Qwen-Image-2.1 が公開!透過PNGの直接生成と最大10枚の参照画像編集に対応、ComfyUIもネイティブ対応

2026年9月20日(現地時間) – AlibabaのQwenチームは、テキストからの画像生成と画像編集を1つのモデルに統合した「Qwen-Image-2.1」を発表しました。ノードベースの画像生成環境ComfyUIも同日にネイティブ対応を発表し、すぐにワークフローへ組み込めるようになっています。

目次

Qwen-Image-2.1の特徴

「Qwen-Image-2.1」は、キストからの画像生成と画像編集を1つのモデルに統合したAlibabaのQwenチームによる新しいモデルです。

モデルウェイトが公開されており、透過チャンネル(アルファチャンネル)を含んだRGBA画像を直接出力できるほか、最大10枚の参照画像を組み合わせた画像編集にも対応しています。

生成・編集・透過画像を1つのモデルに統合

これまでの画像生成AIのワークフローでは、「プロンプトからの新規生成」「既存画像の編集」「背景の切り抜き(マット作成)」を行う際、それぞれ別のモデルや追加ノードをつなぐのが一般的でした。Qwenチーム自身も2025年12月に、透過画像の生成に特化した「Qwen-Image-Layered」を別モデルとして公開していました。

Qwen-Image-2.1では、この透過画像生成の機能をコアモデルに統合しています。通常のRGB画像を出力するか、アルファ付きのRGBA画像を出力するかは、プロンプトの内容からモデルが判断するので、1つのチェックポイントで、生成から編集、レイヤー素材の出力までを扱えます。

透過画像(RGBA)を直接生成・編集

RGBA出力では、サンプラーからアルファチャンネルを含む4チャンネルの画像が直接出力されます。背景除去ツールや輪郭のマット処理を後から挟む必要がなく、ステッカー、UIアイコン、ロゴ、製品パーツなどの切り抜き素材をそのまま作れます。単体のオブジェクトだけでなく、複数の要素で構成された透過グラフィックにも対応しています。Comfy Orgは発表の中で、主要なオープンモデルでこれができるものは他にないとしています。

生成した透過画像をもとにした再編集もできます。背景の透過を保ったままキャラクターの表情を変えたり、レイヤー内のテキストを書き換えたりできます。次の例では、ロゴ内の文字列「BLOOM」を、透過状態を保ったまま「Qwen-Image」に置き換えています。

実写からのアセット切り出しにも使えます。通常のRGB写真から目的の被写体を特定し、アルファチャンネル付きのRGBAレイヤーとして分離できます。3Dテクスチャ制作や2Dグラフィックデザイン、コンポジット用の素材づくりで、背景除去の工程を別に用意する必要がなくなります。

最大10枚の参照画像を組み合わせるマルチリファレンス

人物、アイテム、背景、ライティングスタイルなど、最大10枚におよぶ異なる参照画像を1枚の新しい構図へと統合できます。

以下は6人分のポートレートから集合写真を合成する例、モデル・服・靴・バッグ・帽子の5枚の写真からコーディネート画像を作る例です。他にも公式では、10種類の家具写真から部屋のレイアウトを組む例が紹介されています。

6枚のポートレートから生成した集合写真
6人分の個別ポートレートを参照して合成した集合写真
5枚の参照画像から生成したコーディネート
服・靴・小物など5つの参照素材を人物モデルに着せたコーディネート画像

丸囲み・塗り・マスクによる領域編集

画像の一部を編集する方法として、「画像上の丸囲み」「ブラシによる塗り(インペイント注釈)」「別レイヤーのマスク画像」の3種類が用意されています。丸囲みでは、色分けした円を描くことで、複数の領域に別々の指示を同時に出せます。

次の例では、「青い円の腕時計を消す」「赤い円の髪を黒にする」「緑の円の服をグレーの半袖リネンパジャマにする」の3つを1回の生成で行っています。

画像に直接描き込む方法では元画像の一部が隠れますが、元画像とマスク画像を別々の入力として渡す方法も使えます。元画像のピクセルを残したまま、マスクで指定した領域に要素を追加・再描画できます。

背景を保ったまま少しずつ変化を加えていけば、連番画像をつないだ短いアニメーションも作れます。公式では、中国のアニメーション「葫蘆兄弟(ひょうたん兄弟)」をモチーフに、カピバラのキャラクターが次々に登場するクリップを公開しています。

人物の顔と製品の特徴を保持

画像編集で難しいとされる「同一性の保持」にも力を入れているとしています。人物の編集では顔立ちや表情の特徴を保ち、商品画像ではロゴの書体、パッケージの印刷、立体的な形状を崩さずに、新しい光やシチュエーションに合わせられるとのことです。

パノラマ、インフォグラフィック、絵コンテの生成

1枚の作品だけでなく、制作の工程で使うさまざまな形式の画像も出力できます。たとえば、スマートフォンの自撮り写真1枚から周囲のパノラマ画像を作ったり、モデル写真からテキストやレイアウトを整理したインフォグラフィックを作ったりできます。

キャラクターの三面図を読み込ませて、そのキャラクターが一連の動きをする絵コンテを出力することもできます。CGアニメーションやゲーム制作の初期段階で、構図やシーン展開を検討する用途に使えます。

ビジュアルクオリティの向上

ビジュアルクオリティ面では、特に「タイポグラフィ(文字描画)」と「ポートレートの質感」が強化されています。

文字描画

文字描画においては、指定されたアルファベットの正確さだけでなく、フォントスタイルやレイアウト、画面全体の構図に合わせた配置が考慮されるようになりました。

文字描画の例1

ポートレートの質感

ポートレートでは、肌の細かな質感やライティングによる陰影の表現が向上したとのことです。

7Bのモデル構成と推論の効率化

画像生成部分には、32層のシングルストリームDiT(Diffusion Transformer)を採用しています。画像生成コンポーネントのパラメータ数は7B(70億)です。指示や参照画像の読み取りには、視覚言語モデルのQwen3-VL 8Bをテキストエンコーダーとして使っています。公式のベンチマーク「Qwen-Image-Bench」では、ほかのオープンモデルや商用モデルとの比較結果が示されています。

Qwen-Image-Benchの比較結果
Qwen-Image-Benchでのほかのモデルとの比較(Qwenチーム公表データ)

複数の参照画像を入力したときの処理を効率化するため、次の2つの仕組みが導入されています。

  • 混合粒度アテンション(Mixed-Granularity Attention): プロンプトや編集指示などのテキストにはトークン単位の因果マスクを、画像パッチにはブロック単位のマスクを適用し、アテンション計算の無駄を減らします。
  • KVキャッシュの再利用(KV Cache Reuse): 参照画像と編集指示の計算結果を最初のステップでキャッシュし、以降のノイズ除去ステップで使い回します。ステップごとの重複計算を省けるとしています。
Qwen-Image-2.1 の混合粒度アテンションとKVキャッシュ再利用メカニズム

参照画像が多いほど、ステップごとの再計算を省ける効果は大きくなります。最大10枚の入力に対応しつつ、推論時間を抑えるための工夫と見られます。

使い方

ComfyUIで使う

ComfyUIはモデル公開と同時にネイティブ対応しています。ComfyUI用に再パッケージされたモデルファイルが、Comfy OrgのHugging Faceリポジトリで配布されています。

  1. ComfyUIを最新バージョンにアップデートします(またはComfy Cloudを開きます)。
  2. Comfy-OrgのHugging Faceリポジトリから必要なモデルファイルをダウンロードし、下記の構成で models フォルダに配置します。
  3. Templatesメニューから「Qwen-Image-2.1」のワークフローを読み込みます。
  4. プロンプトを入力し、参照画像を使う場合は image_1 以降のスロットに画像をつないで実行します。

モデルファイルの配置

【モデルファイルの配置ディレクトリ構造】

📂 ComfyUI/
└── 📂 models/
    ├── 📂 diffusion_models/
    │   ├── qwen_image_2.1_bf16.safetensors
    │   └── qwen_image_2.1_int8_convrot.safetensors
    ├── 📂 model_patches/
    │   ├── qwen_image_2.1_fun_controlnet_union_bf16.safetensors
    │   └── qwen_image_2.1_fun_controlnet_union_int8_convrot.safetensors
    ├── 📂 text_encoders/
    │   ├── qwen3vl_8b_bf16.safetensors
    │   ├── qwen3vl_8b_int8_convrot.safetensors
    │   ├── qwen3vl_8b_w4a8.safetensors
    │   ├── qwen3.5_9b_qwen_image_2.1_pe_i2i.int8_convrot.safetensors
    │   └── qwen3.5_9b_qwen_image_2.1_pe_t2i.int8_convrot.safetensors
    └── 📂 vae/
        └── qwen_image_2.1_vae_bf16.safetensors
ComfyUI/
└── models/
    ├── diffusion_models/
    │   ├── qwen_image_2.1_bf16.safetensors
    │   └── qwen_image_2.1_int8_convrot.safetensors
    ├── model_patches/
    │   ├── qwen_image_2.1_fun_controlnet_union_bf16.safetensors
    │   └── qwen_image_2.1_fun_controlnet_union_int8_convrot.safetensors
    ├── text_encoders/
    │   ├── qwen3vl_8b_bf16.safetensors
    │   ├── qwen3vl_8b_int8_convrot.safetensors
    │   ├── qwen3vl_8b_w4a8.safetensors
    │   ├── qwen3.5_9b_qwen_image_2.1_pe_i2i.int8_convrot.safetensors
    │   └── qwen3.5_9b_qwen_image_2.1_pe_t2i.int8_convrot.safetensors
    └── vae/
        └── qwen_image_2.1_vae_bf16.safetensors

画像生成本体(DiT)は diffusion_models、テキストエンコーダーとプロンプト拡張モデルは text_encoders、VAEは vae に置きます。VRAM容量に応じて、標準の bf16 版か、量子化された int8 / w4a8 版を選べます。

参照画像は「Text Encode Qwen Image 2.1」ノードに接続します。スロットを埋めるたびに入力端子が追加され、最大10枚までつなげます。

公式から提供されている主なワークフローテンプレートは次の3種類です。

ワークフロー入力出力
Qwen Image 2.1: Image Edit
画像編集・部分変更
Image Edit 入力Image Edit 出力
Qwen Image 2.1: Text to Image
テキストからの生成
(プロンプトのみ)Text to Image 出力
Remove Background: Qwen Image 2.1
背景除去・RGBAレイヤー化
Remove Background 入力Remove Background 出力

プロンプト拡張用モデルについて

Comfy-Orgのリポジトリには、プロンプトを自動で補強するプロンプト拡張(Prompt Enhancer)用のモデル「qwen3.5_9b_qwen_image_2.1_pe」も含まれています。ComfyUIのTextGenerateノードと組み合わせて使うもので、Qwenが公開しているText-to-Image用(Qwen-Image-2.1-PE-T2I)と編集用(Qwen-Image-2.1-PE-I2I)のモデルがもとになっています。

手元に十分なGPU環境がない場合は、Comfy Cloudで公式テンプレートを選べばクラウド上で試せます。

diffusersで使う

Pythonのスクリプトやパイプラインに組み込む場合は、Hugging Faceの diffusers ライブラリにある QwenImage21Pipeline を使います。モデルカードによると、PyTorch 2.4.0以上、transformers 5.17以上に加え、GitHubから入れる最新版のdiffusersが必要です。

ターミナル
pip install "torch>=2.4.0"
pip install "transformers>=5.17"
pip install git+https://github.com/huggingface/diffusers
pip install accelerate pillow

同じパイプラインで、引数 image に元画像を渡すと編集(Image-to-Image)、省略すると新規生成(Text-to-Image)として動きます。モデルカードのコード例では、推論ステップ数は40に設定されています。

Python
import torch
from PIL import Image
from diffusers import QwenImage21Pipeline

# パイプラインの読み込み
pipe = QwenImage21Pipeline.from_pretrained(
    "Qwen/Qwen-Image-2.1",
    torch_dtype=torch.bfloat16
).to("cuda")

# 画像編集の例
image = pipe(
    prompt="Change the background to a sunset beach",
    image=Image.open("input.png"),
    num_inference_steps=40,
).images[0]

image.save("edit_example.png")

VRAMが足りない場合は、pipe.enable_model_cpu_offload() を有効にすると、モデルの一部をメインメモリに退避させながら実行できます。

対応解像度と透過画像のプロンプト

モデルカードでは、2K前後の解像度が推奨されています。主なアスペクト比ごとの推奨解像度は次のとおりです。

アスペクト比推奨解像度(横×縦)
1:12048×2048
4:3 / 3:42400×1792 / 1792×2400
3:2 / 2:32528×1696 / 1696×2528
16:9 / 9:162752×1536 / 1536×2752

【Tips】透過画像(RGBA)を出力するプロンプトの書き方

プロンプトの冒頭に This is an RGBA image with transparency.、末尾に The image has alpha channel and the background is transparent. を置き、その間に描きたい内容を書く形式が推奨されています。

ライセンスと利用時の注意点

ウェイトは公開されていますが、適用されるライセンスはQwen Research License Agreementです。商用利用が自由なオープンソースライセンスとは異なり、利用範囲に条件があります。実務で検討する際は、次の点に注意が必要です。

ライセンス上の主な条件

  • 非商用目的に限定: 許諾されているのは非商用目的での利用のみです。受託案件やクライアントワーク、商用コンテンツの制作、有償ツールへの組み込みなど、商用目的での利用はこの許諾の範囲外になります。
  • 商用利用は個別申請が必要: 商用で使いたい場合は、Qwen側にライセンスを申請する必要があります(model-business@notice.qwencloud.com)。
  • 派生モデル公開時のクレジット表記: 本モデルやその出力を使って新たなAIモデルを作成・学習・ファインチューニングし、配布・公開する場合は、関連ドキュメントに「Built with Qwen」または「Improved using Qwen」と目立つ形で表記する必要があります。
  • 名称の制限: 派生物や製品の主な名称に「Qwen」を使うことはできません。「fine-tuned from Qwen Image」のような説明的な表記は認められています。

技術面では、次の点にも注意が必要です。

  • 「7B」は画像生成部分の数値: テキストエンコーダー(Qwen3-VL 8B)やVAEも読み込むため、全体のメモリ使用量はこれより大きくなります。プロンプト拡張モデル(9B)を併用する場合はさらに増えます。
  • 必要VRAMの公式な数値はない: ComfyUIの発表では「コンシューマー向けGPUのVRAMで動く」としていますが、モデルカードに最小VRAMの記載はありません。高解像度での生成や多数の参照画像を使う場合は、VRAMに余裕のある環境が望まれます。
  • diffusersは開発版が必要: 本記事執筆時点(2026年10月2日)では、PyPIのリリース版ではなく、GitHubの最新版をインストールする必要があります。
  • ベンチマークは開発元の評価: Qwen-Image-Benchの比較結果は、Qwenチーム自身による評価です。

透過素材の生成、写真からの被写体の切り出し、最大10枚の参照画像を使った合成までを1つのモデルで扱えるため、素材づくりの工程をまとめられます。一方で、現時点のライセンスでは商用利用に個別申請が必要なため、まずは検証や個人の制作で試し、仕事で使う場合は条件を確認したうえで判断することになります。


Qwen-Image-2.1: Compact, Efficient, and Unified Image Creation

Qwen-Image-2.1 in ComfyUI(ComfyUI Newsletter)

Comfy-Org/Qwen-Image-2.1(ComfyUI用モデルファイル)

Qwen/Qwen-Image-2.1(Hugging Face)

QwenLM/Qwen-Image-2.1(GitHub)

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