Rokoko、精度と安定性を劇的に向上させた最新フィンガートラッキンググローブ「Smartgloves II」を発表しました。
Smartglovesとは
「Smartgloves」は、Rokokoが展開するプロフェッショナル向けのワイヤレス・ハンド&フィンガーモーションキャプチャグローブです。
片手あたり 7 基のセンサーを搭載し、IMU(慣性計測装置)と EMF(電磁場)を組み合わせた独自のセンサーフュージョン技術により、大掛かりなカメラセットやマーカーを一切使わずに、指先から手首までの動きを正確にリアルタイムで取得できます。
軽量でウェアラブルな設計のため、スタジオに限らず、どんな環境でも手軽に導入できる点も特徴です。アニメーション制作はもちろん、ロボットの訓練や遠隔操作など、取得した精密な手指データをそのまま活用できるデバイスとして評価されています。
そしてこの度、Rokoko は同社史上もっとも先進的なデバイスとなる「Smartgloves II」を発表しました。アニメーション制作、バーチャルプロダクション、ロボティクス分野に向けて設計されたこの新モデルは、よりクリーンなデータ、高い安定性、そしてプロの現場が信頼して使える堅牢性を提供するとしています。
精度・安定性・一貫性を高めた Smartgloves II
Rokokoは今回のアップデートにあたり、手の動きのキャプチャがいかにシビアなものであるかを次のように説明しています。
「手はごまかしがききません。指先のわずかな矛盾はすぐに目立ち、少しのドリフト(位置ズレ)が没入感を損ないます。不安定なポーズはキャラクターへのリターゲティングを台無しにし、遅延は遠隔操作(テレオペレーション)において致命的となります。」
これらの課題を根本から解決するため、同社はSmartgloves IIにおいて主に以下の3点に焦点を当てて再構築を行ったと語っています。
- クリーンなセンサーフュージョン
- より高いサンプリングレート(250 Hz)
- より安定したキャリブレーション

これらの改善により、長時間のテイクや異なるパフォーマー、様々な環境下においても、より滑らかで一貫した手の動きを再現できるようになったとされています。
初代モデルとの比較(Smartgloves I vs II)
Smartgloves IIは、トラッキング性能、データ品質、そして耐久性のあらゆる面で大幅なハードウェアおよびファームウェアのアップグレードが施されています。前モデルとの主要な違いは以下の通りです。
| 機能・性能 | Smartgloves I (前モデル) | Smartgloves II (新モデル) |
|---|---|---|
| IMUキャプチャレート | 166.67 Hz | 250 Hz(指の高速な動きをより精細にキャプチャ) |
| ハンドポーズの精度 | 標準的 | センサーフュージョンの改善により、より一貫性のあるポーズを実現 |
| キャリブレーション精度 | 一貫性にやや課題あり | 一貫性のある正確なキャリブレーションが可能に |
| 接続性 | 大規模ネットワーク環境下での通信に課題 | TCPベースとなり、即時かつ信頼性の高い接続を実現 |
| バッテリー駆動時間 | 基準値 | 駆動時間が50%長くなり、長時間の使用でも発熱を低減 |
指の動きのサンプリングレートが向上したことで、表現力豊かなパフォーマンス時のジッター(ブレ)が軽減されます。
さらに、新たに搭載された磁力計(マグネトメーター)が方向のズレ(ヘディングドリフト)を排除し、手首のトラッキング精度は指先からの距離換算で約3倍(1.5mmから0.47mmへ)向上。また、新しいA/Dコンバータによりノイズの混入も16分の1に低減されています。
幅広いプロフェッショナルな用途に対応
Smartgloves IIは、遅延が許されないリアルタイムのワークフローや、高精度なデータが求められる様々な産業分野に向けて設計されています。
主なユースケースは以下の通りです。
- エンターテインメント(アニメーション・VFX・ゲーム):キャラクターの対話シーンや、オブジェクトとのインタラクションにおける繊細な手指の演技をキャプチャします。
- ロボティクス:人間の自然な手指の動きをロボットハンドやエンドエフェクターに学習させるための、クリーンで構造化されたデータを提供します。
- 遠隔操作(テレオペレーション):ロボットハンドや重機を遠隔から高い精度で操作。低遅延のストリーミングにより、直感的なヒューマン・イン・ザ・ループ制御を実現します。
- 機械学習とデータ収集:ジェスチャー認識AIやヒューマン・ロボット・インタラクション・システムなどの訓練に必要なモーションデータを生成します。
Coil Proとの連携
空間内の絶対位置をトラッキングする同社の電磁気ベースシステム「Coil Pro」と組み合わせることで、ワークスペースを拡張できます。
手首の正確なトラッキングや磁気干渉の低減を実現しつつ、広く信頼性の高いキャプチャ空間を構築できます。オクルージョン(遮蔽)の影響を受けないため、大掛かりな光学式カメラステージを必要とせず、ポータブルな環境が構築できます。
シームレスなエコシステムと高い外部互換性
従来の制作ワークフローにおいて、Smartgloves IIは専用ソフトウェアである「Rokoko Studio」に統合されており、ストリーミングや録画、エクスポートまでをシームレスに行うことができます。
一方で、サードパーティ製のパイプラインとの高い互換性も確保しています。Optitrack、Qualisys、MOVINといった他社の光学式モーションキャプチャシステムをすでに導入しているスタジオでも、Smartgloves IIを追加して手指のトラッキングを補完することが可能です。主要な3Dソフトウェア(Unreal Engine, Unity, Blender, Maya, MotionBuilder, Houdini)向けのネイティブプラグインが提供されているほか、CSV、FBX、BVH形式での書き出しにも対応しています。
さらにロボティクス技術者向けには、Rokoko Studioを介さずに生のセンサーデータに直接アクセスする手段も用意されており、ROS(Robot Operating System)ベースのシステムへの入力デバイスとしても柔軟に活用できます。
価格と発売時期
「Smartgloves II」は現在プレオーダーを受付中です(出荷開始は2026年4月24日予定)。
2026年4月24日までは特別価格の1,745ドルで提供され、それ以降は通常価格の1,995ドルとなります。
また、公式ストアでは日本円で315,000円(おそらく特別価格)となっています。
























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