Autodesk、3Dスカルプト・ペイントソフト「Mudbox」の販売終了を発表 ― 既存ユーザーには5年間の無償ライセンスを配布

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2026年8月7日(現地時間) – Autodesk は、3Dデジタルスカルプト・ペイントソフト「Autodesk Mudbox」の新規販売とサブスクリプション更新を、段階的に終了することを発表しました。

Mudbox とは

Mudbox は、ブラシで粘土をこねるように3Dモデルを造形できるスカルプトツールです。ハイポリゴンのメッシュに直接ディテールを彫り込んだり、モデルの表面に直接テクスチャをペイントしたりする用途で使われてきました。

もともとはニュージーランドの Skymatter が開発したソフトで、2006年にベータ版、2007年2月にバージョン1.0が公開されました。同年8月に Autodesk が資産取得の合意を発表し、10月に買収が完了しています。当時の発表では、『キング・コング』のクリーチャー制作などに使われた実績が挙げられていました。

Autodesk の製品ラインでの位置づけは、Maya や 3ds Max を補完するものでした。造形とテクスチャペイントを Mudbox が担当し、リグ、アニメーション、レンダリングは Maya や 3ds Max 側で行う、という組み合わせが想定されていました。。

販売終了の理由

今回の販売終了について、Autodesk は理由を「Mudbox 2019 以降、大きな機能強化が行われてこなかったため」としています。

この間もバージョン番号だけは毎年更新され、今回のアナウンス時点の最新版は Mudbox 2027 です。ただし中身の更新は限定的で、実質的に7年以上、開発が止まった状態が続いていたことになります。今回の発表は、その状態を正式に整理するものと位置づけられます。

なお、機能強化を行わなかったのは Autodesk 自身であり、なぜ2019年以降の開発が止まったのかについては説明されていません。

また、販売終了はしますが、すぐにソフト自体が即座に使えなくなるわけではありません。販売と更新の窓口を閉じたうえで、既存ユーザーには移行期間として長期のライセンスを渡す、という形になっています。

販売終了までのスケジュール

終了は2段階に分かれています。

2026年8月7日3年サブスクリプションの新規販売・更新を終了
2026年11月7日1年・月額サブスクリプションの新規販売・更新を終了。あわせて Autodesk Flex から Mudbox を削除

つまり、8月7日以降も11月6日までは、月額および1年契約の Mudbox 2027 を新規購入・更新できます。Autodesk Flex 経由での利用も11月6日までです。既存の月額・1年契約の自動更新も、設定を解除していなければ11月6日まで動き続けます。不要な更新を避けたい場合は、この期間中に自動更新を確認しておく必要があります。

ただし、8月7日より後に購入した契約は、後述する無償の5年サブスクリプションの対象外です。

既存ユーザーには5年間の無償サブスクリプションが配布

移行を支援する措置として、Autodesk は無償のスタンドアロン版 Mudbox 2027 サブスクリプション(5年間)を配布します。条件と扱いは次のとおりです。

  • 対象: 2026年8月7日時点で、Mudbox または Media & Entertainment Collection の有効な契約を持っているユーザー。
  • 本数: 有効な契約1本につき1本。3契約を保有していれば、無償サブスクリプションも3本になります。
  • 受け取り方: 処理が完了すると Autodesk Account 上に表示されます。2026年8月末までの発行が見込まれるとしています。
  • 期間: 2026年8月開始、2031年8月終了。開始日・終了日の変更や更新はできません。実際の日付は権利が処理されたタイミングで決まります。
  • 対象外: 教育機関向けライセンスの利用者、および8月7日より後に購入した契約。

チームで利用中の場合、ユーザーの割り当てが自動で引き継がれないので注意が必要です。既存契約に割り当てていたメンバーは、新しい5年サブスクリプションに対して Autodesk Account 上で割り当て直す必要があります。

また、5年間使えるとはいえ、通常のサブスクリプションと同じ内容ではありません。

含まれるもの(3年間)

テクニカルサポート、旧バージョンへのアクセス。セキュリティ修正も3年間、必要に応じてバージョン2027に対してのみ提供されます。

含まれないもの

新機能の追加、バグ修正、Autodesk コンポーネントの更新。

サポートとセキュリティ修正は3年間、ライセンス自体は5年間となっています。残り2年間は、修正が入らない状態で使い続けることになります。

なお、8月7日時点で有効な Mudbox 契約を持っている場合、その契約に対するテクニカルサポートは、元の契約期間の終了まで継続して受けられます。

Media & Entertainment Collection は2027が最後

Media & Entertainment Collection 2027 の契約者は、引き続き Mudbox 2027 を利用できます。ただし、Mudbox を含む Media & Entertainment Collection は2027版が最後となります。

Collection 契約者も、無償の5年スタンドアロン版 Mudbox 2027 サブスクリプションの配布対象です。こちらも有効な契約1本につき1本が発行されます。

また、11月6日までは Media & Entertainment Collection 2027 自体を新規購入することも可能です。ただし前述のとおり、8月7日より後の購入は無償サブスクリプションの対象になりません。

教育機関向けライセンスの扱い

教育機関向けの扱いは、商用ライセンスとは条件が異なります。

  • 既存の Mudbox 教育版サブスクリプションは、契約期間の終了まで利用できます。
  • 2026年8月7日をもって、Mudbox の教育版ライセンスの新規発行は行われません。
  • 更新は2026年11月6日まで可能です。
  • 教育版の利用者は、無償の5年サブスクリプションの対象外です。

学生・教員向けには、Autodesk Education Community を通じた Maya と 3ds Max の利用が案内されています。

代替として案内されているのは Maya と 3ds Max

Autodesk は代替候補として Maya と 3ds Max を挙げていますが、1対1の置き換えにはならないと明言しています。

両製品には3Dスカルプトとペイントの機能が含まれており、それに加えてモデリング、アニメーション、VFX、レンダリングのツールが揃っているとしています。

Autodesk 以外だと 3DCoat(Pilgway)、Blender、ZBrush(Maxon)などが候補になります。

その他詳細については、Autodesk の営業担当者または正規販売パートナーへの問い合わせが案内されています。

Mudbox 製品ページへ


Changes to Autodesk Mudbox: Questions and Answers(Autodesk Support、2026年8月7日)

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