2026年8月31日(現地時間)- Sparsealは、AIアシスト付きのメッシュ処理ツール「CozyBlanket Pro」のiPad向けにパブリックベータの提供を開始しました。
CozyBlanket Proとは
CozyBlanket Proは、3Dモデルの最適化・データ整理に関わる工程を一元管理できるメッシュ処理アプリケーションです。
このアプリは独自開発のトポロジー予測AIを搭載しているのが大きな特徴です。ハイポリゴンとローポリゴンの双方をリアルタイムに解析し、コードエディタのオートコンプリートのように、整った四角形(クワッド)トポロジーを自動提案してくれます。
Introducing CozyBlanket Pro
— Sparseal (@sparseal) June 2, 2026
A next-generation mesh optimization and cleanup toolkit, built from the ground up with AI-assisted retopology, cutting-edge UV tools, and powerful tool system to transform complex geometry into clean, efficient, production-ready assets. pic.twitter.com/HdqE6uSINd
既存アプリ「CozyBlanket」のアップデート版ではなく、コードベース、アセット構成、ファイル形式を含めてゼロから新規開発された別製品です(今後も別製品としてそれぞれ管理されます)。また、搭載されているトポロジー予測やUV展開アルゴリズムはすべて自社開発の独自技術となっており、外部の既存ライブラリやサードパーティ製AI推論サービスには依存していないとのことです。
各機能は個別の単体ツールとしても利用できるほか、一連のワークフローをつなぐシームレスなパイプラインとしても動作するように設計されています。ここでは「リトポロジー」「UV展開・パッキング」「ベイク」「パイプライン機能」の4つの柱に分けて主な機能を紹介します。
リトポロジー機能
CozyBlanket Proのリトポロジー機能では、トポロジー予測AIが作業中のメッシュを常時解析し、自然なポリゴン配置をリアルタイムで提案してくれます。複雑な専用ジェスチャーなどを覚える必要がなく、直感的かつスピーディにメッシュを構築することができます。
穴埋め提案
未処理領域の周辺形状を認識し、クリーンなクワッドトポロジーで自動的に穴埋めを行います。続きとなるパッチが自動的に提示され、1クリックでメッシュへ統合可能です。
穴の修復とループ処理
適切なエッジループの取り回しやポール(極点)の配置など、従来はアーティストの手作業による判断が必要だった複雑なトポロジーの補完にも柔軟に対応します。
ガイドラインによる手動制御
メッシュ上にガイドラインを引くだけで、トポロジーの流れ(エッジフロー)を意図した方向へ正確に誘導できます。変更は即座に反映され、広範囲の流れの調整からクワッド単位の微調整まで意図通りの制御が可能です。
必要な正確なループフローを達成するまで、いつでもガイドを描くことができます。
CozyBlanket Pro suggests complex hole fills and bridge solutions that require multiple loop reroutes.
— Sparseal (@sparseal) June 20, 2026
You can draw guides at any time until you achieve the exact loop flow you need. pic.twitter.com/N4k5q9Qm3f
高度な手動リトポロジーツール群
AIによる支援機能に加え、細かな調整を可能にする充実した手動編集ツールも備わっています。

Precision PolyBuild
「点の配置と塗りつぶし」「クワッドのドラッグ」「エッジのドラッグ」の3つのモードを切り替え、個々の面を精密に生成・編集できます。頂点・エッジ・面の中心へのスナップ機能もサポートしています。

Poly Modeling Toolkit
選択要素を基準にした頂点・エッジ・面の編集ツールセットです。エッジループ挿入、ディゾルブ(溶解)、スライド、ナイフツール、多角形(Ngon)の処理など、標準的なモデリング操作を網羅しています。

Multi-Axis Symmetry
任意の軸に対する対称編集に対応し、オブジェクトごとの原点や回転設定も個別に保持可能です。Relax(リラックス)やMoveなどの変形操作もシンメトリーに対応しています。

High-Performance Viewport
数百万ポリゴンのハイポリメッシュでも軽快に動作する専用ビューポートです。エッジループの流れを示すタグ表示、部分的な表示/非表示の切り替え、頂点カラーの可視化、オクルージョンしきい値の自動検出などを備えています。
UV展開・パッキング機能
CozyBlanket Pro は、3Dモデルの表面上で直接シーム(切れ目)を指定し、そのまま展開・調整を行える直感的なUVツールを搭載しています。GPUアクセラレーションによる超高速パッキングにより、膨大なアイランドも瞬時に効率的なレイアウトへと整列させることができます。
3Dビューポート上でのUV編集
3Dモデルを見ながらシームを切り、表面上で直接頂点の移動やリラックス作業が行えます。
アイランドの境界線プレビューや、テクセル密度の歪みを色で確認できる可視化機能も備わっています。

GPUベースの高速UVパッキング
独自開発のGPUアルゴリズムにより、数千単位のアイランドを含む複雑なデータでも、1秒間に数兆通りもの組み合わせパターンを計算して最適な配置を導き出すことができるとのことです。

注:GPUパッキングの高度な設定項目は、2026年8月時点のiPad向けパブリックベータにはまだ含まれていないとのことです。
精密な手動パッキングツール
自動配置だけでなく、トランスフォームケージを用いた変形、指定領域への限定パッキング、自動グリッド整列など、細部まで手動でレイアウトを追い込める機能も用意されています。

トランスフォームケージ

指定領域パッキング

グリッド配置
単体のUV展開・パッキングツールとしても活用可能
UV機能はリトポロジーやベイクと完全に切り離して使用することも可能です。外部ソフトウェアで作成したメッシュを読み込み、UV展開とパッキングを行ったレイアウトだけをエクスポートする単体ツールとしても機能します。

テクスチャベイク機能
CozyBlanket Pro は、頂点カラー、法線マップ(Normal Map)、アンビエントオクルージョン(AO)の生成に対応しています。マルチUVセットやUDIMへの出力、カスタムケージを用いた精密なレイキャスト、ハイポリからローポリへの自由な割り当てが可能です。
カスタム法線とベイクケージ
シャープ/スムーズエッジの両方に対応したカスタム法線を設定でき、タンジェントスペース法線マップの出力結果をきめ細かく制御できます。ベイク専用ケージの編集機能を使えば、光線判定(レイキャスト)の飛距離や範囲を狙い通りに設定可能です。


UDIM完全対応
UDIMタイルのワークフローをネイティブにサポート。複数タイルへのUV振り分けから、標準的なUDIM命名規則に沿ったテクスチャファイルの自動書き出しまで一貫して行えます。

ベイク結果のデバッグ表示
ベイク専用のビューポート内で、各マップやジオメトリ情報を個別に切り替えて確認できます。ハイポリとローポリを並べて比較できるため、意図しないアーティファクト(焼きムラや歪み)を素早く特定できます。


パイプライン機能
単一部品のメッシュ処理にとどまらず、複数のパーツで構成されるキャラクターや背景アセット全体を1つのプロジェクトファイル内で管理できるように設計されています。
複数オブジェクト・テクスチャ対応
シーンアウトライナーにより、オブジェクトごとのソロ表示やミュート、シーン全体およびパーツ単位の統計情報を簡単に確認することができます。また、複数のオブジェクトをまたいだUV展開やパッキング、複数テクスチャセットの一括ベイクにも対応しています。
柔軟なエクスポート設定
個別オブジェクト単位のメッシュ書き出しから、シーン全体の統合ファイル、パッキング済みテクスチャセット、UDIMタイルごとの出力まで、プロジェクトの要件に応じた柔軟なエクスポートが可能です。

開発中
Bridge(DCCツール連携ネットワークブリッジ)
Sparsealの他ツールや主要なデスクトップDCCツールとの間で、シーンデータを高速にやり取りするためのネットワークブリッジ機能が現在開発されています。同一マシン内はもちろん、ローカルネットワーク経由での転送にも対応する予定です。

iPad向けパブリックベータについて
今回配布が始まったiPad向けベータは、さまざまなiPadのハードウェア構成におけるパフォーマンス評価、ハードウェア互換性の検証、インポート・エクスポート機能のテストを主な目的としているとのことです。CozyBlanket Proが実際の制作パイプラインやワークフローに確実に組み込めるかどうかを確認する段階にあるとしています。
なお、価格・販売モデルについては、リリース時期が近づいた段階であらためてアナウンスされる予定です。
本ベータに含まれない機能
AIによるトポロジー予測機能、高度なGPUパッカー設定など、一部の機能は今回の初期ベータビルドにはまだ含まれておらず、今後のバージョンで順次追加される予定とのことです。
ベータテストの進捗やアーリーアクセスの案内は、公式メーリングリストにて順次発信されています。詳細や問い合わせは公式窓口(info@sparseal.com)にて受け付けているとのことです。
※現在、TestFlightの参加枠(スロット)が満員になっている場合があります。、枠が埋まった場合でも今後のビルド更新や状況に応じて追加スロットが開放される場合があります。































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