2026年9月9日(現地時間)、NVIDIAよりクリエイターおよび3D開発者向けの最新グラフィックスドライバー9月版 NVIDIA Studio Driver(バージョン 616.92)がリリースされました。
NVIDIA Studio ドライバーは、アーティストやクリエイター、3D 開発者がクリエイティブアプリケーションを使用する際に、最適なパフォーマンスと高い信頼性を得られるよう設計されています。高い信頼性を確保するために、Studio ドライバーは複数のクリエイティブアプリケーションを組み合わせたワークフローや、主要な3DCG・映像制作アプリケーションの複数バージョンを対象に、広範なテストが実施されています。
今月のアップデート内容
今回のStudioドライバー更新では、動画編集アプリ「Adobe Premiere」のAIマスキング機能の最適化、「Blender」「Vectorworks」における新機能サポート、ローカルLLM推論エンジン「llama.cpp」のCUDA対応拡大が含まれています。
Adobe Premiere
動画編集アプリ「Adobe Premiere」のAIオブジェクトマスキング機能の動作が最適化されました。AIオブジェクトマスクは、被写体にカーソルを合わせてクリックするだけでAIが人物やオブジェクトを自動的に認識し、マスクを生成する機能です。生成したマスクはブレンドモードの適用やトラッキングによる調整が可能で、フレームごとのキーフレーム作業を省略できます。
NVIDIAは、今回の最適化によりIオブジェクトマスクがより高速に、また共同作業の面でも扱いやすくなったとしています。AIオブジェクトマスクは年初に正式版となった機能ですが、最新のアップデートでもマスクの改善が行われています。
llama.cpp
ローカル環境でLLM(大規模言語モデル)を実行するオープンソースの推論エンジン「llama.cpp」について、CUDA 13.3およびCUDA 13.4への対応が追加されました。CUDA 13.4によるARM64アーキテクチャ向けのビルドは、プレビュー版としての提供です。
今回のStudio Driverの更新内容とは別に、NVIDIAは2026年9月3日、IFA 2026にあわせてRTX GPU向けのローカルAIエージェント関連の発表を行いました。この中で、llama.cppとvLLMそれぞれの推論性能を高めるカーネル最適化が紹介されています。
llama.cppは、投機的デコーディングの改善やプリフィルの高速化などにより、GeForce RTX 5090上で最大1.9倍のスループット向上を実現したとしています。vLLMについても、新しいXQAアテンションカーネル(FlashInfer)やバックエンドの最適化により、RTX PRO 6000 Blackwell Workstation Editionで1.2倍、DGX Sparkの2台クラスタ構成で最大1.4倍の高速化が得られたとのことです。これらの最適化はllama.cpp・vLLM本体のほか、LM StudioやOllama経由でも利用できます。

Blender
3DCG制作ソフト「Blender」のバージョン5.2で導入された、Cyclesレンダーエンジン向けの新しいテクスチャキャッシュシステムに最適化されました。
この機能は、レンダリング時に必要なタイル・解像度のテクスチャのみを読み込む仕組みで、テクスチャ数の多いシーンにおけるVRAM使用量を削減します。
テクスチャキャッシュシステムの詳細は以下の記事で説明しています。
Maxon Redshift(Vectorworks)
BIM・CADソフト「Vectorworks」において、Maxonのレンダラー「Redshift」を使用したライブレイトレースレンダリングとの連携について、最適なサポートが提供されるとしています。Vectorworksの編集画面とRedshiftのレンダリングウィンドウを同期させ、ジオメトリ・ライティング・カメラなどの変更をリアルタイムに反映する仕組み自体は、Vectorworks 2026 Update 4で追加されたRedshift for Vectorworksの機能です。
修正リスト
全般的な修正項目
- ブラウザでのちらつき: 特定のWebサイトへアクセスした際、ブラウザ内で断続的な画面のちらつきが発生する場合がある問題が解消されました。
- 仮想ディスプレイ: ドライバー「616.56」への更新後、仮想ディスプレイを作成できなくなる場合がある問題が解消されました。
- リモートデスクトップ(RDP)接続: ドライバー「616.56」への更新後、リモートデスクトップ接続(RDP)セッションで黒い画面が表示される場合がある問題が解消されました。
ダウンロード
以上の新機能サポートとバグ修正を含んだ最新の「NVIDIA Studio Driver 616.92」は、現在ダウンロード可能です。ドライバーの更新は、各種アプリケーションの安定動作のために推奨されています。
※環境のクリーンインストールを行いたい場合は、NVIDIA アプリのインストールオプションから選択するか、既存のドライバーを削除してから適用してください。





