After Effects v26.5(2026年9月)でガイド機能、オブジェクトマットのディスクキャッシュが追加! ベータ版では輪郭ペイントやAIアシスタントも

2026年9月9日(現地時間)- Adobeは動画モーショングラフィックスおよびVFXソフトウェア「Adobe After Effects」の最新バージョン「v26.5」を発表しました。

目次

新機能ハイライト

After Effectsの2026年9月リリース(v26.5)で、は、パーセンテージ指定や端へのピン留めに対応した新設計の「ガイド機能」、伝播結果をプロジェクト終了後も保持してRAM消費を抑える「Object Matteのディスクキャッシュ」、視認性を大きく高める「エフェクトのカラーラベル」や操作パネルのUI刷新が導入されました。

さらに、先行して開発が進む After Effects(ベータ版)では、作業を自動化する「AIアシスタント」や絵画的なルックを作る「輪郭ペイント」、Substanceマテリアルやレイヤーを活用した「3Dマテリアル」機能の拡張などのアップデートが提供されています。

新機能の概要(2026年9月リリース v26.5)

新しいガイド機能

新しいガイド機能は、パーセンテージによる位置指定、上下左右いずれの端にも固定できるピン留め、ガイドごとの色分け、右クリックでの編集操作の改善に対応しました。 特にパーセンテージ指定のガイドは、解像度やアスペクト比が変わっても比率を維持して追従するため、レイアウト崩れを防ぎやすくなります。

ガイドはコンポジション・レイヤー・フッテージの各パネルごとに独立して保持されます。ガイドの書き出し・読み込み時にパーセンテージ指定がピクセル値に変換されなくなったため、レスポンシブなレイアウトをアプリ間で再利用しやすくなりました。Premiereとの間でも、ガイドの色や配置モード(ピクセル/パーセンテージ、ピン留めの状態)を保ったままインポート・エクスポートできます。

単位としてピクセルまたはパーセントを選択し、ガイド位置をコンポジションに対してどう測定するか指定
ガイドの追加・編集手順 ▼
  1. 対象のパネル(コンポジション/レイヤー/フッテージ)で 表示 > ルーラーを表示 にします。
  2. 上のルーラーからドラッグすると水平ガイド、左のルーラーからドラッグすると垂直ガイドを追加できます。
  3. ガイドを右クリックして ガイドを編集 を選ぶと、位置(ピクセルまたはパーセンテージ)、基準となる辺(上下左右)、色、方向を調整できます。
  4. ドラッグ中に Alt(Windows)/Option(macOS)を押すと単位をピクセルとパーセンテージで即座に切り替えられ、Ctrl(Windows)/Command(macOS)を押すとピン留めの有無を切り替えられます。
  5. ドラッグ中は現在位置が画面上に数値表示され、ピン留めされている場合は「Pinned」ラベルも表示されます。

オブジェクトマットのディスクキャッシュ

ディスクキャッシュにより、Object Matteで伝播させた結果がプロジェクトを閉じたあとも保持されるようになりました。これまでは伝播したフレームがメモリ内にのみ保存されていたため、マットを固定しないままプロジェクトを閉じたり、RAMが不足したりすると結果が失われ、再度伝播をやり直す必要がありました。次のような利点があります。

  • オブジェクトマットの伝播結果がセッションをまたいで保持されます。
  • 伝播済みフレームをすべてメモリに保持する必要がなくなるため、RAMに余裕ができ、再生が滑らかになります。
  • 長いクリップでは、2回目以降の伝播がディスクからの読み込みによって高速になります。
操作のヒント(キーフレームの直接操作) ▼
  1. タイムラインパネルでレイヤーのプロパティを開きます。
  2. エフェクト > Object Matte > 選択 と進むと、個々のマスク選択を表示してキーフレームを直接操作できます。

※手動での制御や詳細なエッジの微調整が必要な場合は、従来の「ロトブラシとマットの微調整」も引き続き利用できます。

タイムラインパネル内のオブジェクトマットキャッシュのマーキングは、ディスクに保存されている内容を示すため、再生準備ができているものと、まだ伝播が必要なものを確認できます。

エフェクトのカラーラベル

エフェクトコントロールパネルで、個々のエフェクトインスタンスにカラーラベルを割り当てられるようになりました。多くのエフェクトを適用している場合でも、一目で整理・区別しやすくなります。

エフェクト用カラーラベルは、レイヤーのカラーラベルやキーフレームの色分けと同じように機能します。初期状態ではラベルが割り当てられていないことを示すグレーの正方形スウォッチが表示されており、スウォッチを選択してラベルピッカーを開くことで、特定のエフェクトに色を割り当てることができます。

エフェクトコントロールパネルに、Auto Color、Add Grain、Cartoon の 3 つのエフェクトが表示され、それぞれにカラーラベルのスウォッチが適用されています。

主な特徴

  • カラーラベルの適用: エフェクト名の横にある正方形スウォッチを選択し、ラベルピッカーから色を指定して適用します。
  • 表示のカスタマイズ: スウォッチの色表示だけでなく、エフェクト行の背景色としてラベル色を表示させることができます。長いエフェクトスタックをひと目で確認しやすくするのに役立ちます。
  • 簡単な切り替え: これらの表示設定(スウォッチの有無、背景色の有効/無効)は、パネルメニューからいつでも簡単に切り替え可能です。

エフェクトコントロールパネルの刷新

エフェクトコントロールパネルが、最新のモダンUIフレームワークをベースに全面再設計されました。既存の動作や機能は変更されないまま、次のような視覚的な更新が加えられています。

  • A – 可視性アイコンの統一: エフェクトの有効/無効を切り替えるスイッチが、タイムラインレイヤー等と統一感のある「目玉アイコン」にアップデートされました。
  • B – リセットコマンドのアイコン化: 文字表記だった「リセット」コマンドが直感的なアイコンボタンへ変更され、誤操作を防ぎつつ省スペース化が図られています。
  • C – インフォメーションアイコンの集約: 警告や情報を示すアイコンがパネル右端に整理配置され、マウスホバー時に詳細を案内するツールチップが表示されるようになりました。

ベータ版の新機能

AIアシスタント

新しいアシスタントパネルに必要な内容を文章で説明するだけで、プロジェクトの整理、エクスプレッションの記述・修正、画像や動画の生成などを行えるようになりました。会話するように要望を伝えたり、追加の質問をしたり、リクエストを調整したりでき、それをプロジェクトやコンポジション内の操作へ変換してくれます。

現時点で対応している主な機能

  • プロジェクトを整理する: プロジェクトアイテムの説明・再構築・名前変更・色分けや、レイヤー構造を見直した配置の提案を行います。
  • エクスプレッションを操作する: エクスプレッションを平易な言葉で説明したり、説明文から新しいエクスプレッションを記述したり、エラーの原因を診断・修正したりできます。
  • 画像・動画を生成する: Adobe Fireflyやパートナーモデルを使い、アシスタントパネル内で直接フッテージや参照画像、動画を生成し、アプリを切り替えずにプロジェクトへ取り込めます。

輪郭ペイント

フッテージをエッジに沿ってぼかし、色をフラットで手描き風の塗りつぶしに変換して、スタイライズされた見た目にできる新しいエフェクト「輪郭ペイント」が追加されました。

各フレームを分析し、フレーム内の形状のエッジ、または輪郭に沿った可視的な流れを見つけたうえで、指でペイントするようにこれらの輪郭に沿ってピクセルをぼかし、ぼかした領域をポスタライズしてべた塗りに変換できます。結果は印刷物のようなグラフィックスから高度に抽象化された画像まで幅広く表現できます。8bpc・16bpc・32bpcのいずれのカラーでも使用できます。

輪郭ペイントは、次のようないくつかの異なるステージを通してフレームを処理します。

  • 画像内の輪郭を検出: フレームを分析してエッジ、または輪郭を見つけ、各エッジでの輪郭の流れの方向と強さをマッピングします。
  • 輪郭の変更: 効果が輪郭を使用する前に、フロー角度のオフセットや量子化、フリーハンド流量調整などのコントロールで、検出した輪郭を変更・再形成できます。
  • ペイント色の塗りつぶし: 縮小したカラーパレットを使い、同じ輪郭の流れに沿ってフラットな色の塗りつぶしを描画し、ポスタリゼーションされた仕上がりを作ります。
  • 輪郭に沿って画像をぼかし: 指でペイントするように輪郭の流れに沿ってピクセルをぼかし、ぼかしのプッシュ距離と結果の抽象度を設定します。

主要パラメーターの挙動と作例

このうち、輪郭の変更・ペイント色の塗りつぶし・輪郭に沿った画像のぼかしについて、実際の例とあわせて紹介します。

輪郭の変更

「フロー角度を量子化」は、フロー角度を15度・45度・90度いずれかの増分にスナップさせるコントロールで、反復回数が多いほど効果が際立ち、「コンピューターが作ったような」強いスタイライズ表現に向いています。

ペイント色の塗りつぶし

「減色」は、縮小されたカラーパレットを使い、同じ輪郭の流れに沿ってフラットな色の塗りつぶしを描画し、ポスタリゼーションされた仕上がりを作ることができます。

「カラーの塗りを描画」で、塗りをにじませた画像の上に重ねる/塗りのみを表示/非表示にするかを選べます。「減色方法」はフレーム内の色を平均化する2種類の方式(K-Means、中央値)に加え、指定したカラーパレットの中から近似色を探す「最も近いカスタムカラーに一致」が選択可能です。後者は、カスタムカラーセット内のどの色が実際に使われるかが、画像の内容次第です。

カスタムカラーセットを指定し、「最も近いカスタムカラーに一致」で最も近い色に置き換えた例です。画面内に現れる色域に応じて、指定した色のうち実際に使われるものが決まります。

「エッジアーキテクチャの強さで塗りを制限」では、塗りが表示されるために必要な最小のエッジの強さ(低い強さ)と、塗りが表示されなくなる最大のエッジの強さ(高い強さ)を設定でき、ディテールの少ない領域への塗りつぶしを絞り込めます。

また、「エッジアーキテクチャの強さで塗りを制限」パラメーターでは、最小および最大の閾値を指定して、ディテールの乏しい平坦な背景領域に余計な塗りが乗らないよう絞り込むことができます。

低い強さのしきい値を上げてディテールの少ない領域への塗りつぶしを除外し、「カラーの塗りを描画」を「のみ」に設定した例です。

輪郭に沿った画像のぼかし

「輪郭のにじみ」は、検出された輪郭ラインに沿ってピクセルをどの程度押し広げるかを調整できます。

「スタイル化」でにじみの誇張度合いを、「クリーン度」でにじみによって失われるディテールの量を調整できます。「にじみの反復」は、にじみ効果を連続して適用する回数で、数値を引き上げるほど油絵のような大胆な仕上がりになりますが、レンダリング負荷は増加します。

輪郭ペイントと相性の良い他のエフェクト

輪郭ペイントは元の入力ピクセル構造に大きく依存して描画結果を決定するため、輪郭ペイントを適用する直前のエフェクトスタックに別の処理を挟むことで、仕上がりのバリエーションを大きく変えることができす。

アンシャープマスク(またはその他のシャープ効果)

輪郭ペイントは画像内で見つけたエッジの構造で動作するため、シャープ効果でエッジの構造を強調してから適用すると、非常に異なる結果を生成できます。サーフィンの映像にアンシャープマスクを先に適用すると、色や形状がより様式化されます。

シャドウ/ハイライト

フレームの暗い部分を明るくし、明るい部分を暗くする効果です。これにより、輪郭ペイントで変更されている画像により多くの詳細を追加できます。

3Dテキスト・シェイプへのマテリアル適用

Advanced 3Dレンダラーで、3Dのテキストレイヤーやシェイプレイヤーに対して直接Substanceマテリアルを割り当てられるようになりました。

木目や石材、金属、SFテイストの質感などを、既定のレガシーマテリアルの代わりに適用できます。前面・ベベル・側面・背面ごとに異なるマテリアルを割り当てることも可能で、パラメトリックメッシュや3Dモデルと同じワークフローで操作できます。

マテリアル割り当ての操作手順 ▼
  1. 対象の3Dテキストレイヤーやシェイプレイヤーを選択します。
  2. タイムラインの「マテリアル割り当て」ドロップダウン、またはPropertiesパネルからSubstanceマテリアル(「レイヤーを3Dマテリアルとして使用」を有効にしている場合はレイヤーも)を選びます。
  3. 面ごとのオプションで前面・ベベル・側面・背面に個別のマテリアルを割り当てられるほか、配置・スケール・回転・タイリング・ランダムオフセットの各コントロールで質感を調整します。

※レンダラーをClassic 3DやCinema 4Dに切り替えると既定のレガシーマテリアルに戻り、Advanced 3Dに戻すと新しいマテリアルが復元されます。ただし、マテリアル割り当てのコピー&ペーストや、Propertiesパネルでの複数選択には現時点で制限があります。

レイヤーを3Dマテリアルとして使用

Advanced 3Dレンダラーで、アニメーション付きのプリコンポやソリッド、画像、動画をレイヤーのまま、パラメトリックメッシュや3Dモデル、3Dテキスト・シェイプのマテリアルとして直接使用できるようになりました。ほかのアプリを行き来したり、中間テクスチャを書き出したりすることなく、2Dコンテンツと3Dシーンを同じプロジェクト内でまとめて扱えます。

レイヤーをマテリアルとして使用する操作手順 ▼
  1. 対象のパラメトリックメッシュや3Dモデル、3Dテキスト・シェイプを選択します。
  2. タイムラインまたはPropertiesパネルの「マテリアル」ドロップダウンから対象レイヤーを選びます。
  3. 割り当て後は、不透明度・粗さ・金属感・発光色・発光強度・環境光反応といった新しいマテリアルストリームで質感を調整します(いずれもキーフレームやエクスプレッションに対応)。

※レイヤーとSubstanceマテリアルを同じオブジェクト内で混在させることも可能です。ただし、1つのモデルの一部分だけにレイヤーを適用する、いわゆるデカール的な使い方は現バージョンでは対応していません。

Illustratorの編集可能なテキストに対応

取り込んだIllustratorレイヤーからレイヤー > 作成 > ベクターレイヤーからシェイプとテキストを作成を実行したとき、テキストがアウトライン化されず、そのまま編集可能なAfter Effectsのテキストレイヤーとして取り込まれるようになりました。

これまではテキストがアウトライン化されたシェイプレイヤーに変換されていましたが、フォントやサイズ、塗り、位置、太字・斜体などのスタイル、線、可変フォントの設定も維持されます。同じファイル内のシェイプは従来通りシェイプレイヤーに変換され、テキストとシェイプが混在するファイルではその両方が生成されます。ただし、線のみで構成されたテキストは、技術的な制約により引き続きパスとして変換されます。

その他の新機能

また、以前から利用可能な以下の機能も、現在のベータ版で利用可能です。

フォーラムによると、このほか次のような機能もAfter Effects(ベータ版)に追加されています。

  • De-esserエフェクト: ナレーションや音声収録で「s」「sh」などの音が耳に刺さるように強調される歯擦音(シビランス)を自動的に抑える、新しいオーディオエフェクトです。エフェクト > オーディオ > De-esserから適用でき、しきい値や対象周波数などのパラメーターで調整できます。
  • macOSのネイティブフルスクリーンに対応: ウィンドウ左上のボタンから、メニューバーの自動非表示やMission Controlのスワイプ操作に対応したmacOS標準のフルスクリーン表示に切り替えられます。タイトルバーの表示もmacOSの慣習に合わせて整理されました。
  • 結合文字がテキストアニメーターに追従: タイ語やアラビア語などで使われる声調記号・母音記号といった結合文字が、スケールや回転、トラッキングなどのテキストアニメーター操作時に、基準となる文字から視覚的にずれなくなりました。

価格とシステム要件

After Effects は、Windows 10(64 ビット) V22H2 以降、macOS Sonoma(バージョン 14)以降で利用できます。

より詳しいシステム要件はこちらから

After Effectsの単体プランの価格は以下の通りです。

  • 年間プラン, (月々払い) — 3,280 円/月(税込)
  • 年間プラン, (一括払い) — 34,680 円/年(税込)
  • 月々プラン — 4,980円 /月(税込)

また、After Effectsは、Creative Cloud Pro 、Creative Cloud Standardプランの一部としても利用できます。

このページにはプロモーションを含むリンクがあります

目次