2025年1月15日(現地時間) – Chaos は、3Dレンダリングソフトウェアの最新アップデート V-Ray 7 for Cinema 4D をリリースしました。
主な新機能
このリリースでは、他のソフトウェア向け V-Ray 7 と同様に3Dガウススプラット(Gaussian splats)サポート、バーチャル ツアー、VFBの強化などが行われています。ほかにも、GPUレンダリング、OpenPBR標準サポート、Cosmosアセットバリエーションなど多くのアップデートが行われています。
ガウススプラットのサポート
ガウススプラット(Gaussian splats)のサポートにより、建物を自然環境に簡単に統合したり、正確な反射や屈折を持つ複雑な 3D 環境を作成してレンダリングできるようになりました。
実世界の環境やオブジェクトの非常に詳細でメモリ効率の高いスプラットでシステムリソースに負担をかけることなく優れたディテールを実現することができます。
クラウドコラボレーション
Chaos Cloud の新しいコラボレーション ツールにより、クライアントによるレビューを簡素化し、 承認作業を高速化できるようになりました。VFB から直接画像をアップロードしてクライアントと共有し、マークアップとコメントを使用してシームレスにフィードバックを収集できます。
プロジェクトは無制限に作成でき、共有権限も簡単に管理できます。また、ワークフロー全体で画像のバージョン管理をクラウドに任せられるので、クライアントへの最終納品に手間がかかりません。

バーチャルツアー
Chaos Cloud を使って、サードパーティのツールなしで、没入感のあるパノラマ バーチャル ツアーを作成できるようになりました。
バーチャル ツアーはすばやく簡単に設定でき、クライアントが現場を探検したり、ウェブサイトに埋め込むこともできます。さらに、間取り図を追加したり、ホットスポットやトランジションをパーソナライズしたり、コンテクストの詳細やデザイン要素を追加したりして、ツアーをカスタマイズすることも可能です。
OpenPBRのサポート
新しいOpenPBR規格のサポートにより、アプリケーション間で一貫したシェーディングを実現できるようになりました。V-Ray MaterialにOpenPBRモードが追加され、OpenPBR規格で作成されたマテリアルをV-Rayでシームレスにインポートして使用できます。
この機能により、互換性のあるレンダラーやアプリケーションを切り替える際の手動調整の必要性が減り、制作効率を向上させることができます。
ライティングの強化

V-Ray Luminaires
V-Ray Luminairesのサポートにより、増え続ける Chaos Cosmos ライブラリで利用可能な照明器具アセットを使用して、高速かつ正確にシーンを構築できるようになりました。

V-Ray Sun & Sky の改良
海上の薄明かりをサポートするように改良されたPRGスカイモデルで、最大数キロメートルに及ぶさまざまな観測高度で空をレンダリングし、濁度(turbidity)レベルを微調整することで、シーンの精度とコントロールを向上できるようになりました。
GPUレンダリングの強化
コースティクスとコースティクスレンダーエレメントのサポート
V-Ray GPUがコースティクス(Caustics)をサポートし、プロダクションとインタラクティブレンダリングの両方でリアルな反射と屈折が可能になりました。
GPUハードウェア用に最適化された新しいフォトンマッピングベースのコースティクスソルバーにより、CPUレンダリングと比較して大幅に高速化されました。
さらに、新しいコースティクス・レンダリング・エレメント(Caustics Render Element)は、ポストプロダクションでの微調整のための高度なコントロールを提供します。

その他の改善
■最初のピクセルまでの時間が短縮
散乱やテクスチャを多用するシーンのレンダリングにおける最適化により、最初のピクセルまでの時間が短縮され、より優れたインタラクティブな最終レンダリングが可能になりました。
さらに、GPUへのシーンデータのアップロードとジオメトリのコンパイルも高速化のために最適化されています。
■アウトオブコアテクスチャ
テクスチャを多用するシーンのレンダリングのメモリ効率が大幅に向上しました。テクスチャにシステムメモリを使用することで、パフォーマンスにほとんど影響を与えずにGPUメモリの使用量を大幅に削減できるようになりました。
これは、アウトオブコアテクスチャの新しい実装で、シェーディングのクオリティを犠牲にすることなく、シーンにディテールを追加できます。
■MacBookで最大3倍高速
新しいMetalサポートにより、Apple M4プロセッサのGPU側とCPU側の両方を使用する場合のレンダリングパフォーマンスが3倍になり、M3プロセッサではパフォーマンスが2倍になりました。
VFBの強化
- カスタム形状のレンダー領域
- ビネットレイヤー
- カラー補正プリセット

VFBに任意の形状で複数のエリアを設定することができるようになり、不要な再レンダリングを行わずに、シーンの特定の部分を改良してレンダリングできるようになりました。

VFBに新しく柔軟性の高いビネット(vignette)レイヤーが追加され、形状をカスタマイズしてレンダリングにビネットカメラエフェクトを簡単に適用できるようになりました。

VFBの新しいカラー補正プリセットを使って、レンダリングのさまざまなルックをすばやく確認できるようになりました。好みのムードやスタイルを選択したら、選択したプリセットを簡単にカスタマイズして調整することができます。
その他の改善
ホタル除去
新しいアルゴリズムにより、レンダリング中にホタルと呼ばれる明るすぎるピクセルが自動的に検出され、除去さ れるようになりました。シームレスに動作するため、最終画像の生成に必要な時間が短縮され、必要なのはワンクリックだけです。さらに、全体的なレンダリング速度も向上します。

Cosmosアセットバリアントのサポート
Chaos Cosmosライブラリの多くの3D植生アセットに、夏や秋の葉など季節のオプションが追加されました。成長段階や人物などの追加アセットタイプを含む、より多くのバリエーションが今後も公開予定とのことです。

スキャッターの多いシーンのエクスポート高速化
Chaos CloudやV-Rayレンダーファームに提出する際、スキャッタの多いシーンのエクスポートが高速化されました。新しいV-Ray Standalone Scatter Pluginにはスキャッター設定のみがエクスポートされるようになったため、.vrsceneのサイズが縮小され、エクスポートが高速化されました。

エッジトリミング
エッジをトリミングして、スキャッタ領域をさらに細かくコントロールできるようになりました。散乱した要素が設定された境界線に完全に収まるようになるので、細かく定義された領域への配置が簡単になります。
価格とシステム要件
V-Ray 7 for Cinema4D は、Windows 10、11、Apple macOS X 10.14以降で動作する、Cinema4D R21-2025で利用できます。
詳しいシステム要件はこちらから
V-Ray Solo ライセンスの価格は、12,200円/月、74,400円/年または223,200円/3年となります。
※ライセンスにはCinema4D用を含むすべての統合プラグインが含まれています。
また、V-Ray for Cinema4D は、Chaosのすべての製品が含まれたV-Ray Premiumの一部としても利用できます。
その他ライセンスの価格や詳細の確認はこちらから
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