2025年12月18日(現地時間)- NVIDIAは、Blackwellアーキテクチャを採用したプロフェッショナル向けGPU「NVIDIA RTX PRO 5000」シリーズに、新たに72GBメモリ搭載モデルを追加し、一般提供を開始しました。
AI開発、データサイエンス、およびクリエイティブ分野での需要増加を受け、既存の48GBモデルに加え、より大容量のメモリを持つ72GBモデルがラインナップに加わりました。これにより、大規模な言語モデル(LLM)や複雑なエージェント型AIワークフローを、データセンターに頼ることなくローカル環境(デスクトップワークステーション)で効率的に実行するための選択肢が広がります。
主な特徴とスペックの強化点
「RTX PRO 5000 72GB Blackwell GPU」は、AI開発における最大の課題の一つである「メモリ容量」の制約を解消することに主眼を置いています。
| メモリ容量 | 72GB GDDR7(48GBモデル比で50%増) |
|---|---|
| アーキテクチャ | NVIDIA Blackwell |
| AIパフォーマンス | 2,142 TOPS |
| 主な用途 | エージェント型AI、大規模LLMのファインチューニング、複雑な3Dレンダリング |
近年、生成AIは単なるテキスト生成から、検索拡張生成(RAG)やマルチモーダル理解を含む「エージェント型AI」へと進化しています。これに伴い、複数のAIモデルやデータソースをGPUメモリ上に同時に展開する必要性が高まっていました。
このモデルは、マルチワークロードスケジューリングなどのアーキテクチャ革新により、AI処理、ニューラルレンダリング、シミュレーションにおいて高いスループットを実現しています。これにより、開発者はデータのプライバシーや低遅延を維持しながら、ローカル環境でのプロトタイピングやトレーニングが可能になります。

前世代との比較
RTX PRO 5000 72GB Blackwell GPUと前世代(Adaアーキテクチャ)との比較では、以下のような大きな向上が見られます。
- 画像生成: 前世代比で3.5倍のパフォーマンス
- テキスト生成: 前世代比で2倍のパフォーマンス
- レンダリング: Arnold、Chaos V-Ray、Blender等のパストレーシングエンジンにおいて、最大4.7倍のレンダリング時間短縮を実現
- CAE/製品設計: グラフィックス性能が2倍以上に向上

産業界での先行活用事例
正式リリースに先立ち、設計最適化やバーチャルプロダクションの分野で先行導入が進められています。
ジェネレーティブデザイン:InfinitForm
エンジニアリング設計向けの生成AIソフトウェアを提供するInfinitForm社(NVIDIA Inceptionプログラムメンバー)は、CADおよび製造プロセスの効率化に本GPUを活用しています。
— Michael Bogomolny氏 (InfinitForm 創設者兼CEO)
「InfinitFormは、ヤマハ発動機やNASAといったお客様のイノベーションの加速と、製品の性能と製造性を最適化するために、NVIDIA RTX PRO 5000 72GB上でCUDAアクセラレーションを活用した生成AI設計最適化ソフトウェアを評価できることを大変嬉しく思います」
バーチャルプロダクション:Versatile Media
グローバルメディア企業のVersatile Media社では、映画品質のバーチャルプロダクションにおいて、大規模な3Dシーンやアセットライブラリの操作に72GBの大容量メモリを活用しています。
— Eddy Shen氏 (Versatile Media プロダクションセンターゼネラルマネージャー)
「映画品質のバーチャルプロダクションでは、メモリ容量がクリエイティブな自由度に直接影響します。72GBのGPUメモリを搭載したRTX PRO 5000は、パフォーマンスを犠牲にすることなく、高解像度のシーンやより複雑なライティングをリアルタイムで反復処理することを可能にします」
提供開始時期とパートナー
NVIDIA RTX PRO 5000 72GB Blackwell GPUは、Ingram Micro、Leadtek、Unisplendour、xFusionなどのパートナー各社を通じて一般提供が開始されています。
これにより、システムインテグレーターやメーカーは、予算やプロジェクト要件に応じて「48GBモデル」と「72GBモデル」を柔軟に選択し、最適なAIワークステーションを構築できるようになります。
なお、世界中のシステムビルダーによる広範な提供は、来年初頭より開始される予定です。
























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