2026年8月6日(現地時間)- Nekki は、物理ベースの3Dアニメーションソフト「Cascadeur」バージョン2026.2をリリースしました。
主な新機能
今回のアップデートでは、プロのアニメーターやスタジオから要望の多かった機能「Additive Animation Layers」のアルファ版実装されています。
あわせて補間のイージング制御と、日本語を含む3言語のUIローカライズが追加され、AutoPosing・AIツール・物理演算・Python APIも強化されました。
加算アニメーションレイヤー(アルファ版)
加算アニメーションレイヤー(Additive Animation Layers – アルファ版)が追加され、オブジェクトのモーションを複数の「レイヤー」に分けて持てるようになりました。
各レイヤーが独自のアニメーションデータを保持し、複数のレイヤーを同時に有効にすると、そのデータが加算されて1つのアニメーションになります。
呼び出しは Window メニューの Animation Layers から行うことができます。

ベースの動きを崩さずに揺れや誇張だけを別レイヤーで足す、といった作り方ができるため、リテイクのたびにベースのキーを触り直す手間が減ります。今回の追加がアニメーションレイヤーの最初のイテレーションで、機能の追加が今後のリリースで行われる予定です。
補間区間のイージング制御
補間された軌道上で、フレームがどう分布するかを調整できる機能が追加されました。軌道の形(キャラクターが通る経路)はそのままに、選択した区間内での動きの速さだけを変えられます。
使用するには、タイムライン上の Easing ボタンをクリックして有効化します。タイムラインのインターバルにイージングコントロールが表示され、キーフレームの「ウェイト」を操作することで軌道上のフレーム間隔を調整できます。もう一度同じボタンを押せばコントロールは非表示になります。
選択したキーフレームのウェイトを初期状態に戻したい場合は、Reset easing weights to default ボタンを使います。


この機能により、アタックの効いた動きを作るときに、軌道の形を作ったあとキーの位置を打ち直さずに緩急だけを詰められます。軌道とタイミングを分けて調整できるため、パスの形が決まったあとの微調整がやりやすくなります。
AutoPosingのアップデート
手と足が周囲の環境に正しく合うようになり、シーンのジオメトリに接触したキャラクターのポーズを付けやすくなりました。
対象はキネマティックメッシュなどの非ダイナミックオブジェクトに限られ、キャラクター同士で同様のインタラクションが作られるわけではないようです。
あわせて、四足歩行キャラクター向けのAutoPosingも改善されました。AutoPosingとリターゲティングに使うニューラルネットワークのメッシュも更新されています。
AIと物理演算の結果の改善
Inbetweening と Motion Generation
Inbetweening と Motion Generation が、より大規模なデータセットで学習し直され、出力が改善しました。また、Inbetweening はキー間でスタイルを引き継ぐようにもなりました。※この Motion Generation は、従来 Root Motion と呼ばれていた機能です。
衝突貫通のクリーニング
Collision Penetration Cleaning が Fulcrum を考慮するようになりました。この機能は、地面およびKinematicコライダーを使うAutoPhysicsのパスでは、標準で実行されます。
ジオメトリの貫通をボタン1つで修正できますが、長い区間ではクリーンアップに時間がかかるとのことです。また物理フィルタとしても組み込まれ、キャラクターの手足が地面をすり抜けるのを防げます。
Snap to Physics の見直し
物理スナップの手順が変更されました。Snap to Physics を実行すると、全フレームに適用するかキーフレームのみに適用するかを尋ねられます。全フレームに適用した場合は、補間が緑で表示されます。
あわせて Fix Interpolation on Change への依存が取り除かれ、物理スライダーの自動無効化とその確認ダイアログの代わりに、Physics Assistant ボタンが無効化される挙動に変わりました。スナップ後は、グレーのキャラクターに物理が適用され、緑のキャラクターでは無効になります。
Python API・パイプライン向けの更新
Python API
PySide/QML を使って、独自のインターフェース要素を作成できるようになりました。ツールの操作画面を自前で組めるため、スタジオ独自のツールをCascadeurの中に収めやすくなります。
あわせて Python Stub ファイルが用意され、Cascadeur の Python API モジュールで IntelliSense(入力補完)が効くようになりました。エディタ上で関数名や引数を確認しながら書けます。

スクリプト管理
これまでの Commands メニューが2つに分かれました。コアスクリプトは引き続き Commands に、追加スクリプトは新しい Scripts に収められます。自作スクリプトを追加している場合は、置き場所と呼び出し位置が変わる点に注意が必要です。
外部ツール連携
- 簡易的なMCPサーバー: Scripts メニューの MCP セクションから利用できます。
- LiveLink: Unreal Engine 5.8 に対応しました。リソースパスにUTF文字が含まれる場合にアニメーションが正しく作成されるよう修正されています。
マテリアルまわりの変更点
1つのメッシュに複数のマテリアルを設定できるようになりました。これまでは1メッシュにつき1マテリアルのみの対応でしたが、複数のマテリアルを持つオブジェクトをインポートした場合、そのすべてが正しく認識されます。サンプルキャラクターにも既定のマテリアルが付属するようになりました。
一方で、Textures は非推奨(deprecated)となりました。今後は Materials を使用することになります。既存シーンを引き継ぐ場合は、この点を確認しておく必要があります。
UIが日本語・中国語・韓国語に対応
CascadeurのインターフェースがChinese・Japanese・Koreanの各言語に対応しました。切り替えはアプリケーション右上から直接行えます。言語パックは今後のリリースでさらに追加される予定としています。
その他のアップデート
- BVHインポート: Commandsメニューの「Import BVH animation」からBVHファイルのアニメーションをインポートできます。対応するのはアニメーションのみで、BVHファイル内のその他の内容には現時点で未対応です。シーン全体を取り込む場合は別のファイル形式を使う必要があります。
- FBX: ファイルに紐づくテクスチャが自動で読み込まれ、1つのメッシュに複数のマテリアルスロットが作成されるようになりました。シーンを保存すると、テクスチャは .casc ファイルにベイクされます。
- カメラ露出設定: Scene Settingsパネルに「Camera exposure」グループが追加され、ISO・シャッタースピード・絞りを制御できるようになりました。
- 環境光: Scene Settings → Environment タブの環境光の強度が、従来の数値入力に加えてスライダーでも操作できます。
- Isometric Grid: グリッド線と背景の透明度を、Settings Window → Visualizers の Grid lines alpha/Grid background alpha で設定できます。
- トラジェクトリの色分け: 現在フレームより前と後で、軌道の色を個別に設定できるようになりました。
- Go to t-pose: これまでBox Controllersのみに対応していましたが、Point ControllersとJointsでも動作するようになりました。
- Rigging Tools: パフォーマンスが最適化されました。
- 床面の表示・非表示を制御するモディファイア、カメラのズーム方向を反転するオプションが追加されました。
このほか、アンベイク時のクラッシュ、閉じたシーンからアニメーションを貼り付けた際のクラッシュ、float オーバーフローによるJoltのクラッシュ、Filamentのビューポートアーティファクト、特定のGLBファイルのインポート不具合など、多数の修正が含まれています。
すべてのアップデート内容はこちらから
価格とシステム要件
Cascadeur は、Windows 10 (バージョン1809以降), 11、Ubuntu 20.04以降macOS 13.3以降で利用できます。
より詳しいシステム要件の確認はこちらから
Cascadeur Free、Indie、Pro、Teamsライセンスの4種類となります。
| 年額 | 月額 | 特徴と対象者 | |
|---|---|---|---|
| Free | 無料 | アニメーションのアンベイクやレイアウトのカスタマイズなど、新機能の多くを提供します。アニメーションのエクスポートは独自の .CASC フォーマットでのみ保存可能です。 | |
| Indie | 96ドル / 年 | 19ドル / 月 | 独立系アニメーターや小規模スタジオ向け。従来のProオプションの3分の1以下のコストで、無制限のアニメーションエクスポートを提供します。Freeのすべての機能に加え、FBX、DAE、USDへのエクスポートオプションが含まれます。 |
| Pro | 396ドル / 年 | 49ドル / 月 | 最も包括的なツールをお探しのプロのアニメーターやスタジオ向け。シーンリンキング、アニメーションリターゲット、Physicsの環境インタラクション強化などの高度な機能が含まれており、高品質なアニメーション制作に必要なすべてを提供します。 |
| Teams | 要お問い合わせ | 6人以上のチーム向けのプランです。ボリューム割引が適用されます。 | |
※永久ライセンスへの自動移行について:
Cascadeurの「Indie」および「Pro」ライセンスは、年払いを選択すると、最低利用期間である1年後に自動的に永久ライセンスへと変更されます。つまり、最初の1年後にサブスクリプションをキャンセルした場合でも、サブスクリプション期間中にリリースされた最後のバージョンを、時間の制限なくフルに使用し続けることが可能です。































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