Blender 3.6 LTS が正式リリース!シミュレーションノード、UVパッキング、 パフォーマンス改善など

CGソフト

2023年6月27日(現地時間)- Blender Foundation とオンライン開発者コミュニティは、Blender 3.6 LTS のリリースを発表しました。Blender 3.6 LTSのLTSは “long-term support “の略で、最大2年間、2025年6月まで修正されます。

新機能ハイライト

このリリースでは、シミュレーションノードの導入、UVパッキングの改善、 パフォーマンス改善などが行われています。

ジオメトリノード

シミュレーションノード

ジオメトリノードにシミュレーションの初期サポートが追加されました。

シミュレーション ゾーン

シミュレーションは、シミュレーション入力と出力をつなぐ “シミュレーションゾーン “によって定義されます。シミュレーション ゾーンを使用すると、1 つのフレームの結果が次のフレームに影響を与えることができるようになります。これにより、単純なルールのセットであっても、時間の経過とともに複雑な結果を生み出すことが可能となります。最も一般的なタイプは、物理現象に特化したソルバーを備えた物理シミュレーションです。

 

Simulation Input

 

最初のフレームでは、シミュレーション入力ノードの入力が評価されます。

それ以降のフレームでは入力は評価されず、ノードは前のフレームの結果を出力します。

 

Simulation Output

 

シミュレーション出力ノードは次のフレームの状態を保存します。

ベイクとキャッシュ

シミュレーション結果をキャッシュしたり、ストレージにベイクすることができます。これは、Propertiesエディタのphysicsタブにある新しい “Simulation Nodes “パネルでコントロールすることが可能です。

ベイクまたはキャッシュされた結果は、他のタイプのキャッシュとともにタイムラインエディタで視覚化できます。

デモファイル

シミュレーションノードを使用したデモファイルが公開されています。以下の画像のリンクからダウンロードすることができます。

 

 

また、コミュニティはすでに以下の作品をシミュレーションノードを使用して作成しています。

 

#Geometry Nodes on Twitter

 

シミュレーションノードのマニュアルはこちらから

その他のジオメトリノードのアップデート

  • 新しい Index of Nearest ノード:Index of Nearestノードは、同じジオメトリ内の他の近い要素を見つける方法です。必要であれば、Group IDを使用して、一緒に解析する隣接グループを決定することができます。これはSample Nearest Nodeノードの代替で、主な違いは、フィールドコンテキストからのジオメトリが使用されるため、このノードはジオメトリ入力を必要としないことです。

CYCLES

高速同期

Cyclesへの大きなジオメトリのロードが大幅に高速化され、ジオメトリの変更やレンダリングビューへの切り替え後にレンダリングをより迅速に開始できるようになりました。

  • メッシュ属性のコピーが最大60倍高速化。
  • カーブオブジェクトの読み込みが10倍高速化。
  • ポイントクラウドの読み込みが9倍高速化。
  • 大きなメッシュの読み込みが 4-6 倍高速化

ライトツリーが高速化

Blender 3.5 で導入されたライトツリー機能が、マルチスレッドインスタンス化のサポートによって、より高速になりました。

  • マルチスレッドにより、ライトツリー構築が最大11倍高速化。
  • 多数のインスタンスがあるシーンでのライトツリー構築が最大190倍高速化。

ハードウェアレイトレーシング

AMDおよびIntelグラフィックスカード用のハードウェアレイトレーシングアクセラレーションのサポートが追加されました。

●AMD

HIP RT を使用した AMD ハードウェア レイ トレーシング アクセラレーションが実験的にサポートされました。

既知の制限:

  • HIP RTはまだLinuxをサポートしていないため、Windowsのみ。
  • 縮退三角形はクラッシュやパフォーマンス低下を引き起こす可能性があります。
  • 髪の毛の影が正確にレンダリングされない。
  • Blender 3.6 用ドライババージョン 22.40.51.06 と、環境設定 > システム で HIP RT を有効にする必要があります。

●IntelEmbree 4

を使用した、インテル® Arc™ および Data Center GPU 用のハードウェアレーシングアクセラレーションがサポートされました。

既知の制限:

oneAPIデバイスで初めて使用する場合、アンビエントオクルージョンとベベルノードはGPUバイナリの再コンパイルをトリガーし、約9GBのメモリを使用し、数分かかります。これは将来の GPU ドライバで改善されるかもしれません。

その他のCyclesのアップデート

UV編集

新しいUVパッキングエンジンにより、UVアイランドのパッキングが大幅に改善されました。

大きなメッシュでのパフォーマンスが劇的に向上し、正方形以外のマテリアルのサポートも改善されました。多くの実際のケースで、レイアウトの効率も向上しています。

 

シェイプシフト

 

UV パッキングの最終形状を Exact Shape (Concave)、Convex Hull、Bounding Box から選択し、ジオメトリに応じて利用可能なスペースを使ったレイアウトができます。

 

より良い結合

 

新しいMerge Overlappedオプションは、UVパッキング中に重なり合ったアイランドをくっつけます。

 

バウンディング体験

 

Pack To > Original Bounding Boxにより、選択範囲の元のバウンディングボックスにアイランドを戻すことができます。

マニュアルを見る

その他のUV編集のアップデート

アセットライブラリ

Blender StudioとBlenderコミュニティは、スカルプト、アニメーション、テクスチャリングなどにすぐに使える人体ベースメッシュを集めたアセットバンドルを作成しました。

特徴

  • リアルなアセットのためのマルチ解像度レベル
  • マルチ解像度スカルプト用のクアッドトポロジー
  • UVマップ(UDIMを含む)
  • 平面アセット用のクリーズエッジとSubdivモディファイア
  • ボクセルリメッシュのためのクローズドボリューム
  • フェイスセット

バンドルをダウンロードしてアセットライブラリに追加し、アセットブラウザからシーンにドラッグ&ドロップして使用することができます。

アセットをダウンロード

アニメーション

Parent Space Transform

新しいスペース・トランスフォームは、親の座標を使って子オブジェクトを動かすことができます。

その他のアニメーションの新機能

その他のアップデート

ライブラリのオーバーライド
ビューポートコンポジター

 

さらに、何百ものバグ修正、コードのクリーンアップ、リファクタリングにより、Blenderはより安定し、貢献しやすくなりました

Blender の開発をサポート

リリースは開発基金(Development Fund)のメンバーのおかげで行われています。6ドル/月からBlenderの開発をサポートすることができます。

開発基金への参加はこちらから

ダウンロードはこちらから

Blender の最新版のダウンロードはこちらから


Blender ウェブサイトへ

CREDITS

List of developers that contributed to Blender 3.6 LTS

Splash artwork by Blender Studio

Features recap video by Jonathan Lampel from CG Cookie. Features reel video edited by Haru Legouge. Simulation Nodes video and demos by Simon Thommes. Jiggly Pudding simulation by Mingwei Lim. Index of Nearest simulation by Sean Christofferson. Assets bundle video by Julien Kaspar. Page layout and design by Pablo Vazquez. Additional help by Blender StudioBlender Institute and the Blender community.

Huge thanks to everyone involved ❤️

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