2022年5月4日(現地時間)- Marmosetは、リアルタイムレンダリング、テクスチャリング、ベーキングツールの最新アップデート Toolbag 4.04 をリリースしました。
新機能ハイライト
このアップデートでは、よりリアルなレンダリングを撮影するために、物理的なカメラの品質をエミュレートすることに重点が置かれています。
他にも、DirectX 12への更新による品質とパフォーマンスの向上、レイトレーシングによる被写界深度やモーションブラー、ポストエフェクトのグレイン、レンズフレア、シャドウキャッチャー、アドバンストライトサンプリングなどの強化や自動保存機能の追加などが行われています。
DirectX 12への移行
レンダリングバックエンドが最新のAPIであるDirectX 12にアップデートされ、レイトレーシングの品質と全体的なパフォーマンスが向上がしました。
特に、AMD Radeon RXカードのユーザーは、ハードウェアアクセラレーションによるレイトレーシングにアクセスできるようになり、大幅にパフォーマンスが向上しています。また、Toolbag の加速されたレンダリングバックエンドによるレンダリング性能とメモリ使用量は、NVIDIAとAMDの両方のGPUで改善されています。
物理カメラエフェクト
■レイトレースされた被写界深度
カメラオブジェクトの被写界深度(Depth of Field)が更新され、既存のポストエフェクトバージョンに加え、レイトレース被写界深度が追加されました。
レイトレース被写界深度(Ray-traced DoF)は、被写体とアウトオブフォーカスエリアの間の遷移がより自然で、透明なマテリアルや屈折するマテリアルに対してより良い結果をもたらします。
■新しいDoFフォーカスツール
35mmフィルムカメラのような絞り(F値)設定で、被写界深度を調整できるようになりました。新しいフォーカスツールを使えば、どんなメッシュでも焦点位置を設定できます。Ctrl+LMBで絞りやブラーの量を調整し、クリック&ドラッグで焦点位置を設定できます。
■モーションブラー
新しいモーション・ブラーを使って、アニメーションやターンテーブルの自然な動きを表現できます。シャッタースピードダイヤルを下げると大げさな動きになり、上げると速いアクションのシーケンスになります。
■レンズフレアの更新
レンズフレア効果が更新され、光と現実のレンズの相互作用を正確に再現できるようになりました。レンズフレアの強さは光源ごとに調整でき、カメラオブジェクトのプロパティでさらに多くのフレア設定を確認できます。
■グレインエフェクトの更新
グレインエフェクトが更新され、ポストエフェクトのグレインがフレームごとにランダム化されるようになりました。ビデオレンダリングに重要なダイナミックで有機的な結果を生み出すのに役立ちます。
フィルムとデジタルの2種類のグレインスタイルを選択でき、効果の粗さを調整できます。汚れは、レンダリングにランダムな傷や汚れを配置し、密度とスケールを調整することで、さらに興味深いレイヤーを追加できます。
レンダリングの改善点
■改良されたシャドウキャッチャー
シャドウキャッチャーのコントロールが拡張され、被写体をより説得力のある形でシーンに配置できるようになりました。間接シャドウモード(レイトレーシングがオン)では、シャドウキャッチャーが反射や跳ね返された照明をキャッチすることができます。また、任意のメッシュオブジェクトで動作し、任意のメッシュをシャドウキャッチャーオブジェクトにドラッグすることができます。
■シャドウキャッチャーメッシュ
シャドウキャッチャーは、任意のメッシュをシャドウキャッチャーオブジェクトにドラッグするだけで、カスタムメッシュオブジェクトで動作するようになりました。この画像は、ペーブメントメッシュをシャドウキャッチャーオブジェクトの親にして、間接シャドウを有効にしたものです。
■高度なライトサンプリング
ライブラリの改善
Toolbag 4.04 のライブラリは、視覚的な合図が改善され、よりスムーズなユーザーエクスペリエンスを提供するようになりました。以下のよう改善があります。
- 複数のライブラリウィンドウを生成。
- 位置やフィルタリングなど、ライブラリUIへの変更が保存されます。
- アセットのサムネイルサイズが調整可能に。
- ダウンロードまたは更新できるアセットの新しいアイコン。
- アセットのダウンロード/更新ごとに進行状況バーが表示。
- ダウンロード可能なアセット/利用可能なアップデートを表示する新しいフィルターボタン。
- 現在のシーンで使用されているライブラリアセットをフィルタリング。
- 一度に選択した多くのアセットを色分け。
- 右クリックして各アセットのプロパティを表示。
- 長いアセット名が切り捨てられるようになりました。
自動保存機能
要望の多かったオートセーブ機能が導入されました。自動保存するディレクトリのファイルパスと最大サイズは、 Edit > Preferences で選択できます。シーンファイルと同じディレクトリにオートセーブを作成したい場合は、「Save Relative Scene」をチェックすることができます。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
永久ライセンスの価格は、Individualライセンスが299ドル、Studioライセンスが799ドルです。
サブスクリプションも利用可能で、Individual 14.99ドル/月、Studioライセンスは39.99ドル/月です。
Toolbag 4.04は、Toolbag 4の全ユーザーを対象とした無償アップデートとなります。ユーザーでない方は、30日間の無料トライアルが利用可能です。
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