Adobe の 動画制作アプリ Premiere Pro と After Effects の最新アップデート(2022年8月リリース)情報の紹介です。
Premiere Pro 22.6.2
2022年9月14日(現地時間)- Adobeは、映画やTV、Web向けの動画編集ソフトウェアの最新アップデート Premiere Pro 22.6.2(2022年8月リリース) をリリースしました。
新機能ハイライト
今回のPremiere Proのアップデートでは、グラフィックスとタイトルのワークフローにおける安定性の向上とユーザーからの要望による改良、オーディオダッキングのための調整可能なフェード、GPUアクセラレーションによるエフェクトの追加が行われています。
タイトルをより細かくマスキングするコントロール
背景画像やテクスチャを使用したタイトルのデザインを制御しやすくなりました。
Premiere Pro では、これまでもテキストおよびシェイプレイヤーをマスクとして使用できましたが、新しい「マスクのみ塗りつぶし」オプションにより、ストロークやシャドウに影響を与えることなく、テキストやシェイプの塗りつぶし領域にマスクを適用することができるようになりました。
テキストとシェイプのコンテキストメニュー
テキストレイヤーまたはシェイプレイヤーを右クリックして表示される「プロパティの編集」を選択すると、グラフィックパネルを開くことができるようになりました。ここでは、フォント、カラー、配置などをカスタマイズできます。
「グラフィック」タブでタイトルをテキストファイルとして書き出し
テキストパネルでは、シーケンス内のすべてのタイトルを、共有および校正用のテキストファイルとして書き出せるようになりました。
オーディオダッキング用の調整可能なフェード
「自動ダッキング」は、 ダイアログがある場合に、サウンドトラックや背景オーディオの音量を下げて聞き取りやすくする機能です。新しい「フェード位置」スライダーを使用すると、より簡単に、より速く、必要な結果が得られるようになります。
自動ダッキングでは、Adobe Sensei AI を使用して、ダイアログまたはボイスオーバーの背景オーディオを自動的に調整します。新しい「フェード位置」スライダーを使用すると、ダッキングが発生するタイミングをフォアグラウンドオーディオに対して相対的に選択できます。
GPU アクセラレーションエフェクト
GPU アクセラレーションを使用すると、ビデオの編集や完成したビデオの書き出しの際に、エフェクトのパフォーマンスが向上します。Premiere Pro のほぼすべてエフェクトは、 GPU アクセラレーションが利用されており、このリリースでは、さらに 2 つのエフェクトに対するアクセラレーションが追加されています。
- 「アンシャープマスク」を使用すると、選択した画像領域にシャープを適用できます。
- 「ポスタリゼーション時間」を使用すると、ビデオのルックアンドフィールをスタイライズするためにビデオのフレームレートを手動で調整できます。例えば、1 秒あたり 60 フレームを 24 fps に減らしてより映画のような雰囲気にしたり、12 fps に減らしてストップモーション効果を作成したりできます。
GPU ダイアログの初期化
新規インストールまたはドライバーのアップデート後の最初の起動時には、Premiere Pro で GPU を初期化する必要があります。これを行うと、新しい進行状況バーが表示されます。
その他より詳しい更新情報はこちらから
After Effects 22.6
2022年8月25日(現地時間) – Adobeは、モーショングラフィックスとVFXソフトウェアの最新アップデート After Effects 22.6(2022年8月リリース) をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、機能リクエストの要望が多かった機能のひとつキーフレームのカラーラベルが追加されてます。
キーフレームのカラーラベル
コンポジション内のキーフレームにカラーを割り当てられるようになりました。タイムラインで視覚的に分離されたキーフレームを使用すると、アニメーションの重要なコンポーネントの整理、識別、検索が迅速かつ簡単になります。同じカラーグループのキーフレームをすばやく選択することも可能です。
また、キーフレームを選択したときにも、キーフレームのラベルカラーを確認できます。更新されたキーフレーム選択のハイライトにより、選択したキーフレームに青色のアウトラインが表示され、割り当てたラベルの色を確認することが可能です。
また、After Effects では、安定性とパフォーマンスに関するいくつかの修正が提供されています。 修正済みの問題の完全なリストについては、修正済みの問題を参照してください。
現在ベータ版で提供中の機能
このリリースでは、プロパティパネル(ベータ版)、選択可能なトラックマットレイヤー(ベータ版)、ネイティブの H.264 エンコード(ベータ版)、更新されたアニメーションおよびコンポジションプリセット(ベータ版)が含まれています。
■プロパティパネル
プロパティパネルを使用して、タイムライン内の選択したレイヤーの重要なプロパティにすばやくアクセスすることができます。これにより、複数のレイヤー階層を開いたり、別のパネルを開く必要がなくなり、ワークフローを高速化するレイヤーおよびオブジェクトプロパティのアクセシビリティが向上します。
現在のベータ版ビルドには、シェイプレイヤーのプロパティパネル機能が備わっており、パネルには、選択したシェイプレイヤーのレイヤーの変形、レイヤーの内容、シェイプのプロパティおよびシェイプの変形が表示されます。
■選択可能なトラックマットレイヤー
タイムラインパネルの新規「トラックマット」ドロップダウンメニューを使用して、任意のレイヤーをトラックマットとして使用することで、コンポジションをより簡単に、柔軟に行うことができるようになりました。
これにより、ターゲットレイヤーの上にマットを配置する必要がなくなります。コンポジション内のレイヤーは、レイヤースタック内の場所に関係なく、他のレイヤーのトラックマットソースとして使用できます。複数のレイヤーすべて、 1 つのマット用レイヤーを参照させることも可能です。。
また、マットレイヤーのアルファチャンネルまたはルミナンスチャンネルを使用して、必要に応じて反転することも可できます。
■ネイティブの H.264 エンコード
出力モジュール設定のオプションとして H.264 を使用すると、After Effects レンダーキューから直接 H.264 をエンコードできるようになりました。
この統合は、Adobe Media Encoder(AME)のUIとAMEのバックエンドエンコーディングシステムを使用しており、すべてAfter Effectsから離れることなく行うことができます。
H.264の書き出しは、ハードウェアエンコードモードとソフトウェアエンコードモードの両方をサポート、AMEやPremiere Proと同様に、After EffectsのH.264書き出しも高速化されています。
■更新されたアニメーションおよびコンポジションプリセット
・アニメーションプリセット
After Effects コミュニティによって作成された 50 以上の新しいアニメーション プリセットを入手できます。最新のモーションデザイン ワークフロー用に設計されたこれらのプリセットを使用すると、よく使うテクニックをゼロから始める必要がなくなり、すばやくアニメーションを作成できます。
・コンポジションプリセット
コンポジションプリセットリストが見直され、より一般的に使用されるプリセットの検索が容易になりました。プリセットには、ソーシャルメディア出力用のサイズも含まれています。
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価格とシステム要件
Premiere Pro
Premiere Pro 22.6は、Windows 10(64 ビット)1909 以降、macOS v10.15(Catalina)以降で利用できます。より詳しいシステム要件はこちらから
Premiere Proの単体プランは
- 年間プラン, (月々払い) — 2,728 円/月(税込)
- 年間プラン, (一括払い) — 28,776 円/年(税込)
- 月々プラン — 3,828 円/月(税込)
となります。
After Effects
After Effects 22.6は、Windows 10(64 ビット)日本語版バージョン 1909 以降、macOS のバージョン10.15、または macOS Big Sur(11.*)、macOS Monterey(12.*)で利用できます。Apple シリコンコンピュータを使用の際は以下リンクもご参考に。
より詳しいシステム要件はこちらから
After Effectsの単体プランは
- 年間プラン, (月々払い) — 2,728 円/月(税込)
- 年間プラン, (一括払い) — 28,776 円/年(税込)
- 月々プラン — 3,828 円/月(税込)
となります。
また、Premiere Pro、After Effectsともに6,248 円/月 (税込)Creative Cloudコンプリートプランの一部としても利用できます。
詳しい価格はこちらから
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