2024年7月30日(現地時間)- Adobe は、マテリアルオーサリングソフトウェアの最新アップデート Substance 3D Designer 14.0をリリースしました。
新機能ハイライト
このリリースでは、色操作に特化したノード、Kuwahara フィルタなどの新しいコンテンツに加えて、クオリティオブライフの改善が行われています。
新コンテンツ
色操作に特化したノード
色操作に特化したノードが複数追加されました。これらのノード一式により、色によるスタイライズ効果の作成に必要なものが揃っています。
- イメージ内の色数を減らしてパレットを抽出するノード: Quantize color
- 独自のカラーパレットを作成するツールノード: View / Create / Modify color palet
- ID マップを使用して別のイメージに適用するノード: Apply color palette
- ID マップ(Quantize color で計算)をグレースケールマスクに変換するノード:ID to Mask grayscale
- さらに、スタイライズ効果をさらに追求したい場合 Anisotropic Kuwahara color/grayscale が利用できるようになりまし。、このフィルタは、物体の輪郭を残したまま画像のノイズを除去することが可能で、その結果、画像は絵画のような見た目になります。
次の動画では、新しい Quantize color と Anisotropic Kuwaharaを使用してマテリアルをスタイル設定し、色をより効率的かつ直感的に処理する方法が説明されています。
その他の追加ノード
- 曲率スムース (Curvature smooth):この新しいバージョンは、すべてのtilingsモードが正しくサポートされ、2つの新しい出力( convexity と concavity)が追加され、精度とパフォーマンスの両方が改善されました。
- ヒストグラムイコライザー(Histogram equalize):このノードは、均等な分布になるように値を調整することで、グレースケール画像のヒストグラムを均等化します。このノードには、画像のヒストグラムを出力するHistogram renderと、ヒストグラムをピクセルの列としてエンコードするHistogram computeの2つの付属ノードがあります。
- ベベルスムーズ(Bevel smooth):このノードのおかげで、マスクの境界からグラデーションや平坦な色を描くことができるようになりました(外側、内側、またはその両方)。Directional distance ノードもグラデーションを描きますが、 特定の方向にしか描けません。
- 法線の結合解除(Normal uncombine):このノードは法線結合(Normal combine)ノードの逆で、法線マップからハイトマップで記述されたサーフェスの詳細を取り除きます。
曲率スムース


ヒストグラムイコライザー


ベベルスムーズ


法線の結合解除


クオリティ オブ ライフの改善
- パフォーマンスと応答性:大きなプロジェクトでの計算時間が改善されました。例えば、ノードの削除が最大75倍速くなりました。同じビットマップを何度も参照するグラフのクッキング時間も短縮されました。
- パラメータの継承:パラメータが継承された場合、デフォルト値を表示する代わりに、継承された値を表示するようになりました。
- MacOSでのトラックパッドのサポート:より自然に、他のソフトウェアと同じようになるように完全に作り直されました。グラフビューの境界を越えてノードを移動する際も、よりスムーズですべてのオペレーティングシステムで一貫性があるように見直されました。
- 2Dビュー:2Dビューでタイル表示が有効になっている場合、元のタイル上にないピクセルの値も取得できるようになりました。タイル間のサンプリングや値の遷移をチェックするのに非常に役立ちます。
- グラデーションマップ:マウスの中央クリックで、すべてのグラデーションキーを左または右に移動できます(すべてのキー間のギャップが維持されます)。
- パラメータ:パラメータを通してカスタム関数を挿入するために、関数の編集ウィジェットを使用できるようになりました。これは、関数のおかげでパラメータを駆動したいカスタムツールを作成するための強力なソリューションです。
APIの改善
スクリプティングAPIに4つのメソッドが追加されました:
- Substance合成グラフのグラフタイプを取得/設定するメソッド:
myGraph.setGraphType(“newType”) ; myGraph.getGraphType() - パッケージリソースをエディタで開くメソッド(例:グラフビューのSubstanceグラフ):
myUIManager.openResourceInEditor(myResource) - エクスプローラでパッケージリソースを選択するメソッド(例:Substanceグラフ):
myUIManager.setExplorerSelection(myResource) - グラフビューで特定のノードをフレーム化するメソッド:
myUIManager.focusGraphNode(myGraphViewID, myNode)
VFXプラットフォームの要件
毎年、 VFX Reference Platform は、ソフトウェア間の非互換性を最小化するために、VFX業界のすべてのソフトウェアで使用されるツールとライブラリのバージョンのリストを公開しています。例年通り、Adobeはこれらの推奨事項を尊重して、すべての依存関係を更新しています。
これらのアップデートには2つの大きな影響があることに注意してください:
- Linuxの要件が変更され、DesignerはRHELバージョン8または9を必要とするようになりました(CentOSはサポートされなくなりました)。詳細はシステム要件のページをご覧ください。
- Qt6 で一部の機能が廃止されたため、Designer 用プラグインを更新する必要があります。プラグインを移行するために必要な情報は、コミュニティフォーラムにあります。
その他すべてのアップデート内容の確認はこちらから
価格とシステム要件
Substance 3D Designer 14.0 は、Windows 10 (64bit, Version 22H2)以降、macOS 12 Monterey 以降、Linuxで利用できます。
より詳しいシステム要件はこちらから
Substance 3D Designer は、Adobe Substance 3D アプリのサブスクリプションプランに含まれています。
- Adobe Substance 3Dテクスチャリングプランには、Painter、Designer、Samplerアプリと、毎月30点の3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。
- Adobe Substance 3D Collectionプランには、Painter、Designer、Sampler、Stager、Modelerアプリと、1か月あたり最大50の3Dアセット、100GBのクラウドストレージ、25 – 毎月の生成クレジットが含まれています。
- グループ版Adobe Substance 3D Collectionプランには、5つのアプリ、毎月ユーザー1人あたり100点の3Dアセット(グループ内プール可能)、1TBのストレージ、とライセンス管理や高度なサポートが含まれています。
価格は次のようになっています。
Adobe Substance 3D テクスチャリング | 月々プラン月々払い | 2,680円 |
年間プラン月々払い | 29,980円 | |
Adobe Substance 3D Collection | 月々プラン月々払い | 6,680円 |
年間プラン月々払い | 6,480円 | |
年間プラン一括払い | 74,380円 | |
グループ版 Adobe Substance 3D Collection | 年間プラン月々払い | 13,380円 |
年間プラン一括払い | 160,564円 |
※2024年3月5日から価格が変更されました。Adobeアプリの変更の詳細はこちらから価格ページへ■学生・教員向けライセンス
Substance 3Dは、大学・高等教育機関向けCreative Cloudコンプリートプラン(小中高校は対象外)に含まれており、追加料金なしで利用できます。高等教育機関向けプランにアセットは含まれていません。
また、Substance 3D Collection アプリは、高等教育機関の学生と教師が無料で利用できます。(非営利、教育目的での使用のみ)
■Steam版ライセンス
また、Steam で2024年末まで無料アップデートが可能な永久ライセンスの購入が可能です。価格はそれぞれ22,000円です。
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