2021年12月8日(現地時間)Autodeskは、ビジュアライゼーション、ゲーム、アニメーションのための3Dモデリングおよびレンダリングソフトウェア の最新アップデート 3ds Max 2022.3 をリリースしました。
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、パイプライン統合の機能強化、ファイル保存パフォーマンスの最適化、一般的なモデリング ツールの改善、さまざまなビューポートの強化などがが行われています。
スマート押し出し(Smart Extrude)の改善
[スマート押し出し](Smart Extrude)の部分的なオーバーラップのサポート機能が強化され、よりきれいなジオメトリ結果を得ることができるようになりました。スマート押し出しを使用して、同じメッシュ上の複数のエッジドボディをカットできるようになったほか、非平面的なクワッドポリゴンやNゴンポリゴンをきれいにカットスルーできるようになりました。これにより、複雑なモデリング操作をこれまで以上に簡単に行うことができます。
ビューポートごとのフィルタリング
シーンが複雑になると、ビューポートに大量のデータが表示されるため、シーン内のさまざまな種類のオブジェクトを識別することが困難になります。3ds Max に新しく追加されたビューポートごとのフィルタリングオプションでは、カテゴリとオブジェクトタイプでフィルタリングできるので、ビューポートに表示されるオブジェクトを簡単に制御することができます。フィルタリングされたオブジェクトは、ビューポートでの表示にのみ影響し、レンダリングには影響しません。
この機能はビューポート メニューまたは専用のアイコンから[ビューポートごとのフィルタリング](Per-Viewport Filtering)にアクセスできます。[Shift]+[K]を使用して、ビューポート フィルタのオン/オフを切り替えることもできます。
- ビューポート コントロールのビューポート フィルタリング アイコンを左クリックすると、ビューポート フィルタリングをオン/オフできます。
- ビューポート コントロールにあるビューポート フィルタリング アイコンを右クリックすると、ビューポートごとのフィルタリング ダイアログが表示され、ビューポートに表示される内容をカスタマイズすることができます。
- ビューポートフィルタメニューは、ビューポートの[表示]メニューにもあります。
オクルード選択(Occlude Selection)
編集可能ポリゴン(Editable Poly)およびポリゴンを編集(Edit Poly)モディファイアのポリゴン コンポーネントで、[オクルード選択](Occlude Selection)マーキー(ボックス)選択アクションを実行できるようになりました。
編集可能ポリまたはポリの編集モディファイアを使用している場合、オクルード選択フィルタは、エッジおよびフェース コンポーネント レベルで使用されている長方形、円、フェンスなどの領域選択を処理するようになりました。このオクルード選択フィルタの更新により、アクティブな選択範囲に可視コンポーネントデータを簡単に追加または削除できるようになります。
パイプライン統合
3ds Max のパイプライン統合機能が更新され、ソフトウェアの設定がより簡単になりました。プロジェクト設定、ユーザー設定、スクリプト、プラグインなど、独自に設定された環境を必要とするタスクをシームレスに切り替えることができます。
OSLのAdvanced Wood
[高度な木目](Advanced Wood) Open Shading Language (OSL)は、カエデ材、クルミ材、オーク材など、多くの一般的な木材タイプの正確な外観に合わせて設計されています。設定が簡単で、ビューポートや任意の OSL 互換レンダラーで美しく表示することができます。
また、Advanced Wood OSLは、3ds Max のテクスチャにベイク処理(Bake to Texture)機能を使用して、カスタムビットマップテクスチャにベイクすることもできます。
ファイル保存のパフォーマンス向上
以前の 3ds Max のアップデートで行われた作業に引き続き、シーンのファイル保存がさらに最適化され、ファイル保存のパフォーマンスがさらに 25% 向上しました。
Max to A アップデート
このアップデートはArnold 7にが含まれており、以下のような機能をサポートしています。
- Tonemap ImagerによるLUTSのサポート: Tonemap Imagerは、OCIOv2でサポートされている任意の形式でLUTファイルを適用できる「LUTモード」をサポートするようになりました。
- 公開されたイメージャフラグを無視する:イメージャを無視するオプションが[診断]タブに追加されました。
- Arnold Lights: Arnold Lightsに、最初のレンダリング結果を改善する新しいデフォルトが追加されました。スティッキー設定を使用すると、以前に作成したライトと同じ設定でライトを作成できます。
Arnold 7の詳しい情報は以下の記事で確認することができます。

また、MAXtoA プラグインの最新アップデート内容はこちらから確認することができます。
シンメトリーモディファイアの改善
シンメトリ(Symmetry)モディファイヤの結果の精度をさらに上げるために、3ds Max 2022.3 の[ミラーに沿ってスライス](Slice Along Mirror)オプションに新しい[スライス クリーンアップのしきい値](Slice Cleanup Threshold)スピナーが追加されました。
このしきい値を使用すると、シンメトリ処理が実行される前に、切断面に沿って互いに近接している頂点のクリーンアップを詳細にコントロールできます。
UVW アンラップ(Unwrap UVW)モディファイヤの改善
UVW アンラップ(Unwrap UVW)モディファイヤの Unfold3D ピール(Unfold3D Peel) アクションがリファインされ、UV の歪みが軽減されました。ポリタイプのオブジェクトに対してPeelアクションを実行する際、3ds MaxはUnwrap UVWモディファイアで追加のクリーンアップアクションを実行し、Unfold3Dアルゴリズムでピールを試みる前にデータが多様化するようにします。
また、自動化やツール開発を支援するためにMAXScriptにメソッドが公開されました。これにより、Unfold3D アルゴリズムでパッキング コマンドの操作が可能になり、自動化やツール開発で役立ちます。
面取りモディファイア
面取り(Chamfer)モディファイヤの影響を制限(Limit Affects)機能が更新され、非平面や非同心円の面取りエッジに対してより良い結果が得られるようになりました。
アニメーション
■選択範囲を表示(Show Selection Range):タイムスライダの[設定](Configure)において、[選択範囲を表示](Show Selection Range)が既定でオンになり、選択したキー セットの範囲を簡単な方法ですばやくスケールできるようになりました。
■ルックアット コンストレイントのビュー ラインの長さ(LookAt Contraints Viewline Length):複雑なリグを扱うアニメーターを支援するために、ルックアットコンストレイントの[ビューラインの長さの絶対値](Viewline Length Absolute)オプションが既定で「オフ」に設定され、[ビューラインの長さ](Viewline Length)も 0 に設定されました。 これにより、ビューポートの乱れが軽減され、より良いアニメーション体験を提供します。
ユーザビリティ
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
3dsMax2022.3は、64ビットWindows 10で利用することができます。より詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格はサブスクリプション形式で、36,300円/月(税込)、286,000円/年、772,200円/3年となっています。
また、条件にあてはまる方はIndieライセンスを購入することが可能です。こちらも少し値上がりして価格は42,900円/年となっています。より詳しい情報は以下の記事をご覧ください。

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