2025年2月12日(現地時間)- Maxon は、2025年の2月の Maxon 製品のアップデートを発表しました。
今回のアップデートでは、Red Giant とRedshift のアップデートが行われています。Cinema 4Dは修正のみとなっています。
ここでは、GPUアクセラレーションバイアスレンダラーRedshift 2025.3の新機能を紹介したいと思います
新機能ハイライト
Redshift の2025年2月のリリースこのアップデートでは、ボリューム関連の機能やライトに新しいオプションの追加、その他多数の修正などが行われています。
標準ボリュームに異方性と消滅減衰オプションが追加
■消滅減衰(Extinction Falloff )
消滅減衰を使用すると、パフォーマンスペナルティなしに数百のボリュームバウンドをシミュレートできるマルチスキャッターエフェクトが可能になります。
これは、ボリューム光線がボリューム内でバウンスする際の散乱と透過を減少させることによって実現されており、各バウンスでより多くの光が移動し、より高いボリュームトレース深度を持つレンダリングをより忠実に模倣することができます。
マルチスキャッター効果は、消滅減衰が0より大きい場合に発生します。デフォルト値の0.2は、やり過ぎずに最大の光エネルギーを注入するスイートスポットと考えられています。
高い値を設定すると、より速い速度で散乱と透過率が減少し、より多くの光が注入され、レンダリング時間が短縮される可能性がありますが、ある時点からボリュームが暗くなる可能性があります。0に設定すると、効果は完全に無効になり、Redshiftはレガシーな消滅減衰に戻ります。
マルチスキャッターエフェクトは、それ自体では2ボリュームバウンドのような低いトレース深度を数百のように見せることはできません。
以下の例は、ボリュームのトレース深度を0から31まで設定し、マルチスキャッター効果のオンとオフを比較したものです。消滅減衰を使用すると、ボリュームのトレース深度を上げるたびにボリュームが明るくなり、マルチスキャッター効果のシミュレートにより、よりリアルな雲の外観になり、レンダリング速度も速くなることがわかります。
■異方性減衰(Anisotropy Falloff)
異方性減衰は、消滅減衰が 0 より大きい場合にのみ機能するパラメータで、ボリュームがバウンスするたびに異方性が減少する割合を制御するものです。
高い値は異方性を均等散乱に近づけ、ボリュームの見た目を劇的に変える可能性があります。値0では無効となります。
■開始デプス
開始デプスも、消滅減衰が 0 より大きい場合にのみ意味があるパラメータです。マルチスキャッタ効果をボリュームレイバウンス数で開始するタイミングを制御します。
デフォルトでは、最初のバウンスで効果が発生します。例えば、Volume trace depthを10に設定し、Start Depthを3に設定した場合、マルチスキャッター効果は3回目のボリュームバウンスから始まります。
デフォルト値の1は、一般的に良いバランスポイントとして推奨されます。0を設定すると、非現実的な明るさのボリュームになる可能性があり、高い値を設定すると、明るさが犠牲になり、マルチスキャッター効果が減少します。
エリアライトとドームライトにカメラ寄与度が追加
ライトのコントリビューションでは、ライトが各シェーディング コンポーネントにどの程度影響を与えることができるかを制御できます。
エリアライトとドームライトにカメラ寄与スケールオプションが追加され、カメラ光線に対するライトの可視性をスケーリングすることができるようになりました。
値が低いほどカメラに対するライトの可視性は暗くなり、値が高いほどライトは明るく見えるようになります。値が 0 の場合、光はカメラに見えません。これはシーン内のマテリアルやオブジェクトに対するライトの寄与には影響せず、カメラに対する直接の可視性にのみ影響します。
- カメラコントリビューション:1
- カメラコントリビューション:0


さらに、エリアライトに 「Blocks Rays 」オプション、レガシー 「Area Light Visibility 」オプションが追加されました。「Blocks Rays 」オプションを有効にすると、ライトは物理的なオブジェクトと同じように光線をブロックし、そのサイズと形状に基づいて影を落とすようになります。無効の場合、デフォルトではライトは光線をブロックしません。
この更新に伴い、ドームライトの背景オプションとエリアライトの可視オプションは削除されました。
標準ボリューム変位入力ポート
標準ボリューム変位(Displacement )入力ポートが追加されました。

その他
- 実験的Nvidia 5000シリーズBlackwellサポート
- AlembicプロシージャルMacOS Apple Siliconサポート
- [hydra/USD] Solaris Visualize VOP サポート
- [Maya] Maya USDプロシージャルサポート
- [Houdini] ビューポート IPR に OIDN デノイザーのサポートを追加しました
- [Houdini] Houdini Renderview Render Region カメラクロップへのコピー
- [Houdini] Houdini Light Nodes UI変更
- [USD Procedural / Command-Line] デノイジングとポストFXの サポートが追加
- [USD Procedural / Command-Line]UsdPreviewSurfaceマテリアルのサポートが追加
価格とシステム要件
Redshift 2025は、次のシステムで利用できます。
オペレーティングシステム
- Microsoft Windows: 64 ビット Windows 10 および Windows 11
- Linux: glibc 2.28 以降を搭載した 64 ビット ディストリビューション
- Apple macOS 13.3+ (Ventura) および 14.1+ (Sonoma)。
サポートされている3Dアプリケーション
- Autodesk Maya (Windows、macOS): 64 ビット版。2018 以降
- Autodesk Maya (Linux): 64 ビット版。2022 以降
- Autodesk 3ds Max (Windows): 64 ビット版。2018 以降
- Maxon Cinema 4D (Windows、macOS、Linux CommandLine): 64 ビット版。R25 以降
- SideFX Houdini (Windows、macOS、Linux): 64 ビット版。18.5 以降
- Foundry Katana (Windows、Linux): 64 ビット版。4.5v1 以降
- Blender (Windows、Linux): 64 ビット版。3.1.0LTS 以降
より詳しいシステム要件はこちらから
価格は、サブスクリプションで8,140円/月または46,200円/年です。
また、Redshiftは、Cinema 4DのライセンスとCinema 4D 、Redshift 、RedGiant はMaxonの製品が全て利用できるサブスクリプション『MAXON ONE』の一部としても利用できます。
その他詳しい価格の確認はこちらから
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