2021年6月29日(現地時間)Pixar は、フィジカルベースレンダラーの最新アップデート RenderMan 24 のリリースを発表しました。
RenderMan 24 新機能ハイライト
このメジャーリリースでは、CPUとGPUのハイブリッドレンダラーであるRenderMan XPU、ノンフォトリアリスティックレンダリングのための新しいStylized Looks、Industrial Light & Magic社で開発された新しいレイヤードマテリアルシステムなどが追加されています。
RenderMan XPU
XPUは、CPUとGPUの両方を利用できるPixarの次世代レンダリングエンジンです。
このエンジンは、マルチコアCPUとGPUの最新のハードウェアを個別に、または組み合わせて活用できるシステムアーキテクチャを出発点に、Pixarの長編アニメーションプロジェクトの規模と複雑さに対応するために開発されました。ユーザーは、RenderMan XPUを使用することで、より迅速に反復作業を行い、その結果を確認することができます。
XPUのこの最初のリリースは、ルック開発のために設計されており、開発されたルックは最終ショット制作のためにRISにシームレスに移行することができます。
Pixarによると、XPUはルックデブに最適であると考えており、機能制限によって問題が発生しない限り、好きなように使用できるとしています。既知の機能制限として、XPUの最初のリリースではAOVはまだ準備ができていません。
XPUの継続的な開発により、プロダクション機能が追加されていく予定となっています。
MaterialX Lama
MaterialX Lamaは、Industrial Light & Magic社で開発されたレイヤードマテリアル用のシェーディングシステムです。
この最先端のシェーディングシステムは、RenderManがMaterialXと深く統合するための最初のステップとなります。
RenderMan Stylized Looks
Stylized Looksはノンフォトリアリスティックレンダリングを作成するための新しいツールセットです。ライン、ハッチング、ブラシストロークをインタラクティブに作成し、イラストやアニメなどでさまざまなユニークな表現が可能になります。
Bump Roughness
傷などの微細なディテールは、特にカメラから離れている場合、パストレーサーが見つけるのは困難です。
この機能は、Pixar Animationで開発されたシステムで、重いサンプリングを行わずに、傷などの微細なディテールを効率的、自動的にレンダリングします。
OpenColorIO
業界標準のカラーマネジメントシステム「ACES」をブリッジ製品全体でサポートしています。
以上の新機能の他にも、Maya、Katana、USDを中心としたツールセットであるSolarisにおけるLPEとAOVの新しいサポートを含むHoudiniなどのすべてのブリッジへのアップデートや、 RenderMan for Blenderの公式サポートなどがされています。
日本の販売店indyzoneでも新機能の詳しい情報を確認することができます。
価格とシステム要件
RenderManバージョン24 は、Linux CentOS/RHEL 7.2+、Windows 10、macOS 10.14および10.15.利用できます。
価格は、RenderMan(トラクターを含む)の個別ライセンスは595ドル、年間保守の場合は250ドルです。
50ライセンスを超える、特に250ライセンスを超えるより大きな要件については、スタジオの価格設定と支払いパッケージを利用できます。
無料の非商用バージョン
また、研究者、個人アーティスト、非商用プロジェクトを行う学生は、商用リリースと同日に無料の非商用RenderManにアクセスできます。
無料の非商用RenderManは、今回のリリースの新機能であるXPUとStylized Lookを使用できませんが、それ以外は商用バージョンと同じです。
価格の確認や無料の非商用RenderManのダウンロードはこちらから
日本販売店での価格はこちらから
コメント