2025年9月10日(現地時間)- Appleは、iPhone向けの無料ビデオ撮影アプリ「Final Cut Camera」のメジャーアップデートとなるバージョン2.0を発表しました。
主な新機能
このアップデートは、特に最新のiPhone 17 ProおよびiPhone 17 Pro Maxの性能を最大限に引き出し、プロレベルの映像制作を可能にする新機能を多数搭載しています。
これまでもFinal Cut Cameraは、ホワイトバランスやマニュアルフォーカスといった詳細な設定を提供し、多くのクリエイターに愛用されてきました。バージョン2.0では、これらの基盤の上に、さらに専門的な機能が加わります。

ProRes RAW撮影に対応
今回のアップデートの大きな特長は、iPhone 17 ProシリーズでProRes RAW形式での撮影に対応した点です。これにより、カメラセンサーから直接、加工されていないRAWデータを記録できるようになります。ポストプロダクション(撮影後の編集作業)において、露出や色温度、カラーグレーディングなどをより柔軟に、かつ高品質に調整できるため、映像表現の幅が大きく広がります。
ProRes RAWは、ProResの高いパフォーマンスとRAWの柔軟性を融合させた業界標準フォーマットで、高解像度映像の厳しい要求にも応えます。Appleシリコンに搭載された専用メディアエンジンにより、他のRAWフォーマットに比べて書き出しが高速で、ファイルサイズも小さく扱いやすく、ポストプロダクションをより快適にします。
また、センサー全体を利用してDCI 4Kより高解像度でさらに広い画角で撮影できる「オープンゲート収録」も導入。画質を損なうことなく、撮影後に映像のフレーミング変更や手ぶれ補正を行いやすくなります。
さらに、今後リリース予定のFinal Cut Pro 11.2およびiPadのためのFinal Cut Pro 2.3では、iPhoneで撮影されたProRes RAW映像の露出、色温度、色合いなどを直接調整できるようになり、より精密なコントロールが可能になります。
複数カメラの映像を完璧に同期させる「Genlock」機能
プロの撮影現場では、複数のカメラを使って同時に撮影することがよくあります。新しく搭載されたGenlock機能は、複数のiPhoneや他の業務用カメラの映像フレームを基準信号に正確に同期させる技術です。
これにより、編集時に手作業で各カメラの映像を1フレームずつ合わせる、という時間のかかる作業が不要になり、ワークフローが大幅に効率化されます。
Genlock APIのサポートは他社製品でも利用でき、すでに新しいBlackmagic Design Camera ProDockで使われています。
新しいセンターフレームフロントカメラにも対応
iPhone 17シリーズに搭載された新しいセンターフレームフロントカメラを活かし、iPhone本体を回転させることなく、縦向き・横向きのどちらの映像も撮影可能になりました。
センターフレームフロントカメラは、さらに広い視野角とより高い解像度を持つ、iPhoneで最も大きい初の正方形フロントカメラセンサーです。より広く、高解像度になった正方形センサーにより、撮影の自由度が増します。
その他の主な新機能
- Apple Log 2対応: より広い色域での撮影が可能になり、カラーグレーディングの柔軟性が向上します。
- タイムコード機能: 撮影時刻や外部タイムコードを記録し、編集時に特定のシーンを素早く見つけられます。
- 200mm望遠カメラ対応: iPhone 17 Proの新しい望遠カメラを使い、最大4K 60fpsのProResビデオを撮影できます。
以上、正式リリース後、追加情報があれば記事を更新したいと思います。
提供について
Final Cut Camera 2.0は、今月中にApp Storeにて、無料のアップデートまたは新規ダウンロードとして提供が開始される予定です。
利用にはiOS 18.6以降を搭載したiPhone XS以降が必要ですが、一部の新機能はiPhone 17 Proなど特定のモデルでのみ利用可能です。
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