誰でも無料で利用可能になったUnreal Engine 用のプラグイン Dashコンテンツブラウザ の紹介です。
Dashコンテンツブラウザとは
Dashコンテンツブラウザは、Unreal Engine 5 用のワールド構築ツール Dash プラグインに含まれるツールで、先日の1.9アップデートにより誰でも無料で使用できるようになりました。
Dashコンテンツブラウザを利用すると、Megascans、FAB、Poly Haven、IES アセットに簡単にアクセスできるだけでなく、複数のプロジェクト間でアセットを共有したり、タグ付けによる検索機能を活用したりすることができ、アセットの整理と管理がしやすくなります。
■Dashコンテンツブラウザの特徴
- 簡単にアセットを整理・検索:Dashコンテンツブラウザでは、アセットを名前やプロパティに基づいて検索できます。例えば、特定の「ツール」関連のアセットを検索したい場合、検索バーに「tool」と入力するだけで、関連するすべてのアセットが表示されます。これにより、名前やファイルの場所を覚えておく必要がなくなります。
- タグ付けシステム:Dashでは、アセットに自動的にタグが付けられ、プロパティに基づいて検索できます。さらに、ユーザーはアセットに独自のタグを追加したり、既存のタグを編集することも可能です。これにより、アセットを簡単に整理し、再利用がしやすくなります。
- Poly HavenやQuickel Bridgeとの統合:Dashコンテンツブラウザは、無料のPoly Havenライブラリ(2,000以上のメッシュ、マテリアル、IES)やQuickel Bridgeライブラリとも統合されており、これらのライブラリから直接アセットをダウンロードしてシーンに簡単に追加できます。これにより、アセットのダウンロードとインポートの手間を省きます。
- プロジェクト間でのアセット共有:Dashでは、アセットを一度プロジェクトにインポートすれば、その後他のプロジェクトでも簡単に検索・使用できます。これにより、プロジェクト間でのアセットの再利用が非常に簡単になります。さらに、チームメンバーと共有するためにコレクションを作成できる機能も搭載されています。
- PBRマテリアルと自動接続:Dashは、Poly HavenやQuixel Bridgeからインポートしたアセットに対して、自動的にPBRマテリアルを適用します。これにより、マテリアルノードを手動で接続する手間を省き、作業を効率化します。
使用方法
アセットのタグ付け方法
DashのコンテンツブラウザではAIを活用してアセットを自動タグ付けできるため、名前のルールに関係なく簡単に検索できます。
■タグ付けの手順
- Dashバーの「Content」アイコンからコンテンツブラウザを開く
- ライブラリのドロップダウン(右上)で「Project Library」タブに切り替える
- フォルダーをクリックすると「Compute Asset(アセットを計算)」するボタンが表示され、これを実行すると、そのフォルダー内のアセットがDashコンテンツブラウザで検索可能になります。
- デフォルトでスタティックメッシュ、ブループリント、マテリアルを計算します。フォルダを右クリックして除外することもできます。
別プロジェクトでのアセット利用
一度タグ付け・計算したアセットは、他のUnrealプロジェクトから直接検索・使用できます。
- プロジェクト1でアセットを計算
- プロジェクト2でコンテンツブラウザを開く
- ライブラリのドロップダウンから「プロジェクト1」を選択すると、計算済みのアセットが一覧表示されます
- アセットを選択して使用すると、バックエンドでプロジェクト1からプロジェクト2へ自動インポートされます
■別プロジェクトのアセットが表示されない場合の対処
- パスが未リンクの可能性あり → コンテンツブラウザの「Project Library」タブのメニューから「Manage Project Libraries」を選択
- 設定画面でプロジェクトのパスを手動追加 or 自動検索で登録
■UE5のバージョン互換性について
- 上位互換のみ対応します。例えば、UE5.3のプロジェクトでは、UE5.2以下のアセットは使用可能だが、UE5.4のアセットは使用不可。
効率的なアセット管理のプロ向けヒント
効率的なアセット管理のための方法として次のような方法が公式に紹介されています。
すべてのアセットを1つのプロジェクトに統合する方法
アセット管理を簡単にするために、すべてのアセットを「Asset_Library_Project」といった専用のUEプロジェクトにまとめ、そこでアセットを一括で計算(Compute)しておくことで、すべてのアセットを1つのプロジェクトに統合することができます。
アセットテーマごとにプロジェクトを分ける方法
より整理された管理を行いたい場合は、アセットの種類ごとに異なるUEプロジェクトを作成するのも効果的です。
例えば次のような名前のプロジェクトを作成し、関連するアセットを追加して計算(Compute)しておけば、他のプロジェクトでDashコンテンツブラウザを開いた際に、各アセットのカテゴリーごとにタブを分けて管理できます。
- forest_assets_project(森林アセット用)
- city_assets_project(都市アセット用)
- indoor_assets_project(屋内アセット用)
また、最新のアップデートでは、コレクションシステムも追加されました。
スタジオ向けの共有アセット管理
チームでアセットを共有したい場合は、計算済みのアセットを含むUEプロジェクトを共有し、さらにDashのキャッシュデータ(タグや計算情報)をチームで共有すると便利です。
■ 設定方法
- Dashの「Metadata Path」(メタデータ保存場所)をチーム共有のローカルフォルダやクラウドストレージに設定
- UEプロジェクトをチームと共有するだけで、全員が同じアセット環境を利用可能
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