2026年8月24日(現地時間)- CLO Virtual Fashionは、3D衣装制作ソフトウェアの最新バージョン「Marvelous Designer 2026.1」を発表しました。
- 新機能ハイライト
- その他の新機能
- Apple Silicon環境でのGPUシミュレーション対応(MacOS GPU Simulation)
- OBJインポート時のUV情報保持(Garment OBJ UV Preservation)
- 衝突方向とレンダリング厚みの同期(Align Collision Direction with Render Direction)
- カメラデータのインポート&エクスポート(Camera Import & Export)
- 紐通し編集ツールの機能強化(Edit Lacing Tool)
- 3Dペンシル:中心線交差の描画ロック(3D Pencil: Symmetry Side Lock)
- 半対称パターンのメッシュ同期(Symmetry Sync for Half-Symmetric Patterns)
- カスタムビューでの3D表示状態保持(Display State for Custom View)
- グラフィックのロック機能(Lock Graphics)
- 価格とシステム要件
新機能ハイライト
今回のアップデートでは、ユーザーからの要望が多かった機能に加え、制作プロセスの効率化とアートディレクションの自由度を高める新機能がいくつか導入されています。直感的なピンチ・彫刻操作やリアルタイムな引き裂きシミュレーションなど、高度な布地シミュレーション機能が追加されています。
縫い目の引き裂きツール[ベータ版]
アニメーション中に衣装にかかる力に応じて、指定した縫い目に沿って生地がリアルタイムに破れるシミュレーションツールが追加されました。
キャラクターの変身シーンや筋肉の膨張による服の破れ、ダメージ演出などを物理計算に基づいて表現できます。
基本的な設定手順:
- 「Seamline Rip Tool」を選択し、縫い合わされた2つのパターン間の縫い目を指定します。
- 「Edit Rip Tool」を選択し、作成した縫い目の引き裂き設定をクリックします。
- プロパティパネルの「Rip」項目内にある「Activate」にチェックを入れます。
- 必要に応じて、生地が破れ始めるまでに要する引っ張り抵抗力(Force)の数値を調整します。
破れたエッジには、実際の生地と同様の「ほつれ(Fraying)」が生成されます。各種プリセットを選択するか、個別のパラメータを調整することでほつれ具合を変更できます。ほつれ効果を無効にすることも可能です。また、衣服の中央部分を引き裂きたい場合は、破らせたい位置にあらかじめ内部縫い目(Seamline)を作成しておくことで対応できます。
アニメーションでの用途のほか、ダメージジーンズの表現や使い古された衣服のモデリング作業などにも活用できます。
ベータ版の仕様制限:現在ベータ版のため、Mac環境では「ほつれ(Fraying)」機能が自動的に無効化されます。また、引き裂かれたメッシュ形状を外部ジオメトリとしてエクスポートする機能には現在未対応です。
ブラシによるつまみ操作
シミュレーションを実行した状態で、ブラシでドラッグすることで布地に直接つまみ(ピンチ)を加える操作が追加されました。Pinchingアイコンを長押し(またはホバー)して「Brush Pinching」を選択することで使用できます。
キャンバス上の生地をドラッグすると緑色のハイライトが表示され、ストロークを離した瞬間にその軌跡に沿ってシワが生成されシミュレーションされます。シワの位置、サイズ、形状をコントロールしつつ、生地の物理シミュレーションによる自然なたわみを維持することができます。
ピンチ設定の一時上書き
ピンチ(つまみ・引っ張り)操作を行っている間、プロジェクト全体や各生地に設定されている物理シミュレーション値を一時的に上書き変更できる「Pinching Simulation Override」機能が追加されました。
操作方法:
- シミュレーションを有効にした状態で「Simulation Properties」を開きます。
- 「Pinching Simulation Override」を有効化し、上書き用の物理パラメータを設定します。
- 「Override Strength(上書き強度)」の数値を調整して効果を適用します。
- 狙い通りのシワや形状が完成したら、「Update Rest Shape」をクリックして現在のシミュレーション状態を固定します。
元々の物理設定ではシワが崩れやすい布地であっても、操作時のみ剛性や挙動を一時変更することで狙い通りの造形を維持しやすくなります。形状の固定後は元のシミュレーション値に戻しても崩れません。
この上書き機能は Quick・Advanced・Brush のすべてのピンチツールに対応しており、スタイライズドな造形をはじめ、布地を身体に巻き付ける作業、ノット(結び目)の作成、ネクタイを結ぶ工程などで活用でき、外部ソフトウェアでのスカルプト作業の負担を軽減してくれます。
ブレンドシェイプのアニメーション対応
前バージョンで導入されたアバターのブレンドシェイプ機能が拡張され、タイムライン上でブレンドシェイプのパラメータ変化をキーフレームアニメーションとして保持・制御できるようになりました。
アバターの体型変化や表情、メッシュのモーフィングに追従する衣装シミュレーションを表現できます。従来のように変更後のモデルを何度も再インポートしてモーフターゲットとして読み直す必要がなくなり、作業工程を簡略化できます。
時間経過に基づく自動保存機能
予期せぬアプリケーションの終了やデータ破損による不具合を防ぐため、指定した時間間隔で複数のバックアップファイルを自動保存する機能が実装されました。
設定画面から保存間隔や保持するバックアップファイルの世代数を調整できるため、作業状況に応じて適切な時点のファイルを遡って復元できます。

ツールバーのカスタマイズ
ツールバー上のアイコン配置を変更したり、使用しないツールを非表示にできるカスタマイズ機能が追加されました。
作業スタイルや用途に合わせて画面レイアウトを整理でき、よく使うコマンドへのアクセス性を向上させることができます。

グローバルメニュー検索[Windows対応]
Windows環境向けに、メニュー全体を横断して検索できる機能が追加されました。
検索バーにツール名やコマンド名を入力することで該当機能へ直接アクセスできるため、深いメニュー階層から探す手間を省くことができます。

ファスナー配置精度の向上とテープ端の延長
2Dおよび3Dウィンドウにおけるファスナー配置の精度と動作が向上し、めり込みやズレの発生が低減されました。
あわせて追加された「Zipper End Extension」機能により、ファスナーテープの端を指定した長さだけ延長できるようになりました。曲線のパターンや斜めの裁断部分でも端部まで届かせることができ、仕上がりを整えることができます。

可変折りたたみ角度
内部線の折りたたみ(Fold)設定において、従来の「Uniform(一律)」に加え「Variable(可変)」が選択できるようになりました。始点と終点で異なる折りたたみ角度を設定することで、徐々に折れ曲がり具合が変化するグラデーション状の折り目を表現できます。
「Variable」の横にある矢印アイコンをクリックすると、折り曲げる方向を反転できます。リアルな衣装の折りクセの再現や、マント・ケープなどに鋭いシワを加えつつ周りの布地に馴染ませるような調整に役立ちます。

その他の新機能

Apple Silicon環境でのGPUシミュレーション対応(MacOS GPU Simulation)
Apple Siliconを搭載したMac環境において、Metal APIに最適化されたGPU物理シミュレーションが利用できるようになりました。
従来のCPU処理と比較して計算速度が向上し、Mac環境でも効率よく布地シミュレーションや調整作業を行えます。

OBJインポート時のUV情報保持(Garment OBJ UV Preservation)
外部DCCツールからOBJファイルをGarment(衣装)としてインポートする際、元のモデルが保持していたUVマップおよびマテリアルデータを保持したまま読み込めるようになりました。
外部で設定されたテクスチャやマテリアル構成を維持したままMarvelous Designerへ持ち込んで再シミュレーションや調整を行えるため、制作パイプラインの連携がスムーズになります。

衝突方向とレンダリング厚みの同期(Align Collision Direction with Render Direction)
物理計算上の「衝突の厚み方向」と、画面上の見た目である「レンダリング厚み方向」を同期させるオプションが追加されました。
厚みを持つパーツや重なり合う衣装において、見た目上の接触面と物理計算上の判定とのギャップが低減され、めり込みのないシミュレーション結果が得られます。

カメラデータのインポート&エクスポート(Camera Import & Export)
FBXおよびglTF/GLB形式を介して、シーン内のカメラデータをインポート・エクスポートできるようになりました。
他の3Dツールやゲームエンジンで設定した画角やアングルを再現して作業を行えるため、カット制作や映像制作での連携が行いやすくなります。

紐通し編集ツールの機能強化(Edit Lacing Tool)
作成した紐通し(レーシング)の配置後でも、紐の通る方向やカーブの曲がり具合を調整できるようになりました。
コルセットやスニーカーの靴紐など、細かなコントロールが求められる要素のディテール調整をスムーズに行うことができます。

3Dペンシル:中心線交差の描画ロック(3D Pencil: Symmetry Side Lock)
3Dモデルの表面に直接描画する「3Dペンシル」の使用時に、中心線を越えた入力を自動的に無視・ロックする機能が追加されました。
左右対称なデザインラインや裁断線を引く際に、中心線をまたぐことによる不要な折り返し線を防ぎ、ガイドラインを作成できます。

半対称パターンのメッシュ同期(Symmetry Sync for Half-Symmetric Patterns)
左右半対称のパターンにおいて、片側のメッシュ構造(トポロジー)を反対側へミラーリングして同期させる機能が追加されました。
左右のメッシュ構造が揃うことでメッシュ生成処理のバランスが保たれ、物理シミュレーションの計算精度と安定性の向上が期待できます。

カスタムビューでの3D表示状態保持(Display State for Custom View)
アングルを保存する「カスタムビュー」登録時に、アバターの表示・非表示状態や衣装のメッシュ表示などの「3D表示状態」をまとめて記憶させることが可能になりました。
複数アングルでの確認作業やレンダリングにおいて、表示設定を毎回切り替える必要がなくなり、統一された設定での確認が行いやすくなります。

グラフィックのロック機能(Lock Graphics)
配置したグラフィックプリントやロゴの位置、スケール、各種パラメータを固定できるロック機能が実装されました。
シミュレーション調整やマテリアルの差し替えを行う際にも、誤操作によるグラフィックの位置ズレを防止できます。
価格とシステム要件
Marvelous Designerは、Windows 10 64 ビット (1903 以降)以降、でMac OS Monterey 12以降で利用できます。
価格とプランは以下の通りです。
個人
年間プランで40%割引
企業
ネットワーク オンライン
年間プランで20%割引
企業
ネットワーク オンライン Linux
他にも学生教育機関向けのプランも用意されています。
より詳しい情報、最新の価格は価格ページをご覧ください。































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