2026年3月16日(現地時間) – Canva は、クリエイティブソフトウェアスイート「Affinity」の最新のアップデートを公開しました。
新機能ハイライト
このアップデートでは、「ライトUI」の実装や、「カーブに変換」機能の追加など、実際のクリエイティブなワークフローを強化し、作業を効率化するための様々な新機能が含まれています。
ユーザーの好みに合わせて調整可能な「ライトUI」
長らく要望の多かった「ライトUI」が新たに導入されました。レイアウト確認が中心となるプロジェクトや、長時間のスタジオ作業において、より明るく見やすい作業環境を好むユーザーに最適なインターフェースとなっています。
ライト UI はダークモードと同様に、細かなカスタマイズが可能です。コントラストの強い明るい表示から、彩度を抑えた落ち着いた明るさまで、ユーザーの好みに合わせて輝度を微調整できます。視認性を確保しつつ、作業への集中を妨げない快適なワークスペースを構築することが可能です。

ピクセル選択範囲からベクターアートワークへ変換
ラスター(ピクセル)からベクターへの変換プロセスを高速化する新機能が追加されました。ベクターメニューの 「カーブに変換(Convert to Curves)」 を使うことで、ピクセルの選択範囲をそのまま、完全に編集可能なベクターカーブへ瞬時に変換できます。
これにより、写真の一部からクリーンなベクターアートを作成する際に、手作業でアウトラインをトレースする必要がなくなります。シルエットやロゴ風のグラフィックス、ポスターやサムネイル用の切り抜き素材などを、これまでより短い時間で制作できるようになります。
また、「オブジェクト選択ツール」と併用することで、ピクセルからベクターへの移行がシームレスに行え、作業の勢いを止めることなく制作を進めることができます。
ライブ色調ブレンドグループによる非破壊的なレイヤー合成
「ライブ色調ブレンドグループ(Live Tone Blend Groups)」機能の導入により、Affinityにおける画像合成(コンポジット)のアプローチが新しくなりました。レイヤーをこの特殊な動的グループ内に配置すると、下層にある構成要素とリアルタイムかつ完全に非破壊でブレンドされます。
コンポジターやデジタルアーティスト、画像編集者にとって、これは作業手順を大幅に簡略化する機能です。これまでクリッピングマスクやチャンネル操作を使って手動で行っていた色調合わせが、ワンクリックで実現できるようになります。
また、他のソフトウェアに見られる破壊的な調和ツールとは異なり、ライブトーンブレンドグループは常に編集可能な状態を保ち、複雑なドキュメントでもスムーズにレンダリングされます。ブレンド設定は作業のどの段階でも調整でき、個々のレイヤーに対する再調整も柔軟に行えるため、より直感的で効率的なコンポジット作業が可能になります。
新しい色調ブラシツール
画像の合成やマットペイントなどで、ライティングや色の一貫性を整える際に役立つ「色調ブラシツール(Tone Brush Tool)」が新たに追加されました(※ピクセルスタジオの調整ブラシツールのフライアウトから使用可能)。
このツールを使用することで、画像の特定の領域に対して明るさ・コントラスト・色味を選択的に調整できます。ブラシストロークの下にあるレイヤー情報をインテリジェントに連続的に分析してサンプリングすることで、複雑な手動調整を行わなくても、写真やベクター要素、AI生成画像といった混合コンテンツ間の色調遷移を微調整し、コンポジション全体へ自然にブレンドすることができます。
また、ペイントを行うと自動的に独立した新規レイヤー(トーンレイヤー)が作成されるため、プロジェクトを整理しやすく非破壊での編集が保たれます。


ワークフローに合わせた3つの描画方式
- 覆い焼き/焼き込み: ブラシの入力に基づいて色調を明るくしたり暗くしたりします。局所的にコントラストを強めたり、光の形を整えたり、ハイライトを選択的に明るくし、シャドウを深めて奥行きを調整するのに最適です。(※作業中、
Xキーを押すことでこの2つのオプションを瞬時に切り替え可能です) - ブレンド: 塗った領域とその下のレイヤーの色調の差を滑らかに調和させます。合成要素を統合し、急な境界の変化をぼかし、ミックスされたコンテンツ全体の色調の不一致を均一化するのに役立ちます。
- 逆ブレンド: ブレンド方式とは逆の色調の影響を適用し、塗られた部分を周囲から微妙に分離します。過度なブレンドによって視覚的な輪郭が失われた場合に、コントラストを回復したり、トーンの違いを強調する際に効果的です。
操作性を向上させるその他のワークフロー改善
主要な新機能に加えて、日常的な作業の摩擦を減らすための細やかな改善も行われています。
ペンツールのショートカットと操作性の向上
テクスチャ作成時の精緻なマスク抜きや、ベクターデータ作成時のストレスを軽減するため、ペンツールの操作体系が大きく改善されました。特によく使うノード操作がショートカット化され、直感的な描画が可能になっています。
| 操作 / 機能 | 内容 |
|---|---|
| P キー | 描画中の現在のカーブをキャンセル |
| Alt + クリック | ノードを「シャープノード」に変換 |
| Alt + ドラッグ | ノードをシャープノード化し、コントロールハンドルの長さを対称にミラーリング |
| Shift + クリック | 新しいシャープノードを追加 |
| クリック (ノード上) | 対象のノードを削除 |
| ラバーバンドモード | 次のカーブセグメントをプレビューする機能がデフォルトで有効化 |
| 設定の保持 | ペンツールの一般設定がドキュメントやセッション間で保持されるように改善 |
その他のUI・操作改善
- SVG形式でのデフォルトコピー: オブジェクトをコピーする際、デフォルトでSVG形式としてクリップボードへ保存されるようになりました。
- 右クリックによるブラシメニューへのアクセス: イラストレーターやテクスチャアーティスト向けの改善として、右クリック操作でブラシライブラリ全体へ即座にアクセスできるようになりました。
- ドキュメントタブの右クリックメニューの拡充: カラーフォーマットやサイズの確認、他のファイルのクローズ、ウィンドウのフロート化などの操作が数秒で行えるようになります。
その他の新機能・改善点
上記で紹介した機能以外にも、多くの新機能や改善が追加されています。詳細は以下の通りです。
全般
- ドキュメント作成時に「ベクター」または「ピクセル」ビューモードを自動的に割り当て
グラフィックデザイン
- スウォッチパネルから直接グラデーションやハッチ(網掛け)スウォッチの編集が可能に
- ベクターメニューに「カーブの結合 (Join Curves)」を追加
写真編集
- 現像スタジオ (Develop Studio): 高コントラストな画像向けに、トーンカーブの選択肢(Compressed, Natural, High Contrast, Log)が追加
- グリッチフィルターの強化: 新たな「Data Blocks」エフェクトの追加や、既存タイプのバリエーション追加
- Affinity Raw Engineの更新: 新たに「Canon EOS R6 Mark III」「Sony ILCE-7M5 (A7 V) (ロスレス圧縮のみ)」「FujiFilm X-T30 III」「Leica M EV1」「Sony DSC-RX100 VIIA」などのカメラ機種に対応
ページレイアウト
- オブジェクトキャプション (Object captions): オブジェクトへのアタッチ、エッジへの配置とオフセット調整、自動ナンバリング、画像メタデータの挿入、相互参照ターゲットとしての利用に対応
その他の改善点
- ユーザーインターフェースにアクセントカラーを割り当て可能に(※Windows版のみ)
- ホーム画面のタブの並べ替えや、非表示などのカスタマイズに対応
- ツールパネルにドッキングされたフィルターを「Alt+クリック」することで、破壊的(直接的)に適用可能に
今回のリリースに含まれるすべてのアップデートの概要については、公式のリリースノートで確認することができます。
アップデートの利用について
このアップデートに含まれる新機能は、現在すでに利用可能となっており、最新プロジェクトですぐに活用できます。ライトUIでのレイアウト作業や、ピクセル選択からのベクター変換、柔軟な合成を可能にするライブトーンブレンドグループなどを試すことができます。
Affinityを初めて利用するユーザーは、公式サイトから無料でソフトウェアをダウンロードして体験することが可能です。
























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