2026年8月13日(現地時間) – CLO Virtual Fashionは、新バージョン「2026.1」を発表しました。
主な新機能
CLO 2026.1では、表現力の向上と作業効率化を両立する新機能が多数導入されました。
「リップ&ティアリング」や「ニットスワッチエディター」により繊細なデザイン表現が可能になったほか、UI刷新により制作環境を自分好みに最適化できるようになりました。
さらに、縫い代設定やトレース機能の強化による緻密なパターン制作に加え、「対称ピンチ」や「自動折りたたみ」で3Dスタイリングの負担も軽減され、企画から仕上げまでのワークフロー全体が強化されています。
引き裂きと裂け目(破れ & ほつれの表現)
縫い目に沿った自然な破れや引き裂き表現を作成できる新機能が追加されました。
縫い目の一部または全体を「リップ領域」として指定し、引き裂きに対する抵抗値(リップ抵抗)を設定したうえで縫い目を引き裂くことができます。作成された各リップ領域は独立したオブジェクトとして管理されるため、他の縫い目に影響を与えることなく部分的な作成、編集、削除が行えます。
引き裂いた後の端部には、ほつれプロパティ(Fray Properties)による詳細なカスタマイズが可能です。デニム、コットン、サテンといった実用的なプリセットが用意されているほか、毛羽立ち、糸のたるみ、露出した糸の表現など、細部まで自由に変更できます。
仕上がりを確定させたい場合はリップを非アクティブ化してこれ以上の引き裂きを防ぐことができ、調整をやり直したい場合は元の縫合状態へと手軽に戻せます。
ニットスウォッチエディターの改善と機能拡張
ニットスウォッチエディターが大幅に強化され、作業プロセス全体がより直感的に刷新されました。
画面上部のリアルタイムプレビューウィンドウと下部の折りたたみ可能な設定パネルに分離されたレイアウトを採用し、新しい「フラットビュー」ボタンによりスウォッチを平置きして作業しやすくなっています。スウォッチサイズの変更結果はプレビューに即座に反映されます。
シミュレーションコントロールの拡張により、水平・垂直方向のテンションを個別に微調整して方向性のある収縮を正確に制御できるようになりました。また、新しい選択・編集ツールを使うことで、ステッチ、行、列、ウェールをスムーズに選択し、コピー、ペースト、反転、移動といった操作を素早く行えます。Tabキーによるツール切替や、スポイトツールを使ったスタイルの再適用にも対応しています。
デザインの幅を広げる要素として、タック、目移し(トランスファー)、ケーブルといった新たなステッチタイプが追加されました。さらに、ニットの目がパターンの地の目線(Grain Line)へ直接連動するよう改善され、新しいPosition X/Yコントロールを使用してパターンピース間のニットの縫い目をきれいに配置合わせできるようになっています。
パターン情報ウィンドウ
新しい「パターン情報ウィンドウ」を通じて、品番、名称、使用生地、地の目線などの主要なパターンデータをまとめて確認・編集できるようになりました。
裁断数量の調整、説明欄へのメモの追加、パターンへの作業ステージの設定といった項目にも対応し、チーム内での認識共有がスムーズになります。さらにバージョン履歴機能が組み込まれており、パターンにチェックポイントを保存しておくことで、必要に応じてワンクリックで過去の編集状態へ戻せます。

ユーザーインターフェース (UI) とナビゲーションの改善
操作性を向上させるためのUIアップデートが行われました。ヘルプメニューの隣に用意された新しい虫眼鏡アイコンをクリックすることで、「グローバルメニュー検索」が起動し、あらゆるツールや機能を素早く検索・実行できます。
右クリック(コンテキスト)メニューはカテゴリ別のタブ構造とリアルタイム検索を備える形に再設計されました。キーワード入力やTabキー、矢印キーでスムーズにカテゴリを切り替えられるため、長いメニューをスクロールすることなく目的の項目にアクセスできます。
ツールバーのカスタマイズ機能も強化されました。ツールバーを右クリックして「グループツール」を選択することで、使用頻度の低いツールをまとめたり非表示にしたりでき、お気に入りのツールを最上部に配置できます。設定したレイアウトはJSONファイルとして保存・読み込みが行えるため、どの端末でも自分好みの作業環境を再現可能です。
グラフィックのロック
配置したグラフィックのサイズや位置を固定できるロック機能が実装されました。
これにより、カラーバリエーションの展開や生地の割り当てを変更する際、意図せずグラフィックの位置や大きさがずれてしまう事態を防げます。グラフィック変換セクションから有効化できるほか、2Dウィンドウ上でグラフィックを右クリックすることでも直接設定可能です。

バッグの容量計算
CLO内部でバッグの収容量を直接計算できるようになりました。対象のパターンピースを選択してEnterキーを押すことで、バッグの容積をリットル(L)単位で分かりやすく示す測定メッシュが生成されます。
目標となる容積と許容誤差範囲を設定することで、デザインが要件を満たしているかをチェックできるほか、「ボリューム編集ツール」を使用してメッシュの位置やサイズを必要に応じて調整できます。
2Dグレーディングレビューの改善
すべてのグレーディングサイズにおける2Dパターンとグラフィックの配置状況を、2Dウィンドウ内で一列に並べて比較・確認できるようになりました。
新しい情報表示オプションにより、パターン名、注釈、線の長さなどの詳細な情報を個別に表示できます。確認完了後は「スナップショットの保存」機能を利用することで、レイアウト全体を速やかに画像として出力可能です。

縫い代の更新とカスタム設定
縫い代(Seam Allowance)機能に多数の改善が加えられました。ユーザー設定でカスタムのデフォルト幅を指定できるだけでなく、縫い代の色を任意に設定してパターンの外形線と見分けやすくすることができます。
角(コーナー)の処理プリセットも拡張され、スラント(斜め)、ラウンド(丸)、エンベロープ(封筒状)、ポケットなど、複雑な形状の角に対応する選択肢が追加されました。さらに細かい調整を行いたい場合は、「カスタム縫い代」を有効にすることでパターンの外形線と同様に個々のポイントやラインを直接編集し、完了後にロックをかけて保護できます。プリントレイアウトモードにおいては、生地やグラフィックが縫い代領域全体までレンダリングされる仕様に変更されています。

トレースの機能向上(シェイプモード)
パターンをトレースするための新しい方法が追加されました。新設された「シェイプモード」では、2Dワークスペース内で重ね合わさったパターン同士を直接結合したり、ある形状から別の形状をくり抜いたり、重複している領域を分解して個別の独立したピースに切り分けたりといった作業がスムーズに行えます。
パターンドラフターの機能向上
パターンドラフター機能にディテールブロックが多数追加され、バリエーション豊富なデザイン作成が可能になりました。Vネックやスクエアネックなどの新しい襟ぐり形状、ヨーク付きのパンツ仕様、新しいポケットスタイルなどが用意されています。
「アバターサイズに合わせる(Match to Avatar Size)」機能を選択すると、作成されたパターンが対象のアバター寸法に適合するよう自動的に調整されます。本機能はAIパターンドラフターとも互換性を備えています。

対称ピンチング(引っ張りの左右同期)
シミュレーションの実行中に「Control + Q」キーを押すことで、対称ピンチングを起動できるようになりました。衣類の左右両側を同時につまんで操作することができ、対称構造を持つジャケット、Tシャツ、ドレスなどのスタイリングをより短時間かつ高精度に調整できます。

衣装の自動折りたたみ
3D衣服の折りたたみを手軽に行える機能が導入されました。衣服を平らに配置し、アイテムのタイプ(トップス、ボトムスなど)と目的の折りたたみ寸法を指定することで、処理が自動的に実行されます。特殊な畳み方を行いたい場合は、マニュアルモードに切り替えることで独自の折位置を設定することも可能です。
すべての OS での GPU シミュレーション対応
Apple Silicon 搭載 Mac での GPU シミュレーションに対応しました。今後はいずれの OS でも、副資材やソフトボディを含むすべての機能について、GPU シミュレーションがデフォルト設定となり、より高速かつ安定した環境で作業できます。

その他の機能と改善点
- マーキングの機能向上:生地縮率、水平マーカー、方向性バッファ間隔および手動マーキングに対応し、より柔軟かつ正確に生地の要尺を算出できるようになりました。
- 折りたたみ角度の機能向上:パターン内部線の始点 / 終点に、それぞれの折りたたみ角度を設定することで、より自然でリアルな折り目が表現できるようになりました。
- DXF|ノッチ配置オプション:DXF ファイルの読み込み時に、パターンの外形線、縫い代、またはその両方にノッチを直接インポートできるようになりました。
- プロッターの機能向上:パターン情報ラベルを自動配置し、プロッターへ送信する前に、最終出力結果をプレビュー確認できるようになりました。
- 紐通しの機能向上:紐を通した後、方向やカーブの微調整が可能になり、お好みの形状に仕上げられるようになりました。
- 接着の機能向上:接着されたパターンの形状や位置を微調整できるようになりました。
- ファスナー|テープの編集・延長:ファスナーテープを延長して、曲線または斜めにカットされた端部まで、隙間なく留められるようになりました。操作は 2D ウィンドウにて簡単におこなえます。
- 資材コストの管理:各資材のコスト情報を管理し、BOM や縫製指示書 (Tech Pack) に連携できるようになりました。
- 複数ファイルの自動保存:作業内容を複数のバックアップとして自動保存することで、任意の編集バージョンを復元できるようになりました。
- レンダリング|グレーディングサイズ:選択したグレーディングサイズを、一度にレンダリングできるようになりました。
- ブレンドシェイプのアニメーション対応:アバターのブレンドシェイプ値の変化をアニメーションキーフレームとして記録できるようになり、動きや形状の変化をよりリアルに表現できるようになりました。
- カメラのインポート & エクスポート:FBX ファイルと glTF/GLB ファイル間にて、カメラデータの互換性がサポートされ、構図を維持できるようになりました。
- OBJ|UVを維持:OBJ ファイルを衣服としてインポートする際、元の UV 情報とマテリアル情報を保持できるようになりました。
他にも多数の修正が行われています。詳しい情報はこちら
価格とシステム要件
CLO は、Windows 10 64ビット(1903以降)、Monterey 12以降で利用可能です。
最新のシステム要件はこちらから
自営業、フリーランスなどの個人での利用は50ドル/月、450ドル/年です。企業向けプランはお問い合わせが必要となっています。
また学生向けのプランもあり、個人プランの半額となっています。
詳しい価格情報こちらから































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