2023年3月1日 – Kushiro氏は、自身が公開するBlender用無料モデリングツールがまとめられた無料アドオン『 Kushiro Tools 』をリリースしました。
Kushiro 氏の無料ツールコレクション『 Kushiro Tools 』
このアドオンは、Kushiro氏の無料ツールがすべて含まれた一つのパッケージになっています。各アドオンは、ポップアップサブメニューから選択することができます。
以下現在含まれているツールとなります。簡単に説明も添えていますが、詳しい使用方法はリンクからご覧ください。
Attach Align
Attach Alignは、ジオメトリを他のジオメトリの上に貼り付けることができるツールです。最初に選択したジオメトリを移動し、2番目のジオメトリに貼り付けます。その後、整列させたいエッジを選択し、再度実行すると、それに合わせて最初のジオメトリを回転させて整列させることができます。
Connect Face
Connect Faceは、選択した面をつなげるためのツールです。blenderのbridge-edge-loopに似ていますが、より便利に使うことができます。このツールを使えば、複数のジョイント面を選択し、1クリックで対応するジョイントにリンクさせることができます。
- 片方の面を選択するだけで、このツールはメッシュ全体をスキャンして、選択されていない面をマッチングします。
- 複数選択した場合にも有効で、対応する面をそれぞれ接続します。
Cut Corner
Cut Cornerは、選択した面の角をカットするためのツールです。SFモデル、スペースシップパーツ、ハードサーフェイスブロックなどの作成に便利です。Cut Cornerには次のような機能があります。
- 角のサイズを調整できます。
- カットは選択した面で直接行われます。すべてのジオメトリが接続されています。
- 重複したコーナー頂点の自動マージ。
- カット後、選択して押し出すことができます。
Kushiro氏は、このツールは複雑なSFメッシュを作成するために Face Cutter (別のアドオン) と一緒に使うのがベストとしています。
Quad Swords
モデルを小さな立方体に切断するためのシンプルなツールです。カットはX、Y、Z軸から行われるため、モデルはグリッドのようになります。このツールはblenderのナイフプロジェクションを使用しており、ジオメトリは完璧ではなく、時々奇妙なエッジを持つことがあります。
メッシュを格子状に切り出すと、いろいろな使い方ができます。
- BlenderのProportional Editingで簡単に変形させることができます。
- 細分化できる(面が100%四角形ではないので完全ではありませんが、ngonsの重いモデルを細分化するのに役立ちます。)
Quick Bridge
Quick Bridgeは、2つの面(または2つの面集合、エッジループ)を橋渡しするためのツールです。一般的なモデリング用に設計されており、2つの面、2組の面選択、2つのエッジループに使用できます。Blenderの組み込みブリッジツールに似ていますが、いくつかの異なる機能を備えています。
- 異なる向き(異なる法線)を持つ2つの面をブリッジすることができます。ランダムに選択された面を動的に橋渡しすることができます。
- ブリッジ中に回転(ひねり)させることができます。
- 円形モード(チェックで有効)を使えば、完璧な丸みを帯びたブリッジを作ることができます。Blenderのブリッジツールは、円形の形状を作成するのは簡単ではありません。
Select Sim
Select Simは、面の形状のハッシュ計算に基づいて、「似ている」面やエッジを選択するツールです。
現在Blenderには、Shift + Gでアクセスできる「Select Similar」ツールがあり、類似した面やエッジを選択できますが、これは面の面積、直径、辺の数といった単一の指標しか使用しません。面の面積や直径、辺の数といった単一の指標だけでは目的の選択を得ることは困難です。
ハッシュは面の ” シェイプ ” によって計算されます。Select Simは、面の角度と長さの組み合わせから、その面のハッシュ値を計算します。このハッシュ値を用いて、すべての面を照合することで、「似ている」面を選択することができます。
Surface Inflate
Surface Inflateは、グリッドベースのサーフェス(例:サブディビジョン・キューブ)でうまく機能するメッシュの表面を膨らませるためのシンプルなツールです。詳しく以下の記事をご覧ください。
Visual Axis
Visual Axis は、「Cursor transform」のX軸、Y軸を表示するための「視覚支援」ツールです。不規則な角度のカーソル変形をするとき、X,Yの方向がよくわからないことがあります。
面を選択し、このツールを実行してCursor transformを設定し(blenderでShift + Sを使うのと同じです)、Color Axisを登録することができます。これは消去するまで画面に表示され続けます(面を選択せずに再度ツールを実行)。
3Dカーソルは選択された面上に配置され、正しい法線方向で配置されます。3Dカーソル上にメッシュを追加したり(追加時に3Dカーソルに設定)、ビルトイン回転やスピンツールを使用する際に便利です。
Soft Bevel
Soft Bevelは、選択したメッシュをオーバーラップさせずに(重なり合わないように)ベベルするための実験的なツールです。Blenderのデフォルトのベベルは、セルフオーバーラッピングの問題がありますが、このツールはその問題を避けるように作成されました。滑らかに「丸みを帯びた」形に収縮するので、面白い形状を作ることができます。
最新のアップデートでは、個々の面の選択サポート、ベベル品質の向上がされています。
現在既知の制限として、エッジモードで選択されたエッジをサポートしません。この制限は、今後のアップデートで改善される予定のようです。
Even triangulation
このツールは、任意のn-gonの面を三角ポリゴン化するためのツールです。Blenderには内蔵の三角形化ツールがありますが、それは既存の頂点をつなぐだけです。
このツールは、この基本的な「even triangulate(均等三角形分割)」機能を提供します。完全に均等ではありませんが、それでも多くのケースで役に立つとされています。
使用例:
- モデル全体をソフトボディとして曲げたいが、現在の形状やエッジの境界を維持したい場合。(このツールは三角形作成時に100%のエッジ境界を維持します)。
- 三角形を元に、SF建築のような他のオブジェクトを作りたい場合。
- 花や草など、各三角形や各頂点にオブジェクトを貼り付けたい場合。
Face Regulator
Face Regulatorは、選択した四角形の面を調整するツールです。面を平らにし、角度を90度に変え、長方形にすることができます。”ローカル軸に合わせる(Align to local Axis)”、”同じ辺の長さにする(Same edge length)”などのオプションがあります。
選択した面やエッジに使用することがで、複数選択も可能です。また、四角いメッシュやスカルプトメッシュ、円柱などにも有効です。
- Solver steps : 使用する実行ステップの数です。ステップ数が多いほど精度が上がりますが、ほとんどの場合500ステップで十分です。
- Align to Axis : オブジェクトのローカルX、Y、Z軸に結果を合わせます。X、Y、Z軸を向いていない面に対してツールを使用する場合は、このボックスをオフにする必要があります。
- Smooth boundary : このオプションは、境界の頂点を滑らかにするものです。
- Boundary : Smooth Boundaryがチェックされている場合、この値はスムージングの度合いをコントロールします。
- Align face center : このオプションは、結果の面の中心を特定の面の中心に合わせます(以下の面インデックスを設定します)。
- Align to face : Align face centerに使用する面インデックスです。
- All equal edges : このオプションは、すべての正方形の面を作成します。
Shatter Cut
Shatter Cutは、選択した面をランダムにスライスするシンプルなツールです。このツールは、SFスタイルのサーフェスやグリーブルを作成するのに便利で、宇宙船やSFスタイルの背景装飾の作成に使用できます。
非常にシンプルなランダムパターンですが、押し出しやはめ込みなど、他のモデリング方法で拡張することができます。
このツールは、曲面やスカルプトメッシュに対して機能します。ランダムに面を選んでスライスカットするだけです。
- “Minimum distance”の設定では、切断する面の距離を制限することができます。異なるスタイルを作成するために使用することができます。
- 傾き(Tilt)オプションを使用するとスライスする角度をランダムに傾けることができます。ガラスや岩が砕けたような仕上がりになります。
Safe Inset
Safe Insetは、重なり合うことなく面を挿入できるシンプルなInset(面を差し込む)ツールです。Blenderの組み込みInsetとは異なり、Safe Insetは重なりを検出して避けることができます。近い頂点をマージするオプションもあります。
このツールは一般的なモデリングや多くのユースケースに役立ち、SFシェイプやハードサーフェスモデリングに最適です。
- Inset Size : インセットする量です。
- Threshold : “オーバーラップ “を判断する最小サイズです。
- Aggressive Mode : これは非常に重要なオプションです。インセットをよりアグレッシブに行うことができます。
- Merge Result : このオプションを有効にすると、非常に近い頂点がマージされます。
- Merge Distance : マージする距離です。
また、現在実験的ですが、Padding Insetという別のInsetツールも公開されています。Safe Insetと異なるアルゴリズムが使用されており、インセットはどこでも等距離となり、インセットされた領域が消える可能性があることが最大の違いです。
Padding Insetは Kushiro Toolsには含まれていませんが、こちらからダウンロード可能です。
ダウンロード
ダウンロードはこちらから
バグにより一時ダウンロードが停止されていましたが、現在はダウンロードと可能となっています。
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