Autodesk Maya 2025.3 アップデートがリリース!グラフエディタとブール演算の改善、Bifrostのアップデートなど

CGソフト

Autodeskは、3Dアニメーションソフトウェア の最新アップデートMaya 2025.3 をリリースしました。

新機能ハイライト

このアップデートでは、グラフ エディタの改善、ブール演算の改善などが行われています。

グラフエディタの改善

グラフ エディタ(Graph Editor)に便利な機能強化と修正が行われました。

ズーム時のグラフ エディタのキーのサイズ変更

新しいアニメーション プリファレンス(Animation Preference)のズーム時にキーのサイズを自動変更(Auto-resize keys on zoom)オプションを使用すると、縮小ズームするときにグラフ エディタのグラフビュー(Graph View)内のキーのサイズが自動で変更されます。この設定はデフォルトでオンになっています。縮小ズームしてもキーを同じサイズに保ちたい場合は、このオプションをオフにしてください。このオプションは、高密度のキーフレームを持つカーブを編集する場合に便利です。

サイズ変更可能な接線

新しいアニメーションプリファレンスの接線ハンドルサイズ(Tangent handle size)と接線の太さ(Tangent line thickness)を使用して、グラフ エディタのグラフビューで接線の見た目をコントロールすることができるようになりました。

その他

グラフエディタのビューメニューのインフィニティ(Infinity)オプション

グラフエディタのビューメニューのインフィニティ(Infinity)オプションがデフォルトでオンになりました。これは、Maya の旧バージョンではオフに設定されていました。

インフィニティオプションを使用すると、カーブの最初と最後のキーの外側に外挿されたアニメーション カーブの表示/非表示を切り替えることができます。デフォルトでは、最初のキーより前と最後のキーより後にあるカーブは一定(平坦)になります。

グラフエディタのカラー設定の名前変更

カラー設定(Color Settings)ウィンドウの次のグラフエディタインタフェース要素は、分かりやすくするために名前が次のように変更されました。

  • カラー設定(Color Settings)ウィンドウでアクティブな選択カラー(Active Selection Color)がアクティブな選択キーのカラー(Active Selection Key Color)と呼ばれるようになり、他の選択カラーと区別しやすくなりました。

ブール演算の改善

新しいブール演算アルゴリズムが導入され、モデリングワークフローが改善されました。このアルゴリズムは、3ds Maxと同じもので、ブール演算の予測可能性と信頼性が向上しています。社内テストの結果では、以前のブール演算の失敗率が6%なのに対して、新しいブール演算の失敗率は0%とのことです。

次のような複雑なジオメトリや頂点や面が一致するケースでもブール演算が成功するようになっています。

複雑なジオメトリ

ブール演算は、単純な例ではほとんど適切に実行されますが、複雑なジオメトリでは失敗することがあります。多くの球が存在する上の例では、以前は演算に失敗していましたが、この更新により、正常に動作し、期待どおりに結果のジオメトリが得られるようになりました。

同一平面上のジオメトリ

以前のバージョンでは、ブール演算で同一平面ジオメトリに予期しない結果が発生することがありました。この更新により、結果に影響を与える重なり合ったサーフェスの不一致が解決されるようになりました。

一致する頂点

頂点が完全に重なり合っている場合、このタイプのジオメトリが正しく理解されず、ブール演算が失敗することがあります。次の例では、球とトーラスの頂点が完全に位置合わせされています。この操作は以前のバージョンでは成功しませんでしたが、シームレスに実行されるようになりました。

ブール演算で、一致する頂点を誤って作成する出力メッシュを生成したときに、以前は下流で問題が発生することがありました。この更新により一致する頂点が解決され、次の例に示すように生成されなくなります。

Arnold for Maya 5.4.5 プラグイン

Maya 2025.3 には MtoA 5.4.5 が付属しています。この MtoA では、OpenPBR サーフェス、ボリューム レンダリングの改善、Apple Metal と AMD GPU の OIDN サポート、および他の多くの改善とバグ修正が行われています。

詳細はArnold コアのアップデートを紹介した以下の記事をご参考に

さらにMtoA 5.4.5 には、MtoA には、aiStandardSurface シェーダを OpenPBR サーフェスに変換するのに役立つツールが含まれています。

Bifrost 2.11.0.0

Bifrost 2.11.0.0 には、テクスチャ サンプリング、デバッグ用の新しいデータ ブラウザ、Flow Wedge のテクノロジー プレビューを含む多くの機能が追加されています。

Flow Wedging (テクノロジー プレビュー)

Flow Wedging プラグインを使用すると、パラメータのバリエーション(「ウェッジ」)を含むシミュレーションをクラウドに送信して計算を任せることができます。これにより、コンピュータのリソースを解放し、結果を待つ間に他の作業を行うことができます。準備ができたら、生成されたキャッシュを簡単にロードして比較できます。

Flow Wedging プラグインは、Bifrost とともにインストールされます。Flow Wedging にアクセスするには、Maya のプラグインマネージャで Flow Wedging を有効にてくだささい。

Maya のプラグインマネージャで Flow Wedging を有効にすると、Maya にフロー グラフエンジン(Flow Graph Engine)メニューが表示されます。wedge_cache およびその他の特殊なノードを使用してシーンを準備した後、ジョブを送信できます。

詳細は、「Flow Wedging」を参照してください。

Flow Wedging はテクノロジー プレビューとして提供されているため、すべての機能が含まれているわけではありません。今後、ワークフローは変更される可能性があります。Flow Wedging を使用するには、シングルユーザ ライセンスが必要です。また、クラウドサービスの使用は、テクノロジ プレビュー期間中、ユーザあたり毎月 250 時間に制限されます。この割り当ては毎月初めにリセットされます。

テクスチャサンプリング

新しい sample_texture_file ノードは、ジオメトリの UV 座標で補間されたイメージの RGBA カラーを返します。また、read_image_data はイメージ ファイルの RGBA ピクセル値を含む配列を返します。どちらのノードでも、一般的なすべてのイメージ ファイル形式がサポートされています。

データブラウザ

データ ブラウザには、接続に沿って送信される値について、監視ポイントよりも詳細な情報が表示されます。また、配列に含まれるオブジェクトのプロパティ値を個別に表示することもできます。

プロシージャル リギング

モジュールを組み合わせてプロシージャル リグを作成できる、リギング用の新しい実験的なモジュール フレームワークが追加されました。limb_module と root_module がサンプルとして用意されており、template_module に基づいて独自のモジュールを作成できます。実行中のフレームワークの例を確認するには、Bifrost ブラウザで使用可能な limb_module サンプル グラフを確認してください。

Save Time With Modular and Procedural Rigging With Bifrost in Maya

さらに、スケルトンのビューポート表現が改善されました。以前のピラミッド状のメッシュ表現の代わりに、子を持つジョイントがフラットなカプセルとして表示され、分離されたジョイントがディスクとして表示されるようになりました。

また、skeleton_scope ノードにはデフォルトで有効な適応ジョイント サイズ オプションが追加されました。これにより、ジョイント サイズを手動で調整しなくても、読みやすくなるように自動的に調整されます。

ボリュームをメッシュに変換: contour_surface_nets 

新しい contour_surface_nets ノードを使用して、contour_dual_marching_cubes ノードの代わりにサーフェス ネット アルゴリズムを使用してボリュームをメッシュに変換できるようになりました。。また、volume_to_mesh ノードが更新され、使用するアルゴリズムを選択できるようになりました。

その他

  • ノード ライブラリでは、ノードにポインタを合わせて星をクリックするだけで、お気に入りのノードを保存できるようになりました。
  • ノード ライブラリとタブ メニューの両方で、スペースを使用することにより、次の文字が後続の単語の先頭であることを指定できるようになりました。たとえば、「c att」、「c con」、「att c」はすべて clear_attribute_connections に一致します。スペースの後では、その次の文字で開始し、残りの文字を含む単語が検索されます。したがって、「s v3」と入力すると、scale_to_vector3 が検索されます。
  • Bifrost SDK
  • 新しいノードと新しいサンプル グラフが多数追加

Bifrostのアップデートについてより詳しい情報はこちらから

USD for Maya 0.30

Universal Scene Description (USD)プラグインが更新され、ネイティブの Maya ビューポート内で USD カメラを直接コントロールする機能が追加されました。

その他

  • プリミティブのリファレンスを再ロード:アウトライナ(Outliner)で、プリミティブのリファレンス、ペイロード、ネストされたリファレンスを再ロードできるようになりました。
  • USD プリミティブのアウトライナのテキスト カラーを設定:アトリビュート エディタ(Attribute Editor)の新しいオブジェクト ディスプレイ(Object Display)オプションを使用すると、アウトライナで USD プリミティブのテキスト カラーを設定できます。
  • Maya の USD proxyShape を USD リファレンスとして書き出す:Maya の USD proxyShape を USD ステージとして書き出すことができる新しい書き出しオプションが追加されました。このオプションは、元のステージを含む USD レイヤを参照します。

新機能、改善点、バグ修正の完全なリストについては、「USD for Maya 0.30.0 リリース ノート」を参照してください。

LookdevX for Maya 1.6.0

LookdevX の最新の更新では、OpenPBR が導入されました。

OpenPBR は、オートデスクと Adobe が共同で開発した機能、使いやすさ、ソフトウェアの相互運用性を強化するオープンソース シェーディング モデルで、Autodesk Standard Surface と Adobe Standard Material の後継モデルとして設計されています。OpenPBR マテリアルは、タブメニューまたはノードライブラリの新しい OpenPBR カテゴリにあります。

その他

  • パブリッシュ ワークフロー:パブリッシュ ワークフローを使用して、コンパウンドをディスクに保存して再利用または配布できるようになりました。さらに、新しい LookdevX プリファレンスを使用して、ユーザ生成のコンテンツおよびディスクまたはネットワーク上の場所にあるコンテンツをコントロールするためのユーザ ライブラリ パスおよびグローバル ライブラリ パスを設定することができます。
  • ランプ ノード:ランプ ノードに、放射状、円形、ボックスの 3 種類のランプが追加されました。新しい Stepped 補間オプションも使用できます。

その他

■フレーム/キーのステップ実行時のループに関する新しいプリファレンス

タイム スライダ(Time Slider)プリファレンスにフレームをステップ実行するときに再生範囲をループ(Loop Play Range when stepping frames)とキーフレームをステップ実行するときに再生範囲をループ(Loop Play Range when stepping keyframes)の 2 つの新しいオプションが追加されました。

これにより、フレームごと(ホットキー: [Alt]+[.] (ピリオド))およびキーごと([.] (ピリオド))のループへのステップ実行がレンジスライダ(Range slider)によって定義される領域のみに制限されるようになりました。

■ドープシート エディタの新しいホットキー機能

ホットキー エディタで、ドープシートエディタ(Dope Sheet Editor) インビトウィーンの追加(Add Inbetween)およびインビトウィーンの除去(Remove Inbetween)アクションに対するキーボード ショートカットを割り当てることができるようになりました。

ホットキー コマンドは、グラフ エディタの同等のコマンドと区別するために、ドープシートインビトウィーンの追加(Add Inbetween)およびドープシート インビトウィーンの除去(Remove Inbetween)と呼ばれるようになりました。1 つのフレームを追加または削除してアニメーションのタイミングを調整する方法については、「インビトウィーンを設定するを参照してください。

その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから

価格とシステム要件

Maya 2025 は、Windows 11, 10(1809以降)、Linux® Red Hat® Enterprise 8.6 WS、Rocky Linux 8.6とmacOS 13.x,12.x, 11.xで利用することができます。

より詳しいシステム要件はこちらから

価格はサブスクリプション形式で、36,300円/月、286,000円/年、858,000円/3年です。従量課金制のFlexオプションも利用可能です。

価格の確認はこちらから

また、Mayaは、AutodeskのMedia & Entertainment Collectionの一部としても利用可能です。

さらに、条件にあてはまる方はIndieライセンスを購入することが可能で価格は47,300円/年です。

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