2026年5月13日(現地時間)- Topaz Labsは、Topaz Photoの新しいバージョン「v1.6.0」をリリースしました。
主な新機能
今回のアップデートでは、2つの新しいモデルが追加されたほか、NeuroServerを基盤とする多くのモデルにおいて大幅に処理速度が向上しています。
Recover Faces 3:ポートレート品質の顔復元機能
従来の「Recover Faces 2」には、多くの画像での実用性を制限する2つの課題がありました。
- 1つ目は、厳格なサイズ制限です。Recover Faces 2の最大出力サイズは512×512ピクセルでした。それ以上のサイズの顔は強制的に縮小されるため、ディテールや鮮明さが失われ、結果として周囲の画像から浮いたような、不自然に滑らかな仕上がりになってしまうことがありました。そのため、大きな顔が写っている画像での使用は推奨されていませんでした。
- 2つ目は、強度を高く設定した際に発生するドット状のアーティファクト(ノイズ)です。ぼやけていたり、画質が低かったりする顔の復元には高い強度が必要ですが、アーティファクトが発生することで実用に耐えない結果となることがありました。
新しく導入された「Recover Faces 3」は、これらの課題を両方とも解決し、機能を使用できる範囲を大幅に広げています。
サイズ制限の撤廃
新しい「Recover Faces 3」ではこのサイズ制限が撤廃されました。
これにより画像内の顔の大きさに関わらず、シャープでポートレート品質のディテールを復元できるようになっています。
以下の比較画像で示されているように、旧モデルである「Recover Faces 2」を使用した場合、そばかすが不自然に消え、目が改善されるどころか柔らかくぼやけてしまっています。また、眉毛の毛並みも潰れて馴染んでしまっています。
一方、新しい「Recover Faces 3」では、目をシャープにし、肌の質感を改善し、眉毛のディテールも強調することができています。高品質な出力が求められる用途により適したモデルに進化しています。
ドットアーティファクトの解消
従来モデルのもう一つの問題点は、適用強度(Strength)を高く設定した際にドット状のノイズ(アーティファクト)が発生することでした。ぼやけた顔や低品質な顔を修復する際には強い効果が必要になりますが、ノイズの発生により結果が使い物にならなくなることがありました。
「Recover Faces 3」ではこの問題も解決されており、画質が要求する高さまで強度を上げても、アーティファクトを心配する必要がなくなりました。これにより、大きく劣化した顔画像であっても、高品質な修復が可能になります。
なお、「Recover Faces 3」はNeuroServer上で動作し、NVIDIA、AMD、およびApple Silicon(macOS 14以降)のデバイスにおいてローカルで処理されます。現時点ではクラウドレンダリングには対応していません。
また、今回のアップデートに伴い、古い世代のモデルである「Recover Faces 1」は廃止(Sunset)されるとのことです。

処理に関する仕様と推奨される使い分けについて
新しいモデルは生成型(Generative)の顔修復モデルであり、画像内の顔を一つ一つ個別に処理します。そのため、選択された顔の数が増えるほど処理時間も増加します(例:同じサイズの顔が4つある場合、1つの場合の4倍の時間がかかります)。
512×512ピクセル未満で、すでにそれなりの画質を保っている顔については、従来通り「Recover Faces 2」の方が高速に処理できます。しかし、顔が大きく写っている場合や、ぼやけ・劣化が激しい画像については、「Recover Faces 3」を使用することで、処理時間に見合う品質の向上が期待できます。
Sharpen – Noise-Aware
野生動物、ポートレート、スポーツなどの撮影では、暗い環境や一瞬の動きを捉えるために、ノイズや粒子感が発生する状況での撮影を余儀なくされることがあります。しかし、捉えられた写真におけるノイズや粒子感は、その写真の臨場感を生み出す要素の一つでもあります。
これまで提供されてきたシャープネスモデルは、そのようなテクスチャを「修正すべき問題」として処理していました。そのため、シャープネスを適用するとノイズや粒子感まで強調されてしまい、被写体のディテールをシャープにする前にノイズを除去する必要がありました。しかし、ノイズを完全に除去してしまうと、その瞬間の持つ雰囲気が損なわれるというジレンマがありました。
「Noise-Aware(ノイズ考慮)」モデルは、このような状況のために開発されました。Sharpen(シャープネス)ツールの強化機能として利用できます。

これは、画像に手を加える前に、ノイズとディテールを分離する初めてのシャープネスモデルです。画像のノイズ構造を解析し、撮影されたシーンの根本的なディテールのみをシャープにします。
結果として、ノイズや粒子感を保ったまま、被写体のディテールが強調されたシャープな画像が得られます。撮影時の雰囲気を残しつつ、重要な部分だけを鮮明にすることが可能です。
以下の野生動物の画像で既存のシャープネスモデルを使用すると、主要な被写体のディテールではなくノイズが強調されてしまいます。耳や顔の毛を見ると、デジタルノイズが不自然な粒子のように強調されていることがわかります。
新しいNoise-Awareモデルを使用すると、ノイズに影響を与えることなくシャープネス処理を行えます。不自然なアーティファクトを生じさせることなく、毛並みのディテールが明らかに鮮明になっています。
次の夜間のゴーカートの画像でも、既存のシャープネスモデルではノイズが過剰に強調され、ドライバーやカートのディテールよりもノイズが目立ってしまいます。
Noise-Awareは、ノイズの下にあるレイヤーに対して処理を行い、アーティファクトを発生させることなく被写体に焦点を当てます。
Noise-Awareは、既存のモデルを置き換えるものではなく、シャープネスモデルのラインナップに新しく追加された機能です。
ノイズが少ないクリーンな画像に対しては、引き続き既存のシャープネスモデルが適しています。しかし、テクスチャやノイズが写真の一部として重要な意味を持つ環境で撮影された画像に対しては、このモデルが非常に有効なツールとなります。
NeuroServerモデルの速度向上
NeuroServerを基盤とするモデルの処理速度が大幅に向上しました。モデルの読み込み時間が短縮され、Wonder 3、Super Focus v3、およびDenoise Maxの処理速度が向上しています。
NVIDIA RTX 3080を使用し、2,000万画素の出力でテストを行った結果、処理速度が330%向上したことが確認されています。より解像度の高い画像や、より高性能なGPUを使用している場合、この速度向上はさらに顕著になる可能性があります。これまで処理時間の長さがネックとなり、これらのモデルの使用やバッチ処理を控えていた方にとって、このアップデートは作業効率を大きく改善するはずです。

この速度向上は、新しいRecover Faces 3にも適用されています。本日リリースされたバージョンにはすでにこれらの改善が組み込まれているため、特別な設定を有効にする必要はありません。
既知の問題
- VRAMが8GBの環境において、Recover faces 3で断続的にGPUのメモリ不足エラーが発生する問題が確認されています。この問題は次回のパッチで修正される予定です。
すべて更新履歴
- NVIDIA、AMD、およびApple Siliconデバイス向けに、Neuroserverを介したFace Recovery v3(顔復元 v3)が追加されました。
- Face Recovery v3のクラウドレンダリング機能が追加されました。
- Sharpen – Noise-aware(ノイズ考慮シャープネス)モデルが追加されました。
- Upscale – High fidelity v3(高忠実度アップスケール v3)モデルが更新されました。
- NeuroServerが更新され、Wonder 3、Super Focus v3、Denoise Max、Face Recovery v3の処理速度が向上されました。
- 画像解析時の顔解析モデルに関連するクラッシュの問題が修正されました。
- 一部のデバイスでモデルを実行した際に発生していたRemove v2(削除 v2)のエラーが修正されました。
- 外国のロケール設定のWindowsデバイスで、Remove v2およびRecover v3を使用した際にグレーの出力となる問題が修正されました。
価格とシステム要件
Topaz Photo は、Windows 10 or 11(intel or AMD)、Windows 11(ARM)、macOS 12 Monterey 以降で利用することができます。
価格は以下の通りです。
- 無制限のローカルレンダリング
- 無制限のクラウドイメージレンダリング
-
標準モデル
ホコリと傷、スーパーフォーカス、削除、ノイズ除去、シャープ化、アップスケール、照明調整、カラーバランス、顔の復元、テキスト保持、修復ブラシ
- Wonder (クラウド) モデル
- Standard MAX (クラウド) モデル
- 2イメージのクラウド同時処理
-
限定的な商用利用
年間収益100万ドル未満の組織向け
- シート管理 (1〜5)
- Wonder (ローカル) モデル
- Standard MAX (ローカル) モデル
- 4イメージのクラウド同時処理
- 完全な商用利用
また、3つのデスクトップアプリが含まれた Desktop Collection や Topaz Studio の一部としても利用することができます。
またセールも開催中(投稿時点)です。詳細は以下の記事をご覧ください。































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