2024年4月25日(現地時間)- Dimension 5 は、建築ビジュアライゼーション向けリアルタイムレンダリングツールの最新アップデート D5 Render 2.7 をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、D5 GIのアップグレード、D5スキャッター、AI Ultra HDテクスチャー、高速化、芝生の最適化といった新機能の追加と改善が行われています。
AI機能
Ultra HDテクスチャ
AI Super Resolution が統合され、超高精細テクスチャの作成が可能となりました。新しいUltra HD Texture機能は、テクスチャの解像度を4Kまでアップグレードし、低解像度テクスチャのノイズや不完全さを低減しながら、高周波数テクスチャのディテールを保持することができます。
AIセクションのベースカラーマップスロットの近くに「Ultra HD Texture」が追加されています。Ultra HD Textureは自動的にSuper Resolutionを有効にしてテクスチャの周辺を4倍にし、プレビュー用にモデル表面に適用します。Confirmボタンをクリックすると、テクスチャが確定され、Cancelボタンをクリックすると、操作が取り消されます。
シームレス化
ベースカラーマップスロットの近くのAIセクションに「Make Seamless」が追加され、ベースカラーマップテクスチャ間の継ぎ目を取り除き、一貫性のある自然なエフェクトを実現できるようになりました。
縦方向または横方向の継ぎ目の除去に対応し、望みどおりの効果が得られます。プレビュー後に元に戻すこともできます。
Text to 3D (ベータ版)
テキストから3Dを生成することができるようになりました。テキストからリアル/カートゥーン/ローポリスタイルの 3D アセットを 1 分で生成ですることが可能です。
この機能は現在ベータテスト中です。試すには、無料トライアルをお申し込み、クレジットを入手する必要があります。
その他
- AI Atmosphere Matchのアップグレード:AI Atmosphere Matchアルゴリズムが最適化され、ローカルおよびグローバルマッチング機能が向上し、より正確な結果が得られるようになりました。環境とエフェクトのパラメータを微調整して、希望通りの結果を得ることができます。さらに、インテリアシーンのAI Atmosphere Matchに対応しました。
- 最適化されたD5 SR出力効果:植物エフェクトとマテリアルディテールがD5 SR画像レンダリング用に最適化されました。
レンダリング
D5 GIのアップグレード
D5 GI(グローバルイルミネーション)とリフレクションアルゴリズムがアップグレードされ、ディフューズとリフレクションの精度が向上しました。
スポットライト、プロジェクター、ステージライトからのGIの明るさと色の精度を向上。エリアライトの減衰がGIに正しく影響するようになりました。さらに、ビデオレンダリングのマテリアルが、影のソフトエッジを正しく反映するようになりました。
レンダリング速度の高速化
レンダリング速度(画像とビデオ)が大幅に高速化しました。 反射やマテリアルの多いシーンでは、アニメーションレンダリングが最大100%以上高速化され、全体的には最大45%向上しています。
また、AMDとIntelのグラフィックカードの使用効率が最適化され、1秒あたりのフレーム数(FPS)が60%以上向上しました。
草の最適化
より優れた散乱アルゴリズムで草が最適化され、モデルのエッジに正確に配置されるようになりました。既存の草のマテリアルは最適化され、より明るい色と、上空から見たときの密度の高い見た目を実現しています。
さらに、 Fine Fescue、White Clover、Bermuda Grassという3つの新しいテンプレートが追加されました。
その他
- 光源効率の最適化:マルチライトシーンの効率が最適化され、光源の上限が4倍の4096に増加。
- マルチメディアマテリアルに「Affect Transparent ID」機能が追加:Multimedia (マルチメディア)] > [Transparency (透明)] に「Affect Transparent ID (透明IDを反映)」が追加されました。透明映像を透明チャンネルマップに表示するかどうかを制御し、後処理を容易にします。
- 画像レンダリングのためのカラー透明チャンネルマップ:異なる名前の透明マテリアルを区別するのに便利な、Colored transparent mapsが追加されました。
- DLSSフレーム生成:Menu > Frame GenerationにDLSSフレーム生成が追加されました。※GeForce RTX 40シリーズGPUのみがDLSSフレーム生成に対応しています。System > Settings > Display > Graphics settings “で “Hardware-accelerated GPU scheduling “をオンにすることができます。
- より高品質なバーチャルリアリティ:バーチャルリアリティ(VR)のレンダリングアルゴリズムが最適化され、よりリアルなライティングを提供し、ビューポートのノイズが除去されます。
機能と最適化
D5 Scatter
プロシージャルコンテンツ生成(PCG)スキャッターツールであるD5 Scatterが追加され、シーンに大量の植物を素早く生成して散布することができるようになりました。
この機能は、トップメニューバーの’Add Scatter’(ショートカットキー:X)にあります。主な機能は以下の通りです。
- 使用手順:
- マテリアルまたはモデルを選択してスキャッターエリアを作成。
- ショートカットキー ‘X’ を押すと、’Select Model’ と ‘Select Material’ が切り替わります。
- ショートカットキー’Ctrl’を押すと、スキャッターエリアの縮小/追加と複数選択ができます。
- ‘Create’をクリックしてスキャッターエリアを確定します。
- 散布領域に参照点を追加し、その半径内で植生の生成と散布をコントロールできます。アイコンをクリックすることで、参照点の表示/非表示を切り替えることができます。
- 参照点の量は、選択されたオブジェクトのサイズに基づいて自動的に計算されます。モデルが大きいほど、点間隔が大きくなります。
- シーンリストで、フォーカス、ロック、非表示、名前の変更、削除など、散在アセットの個別管理をサポート 。
■スキャッターエリアの管理
- スキャッターエリアはデフォルトで全体として作成されます。さらに複数のサブエリアに分割して、異なるエリア内に異なるモデルを散布することができます。各エリアは、より良い植生効果を得るために、個別のカスタムパラメータをサポートしています。
- プリセットまたはカスタムカラーマップに基づいてサブエリアを作成するには、’ Divide’ > ‘Image Divide’ をクリックします。各エリア内の基準点は、チェックに便利なように異なる色が表示されます。
- サブエリアを右クリックして名前を変更できます。選択したサブエリアはビューポートでハイライトされます。
■カスタムモデルの散布またはテンプレート
- D5 Asset Libraryからのアセットの散布、または散布テンプレートの使用ができます。
- Assets をクリックすると、Natureカテゴリからモデルを散布でき、各散布エリアで最大15種類までサポートします。
- D5アセットライブラリに2種類のスキャッターテンプレートを含むスキャッターライブラリが追加されました。アセットとエリア情報の両方を含む「Global Preset」と、アセット情報のみを含む「content preset」があります。
■カスタマイズ可能なポスト編集パラメータ: 密度、サイズ、タイプなど
- スキャッターエリアに追加されたすべてのアセットは、サムネイル、名前、比率とともにコンテンツ列にリストされます。各アセットは置換、非表示、削除が可能で、以下の4つのパラメータにも対応しています。
- Scale :モデルのサイズ。
- Rate:指定領域内のオブジェクトの数。このパラメータはモデルの出現頻度を決定します。値が高いほどモデルが密集して出現します。
- Up Direction: 個々の植物の成長方向を指定します。
- Collision Volume: 衝突半径とモデルの半径の比率です。
■ライトタイプスイッチと方向制御
パラメータとキーフレーム情報を保持したまま、ライト・タイプを別のものに直接切り替えることができるようになりました。さらに、既存のパラメータパネルと3軸ギズモに加え、ライトの向きを調整しやすくするための延長線とコントロールポイントを追加されました。
- ターゲットポイントを移動すると、光源方向が画面ビュー空間に基づいてマウスのドラッグ方向に追従し、マウス光線によって到達するメッシュ面があれば、その面にアタッチされます。ターゲットポイントが移動すると、それに応じて右サイドバーの位置と回転パラメータが変更されます。
- 複数のライトが選択されている場合、最後に選択されたライトの方向ポイントのみが表示され、ターゲット方向ポイントを移動すると、選択されているすべてのライトが変更されます。
■ 新しいカメラムーブメントテンプレート
Spiral Pan、Twist Flyover、Back&Flipといったカメラ移動用の新しいテンプレートが追加されました。
その他
- 3DConnexionのSpaceMouseサポート(ベータ版):3DConnexion SpaceMouseデバイスをサポートし、3D空間でのナビゲーションとコントロールがよりスムーズに。
- 最適化された視点ナビゲーションの最適化:オービットモード、回転速度、速度変化が最適化されました。また、衝突検出バウンディングボックスのアルゴリズムを採用することで、ウォークモードで狭いスペースに落ちる可能性が低下しました。
- 最適化されたウィンドウスケーリング:ウィンドウを画面の上部にドラッグするとウィンドウが自動的に最大化されるようになりました。
- レンダーキューの最適化:
- 完了したすべてのタスクを確認するための履歴ページを追加。
- Rendered” ページのフィルターシステムがアップグレードされ、 All States(すべての状態)、Rendered(レンダリング済み)、Unrendered(未レンダリング)の3つのフィルターがサポートされました。
- ‘Newest first’ と ‘Oldest first’の2つの表示順序が追加されました 。
- フォーマットやチャンネルマップなど、レンダーキュー内のレンダリングパラメータの一括変更に対応。同じタイプのレンダリングタスクをフィルタリングした後、それらのパラメータを一括で調整できます。
- ファイル命名ルールが最適化され、カスタム接頭辞を追加できるようになり、ファイル管理が容易になりました。
- CMDインストールオプションの追加:IT管理者がスクリプトを使用して自動的に展開および設定できるようになりました。
- ロードとアーカイブの効率向上:データ構造とアルゴリズムが最適化され、シーンファイルのモデルとテクスチャをロードする際の処理速度と安定性が向上しました。
- ウェルカムページにチュートリアルが追加:概要チュートリアル、ヒント、初心者チュートリアルなどを含む、継続的な更新を伴う新しいチュートリアルセクションがExploreページに追加されました。
- スペイン語オプションを追加:Preference’ > ‘Language’でスペイン語のUIを有効にすることができます。
- D5 Render内でD5 for Eduの申請ができるようになりました。
ワークフロー
ライト交換とマテリアル更新オプションの最適化
モデルを置き換える際のライト/マテリアルの継承ロジックが最適化されました。
以前のバージョンでは、マテリアルの継承はサポートされていましたが、ライトの継承はサポートされていませんでした。しかし、新バージョンでは、ライトとマテリアルのプロパティを継承するかどうかを選択できるようになりました。同じIDのオブジェクトを継承して置き換えた場合、パラメータ、グループ構造、位置など、以前のIDのライトのすべての情報が継承されます。このオプションはデフォルトでオンになっています。マテリアルにチェックが入っていない場合、マテリアルは継承されません。ライトにチェックが入っていない場合、新しいライトグループオブジェクトを作成する必要があります。
また、livesyncプラグインで置き換える.drsファイルとモデルを選択する際のUIが最適化されました。
その他
- 3ds Maxのリアルタイム同期の最適化:光源のライブ同期をサポートし、ライティング同期ロジックが最適化されました。
- D5 LiveSync for 3ds Maxで3ds Max 2025バージョンをサポート
- D5 LiveSync for SketchupでSketchup 2024バージョンをサポート
アセットライブラリ
ローカルライブラリの分類と検索機能の追加
ローカルライブラリのカスタム分類に対応し、好みに応じてアセットを整理できるようになりました。最大3レベルのカテゴリーをサポートし、ローカルライブラリの検索機能は、オンラインライブラリと統一されました。
D5アセットライブラリの分類と検索の最適化
- 最適化されたモデル分類:3 レベルの分類をサポートします。
- タグによる検索:検索バーにキーワードを入力し、検索結果からタグを選択すると、選択したタグの内容のみが表示されるようになりました。検索バーにキーワードを入力して直接Enterキーを押すと、該当するタグの内容がすべて表示されます。
- カテゴリ名で検索:検索バーにカテゴリー名を入力し、「[○○]カテゴリーへ」をクリックすると、そのカテゴリーに直接ジャンプします。
- 検索マッチの最適化:入力テキストの前後のスペースを自動的に削除し、テキストとシリアル番号の間のスペースをクエリに不要な要件とするFuzzy match(曖昧一致)が追加されました。
新しいアセットの追加
このリリースでは以下の新しいアセットが追加されました。
■新しいローポリアセット
キャラクター、植物、乗り物の3種類の新しいローポリアセットが追加されました。
■新しいグループ化されたキャラクター
Character カテゴリの下に新しいサブカテゴリ “Grouped Character “に、133種類のグループ化されたキャラクターモデルが追加されました。
■新しい歩行キャラクター
D5アセットライブラリー内のアニメーションモデルをさらに充実させるため、「Business」と「Casual」の2タイプ、19種類のウォーキングキャラクターモデルが追加されました。
■新しいボリューメトリックライティング
Particle” > “Smoke “にVolumetric Lightingアセットが追加され、”Environment” > “Fog “で “Volume Light “機能を有効にした後に使用できるようになりました。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
D5 Render は、DXRをサポートするWindows v1809以降で利用できます。少なくともNVIDIA GeForce GTX 1060 6GBが必要となります。より詳しいシステム要件やビデオカードでのパフォーマンス比較の確認はこちらから
価格は、Proライセンスが38ドル/月または360ドル/年 、2名以上のチーム向けライセンスが75ドル/月または708ドル/年です。 無料のCommunityライセンスも用意されており、ウィジェットやクラウドベースアセットライブラリへのアクセスが制限されますが、無料で使用できます。
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