2025年8月26日(現地時間)Jawset Visual Computing は、Postshot v1.0 の正式リリースを発表しました。
Postshot とは
「Postshot」は、近年のNeRFとGaussian Splattingといった機械学習とニューラルレンダリング技術の進歩をプロダクション(制作現場)で活用するためのソフトウェアです。
2023年からベータ版として提供されていましたが、この度正式リリースとなりました。
Postshotを使用すると、特別なスキャン機材は不要で、手持ちのカメラで撮影した写真や動画から、フォトリアルな3Dシーンやオブジェクトをわずか数分で作成できます。再構築された3Dシーンは、新たな視点からのレンダリング、レンズや焦点距離の変更、3D空間での構図調整、自由なカメラアニメーションの作成など様々なクリエイティブな作業に活用できます。
Postshotは、トラッキング、トレーニング、編集、レンダリングというRadiance Fieldの全工程を、ユーザーフレンドリーでシームレスな一つのワークフローで提供します。数クリックで画像セットを読み込むだけで、ソフトウェアが自動的に3Dシーンを学習するため、専門知識がなくても直感的に作業を始められます。
また、すべての処理はユーザー自身のデバイス上で完結する点も大きな特徴です。作成したコンテンツが外部のサーバーにアップロードされることはなく、データは完全にユーザーの管理下に置かれます。
主な機能
ライブトレーニングプレビュー
モデルシーケンスレンダリング
Uneal Engine統合
選択、編集
After Effectsとの統合
複数のシーンを結合
柔軟性と拡張性
Postshotは、プロフェッショナルの要求に応えるための柔軟な機能を網羅しています。
- 多様なインターフェース:グラフィカルなインターフェース(GUI)に加えて、コマンドライン(CUI)からの操作も可能で、バッチ処理や自動化にも対応します。
- データ形式と解像度:画像の枚数やモデルのサイズに制限はありません。4Kや8Kといった高解像度の画像にも対応しています。また、JPG, PNG, TIF, EXR, DNG, RAW, MOV, MP4, MKVなど、幅広い静止画・動画フォーマットの入力が可能です。
- 高度な編集と連携:Unreal EngineやAfter Effectsとの連携機能、複数のシーンのマージ、背景除去のための画像マスキング、サードパーティ製ツールからのポーズ/ポイント情報のインポートなどをサポートします。
- 制作を効率化する機能:関心領域(ROI)を指定してリソースを集中させるトレーニングや、地理参照データとの統合など、制作ワークフローを強力にサポートします。
新機能ハイライト
最新のアップデートでは以下のような機能が追加されています。
- AIによるアシスト機能:AIが被写体を自動で認識し、マスク作成や背景除去を高速化します。手作業の工程を大幅に削減し、よりクリエイティブな作業に集中できます。
- SpaceMouseのサポート: 3Dconnexion社のSpaceMouseに対応し、より直感的でスムーズな3D空間のナビゲーションが可能になりました。
- Unreal Engine 5.6対応:最新のUnreal Engine 5.6をサポートし、ゲーム開発やバーチャルプロダクションとの連携を強化しました。
- USDおよびglTFエクスポート対応:業界標準フォーマットであるUSDおよびglTF形式でのエクスポートに対応しました。これにより、他の3Dツールやプラットフォームとの連携がさらにスムーズになります。
- AprilTagによる自動シーン位置合わせ:AprilTagマーカー(QRコードに似た白黒の正方形のマーカー)を自動検出し、シーンのスケールや向きを正確に位置合わせします。手動での調整作業を省き、セットアップを効率化します。
- ACESカラーマネジメント対応:映像業界の標準カラーワークフローであるACES(Academy Color Encoding System)をサポート。プロジェクト全体で一貫した色管理を実現します。
- トレーニングパフォーマンスの向上:モデルのトレーニング(学習)処理が高速化されました。さらに、GPUメモリの使用量を自動で最適化する機能が追加され、メモリが限られた環境でも大規模なモデルを安定して扱えるようになっています。ノイズの発生やクラッシュなど、多数の品質・安定性に関する問題も修正されました。
価格とシステム要件
Postshot は、Windows 10以降のOSと、Nvidia製の指定GPU(GeForce RTX 2060, Quadro T400/RTX 4000以上)を搭載したコンピューターで利用できます。
価格はとプランは以下の通りです。
※価格は投稿時点での価格です。おそらくユーロが基準となっており、その他の価格は為替の影響で変わる可能性があることにご留意ください。
- 画像数、ビデオ長、モデルサイズ無制限
- 最大4K、SDR(8ビット)カラーで画像をトレーニング&レンダリング
- 保存ファイルはFreeプラン内でのみ使用可能
- カメラポーズとポイントのエクスポート
- COLMAP, RealityScan形式でのカメラとポイントのインポート
Indie
- ウォーターマークなしで画像とビデオをレンダリング
- どのデバイスでも使用可能なフローティングライセンス
- どのプランでも保存ファイルを使用可能
- PLY形式でRadiance Fieldsをエクスポート
- 無制限のレンダーノード (UE, AE)
Studio
- EXR, TIF, DNG, RAW画像形式をサポート
- 4K以上の画像とHDR(16ビットまたは32ビット)カラーをトレーニング&レンダリング
- コマンドラインインターフェース
- AprilTagsを使用した自動シーンアライメント
- BlockExchange形式でのカメラとポイントのインポート
価格は為替レートの調整を受けることがあります。
価格には付加価値税は含まれていません。付加価値税を含む価格はチェックアウト時に表示されます。
サブスクリプション期間はキャンセルされるまで自動的に更新されます。
以前のリリースにはこちらからアクセス可能です。
機能比較表をみる
| 機能 | Free | Indie | Studio |
|---|---|---|---|
| 画像数、ビデオ長、モデルサイズ | ✔ | ✔ | ✔ |
| 最大レンダリング品質 | 4K, SDR (8bit) | 4K, SDR (8bit) | 4K以上, HDR (16/32bit) |
| 保存ファイルの利用範囲 | Freeプラン内でのみ | 無制限 | 無制限 |
| カメラポーズとポイントのエクスポート | ✔ | ✔ | ✔ |
| COLMAP, RealityScan形式でのカメラとポイントのインポート | ✔ | ✔ | ✔ |
| ウォーターマークなし | ✘ | ✔ | ✔ |
| フローティングライセンス | ✘ | ✔ | ✔ |
| Radiance Fieldsエクスポート (PLY) | ✘ | ✔ | ✔ |
| 無制限のレンダーノード | ✘ | ✔ | ✔ |
| 高度な画像形式サポート (EXR, RAW等) | ✘ | ✘ | ✔ |
| コマンドラインインターフェース | ✘ | ✘ | ✔ |
| AprilTagsを使用した自動シーンアライメント | ✘ | ✘ | ✔ |
| BlockExchange形式でのカメラとポイントのインポート | ✘ | ✘ | ✔ |
キャプチャガイドラインは以前の記事をご覧ください。

























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