2025年9月23日(現地時間)- Polygonflow は、UE用ワールド構築プラグイン Dash の最新アップデートバージョン 1.9.2 をリリースしました。
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、あらゆるアセットからタイル化可能なパターンを作成できるメッシュパターンツール、天候ツールセットを拡張する、新しい雨(Rain)と雪(Snow)ツールが追加されました。
さらに、コンテンツブラウザには、何千もの高品質なPBRアセットを収録した、2つの無料ライブラリが追加されました。その他にも多くの小規模な新機能や重要なバグ修正が含まれています。
メッシュパターン
プロシージャルでタイル化可能なパターンを作成するための全く新しいツール、メッシュパターン(Mesh Pattern)が導入されました。
このツールを使えば、付属のプリセットやカスタムアセットを使用して、屋根、壁、床など、単純なマテリアルだけでは表現しきれない人工サーフェスを作成できます。
メッシュパターンには、レンガ(Brick)、バスケットウィーブ(Basket Weave)、シェブロン(Chevrons)、ヘリンボーン(Herringbone)、古びた床(Worn Down Floor)、中空レンガ(Hollow Bricks)など、さまざまなプリセットが付属しています。もしプロジェクトに適したものがない場合でも、独自のパターンを簡単にデザインし、保存して、将来的にカスタムプリセットとして再利用することが可能です。
他のDashツールと同様に、メッシュパターンは完全にプロシージャルであり、スケール、角度、パディング、近接マスクなどの設定を調整することで、環境に合わせてプリセットを自在にコントロールできます。
雨(Rain Fall)ツール
新しい降雨ツール(Rain Fall)が追加され、ワンクリックで完全にプロシージャルな雨のエフェクトをシーンに追加できるようになりました。環境に合わせて簡単に調整可能なパラメータも備わっています。
このツールは、検索またはDashバーの作成メニューから見つけることができます。
雪(Snow Fall)ツール
さらに、新しい降雪ツール(Snow Fall)も追加され、見た目や挙動を完全にコントロールできるプロシージャルな雪のエフェクトを作成できるようになりました。軽い小雪から激しい吹雪まで、わずかな調整でシーンに適合させることができます。
2つの無料ライブラリが利用可能に
Amazon Berkeley Objects (ABO)
Amazon Berkeley ObjectsライブラリがDashのコンテンツブラウザに直接統合されました。これにより、高品質で実世界に存在する膨大な3Dモデルコレクションに、Dash内から完全に無料でアクセスできるようになりました。
Unrealプロジェクト内でこれらのアセットを簡単に検索・閲覧でき、環境にドラッグ&ドロップするだけで、Dashがダウンロードとインポートを自動的に処理します。
ABOライブラリには、マグカップ、皿、ボウルなどのキッチン用品から、椅子などの家具、電子機器、事務用品、さらには靴やバックパックといったアクセサリーまで、多種多様な日用品が含まれています。ライブラリはDashにネイティブ統合されているため、すべてのアセットには検索タグが付与されており、簡単に見つけることができます。また、マテリアル編集ツールでマテリアルを調整したり、コンテンツブラウザから直接スキャッタリングや物理演算で配置したりすることも、これまで通り可能です。
The Base Mesh Library
ABOと並行して、The Base Mesh LibraryもDashのコンテンツブラウザ内で直接利用可能になりました。このライブラリは、シーンのブロッキング、アイデアのテスト、またはより詳細な作業の土台として理想的な、クリーンでローポリなモデルを幅広く提供しており、すべて無料で利用できます。
Unrealプロジェクト内で、これらのメッシュをシーンに直接ドラッグ&ドロップするだけで、Dashがダウンロードとインポートを自動的に行います。各モデルには検索しやすいようにタグが付けられており、他のアセットと同様に、スキャッタリングや物理ベースの配置ツールですばやく配置できます。
スプライン描画ツール(タンジェント付き)
タンジェント(接線)を使ってインタラクティブにスプラインを描画・編集できる、新しいスプライン描画ツールが追加されました。
スプラインを詳細に制御したい場合に非常に便利で、描画中にShiftキーを押すだけでタンジェントを「投影」でき、既存のポイントをクリックするだけで編集できます。
スライダーの強度制御
Dash内のすべてのスライダーに、統一された強度制御機能が追加されました。これにより、例えば密度を調整する際に、CTRL、SHIFT、またはALTキーを押しながらスライダーを操作することで、スライダーの感度を下げることができます。値を手入力することなく、設定の精密な制御がはるかに容易になります。
各キーの挙動は以下の通りです:
- CTRL = 0.5倍速
- SHIFT = 0.25倍速
- ALT = 0.1倍速
これらのキーを押しながらスライドすると、スライダー上に強度調整の表示が現れます。
コンテンツブラウザでの複数アセット選択
Dashのコンテンツブラウザで、標準的な複数選択の挙動がサポートされるようになりました。
Dash 1.9.2からは、CTRLキーを押しながらクリックすると個々のアセットを複数選択でき、SHIFTキーを押しながらクリックすると最初と最後の選択範囲内のすべてのアセットを選択できます。また、CTRL+Aで表示されているすべてのアセットを選択したり、矢印キーで選択を移動したりすることも可能です。
これにより、タグの一括編集やコレクションへのアセットの一括追加が、より直感的に行えるようになりました。
その他の新機能とバグ修正
- ブレンドマテリアルツール内で、各レイヤーのタイリングを個別に調整できるようになりました。
- 高度な水マテリアル(Advanced Water)がパストレーサーをサポートしました。
- プロジェクトがバージョン管理下にある場合、`Your Project / Polygonflow` 以下で初期化されたコンテンツを自動的にチェックしないようにDashに指示できます。外部ツールでPolygonflowコンテンツを管理している場合は、「Skip Resources Acquisition」をオフにしてください。
- IESライブラリが時々ロードされないバグが修正されました。
- Fabライブラリで、最近のオンライン変更が原因でDashがアセットタイプを検出できなかった問題が修正されました。
- コンテンツブラウザで、マウスを重ねた際に一部のアイテムの境界線が部分的に描画されたままになる視覚的な不具合が修正されました。
- 「移動ツール」使用時、通常のEnterキーやEscキーに加えて、Dashバーから直接ツールを終了できるようになりました。
- 設定からDashのUIスケールを変更する際に関連するバグが修正されました。
- アセット選択機能が無料版のDashにも含まれるようになりました。
- デカールスキャッターに関する2つのバグ(1つは重大、もう1つはスケーリング関連)が修正されました。
- トライプレーナーマテリアルがFABのMegascansサーフェスでも動作するようになりました。
- カーブ描画ツールで作成されるカーブの名前がアウトライナーで「dash_curve」となり、デフォルト名はDashの設定から調整可能です。
- タイリングの単調さを崩す機能が改善され、目に見えるアーティファクトを回避し、より見栄えの良い結果が得られるようになりました。
価格とシステム要件
Dash の要件は Unreal Engine 5 と同じで、加えてインターネットアクセスと Windows 10 または 11 が必要です。価格は以下の通りです。
- サブスクリプション (月額 / 年額)
- 永久ライセンス (一括購入)
ライセンス | 月額料金 | 年間料金 | 備考 |
---|---|---|---|
Student | $7/月 | $60/年 | 学生向け |
Professional | $20/月 | $190/年 | ホビイスト/フリーランス向け (最初の3か月は月額$10) |
Enterprise | $89/月 | $850/年 | 企業向け |
ライセンス | 対象ユーザー | 初期一括料金 | 年間追加アップデート料金 |
---|---|---|---|
Professional | 収益/資金が$250K未満のホビイスト/フリーランスアーティスト | $230 | $115/年 |
Enterprise | 収益/資金が$250K以上の個人/企業 | $1999 | $999/年 |
※Professionalライセンスは、収益または資金が 25 万ドル未満で利用可能です。
また、Dash 1.9.0以降のLicense Managerから無料ライセンスを開始できるようになっています。Free Trial とは別に Free Limited License が選択できます。

Free Trial は、14日間無料ですべての機能を利用可能です。一方、 Free Limited License は期限はありませんが機能が制限されています。
その他詳しいライセンスの比較・最新情報はこちらから
コメント