2025年7月10日(現地時間)- アーティスト向けCAD、3Dモデリングソフト「Plasticity 25.2」のリリースが発表されました。
新機能ハイライト
Plasticity 2025.2では、サーフェスモデリング、解析、ワークフローの効率化に重点を置いた、幅広い新ツールと改良点が導入されました。
新しいAlignコマンド(xNURBSによる)によるG0-G2サーフェスアライメント、リアルタイムの連続性と曲率解析ツール、フィレットシェルテンションコントロール、リージョンベースのブール演算、さらに、HDRI環境と34の物理マテリアルを特徴とする最新のレンダリング体験の向上やモデリング機能の強化も行われています。
新しいコマンドと改善
新コマンドと解析ツールが導入されました。
Alignコマンド(Studioライセンス限定)
xNURBSを搭載したこの新機能により、G0(位置)、G1(接線)、G2(曲率)の連続性を保った高精度なサーフェス間の位置合わせが可能になりました。
Alignコマンドは、xNURBSをベースにしたツールで、一方のサーフェスエッジをもう一方のエッジに合わせて調整し、位置(G0)、接線(G1)、または曲率(G2)の連続性を確保します。
基準となるエッジ(リファレンスエッジ)と、それに合わせたいエッジ(ターゲットエッジ)の2つを選択してこのコマンドを使用すると、ターゲットエッジがリファレンスエッジの形状と滑らかさに追従するように変更されます。さらに、サーフェスの次数やスパンを調整して、より高品質な移行を実現できます。
- 部分的な位置合わせ
- 複数のサーフェス
- 接続されたシート間のエッジ
開始点と終了点のブレンド量を制御することで、新しいサーフェスをターゲットサーフェスに部分的に位置合わせします。これにより、テーパー状の、あるいは緩やかな遷移が可能になります。
隣接する2つ以上のサーフェスを一度に位置合わせすることで、複数の領域にまたがる広範囲のブレンドが可能になります。ブレンドされた形状とその周囲のジオメトリの複雑さに応じて、結果とサーフェスの品質が異なる場合があります。
Measure Continuity
コマンドがアクティブな間、エッジのペアを選択し、それらの連続性(G0、G1、またはG2)をリアルタイムで評価できます。このツールは、ワークフローを効率化するために、Align コマンドにも統合されています。
- G0 (位置): 位置の連続性をチェックします。Plasticityの現在の単位設定に基づいて、位置の偏差をメートル単位で測定します。
- G1 (接線): 接線の連続性をチェックします。隣接するサーフェス間の角度の偏差を度単位で測定します。
- G2 (曲率): 曲率の連続性をチェックします。隣接するサーフェス間の曲率値を比較することで確認します。

Measure Curvature
このコマンドは曲率コームを使用して、サーフェスエッジやカーブの曲率を評価します。視覚的に判断が難しいサーフェスの形状品質や滑らかさを評価するのに役立ちます。
このコマンドは、選択されたオブジェクトに基づいて実行されます。
- カーブの曲率測定: カーブが選択されている場合に実行されます。
- サーフェスの曲率測定: サーフェスエッジが選択されている場合に実行されます。
Fork Material
選択したオブジェクトのマテリアルを複製し、編集できるコマンドです。新しいマテリアルが作成され、Assetsメニューに保存されます。
Select All
ビューポートに表示されている全ての測定値、ソリッド、シートを素早く選択します。これは、アウトライナでオブジェクトが複数のグループに分散している場合に特に便利で、作業効率が向上します。
| コマンド | 説明 |
|---|---|
Select All Sheets | 表示されているビューポート内の全てのシートを選択します。 |
Select All Solids | 表示されているビューポート内の全てのソリッドを選択します。 |
Select All Measurements | 表示されているビューポート内の全ての測定値を選択します。 |
Unlock All
アウトライナでロックされている全てのオブジェクトとグループのロックを解除するコマンドです。複数のアイテムを一度にロック解除できるため、各オブジェクトを手動で選択するよりも時間を節約できます。
Export
コマンドパレットから直接STEPおよびSATファイル形式にエクスポートして、より高速にアクセスできるようになりました。
| コマンド | ファイル形式 |
|---|---|
Export STEP | STEP (*.stp; *.step) |
Export SAT | SAT (*.sat) |
モデリング機能の強化
フィレットとカーブの調整
Fillet Shellに Tension パラメータが追加され、フィレットの強弱を調整できるようになりました。また、Bridge Curveでは新しいテンションギズモや制御点(CV)の直接移動により、カーブの張力調整がより簡単になりました。
Booleanコマンドの強化
新しい Region オプションにより、重なり合ったオブジェクトから新しいソリッドを簡単に生成できるようになり、複雑な形状作成のプロセスが大幅に簡略化されます。
サーフェス生成と編集の強化
Loftの新しい Simplify オプションは、よりクリーンなジオメトリの生成を助けます。また、Isoparamの Subdivide オプションを使えば、サーフェスの制御点(CV)レイアウトを維持したまま綺麗に分割できます。
各種コマンドの拡張
Imprint、Sweep、Cut といった多くのコマンドで機能が拡張され、一度に複数のオブジェクトを扱えたり、カーブを自動で延長したりできるようになり、作業効率が大幅に向上しています。
その他の強化リスト
Square コマンドの強化
- 個別の張力設定: Square コマンドでは、エッジ拘束ごとに個別の張力値を設定できるようになりました。
Boolean コマンドの強化
- 新しい操作「Region」: 重なり合ったボディによって形成された閉じた領域から、個別のソリッドを作成します。
- 新しい詳細オプションパネル: メインのブーリアンダイアログの下に詳細セクションが追加されました。Target MaterialやTool Materialなどのオプションが含まれており、ブーリアン操作中のオブジェクトの割り当てをより細かく制御できます。
Bridge Curve の強化
- 新しい張力ギズモ: ブリッジカーブに張力ギズモが追加され、操作中に張力パラメータを正確に指定できます。
- テンションCVの移動: 表示されている制御点(CV)を直接移動することで、G1、G2、G3連続性のテンションを調整できます。
- 曲率コーム: Analysis メニューの Bridge Curve コマンドで、オプションとして曲率測定が利用できるようになりました。
Fillet Shell 操作
Tension パラメータ: シェルまたはエッジをフィレットする際、Tension パラメータを調整することで、フィレットの強弱を制御できます。このオプションは、「Full Shape」オプションを除くすべてのシェイプタイプで使用できます。
Loft の強化
平面サーフェスの簡略化: Loft コマンドに、ロフトサーフェスの平面セクションの作成方法を制御する新しい「Simplify」オプションが追加されました。このオプションはデフォルトで有効になっており、CVレイアウトが不整合になる平面セクションに対して、簡略化されたトリムパッチを生成します。「Simplify」を無効にすると、ロフトはプロファイル間に中間ジオメトリを生成し、「トゥイーン」効果によってサーフェス全体にわたって一貫したCVレイアウトを維持します。
Isoparam の強化
サーフェスの分割: Isoparam コマンドに、CVレイアウトを維持したままサーフェスを分割できるSubdivideオプションが追加されました。有効にすると、このオプションはサーフェスを半分に分割するアイソパラメトリックラインを挿入し、結果として得られるサーフェスは元のサーフェスと同じ基礎となるCV構造を保持します。
Reverse コマンドの強化
複数のボディを一度に処理し、それらの方向(カーブの場合)または法線方向(シートの場合)を同時に反転させることができるようになりました。
シェーディングの強化
シェーディングの強化により、よりリアルで詳細なプレビューがソフトウェア内で可能になりました。
34種類の物理マテリアル
Assetsパネルから利用できるリアルな物理ベースマテリアルが追加されました。テクスチャのスケールや回転などの調整も可能で、オブジェクトの質感を簡単に表現できます。
Assetsパネルの下部セクションに、Plasticityに付属する幅広い物理マテリアルのセレクションがあります。これらを正しく表示するには、Render Modeが有効になっていることを確認してください。

Render Modeの新機能
Render Modeは、画面右上のビューモードメニューにあります。球体アイコンをクリックすると有効になります。オンにすると、ビューポートのシェーディングが更新され、オブジェクトがよりレンダリングされた見た目で表示されます。
このアップデートでは、HDRI環境によるリアルなライティング、地面への影の投影、常時有効なアンビエントオクルージョンにより、高品質なプレビューが可能になりました。7種類の内蔵HDRIに加え、カスタムHDRIの追加にも対応し、ライティングの自由度が向上しました。
- HDRI:Plasticityに内蔵されているHDRIは、クリックすることで切り替えることができます。選択されたHDRIはすぐに環境に適用され、照明と反射のカスタマイズ用に回転調整が可能です。シーンが即座に更新されますが、ビューポートの背景には影響しません。
- グラウンドプレーンシャドウ:影を地面に投影し、オブジェクトのシルエットを視覚的に把握しやすくなりました。
- アンビエントオクルージョン:レンダーモードでは常にアンビエントオクルージョンが有効で、設定は「Preferences > Appearance」で調整できます。
Shader Modeの新機能
Plasticityに内蔵されているシェーダーは、クリックすることで切り替えることができます。Render modeがオフの場合、選択されたPlasticityのmatcapがオブジェクトに適用され、表示されます。
Shader Modeでは次の新機能が追加されました。
- アンビエントオクルージョン:レンダーモードをオフにしていても「Preferences > Performance」からアンビエントオクルージョンを有効にできます。ただし、高性能GPU(例:RTX 3060以上)搭載マシンでの使用を推奨します。
- トポロジーシェーダー:ワイヤーフレーム風の表示が可能な新しいシェーダーです。複雑な有機的形状や細かい曲線、変形の解析に適しており、リバースエンジニアリングやインポートメッシュの確認に最適です。
- ノーマルチェッカー:サーフェスの法線方向を色で表示し、外向きなら青、内向きなら赤に着色します。Reverseコマンドと併用し、法線方向の修正を素早く行えます。
その他の新機能や機能改善
その他の新機能
- Selection コマンド
- 選択の反転: Invert Selection コマンドがエッジとフェイスをサポートするようになりました。
- 選択コンテキストメニュー: 複数のオブジェクトが重なっている場合、
Ctrl + Shiftを押しながら左クリックするか、マウスホイールをスクロールしながら左クリックすると、選択したいオブジェクトを明確に指定できます。 - ポイント選択モード:
Altキーを押しながらCVハルにカーソルを合わせることで、CVの行全体を選択できます。
- Selectionパネル
- 選択されたサーフェスがrationalかnominalかを表示します。
- 平行な平面を選択した際に、その距離を表示します。
- Extend コマンド
- シートの延長: ターゲットボディの内側または外側に達するまでシートの延長を指定する
Limitオプションが追加されました。 - カーブと頂点の延長: オプションでターゲットを指定してカーブの延長長さを定義できるようになりました。
- シートの延長: ターゲットボディの内側または外側に達するまでシートの延長を指定する
- Untrim コマンド
- サーフェスのトリムを解除した後にインプリントされたエッジを保持するオプションが追加されました。
- ダイアログ
- 数値フィールド: ダイアログ内のすべての数値フィールドで、基本的な四則演算に加え、数学定数π (pi)がサポートされるようになりました。
- さらに、数値フィールドはPlasticityの現在の単位設定に基づいた単位変換もサポートします。
- Cut コマンド
- カーブカッター用のExtendオプションが追加されました。カーブが短すぎてターゲットオブジェクトを完全に切断できない場合、このオプションは長さを延長して完全な切断を保証します。
コマンドの改善
- Duplicate コマンド: アウトライナで、グループ階層を再帰的に複製できるようになりました。
- Unjoin コマンド: 複数のボディから同時にフェイスを分離できるようになりました。
- Dimension コマンド: 個々の線分の寸法プロパティの変更をサポートするようになりました。
- Loft コマンド: プロファイルに接触しないガイドカーブを赤い点でマークすることで、より明確なエラーフィードバックを提供するようになりました。
機能改善
- カメラ: パースペクティブカメラのデフォルトの視野(FOV)が50から35に変更され、クリッピングの問題が軽減されました。
- インターフェース: Appearance セクションに新しい Zoom Factor オプションが追加され、インターフェースの表示ズームレベルを上げることができます。
- ツールバー: ツールバーの位置がセッション間および再起動後も記憶されるようになりました。
- Select All コマンド: 選択時にアウトライナでロックされているアイテムをスキップするようになりました。
- Assets: アセットメニューに、検索可能なプレビューとフィルターを備えたマテリアルカタログが表示されるようになりました。
価格とシステム要件
Plasticity は、Mac OSX (12 以降)、Windows (10 以降)、および Linux (Ubuntu 22) で利用できます。
永久ライセンスで、価格はindieライセンスが149ドル、スタジオライセンスが299ドルです。新しく購入したすべてのライセンスには 12 か月の「メンテナンス」期間が付いており、その期間中にリリースされたすべてのバージョン更新が含まれています。※ライセンスとプラットフォームごとに機能が異なる場合があることに注意してください。
それぞれの価格と機能は以下の通りとなります。

























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