2026年9月3日(現地時間)– Topaz Labsは、ブラウザ上で画像のアップスケールや高画質化を行えるツール「Topaz for Web」に、動画の拡大・強化機能を追加したことを発表しました。
目次
画像用と動画用に分かれていたツールが1つに
Topaz Labsはこれまで、静止画像のアップスケールを行う「Topaz Image Web」と、動画の解像度向上やディテール強化を担う「Astra」を、それぞれ独立したWebブラウザツールとして提供してきました。
今回のアップデートではこれら2つの環境が統合、ツール名も「Topaz for Web」へと一本化され、静止画と動画の双方を1つのブラウザベースツール上でシームレスに扱えるようになりました。

利用にあたって専用デスクトップアプリのインストールは不要で、ログインするだけですぐに作業を開始できます。アップスケールや画質改善の処理はすべてクラウド上のGPUクラスターで実行されるため、ローカルマシンのハードウェアスペックに縛られることなく、Webブラウザと安定したネットワーク回線さえあれば、出先やノートPC環境からでも高品位な書き出しが可能です。
公式FAQの案内によると、2026年9月30日をもって従来の「Astra」単独インターフェースの提供は終了となり、以降はすべての動画向けAIモデルが「Topaz for Web」経由での提供へと完全移行される予定です。既存ユーザーのプランや保有クレジットの取り扱いについては後述します。
Topaz for Web – Videoに含まれるモデル
今回の更新は、2026年5月にリリースされた静止画像のアップスケールを行う「Topaz for Web – Image(Topaz Image Web)」に動画アップスケール機能を追加することで行われています。利用可能なモデルは以下の通りです。
正確なアップスケール
「Precision Upscale」は、元映像が持つ本来のディテールや質感をできる限り損なわずに、解像度を引き上げるためのワークフローです。
実写フッテージをはじめ、過去のアーカイブ映像、3DCGレンダリング素材、生成AI(GenAI)による生成映像など、ソースの種類を問わず幅広く対応します。

Precision Upscaleには、用途や処理速度に応じて選択できる4つのAIモデルが収録されています。特に最新フラッグシップとなる「Starlight Precise 2.6」では、被写体のリアリズム、自然なマテリアルのテクスチャ感、繊細なエッジの再現性が一段と向上しています。
- Starlight Precise 2.6:最高品質の描写を追求した最新モデル。適用時にシャープネスの細かな微調整にも対応しています。
- Starlight Precise 2.5:前バージョンとして定評のある精密アップスケールモデル。
- Starlight Fast 2:処理速度を重視し、短いレンダリング時間で仕上げる高速版Starlightモデル。
- Proteus:Topaz Video AIシリーズでも長年親しまれてきた、汎用性の高い定番アップスケールモデル。
なお、本ワークフローでは最大4K解像度までのアップスケールおよびディテール補正に対応しています。
クリエイティブアップスケール
「Creative Upscale」は、最新モデルである「Astra 2」を採用し、近年の動画生成AI特有の課題である「ディテールの欠如」や「過度なスムージング(のっぺりとした質感)」を改善しながら、解像度とリアルな微細質感を付加するクリエイティブ志向のワークフローです。
元素材の忠実な再現を最優先するPrecision Upscaleとは異なり、Creative Upscaleは映像に適度なテクスチャや微小ディテールを能動的に補完・再構成する役割を持っています。現時点での収録モデルは「Astra 2」のみとなっています。

SDR to HDR
「SDR to HDR」は、「Hyperion 2.5」モデルを用いて、一般的なSDR(8bit)映像を高精度に解析し、10bit Apple ProResや16bit OpenEXRといったプロクオリティの高ビット深度フォーマットへ拡張・変換するワークフローです。
3DCGのコンポジット工程、ポストプロダクションでの本格的なカラーグレーディング、VFXフィニッシングなどのパイプラインでの活用が想定されています。単なるフォーマットのラッパー変換にとどまらず、色階調の跳びによって発生するバンディング(トーンジャンプ)の低減や、映像全体の階調感・鮮明さの向上が得られます。

フレームレート補間
高精度なオプティカルフローとモーション予測を行う「Apollo」モデルによる「フレーム補間(Frame Interpolation)」および「スローモーション(Slow-Mo)」機能も、Topaz for Webに実装されています。
既存の前後フレームから中間フレームを高精度に生成することで、24fpsや30fpsのクリップを高フレームレート(60fpsなど)に変換したり、撮影後の素材から滑らかなスローモーション映像を違和感なく生成することができます。
既存ユーザーへの移行対応とプラン内容
今回のプラットフォーム統合に際し、旧「Astra」「Topaz Image Web」「Topaz Studio」の各ユーザーは、契約料金を変更することなく新しいTopaz for Webへ引き継がれます。公式FAQにて公開されている移行方針は次の通りです。
| 対象ユーザー | 移行後の提供内容 |
|---|---|
| Astra Standard 加入者 | 月額料金やプラン内容の変更はありません。Astraで提供されていた動画AIモデルはすべてTopaz for Web上で継続して利用できます。静止画機能を追加したい場合は、別途オプション追加が可能です。 |
| Astra Plus / Pro 加入者 | 料金据え置きのまま、従来の動画クラウドクレジットに加えて静止画のアップスケール・強化機能もTopaz for Webで利用可能になります。静止画処理については無制限で利用できると案内されています。 |
| 動画クラウドクレジット保有者 | 保有している未使用クレジットの残高はそのまま引き継がれます。Astraで過去に生成した動画アセットも、Topaz for Webのアカウント内へ自動移行されています。 |
| Topaz Image Web 利用者 | 現行プランの月額・特典は維持された上で、一度限りの特典として「動画クラウドクレジット100回分」が付与されます(使い切った後は、クレジットの追加チャージまたは動画プランの追加契約が必要となります)。 |
| Topaz Studio 利用者 | 追加費用なしで画像・動画の両ツールが解放されます。Standardプランには月300クレジット、Proプランには月600クレジットの動画用クラウド枠が含まれます。 |
なお、「Astra Plus/Pro」と「Topaz Image Web」の両方を重複して契約していたユーザーに対しては、公式サポートより個別に対応案内が送られる予定です。既存のログイン情報や決済サイクルに変更はなく、契約は自動的に新環境へ引き継がれています。
【注意】旧「Astra」インターフェースは2026年9月30日で提供終了
公式アナウンスによると、従来のAstra単体WebUIは2026年9月30日まで並行して提供されますが、期日を過ぎるとTopaz for Webへ完全統合されます。Astra上で作成された既存の動画ライブラリはすでに新環境へ同期されており、ユーザー側で手動データ移行を行う必要はありません。処理パフォーマンスや出力品質もAstraと同等に維持されています。
料金プランと利用方法
公式リリース時点において、動画向けプランは通常月額29ドルのところ、リリースキャンペーン価格として月額19ドルからの特別価格で案内されています。期間は不明です。
また、静止画と動画の両方を本格的に活用するクリエイター向けに、より多くの処理クレジットと優先処理枠を備えた上位の「Pro」プランもラインナップされています。
- 画像ワークフロー全機能 Unblur, Sharpen, Denoise, Relight, Standard/Creative Upscale, Photo Restoration, Face Enhancer, Colorizer, Bloom Creativity など
- 画像クラウドレンダリング無制限
- Topaz for Mobile (モバイルアプリ)
- 最大 32 MP 画像エクスポート
- 最大 2 プロセス同時実行
- クラウドストレージ
- 限定的な商用利用*
- 動画ワークフロー全機能 Precision Upscale, Creative Upscale, Frame Interpolation, Slow Motion, SDR to HDR
- 月間 200 ビデオクレジット付与
- クレジット自動補充 15% OFF
- 最大 2 プロセス同時実行
- クラウドストレージ
- 限定的な商用利用*
- 画像ワークフロー全機能
- 動画ワークフロー全機能
- 画像クラウドレンダリング無制限
- 月間 400 ビデオクレジット付与
- クレジット自動補充 25% OFF
- Topaz for Mobile (モバイルアプリ)
- 最大 256 MP 画像エクスポート
- 最大 8 プロセス同時実行
- クラウドストレージ
- 完全な商用利用(Full commercial use)
利用を開始するには、app.topazlabs.com にアクセスしてログインし、画面上部に新設された「Video」タブを選択します。同一ブラウザ画面内でタブを切り替えるだけで、静止画処理と動画処理をシームレスに行き来できます。従来のAstraアカウントをお持ちの方は、再登録不要でそのままログイン可能です。
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