2026年8月12日(現地時間)- 映像の高画質化・アップスケールを行うTopaz Labsのソフトウェア「Topaz Video」が、バージョン1.7.0へとアップデートされました。Adobeに買収されてから、初めてのアップデートとなります。
主な新機能
今回のアップデートは、Starlight系モデルの更新が中心です。Starlight Precise 2.6でシャープネスの強さを3段階から選べるようになり、Starlight MiniはProアカウントなしで利用できるようになりました。あわせてFinal Cut Pro向けのプラグインが追加されています。
Starlight Precise 2.6

既存のStarlight Precise 2.5が2.6として作り直され、シャープネスの強さをスライダーで選べるようになりました。
- シャープネスを控えめにした、自然な見た目になる設定。
- 1と3の中間にあたる設定。
- デフォルト。もっともシャープな出力になり、従来のStarlight Precise 2.5と同等のシャープネスとされています。

デフォルトが従来と同じ強さなので、2.5で「シャープすぎる」と感じていた素材では、1か2を試すことができるようになりました。

AMD・NVIDIA向けの更新
シャープネスの選択肢に加えて、AMDとNVIDIAのGPU向けに次の点が更新されています。
- 時間方向の一貫性(temporal consistency)を改善したモデルに更新。
- 最大15%の速度向上が見込めるとしています。
モデルの特性
Starlight Precise 2.6は、実写の人物の顔や肌の質感に特化したモデルで、素材・テクスチャ・文字の再現も改善されています。生成AI映像、実写、修復のいずれにも使えますが、対象となるのは中〜高品質のソースです。

拡散モデルのため、レンダリング時間は長くなるとされています。
向いているもの
- 中〜高品質の素材(生成AI映像、実写、修復)。
- ソフトで作り物めいた質感の生成コンテンツ。ただし構造や構図がしっかりしていることが前提。
- 細かいテクスチャのちらつき(フリッカー)の低減。
- 入力は4K以下、出力は最大4K。
向いていないもの
- モーションブラーが強いカット。テクスチャとして描画されてしまうことがあります。
- 状態が非常に悪い低品質な素材。
- インターレース素材。事前にデインターレースが必要です。
- 480p未満の素材。
動作要件
AMD・Mac・NVIDIAに対応し、すべてのライセンスでローカル実行できます。モデルはneuroserver経由でローカルに同梱されています。
| NVIDIA | 最低12GB VRAM+32GB CPU RAM(16GB VRAM推奨)。GPUのCompute Capability 8.9が対象かつ推奨。8.6でも動作する場合はあるものの、正式なサポート対象外とされています。 |
|---|---|
| AMD | 最低12GB VRAM+32GB RAM(16GB VRAM推奨)。 |
| Mac | 最低16GB(24GB推奨)。Apple Siliconはすべて対応。 |
【注意】クラウドレンダリングは未対応
Starlight Precise 2.6のクラウドレンダリングは、1.7.0の時点ではまだ利用できません。Mac・Windowsとも、今月末までに対応予定とされています(本記事執筆時点の情報)。サブスクリプション契約でのクラウド利用を前提にしている場合は注意が必要です。
Starlight Mini のアップデート
Starlight Mini の高速化
アーカイブ映像向けとして使われてきたStarlight Miniが、モデルの出力はそのままに高速化されました。VRAM 12GB超のNVIDIA製カードで最大約2倍の改善に達するとしています。実際の効果はマシン構成によって変わります。

まれに発生していた、フレーム下端に横方向のエッジが出る問題もあわせて修正されています。

全ライセンス開放
Starlight Miniの利用にProアカウントが不要になりました。これまで上位プラン限定だったモデルが、すべてのユーザーで使えるようになります。
モデルの特性
Starlight Miniは低〜中品質の素材を対象としたモデルです。仕上がりにわずかなヘイズ(かすみ)が乗るのが特徴で、強い光にディフュージョンフィルターをかけたような効果になります。これによって、クリーンすぎるアップスケールにありがちな「プラスチック的」な質感が抑えられます。

Topaz Labsは、古い映像の質感やモーションの一貫性という点で、デスクトップで動くAIモデルとしては最良だとしています。平坦な背景で起きるバンディング由来のちらつきも抑えられるとのことです。
入力はFHD(1920×1080)以下、出力は最大4K。SD素材や、他モデルでうまくいかなかった素材で試すと差が出やすい一方、元から高品質な素材では変化は小さくなります。
使ううえでの注意点
- PreviewやFrame Previewでの実行は推奨されません。NVIDIA環境では動作せず、AMD・Macでも動作しない場合があります。数秒だけ書き出して確認する方法が案内されています。
- 小さすぎる文字やつぶれた文字は、テクスチャやパターンとして解釈され、正しく再現されないことがあります。
- 水面がソースよりなめらかになる場合があります。
- インターレース素材は、事前にデインターレースが必要です。
- 高速化されたとはいえ拡散モデルであることに変わりはなく、レンダリング時間は長くなります。
動作要件
| NVIDIA | VRAM 10GB以上(16GB以上を強く推奨)。Compute Capability 7.0以上が必要で、GTX 10シリーズやQuadro Pシリーズなどは対象外です。システムRAMは32GB以上。 |
|---|---|
| AMD | 最低20GB VRAM+32GB RAM。 |
| Mac | 36GB以上のRAMを推奨。Apple Siliconはすべて対応。 |
クラウド書き出しはMac・Windowsの両方でサポートされています。
Final Cut Pro向けプラグイン
Final Cut Pro(FCP)向けのTopazプラグインが追加されました。FCPのタイムライン上で、Topazのモデルを直接適用できます。

インストール時に「Final Cut Pro Plugin」を選択すると導入されます。この画面で、不要なプラグインの選択を外すこともできます。

導入後は、FCPの「エフェクト」メニューから「Topaz」で検索すると見つかります。

エフェクトのパラメーターは、デスクトップアプリのマニュアルモードでの操作に相当します。

なお現時点では、Topaz Videoの「Plugin」タブからFinal Cut Pro向けプラグインを個別にインストールすることはできません。導入は初回のインストーラー経由に限られます。

その他のアップデート
ライブプレビューでの手ぶれ補正
手ぶれ補正(Stabilization)の結果を、書き出し前にプレビューで確認できるようになりました。Full-FrameとAuto-Cropの違いや、Rolling Shutter・Jittery Motionの効果をその場で比較できます。

利用するには、環境設定の「Advanced」内「Features」で、プレビューのライブレンダリングを有効にしておく必要があります。
Stabilizationメニューを有効にすると、ソースをキャッシュすることで、アプリ内での確認を速くするため解析パス(Stabilization Analysis Pass)のダイアログが表示されます。
使ううえでの注意点
- 大半のGANモデルで動作しますが、Starlight系モデルとは併用できません。
- 複数のエンハンスメントを重ねる用途には向きません。
- 4K以下の解像度が適しています。
- 解析はクリップ全体を通して行われます。まずは短いクリップで試し、自分の環境で許容できる長さを把握しておくとよさそうです。
- Full-FrameはAuto-Cropより処理に時間がかかります。
Model Manager:neuroserverモデルの管理
Model Managerから、neuroserverモデルを任意でダウンロードできるようになりました。チェックを外せばマシンから削除できるため、ストレージの管理がしやすくなります。Starlight系はモデルサイズが大きいので、必要なものだけ残す運用ができます。

ダウンロード中は次の情報が表示されます。
- 完了数と総数、必要な合計容量(例:1/3、18.3GB)。
- ダウンロード中のモデル名と、そのモデルの進捗(例:1.1GB/7.3GB)。
- 進捗バーはモデル1件が完了するごとに更新されます。単一モデルのダウンロードでは、バーが動かないように見える場合があります。
- 「Stop」ボタンでダウンロードを中止できます。

書き出しキューでのモデルダウンロード
Model Managerでモデルを取得していない状態でStarlightなどを書き出すと、Export Queueの中でモデルのダウンロードが行われてからレンダリングが始まります。この処理は初回のみで、2回目以降は発生しません。
バグ修正
Starlight Sharpの解像度が一致しない問題、neuroserverモデルのメタデータ欠落、イメージシーケンス関連のクラッシュなど、幅広い修正が入っています。
バグ修正の一覧
- neuroserver版Starlightシリーズの1フレーム問題を修正。
- Starlight Sharpの解像度が正しく一致しない問題に対応。
- DaVinci ResolveおよびAfter Effectsのプロジェクトでプラグインがハング・フリーズする問題を改善。
- MacでStarlight Miniのローカル書き出しが無効になっていた問題を修正。
- HDR/SDR-to-HDRプリセットとバッチ処理の選択を調整し、Hyperionで設定がより適切に適用されるように。
- プリセット使用時、イメージシーケンス用のフォルダーが作成されるように。
- 一時フォルダーの存在を確認し、手ぶれ補正のエラーを軽減。
- 書き出しを一時停止・失敗させても処理が続いてしまう問題に対応。
- 中間ファイルのパスが長すぎる問題を修正。
- カンマを含むフォルダー内のイメージシーケンスで再生できない問題を修正。
- アプリ終了時のプレイヤーのハングを改善。
- グレインスライダーが以前の設定を表示することがある問題に対応。
- 2つ目のエンハンスメントを有効にするとProteus Naturalのフレームプレビューが「Unavailable」になる問題を修正。
- ProアカウントのStarlight Sharpでマルチ GPUが再び利用可能に。
- Starlight Miniは他モデルと組み合わせられない旨を、クラウドレンダリング送信時のメッセージで明確化。
- 一部のNyxモデルで出力解像度が一致しない問題を修正。
- イメージシーケンスの部分書き出しが、エラー発生時に消えてしまう問題を修正。
- neuroserverでの書き出しに欠けていた動画メタデータを追加。
- プレビューキューのパネルを終了する際の挙動を改善。
- Hyperion-2のクラウド書き出しが「Trimming input failed」で失敗する問題を修正。
- クラウドレンダリングのエラー表示に、クレジットが自動返却される旨を明記。
- 同一ファイルの複数トリムをキューに入れた際、トリム済みクラウド書き出しが誤ったクリップを返す問題を修正。
- 音声モードをConvertにするとWebM AV1の書き出しが失敗する問題を修正。
- コーデック設定が有効なのに「Codec parameters disabled」のツールチップが表示される問題を修正。
- AI Processor設定のツールチップに、Auto/All GPUsの説明を追加。
- neuroserverのシステムチェックが「Please wait before exporting」のまま止まる問題を修正。
- デフォルトの書き出し先が設定されているとき、バッチ書き出しが「Original Folder」を無視する問題を修正。
価格について
Topaz Video は、Windows 10 or 11(intel or AMD)、Windows 11(ARM)、macOS 12 Monterey 以降で利用することができます。システム要件の詳細については、公式のシステム要件ページをご確認ください。
価格は以下の通りです。
Personal
-
Video modelsStarlight Precise, Proteus, Iris, Nyx, Rhea, Rhea XL, Artemis, Gaia, Theia, Apollo, Chronos, Aion, Themis, SDR to HDR, Stabilization. Cloud access to: Starlight Mini/Sharp/HQ/Fast
- 無制限のローカルレンダリング
- 月間25のビデオクラウドクレジット月間クレジットは毎月末に失効し、翌月への繰り越しはされません。
- 商用利用(制限付き)*
-
すべてのアプリ (All the apps)Topaz Video, Topaz Photo, Topaz Gigapixel, Topaz Mobile, Bloom, Astra, Topaz Image.
- 無制限のローカルレンダリング
- 無制限のクラウド画像レンダリング
- 月間300のビデオクラウドクレジット月間クレジットは毎月末に失効し、翌月への繰り越しはされません。
- 2つのクラウド画像同時処理制限
- 32MPのクラウドエクスポート制限*
- 商用利用(制限付き)*
また、3つのデスクトップアプリが含まれた Desktop Collection や Topaz Studio の一部としても利用することができます。
その他、詳しい価格オプションはこちらの記事をご覧くだい
ダウンロードとシステム要件
Topaz Video 1.7.0は、WindowsとMac向けにインストーラーが公開されています。
Starlight Precise 2.6・Starlight Miniともに、すべてのライセンスでローカル実行に対応します。
起動しない・動作しない場合、Topaz Labsはまずグラフィックスドライバーの更新を確認するよう案内しています。ファイアウォールがアプリの起動を妨げるケースもあるため、その場合は例外リストへの追加が必要です。































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