Blender Cycles X が AMD GPU をサポート(Beta)

CGソフト

2021年11月15日(現地時間)Blender Cycles のAMDグラフィックスカードのサポートについて新しい情報が公開されました。

Blender 3.0には、Cyclesレンダリングエンジン(別名Cycles X)が搭載されます。4月の以下の記事でも紹介していますが、Cycles Xへの移行に際して、技術的・性能的な理由から、AMD GPUでレンダリングするためのOpenCLサポートが削除されました。

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この問題に対処するため、AMDはBlenderと密接に協力し、AMD HIP APIを使ってBlenderのGPUレンダリングのサポートを改善しました。2021年12月に予定されているBlender 3.0では、AMDグラフィックスカードのユーザーがCycles Xで発見されたすべての機能強化を利用できるようになる予定です。

AMD HIP API

Blenderの物理ベースのパストレーサーであるCyclesの旧バージョンは、OpenCLフレームワークによるレンダリングをサポートしていました。OpenCLはC言語ベースのプログラミング言語で、これをサポートする多くのGPU上でプログラムを実行することができます。

しかし、Blenderのパートナーは、今後、独立したOpenCLのコードをC++のCPUやCUDAのレンダリングコードと統合したいと考えていました。要するに、Cycles Xでは、AMDグラフィックスカードを含む、Cyclesがレンダリングできるすべての異なるデバイスで使用できる単一のコードベースをコンパイルする方法を探していました。

AMDはそのための開発者向けオープンソースソリューションHIPを用意しています。HIP(Heterogeneous-computing Interface for Portability)は、C++ランタイムAPIとカーネル言語で、開発者が単一のソースコードからAMDとNVIDIAのGPU用のポータブルアプリケーションを作成できるようにするものです。これにより、Blender Cyclesの開発者は、1セットのレンダリングカーネルを書くことで複数のデバイスで実行することができ、CUDAモードで直接コーディングする場合のパフォーマンスへの影響はほとんどまたはまったくないとされています。

もう一つの利点としては、HIPを備えたツールによって、既存のCUDAコードからより汎用的なものへの移行が簡単になることです。

AMDはBlenderと密接に協力し、Blender 3.0でHIPデバイスのサポートを追加しており、このコードは最新のデイリーBlender 3.0ベータリリースですでに利用可能です。

Blender 3.0ベータ版での AMD GPUサポート

サポートされているAMDグラフィックスカードでCyclesを使用するには、更新されたAMD Radeon Softwareドライバが必要です。

AMDはこの度、最新のBlender 3.0ベータ版でのCycles Xのサポートを試してみたいユーザーのために、ベータ版のドライバをリリースしました。

ドライバとBlender 3.0は両方のベータリリースということで、Cycles Xサポートは現在プレビュー中となっています。Blender 3.0がリリースされる予定の12月には、より多くの情報が提供されるとのことです。

互換性について

Blender 3.0のCycles XはAMD RDNA™アーキテクチャのグラフィックカード以上で有効であり、以下のデスクトップ・グラフィックカードでAMDによりサポートが検証されています。

  • AMD Radeon™ PRO W6800
  • AMD Radeon™ 6900 XT
  • AMD Radeon™ 6800 XT
  • AMD Radeon™ 6800
  • AMD Radeon™ 6700 XT
  • AMD Radeon™ 6600 XT
  • AMD Radeon™ 6600

Next level support for AMD GPUs

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