2025年12月3日(現地時間)Foundryは、3Dテクスチャ制作ソフトウェアの最新アップデート Mari 7.5 をリリースしました。
新機能ハイライト
Mari は高解像度テクスチャを扱う大規模アセットに対応したペイントツールとして知られていますが、今回のアップデートではアーティストから最も要望の多かった、単一ノードでの複数チャンネル同時ペイントを可能にするマルチペイント機能が実装されました。他にも、 画像管理システムやテクスチャ転送エンジンの改良が行われています。
マルチペイントの実装
これまでのMariのペイントツールは単一のRGBA画像の使用が基本でしたが、 Mari 7.5では「Multi-Painting」機能により、1つのノードから最大8つの異なるストリーム(チャンネル)へ同時にペイントが可能になりました。
これによりDiffuse(カラー)、Specular(反射)、Bump(凹凸)などを個別に切り替えることなく、効率的にペイント作業ができるようになりました。
この機能は Foundry と Wētā FX の共同開発によって生まれ、すでに Wētā FX のアーティストが実際のプロジェクトで活用しているとのことです。
最大8チャンネルの同時制御
Mari 7.5ではツールバーに新しいパレットが追加され、ここからMulti-Paintingの設定を行います。 基本的な使用手順は以下の通りです。
- ノードグラフでMulti-Channel Paint Nodeを作成します。
- 対象となるシェーダーモデルのコンテキストを選択します。
- Multi-Paintパレットで各ストリームの設定を調整します。

ノードを選択するとパレットに対応するシェーダーストリーム一覧が表示され、自動的にMulti-Paintingモードが有効になります。 (パレット左上の電源ボタンで手動でのオン/オフ切り替えも可能です。)
「プライマリストリーム」について
複数のチャンネルに同時にペイントを行いますが、ビューポート上のプレビュー(Paint Throughツール使用時など)には、一度に1つのチャンネルのみが表示されます。 これを「Primary Stream(プライマリストリーム)」と呼び、パレット上では白い目のアイコンで表示されます。 カラースウォッチやツールバーの設定は、このプライマリストリームと同期します。
対応ツール
Mariの主要なペイントツールがアップデートされ、Multi-Paintingコンテキストに対応しました。 以下のツールは、ブラシプロパティや投影マスクなどの設定を含めてマルチペイントで使用可能です。
Select Tool Fill
Paint Buffer Eraser
Pinup
Transform Tools
Paint
Paint Through
Slerp
Roller Brush
Clone Stamp
Tow Brush
Blur
Warp
Marquee Select
プリセット機能
パレットの設定状態を新しいプリセットシステムで保存できるようになりました。
設定を「Shelf」に保存しておくことで、別の作業時にも同じ環境を素早く再現できます。

Multi-Paintingの詳細(公式ドキュメント)はこちら >
Image Managerの改良:Image Groups
従来のタブシステムに代わり、新しく「Image Groups(画像グループ)」による管理機能が導入されました。 これにより、増え続ける画像アセットの整理がしやすくなります。
- 右クリックメニューからグループの作成・追加が可能。
- グループの展開・折りたたみによる表示整理。
- ドラッグ&ドロップによる画像のグループ移動。
ドラッグ&ドロップ時の自動割り当て
Image GroupをMulti-Paintパレットにドラッグ&ドロップすると、 ファイル名や命名パターンに基づいて、画像が自動的に適切なストリームに割り当てられます。 (これにはMaterial Ingest Presets (*.mip) が使用されます。)
自動割り当てで一致しなかった場合でも、Image Groupプロパティ内のテーブルから手動でマッピングを編集したり、 特定のプリセットを指定して再割り当てを行うことができます。
Image Groupsの詳細(公式ドキュメント)はこちら >
Texture Transfer のパフォーマンス向上
新しいTexture Transferシステムでは「Bakeryエンジン」を活用することで、処理速度とパフォーマンスが向上しました。 これにより、アセット間でのテクスチャ転送にかかる時間が短縮されています。
テストケースにおいて、「3つの 28 UDIM 4k 16bit ペイントノード」を「単一の 4k UDIM」に転送する処理が約10秒で完了したとのことです。。 以前のバージョンと比較して、待ち時間が大幅に短縮されています。
Texture Transferの詳細(公式ドキュメント)はこちら >
新しいリソースの追加
制作環境を拡張するコンテンツが追加されています。


Brad’s Movie Brushes
著名なテクスチャ/LookdevアーティストであるBradford deCaussin氏が監修した、 45種類もの新しいブラシセットが標準搭載されました。

Project: Patches
多くの要望にお応えし、以前デモで使用されていたキャラクター「Patches(旧Dadi)」が テクスチャリング練習用のサンプルプロジェクトとして利用可能になりました。
管理機能の強化
- バックアップと復元: 自動保存やバックアップからの復元機能が改善されました。新しいタグ付け機能により、バックアップデータの識別が容易になっています。
- クラッシュレポート: プロジェクトの機密情報を含めずに、クラッシュやバグ情報を開発チームへ送信できる新しいレポートシステムが導入されました。
価格とシステム要件
Mari 7 は、次のオペレーティングシステムで利用できます。
- Windows 10, 11 64ビット
- Linux 64 ビット オペレーティング システム (Rocky/RHEL 9)
より詳しいシステム要件の確認はこちらから
価格は以下の通りです。投稿時点で、Mari 個人ライセンスの期間限定50%オフセール(新規サブスクライバーのみ対象、利用規約が適用されます)が開催されています。
| プラン | 対象 | 期間 | 価格(税抜) |
|---|---|---|---|
| Mari Teams | チーム・スタジオ向け ノードロック または フローティング | 年間サブスクリプション | $1,229 |
| 四半期レンタル | $909/ 四半期 | ||
| Mari Individual | 個人アーティスト向け シングルライセンス | 年間サブスクリプション | $689 |
| 月額サブスクリプション | $86/ 月 |
※ 表示価格は基本価格(定価)であり、セールやキャンペーン等は反映されていません。
※ 学生版、非商用版(無料体験版)などのプランも用意されています。


























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