2025年6月18日(現地時間) – Maxon は、Cinema 4D、Redshift、Red Giantの新機能を含むMaxon One製品群の2025年6月アップデートをリリースしました。
ここでは、Redshift 2025.5 の新機能を紹介したいと思います。
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、Cinema 4Dのビューポートにおけるマテリアル表示の強化、高密度の雲や煙をアーティファクトなく表現可能になった標準ボリュームの品質向上、そして待望のNVIDIA Blackwell GPUへの対応といった新機能が追加されました。
NVIDIA次世代GPUへの対応
NVIDIAの最新世代GPUアーキテクチャ「Blackwell」(50xxシリーズ)に正式対応しました。最新のハイエンドハードウェアのパワーを最大限に引き出し、レンダリング時間を短縮することができるようになりました。
よりシンプルなアンビエントオクルージョンAOV
新しい「Simplified Ambient Occlusion AOV」を有効にするだけで、レンダリング時にフレーム全体へアンビエントオクルージョンが適用されるようになりました。これまで以上に簡単に、レンダリング結果に深みと立体感を加えることができます。
USDZ形式のサポート
Houdini/SolarisおよびHydraにおいて、プロシージャルとしてUSDZ形式をサポート。USDZはファイルサイズが軽量なため、読み込み時間を短縮し、パフォーマンスを向上させます。ARコンテンツ制作など、USDをベースとしたエコシステムとの連携がよりスムーズになります。

Cinema 4Dでのワークフロー改善
- ヘアーのサンプリング品質向上: ヘアーのカーブに沿ってカラーやその他のプロパティを細かく変更できるようになり、鳥の羽や複雑なヘアカラーといった、入り組んだデザインの表現力が向上しました。
- UDIMプレビュー対応: UDIMタイルで構成されたテクスチャをビューポート上で直接プレビュー可能に。複雑なモデルのテクスチャリング作業が、これまで以上にスムーズになります。
- ビューポートマテリアル強化: ビューポートでの金属的な質感(Metalness)の表現が向上したほか、ポートごとのシェーダ ベイク オプションが新しくなり、Redshift マテリアル ベイクを使用した ZBrush ワークフローも改善されました。

BlenderのPointCloudオブジェクト対応
Blenderのジオメトリノードで作成されたPointCloudオブジェクトを、RedshiftのPointCloudオブジェクトとしてネイティブにレンダリングできるようになりました。これにより、複雑なパーティクル表現などを直接Redshiftで扱うことが可能になります。

標準ボリュームの品質向上
ボリュームに黒い斑点が発生するバグが修正され、高密度な雲や煙のようなエフェクトを、アーティファクトの発生なくレンダリングできるようになりました。
各DCCツールのその他のアップデート
新機能の追加に加え、各ツールで多くの機能強化と安定性の向上が図られています。
Cinema 4D :
- ポータルライトのビューポート表示が改善
Maya:
- USD プロキシに対してマテリアル単位のオーバーライド対応
- マテリアルプレビューのカメラFOVが Arnold および Maya Hardware レンダラーと一致
- マテリアルパラメーター操作時のレスポンス性向上
- デフォルトの出力画像形式を EXR に変更
- USDファイル変更時にプロキシノードのプレビューが更新されるよう改善
3ds Max:
- Render Element クラス名がより読みやすく変更(旧クラス名も MAXScript から使用可能)
- IPR(インタラクティブプレビュー)中の操作がシーンの再変換を不要に(例:アンダーサンプリング変更やレンダリングモード切替など)
- 複数のマテリアルバリエーションを簡単に切り替えられるAutodesk Material Switcherがサポートされました。ルックデベロップメントの過程で、迅速な比較検討が可能になります。
- RS User Data マップで組み込み属性名をドロップダウンから選択可能に
Houdini:
- Houdini 20.5.584 / 613 に対応(20.5.487 / 522 のサポート終了)
- op: および opdef: テクスチャをレンズディストーションパラメーターに対応
- カスタム AOV に「ノイズ除去(denoise)」フラグを追加
Hydra:
- Solaris 20.5.584 / 613 に対応(20.5.487 / 522 のサポート終了)
- USDZ レンダリングに対応(Solaris 20.5 以降)
- カメラのボケ・背景画像・レンズディストーション設定に op: / opdef: テクスチャ対応追加
USD Procedural:
- USDZ アセットのレンダリングに対応(USD 24.03 以降)
全体共通(All):
- OpenPBR マテリアルにアンビエントオクルージョン(Ambient Occlusion)AOV を新規追加
- OIDN(Open Image Denoise)をバージョン 2.3.3 にアップグレード
Alembic Procedural:
- 任意のポリメッシュに対してもテッセレーションを強制できるフラグを追加(SubD に限定されない)
アップデート情報
2025.6
新機能ハイライト
- [Houdini]において、新しい「Redshift Object Params」SOPノードが導入され、SOPでのOBJパラメータがサポートされるようになりました。
- [3dsMax]に、DomeLight用のDirectX 11ビューポートプレビューが追加されました。これにはOCIOサポートとリアルタイムカラー調整が含まれます(3ds Max 2023以降が必要)。
- OpenColorIOがバージョン2.4.2にアップグレードされました。
- Flakesシェーダーにおいて、メッシュが変形した際にオブジェクトモードでフレークが「泳ぐ」現象などバグが修正されました。また、パフォーマンスも向上しています。
- [Maya]Redshift User Data Stringノードが追加されました。
- [Hydra]CryptomatteやDeep EXRファイルを含む出力ファイルにおいて、「%04d」形式のフレーム番号タグがサポートされるようになりました。
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C4D
- バンプマップのビューポート表示におけるリグレッションが修正されました。
- テクスチャノードの明示的なカラースペースとしてRawを使用した場合に、ビューポート表示で生じていたバグが修正されました。
- コネクトオブジェクトと併用した際のC4Dボリュームの処理に関するバグが修正されました。
- タグデータを変更した際に、IPRでUVWが更新されない問題が修正されました。
- テクスチャアニメーション設定における時間値の不正確さに関する問題が修正されました。
- ポリゴン選択を変更してもIPRが更新されないバグが修正されました。
- 単一ノードのアセットがレンダリングされないバグが修正されました。
Maya
- Redshift User Data Stringノードが追加されました。
- RTレンダーエンジンが選択されている場合に、プラグインからデノイザーが実行できてしまうバグが修正されました。
- 新しいシーンを開く際に時折発生していたクラッシュが修正されました。
- IPRのレンダリング終了後にマテリアルビューが更新されないバグが修正されました。
Max
- DomeLight用のDirectX 11ビューポートプレビューが追加されました。これにはOCIOサポートとリアルタイムカラー調整が含まれます(3ds Max 2023以降が必要)。
- オブジェクトの包含モードを使用した場合に、空のトレースセットが指定できないバグが修正されました。
- エクスプレッションコントローラーでRedshiftマテリアル/テクスチャマップパラメータを参照した際に、潜在的なシーン破損を引き起こす可能性があったバグが修正されました。
- シーンをロードすると、エクスプレッションコントローラーで参照されていたRedshiftマテリアル/テクスチャマップパラメータが失われるバグが修正されました。
Houdini
- Houdini 20.5.654がサポートされ、20.5.550のサポートは終了しました。
- 新しい「Redshift Object Params」SOPノードが導入され、SOPでのOBJパラメータがサポートされるようになりました。
- オーバースキャン機能に影響を与える可能性のあった複数のバグが修正されました。
- Sunライトを作成する際のIPRの更新に関する問題とクラッシュが修正されました。
Hydra
- Solaris 20.5.654がサポートされ、20.5.550のサポートは終了しました。
- CryptomatteやDeep EXRファイルを含む出力ファイルにおいて、「%04d」形式のフレーム番号タグがサポートされるようになりました。
- widths属性からのIPR更新に影響を与える可能性のあったバグが修正されました。
- グローバル環境シェーダーのIPR更新に影響を与える可能性のあったバグが修正されました。
- ボケ画像パラメータに影響を与える可能性のあったバグが修正されました。
- 相対パスの画像、Cryptomatte、またはDeep出力ファイルに影響を与える可能性のあったバグが修正されました。
- ピックされたカメラからのカメラマッププロジェクションのFOVに影響を与える可能性のあったバグが修正されました。
USD cmdLine
- 出力ファイルにおいて、「%04d」形式のフレーム番号タグがサポートされるようになりました。
- レンダープロダクト名から直接評価されるEXR出力ファイル名がサポートされるようになりました。
- レンダー設定で構成されていない場合に、デフォルトのCryptomatteおよびDeep EXRファイル名がサポートされるようになりました。
Blender
- シーンロード時に未定義のノードソケットを修正する方法が追加されました。
- 新しいAOパネルが拡張され、「Commons Lighting params」パネルの同名のパラメータを上書きする新しいパラメータがいくつか追加されました。
- 「Scene As Proxy」、「Render to Image File」、「Object to Proxy」のインターフェースに、出力ファイル名を構成するための新しいオプションが追加されました。
全般
- ネストされたVDBボリュームで不正なライティング結果が生じるバグが修正されました。
- AOVノードへのストアの出力をカスタムAOVに使用するとクラッシュするバグが修正されました。
- Flakesシェーダーにおいて、メッシュが変形した際にオブジェクトモードでフレークが「泳ぐ」現象が修正されました。
- Flakesシェーダーにおいて、フレークが局所的な相関を示すバグが修正されました。
- 一部のDCCで不正なCryptomatteオブジェクトIDを引き起こす可能性があった、最近導入されたバグが修正されました。
- Flakesシェーダーのパフォーマンスが大幅に改善されました。
- OpenColorIOがバージョン2.4.2にアップグレードされました。
- シェーダー駆動のスプライトノードが、スカラーシェーダー入力で動作するようになりました。
- メッシュをエクスポートする際にランダムなクラッシュを引き起こす可能性があったバグが修正されました。
CUDA
- HopperおよびBlackwellデータセンターGPUへの対応が追加されました。
Alembic Procedural
- 整数の頂点またはユーザーデータ属性がサポートされるようになりました。
価格とシステム要件
Redshift 2025は、次のシステムで利用できます。
オペレーティングシステム
- Microsoft Windows: 64 ビット Windows 10 および Windows 11
- Linux: glibc 2.28 以降を搭載した 64 ビット ディストリビューション
- Apple macOS 13.3+ (Ventura) および 14.1+ (Sonoma)。
サポートされている3Dアプリケーション
- Autodesk Maya (Windows、macOS): 64 ビット版。2018 以降
- Autodesk Maya (Linux): 64 ビット版。2022 以降
- Autodesk 3ds Max (Windows): 64 ビット版。2018 以降
- Maxon Cinema 4D (Windows、macOS、Linux CommandLine): 64 ビット版。R25 以降
- SideFX Houdini (Windows、macOS、Linux): 64 ビット版。18.5 以降
- Foundry Katana (Windows、Linux): 64 ビット版。4.5v1 以降
- Blender (Windows、Linux): 64 ビット版。3.1.0LTS 以降
より詳しいシステム要件はこちらから
価格は5月から値上がりし、サブスクリプションで8,800円/月または50,820円/年です。
また、Redshiftは、Cinema 4DのライセンスとCinema 4D 、Redshift 、RedGiant はMaxonの製品が全て利用できるサブスクリプション『MAXON ONE』の一部としても利用できます。
その他詳しい価格の確認はこちらから
























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