2022年6月9日(現地時間)- EpicGamesは、クラウドベースのデジタルヒューマン作成アプリ MetaHuman Creator 早期アクセスの最新アップデート、Unreal Engine 向け MetaHuman プラグインを発表しました。
MetaHuman Creatorについて
MetaHuman Creator は、昨年から早期アクセス版として利用可能なデジタルヒューマンを数分で作成できるクラウドベースのアプリです。詳しい情報は以下の記事をご覧ください。

今回のリリースはまだ早期アクセス版ですが、MetaHuman Creator (髪と衣服を備えたフォトリアルなデジタルヒューマンを数分で作成できるクラウドベースのアプリ) の新機能 、Unreal Engine 5 での新しいキャラクターのリギング、アニメーション、および物理機能サポート、Mesh to MetaHuman (メッシュからMetaHumanを作成)機能が新しく提供されます。
Mesh to MetaHuman(メッシュからMetaHumanを作成)
新しいUnreal Engine の MetaHuman プラグインの最初の主要機能として ” Mesh to MetaHuman(メッシュからMetaHumanを作成) ” が利用可能になりました。
この機能を使用すると、独自のカスタム フェイシャル メッシュを完全なリグやアニメーションの準備がされた MetaHuman に変換することが可能となります。作成したキャラクターはさらに MetaHuman Creator で調整することができます。
■作成手順
- UnrealEngineプロジェクトをセットアップ。
- スキャン ツール、スカルプティング ツール、または従来のモデリング ツールでテクスチャ付きのメッシュを作成。
- それを Mesh to MetaHuman で UE5 の自動ランドマーク トラッキングを用い MetaHuman トポロジ テンプレートに適合させます。
- MetaHuman のオプションから選択したボディ タイプとそれを組み合わせます。
- テンプレートがクラウドに送信され、そこでデータベースから派生された最適な MetaHuman と照合されます。このメッシュでフェイシャル リグが操作される一方で、元のメッシュとの差分デルタも一緒に付いてきます。
- スタティック メッシュの MetaHuman への変換が完了すると、ダウンロードしたり MetaHuman Creator から開くことができるようになります。MetaHuman Creator ではアニメーションを再生してリアルな動きをその場で確認することも、さらに調整や改善を行うことも可能です。
髪や肌テクスチャといった要素は MetaHuman Creator やその他のツールで再作成あるいは再適用する必要がありますが、Mesh to MetaHuman を使用することで、ユニークなスタティックメッシュから完全にリギングされたデジタルヒューマンのベースを短時間で作成することが可能になります。以下の動画でこの手順を確認することができます。
詳しいMesh to MetaHumanの使用方法はこちらから
Unreal Engine 用の MetaHuman プラグインのダウンロードはこちらから
UE5の新しいキャラクターツールとの互換性
Unreal Engine 5 には、アーティスト向けのオーサリングやリターゲティング ツールセットなど、多数の新しいキャラクターリギングおよびアニメーション機能が付属しています。このリリースでは、それらすべてを MetaHuman で使用できるようになりました。
■コントロールリグ
MetaHuman は、「コントロールリグ」上にビルドされています。コントロールリグは Unreal Engine のビルトインされているリギング システムで、リグをすばやく簡単に作成したり、それらを複数キャラクター間で共有したりできます。UE5 では、コントロールリグが本番環境へ対応されるようになった他、さまざまな状況に合わせてコントロールを動的に再ペアレント化できる「空間の切り替え」などのさまざまな新機能も提供されています。
■Poseツール
コントロールリグはシーケンサーと統合されています。シーケンサーでは、新しい「Poses ツール」を使用してキャラクターをアニメートしたり、ポーズを保存して適用したりできます。くわえて、Poses ツールには、MetaHuman Creator にも追加されたいくつかの新しいポーズが含まれています。
■IKリターゲター
UE5 には、アニメーションをリターゲティングするためのまったく新しいアーティスト フレンドリーなツールセットがありMetaHumanのIK リグを最大限に活用できます。
「IK リターゲター」を使用すると、すべての MetaHuman と他のキャラクターの間で、仮にそれらのボディ プロポーションが異なっていたとしてもアニメーションをすばやく簡単に転送できます。また、MetaHuman は UE4 と UE5 の両方のマネキンと互換性がサポートされるようになったため、Unreal Engine マーケットプレイス にある既存のアニメーションにアクセス可能です。
■IKリグ
「IK リグ」を使用すると、スケルタル メッシュのポーズ編集を実行するソルバとゴールをインタラクティブに作成できます。MetaHuman が歩きながら特定のターゲットを常に見るようにしたりするなど、既存のアニメーションを維持しながらキャラクターを追加的に調整するといった場合に使用することができます。
■物理エンジン
Chaos(ケイオス)が UE5 のデフォルトの物理エンジンになり、MetaHuman にはアクティブなラグドールの物理設定も追加されました。違和感のないポーズをターゲットにしたり、つまずいた時には頭を保護しようとする動作も可能です。
また、MetaHuman サンプル プロジェクト に新しいレベルが追加されました。これらサンプル プロジェクトを使用すると、Unreal Engine プロジェクトでの新しい物理アセットの使用方法やアニメーションで「起き上がる」方法がわかります。

■Quixel Bridge
Quixel Bridge が Unreal Editor に統合されたことで、数回クリックするだけで UE5 プロジェクトに MetaHuman を追加できるようになりました。そのため、より短い時間でキャラクターを違和感なくリアルタイムにアニメートできるようになります。
MetaHuman Creator の新機能
今回のアップデートでは、独自のカスタム MetaHuman を改良する場合でも、ゼロから作成する場合でも役に立つ新機能が追加されました。
新しいフェイシャル アニメーション ループが10個追加:さまざまな表情でキャラクターの変形がどの程度うまく機能するかを、キャラクターをダウンロードすることなしに確認できるため便利です。
6つの新しいボディ ポーズと 6 つの新しいフェイシャル ポーズが追加:高いハードルを飛び越えようとする最中のポーズやコンテンポラリー ダンスの動きを試しているポーズなど
服装オプションが追加:水玉模様、ストライプ、ペイズリーなどのファブリック パターン内の領域の色をカスタマイズすることが可能に
新しいヘアスタイルが 13 個、合計 23 個の新しいグルームが追加:キャラクターの髪の毛をより細かく制御して多様な外観を実現するための、あごひげ、口ひげ、眉毛、まつげなど。また、髪の毛はオンブレ機能とハイライト機能、およびモホーク、フェイク モホーク、オールバック スタイルのさまざまな領域を個別に色付けする機能を使用することで、色をさらにカスタマイズできるようになりました。
Unreal Engine用のライティング プリセットが追加
今年1月に紹介した受賞歴のある撮影監督の Greig Fraser 氏によって設計された 6 つのライティング プリセットのバンドルがアップデートされました。

新たに、The Matrix Awakens: An Unreal Engine 5 Experience 用に設計された 3 つのライティング プリセットが追加されています。また、UE5 との互換性を維持するため、元々あった 6 つのプリセットの更新も行われています。更新されたライティングパックは以下のページから入手可能です。
新しいリリースで Mesh to MetaHuman(メッシュからMetaHumanを作成) などが Unreal Engine に追加されます
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