
Dynamic Flow とは
Dynamic Flowは、BlenderのGeometry Nodesで構築された、グリッドベースのプロシージャルな水流および水面生成システムです。
従来の流体シミュレーションで必須の「ベイク(計算結果の焼き込み)」や「キャッシュ(データの保存)」を一切必要とせずにリアルタイムで水流を作成することが可能です。
主な機能
Dynamic Flowが提供する主要な機能は以下の通りです。
- 完全なリアルタイム処理: ベイクやキャッシュ待機時間がゼロで、即座にフィードバックが得られます。
- 地形検知フロー: 地形の高低差を認識し、水が流れるべき方向や速度を自動的に計算します。
- 自動泡(フォーム)生成: 海岸線や障害物との接触部分に、自然な泡のエフェクトを自動生成します。
- プロシージャル&非破壊: Geometry Nodesベースのため、いつでもパラメータの変更が可能で、元データを破壊しません。
- 軽量なグリッドシステム: プレビュー用に最適化されたグリッドベースのアプローチを採用しています。
- Eevee & Cycles 両対応: どちらのレンダリングエンジンでも動作します。
基本ワークフロー
セットアップは非常にシンプルで、数クリックで基本的なシミュレーションを開始できます。
シミュレーションの作成
- 地形や島のメッシュを用意します。
- Dynamic Flowパネルを開き、「Create New Simulation」をクリックします。
- システムが自動的にドメインを作成し、ノードを初期化します。
コリジョン(衝突)の設定
Dynamic Flowでは、水流と相互作用させるオブジェクト(岩、地形、障害物など)を管理するために「コレクション」を使用します。
- コレクションの作成: アウトライナーで新しいコレクションを作成します(例:
DynamicFlow_Collisions)。 - オブジェクトの追加: 岩、地形、障害物など、水と反応させたい全てのオブジェクトをこのコレクションに追加します。
- アドオンへの割り当て: パネル内の「Collision Collection」欄に、作成したコレクションを指定します。
パフォーマンスの最適化のヒント
- プレビュー時: 作業中は「Voxel Size」を大きめに設定し、最終レンダリング前に値を下げて詳細度を上げます。
- 静的オブジェクト: 岩や地形など動かないオブジェクトの配置が決まったら、「Freeze Collision」を有効にします。
- 解像度: 遠景や広大なシーンでは、必要以上に高い解像度(Grid Resolution)を設定しないようにします。
パラメータの説明
パネルから調整可能な主要パラメータの詳細です。各項目はカテゴリーごとに整理されています。
Grid Settings(グリッド・解像度設定)
| パラメータ名 | 説明 |
|---|---|
| Voxel Size | シミュレーションの計算単位(ボクセル)のサイズです。値を小さくすると品質が向上しますが、計算負荷が高くなります。 |
| Grid Resolution | シミュレーション全体の密度を設定します。広範囲のシーンでは値を調整してパフォーマンスを確保します。 |
Flow Controls(水流制御)
| パラメータ名 | 説明 |
|---|---|
| Flow Velocity | 水の主な流れの速さと方向を決定します。 |
| Noise Velocity | 一律の流れではなく、自然なゆらぎや不規則性を加えるためのノイズ速度です。 |
| Noise Scale | ノイズパターンのサイズ(細かさ)を調整します。 |
Surface Controls(表面制御)
| パラメータ名 | 説明 |
|---|---|
| Surface Height Displacement | 波の高さや水面の動きの振幅を制御します。 |
| Blur Displacement | 水面の変形を滑らかにし、動きを安定させます(ノイズ除去のような効果)。 |
Foam & Water(泡と水質)
| パラメータ名 | 説明 |
|---|---|
| Foam Generation Rate | 岸辺やオブジェクトとの衝突時に発生する泡(フォーム)の生成率を調整します。 |
| Add Underwater | 水中部分のボリュームやシェーディング表現を有効にします。 |
| Color Water | 水のマテリアルカラーを素早く変更するための設定です。 |
Physics(物理挙動)
| パラメータ名 | 説明 |
|---|---|
| Pressure Calculation | 障害物に対して水流がどの程度強く反応(反発・迂回)するかを制御します。 |
| Damping Overall Velocity | 全体的な速度の減衰率です。値を上げると動きが抑制され、粘性のある挙動になります。 |
| Freeze Collision | コリジョン計算を一時停止(ロック)します。地形が動かない場合に有効にすることで、パフォーマンスを大幅に向上させることができます。 |
価格とシステム要件
Dynamic Flow は Blender 5.0で利用可能です。Eevee とCycles の両方に対応しています。
価格は8ドルです。
























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