Rokoko、AIモーションキャプチャ「Rokoko Vision 3.0」発表!新ソルバー導入で品質向上、クラウド処理への移行など

CGソフト

2026年7月16日(現地時間) – Rokokoは、Rokoko Vision 3.0を発表しました。

Rokoko AIモーションキャプチャパイプラインの再構築

今回のアップデートでは、単眼カメラ(モノキュラー)によるAIモーションキャプチャパイプラインが再構築されました。同社はこれを、初代Rokoko Visionのリリース以来となる主要なアップデートと位置付けています。

新しいソルバーの導入により、モーションのノイズ低減や処理速度の改善が図られているほか、動画からモーションを生成する「Video-to-Motion」機能が、WebベースのプラットフォームであるRokoko Createに直接統合されました。

今回のアップデートでは、品質の向上だけでなく、制作のプロセスを滞らせない環境づくりにも重点が置かれており、Vision 3.0は、リファレンスの撮影から、ゲームプレイのブロックアウト、シネマティックのプロトタイプ作成、最終的なアニメーション制作に至るまで、クリエイターの作業を滞らせないことを念頭に設計されています。

これにより、アニメーション制作の「録画、処理、レビュー、調整」を繰り返すプロセスのループが速くなり、最終的なアニメーションの品質向上につながります。

ローカル処理からクラウドベースのワークフローへ

現在、AIを活用したモーションキャプチャには、ローカル環境で処理を行うツールとクラウドで処理を行うツールがあり、それぞれに利点があります。ローカル処理はデータの完全な自己管理が可能ですが、クラウド処理は高価なハードウェアを必要とせず、処理中もクリエイターが他の作業を継続できるという強みがあります。

Rokokoは、アニメーションを完成させるまでのプロセスを円滑に進めることを重視し、Vision 3.0をクラウド処理ベースで構築しました。ブラウザから映像をアップロードするとバックグラウンドでアニメーションが生成されるため、ローカルでの処理完了を待つ時間や、ハイエンドなGPUを用意する負担が軽減されます。これにより、Blender、Maya、Unity、Unreal Engineなど、使用する3Dソフトウェアを問わず、幅広い環境から利用しやすくなっています。

例えば、Epic GamesのUnreal Engine内で提供されているMetaHuman Animatorのようなローカル完結型のツールと比較すると、ワークフローの方向性が異なります。ローカル処理は手元でデータを管理できる反面、ハードウェアの性能によって処理時間が左右される傾向があります。一方、Rokoko Vision 3.0はクラウドインフラを活用することで処理時間の短縮を図り、生成中も他の作業を継続しやすいワークフローを提供しています。

月額料金と処理可能時間の比較

反復的な調整(イテレーション)には、目に見えないコストがかかります。最初のアプローチがそのまま採用されることは稀であり、アイデアを試し、パフォーマンスを調整し、バージョンを比較し、タイミングを洗練させることで、質の高いアニメーションが生まれます。

しかし、処理される時間(分数)ごとに高額なコストがかかると感じる場合や、ローカルでの長い処理時間を待たなければならない場合、この調整プロセスは困難になります。Vision 3.0は、このような摩擦を取り除くよう設計されています。

新しいクラウドインフラは、以前のバージョンよりも処理時間を短縮しつつ、同等のクラウド型AIモーションキャプチャサービスと比較して、月額料金あたりにより多くの処理時間を提供します。

クリエイタープランの比較

サービス名月額料金含まれる処理時間
Uthana$6 – $161〜2.5 分
QuickMagic$102.5 分
Rokoko Basic$1010 分

プロフェッショナルプランの比較

サービス名月額料金含まれる処理時間
Uthana Pro$508 分
QuickMagic Professional$5017 分
Rokoko Pro$50250 分

クラウドAIモーションキャプチャを利用するクリエイターに対して、Rokokoは同等の月額費用でより多くの処理時間を提供しています。

さらに重要な点として、クレジットシステムや追加のトークン費用、想定外の利用料などを懸念することなく、明確なサブスクリプションモデルのもとでアニメーションの調整に専念できる環境が整えられています。これにより、コストを気にして試行錯誤を控えるのではなく、反復的な調整を標準的なワークフローとして組み込むことが可能になります。

モーション制作を統合する単一プラットフォーム

Vision 3.0は単独のツールや機能としてではなく、モーション制作プラットフォームの一部として位置づけられています。

モーション制作は、テキストプロンプトからの生成、実際のパフォーマンスの収録、既存のアニメーションの編集など、複数の技術を横断することが増えています。。Rokoko Createでは、これらの機能を別々の製品に分けるのではなく、動画からの生成(Video-to-Motion)とテキストからの生成(Text-to-Motion)を一つの空間に統合しています。

これにより、ツール間を行き来することなく、統合されたワークスペース内で以下の作業が可能になります。将来的なAI搭載のモーションツールも、このプラットフォームに追加される予定とのことです。

  • テキストからのモーション生成
  • 動画からのモーションキャプチャ
  • Rokoko Studioでのアニメーション編集と微調整
  • モーションライブラリの管理
  • キャラクターへのリターゲティング
  • 標準フォーマットでのエクスポート
  • プロジェクトの必要に応じたRokoko製ハードウェアとの連携拡張

単一の問題を解決するのではなく、アイデアの着想からアニメーションの完成までの全行程をサポートするプラットフォームの構築を目指しているとのことです。

Rokoko Visionの初期の目標であった「カメラがあれば誰でもモーションキャプチャを利用できるようにする」という方針は現在も変わっていませんが、クリエイター側からの期待値は変化しており、品質、速度、ワークフローの利便性がより重視されるようになっています。

これに応えるため、従来のアーキテクチャのアップデートではなく、単眼ソルバーを根本から再構築するアプローチが取られました。その結果、より滑らかなモーション、処理の高速化、そしてワークフロー全体を通したスムーズな体験が実現されたとのことです。Vision 3.0は、Rokokoが今後展開する機能の基盤となる予定です。

機能の変更点について

以前のRokoko Visionのサポートについて

Vision 3.0は、従来の単一カメラ版Rokoko Visionに置き換わる形となります。デュアルカメラでのワークフローを利用しているクリエイター向けには、ローンチ後約30日間はサポートが継続され、その後提供が終了する予定です。今後のAIモーション制作は、Rokoko Createのエコシステム内で展開されます。

ウェブカメラ直接録画機能を廃止した背景

今回のアップデートに伴う変更点として、ウェブカメラからの直接録画機能の廃止があります。これは技術的な制限ではなく、クリエイターの実際の作業状況を反映した結果と説明されています。

Rokokoのデータによれば、90%以上のユーザーがアップロード前に別の方法で映像を録画するワークフローを好んでいたとのことです。事前に録画することで、フレーミングや照明、カメラの配置、パフォーマンス自体を確認してから処理に進めるためです。利用頻度の低下した機能を維持するよりも、モーションの品質や処理速度、全体的な操作性の向上に開発リソースを集中させる判断が下されました。

指のトラッキング機能について

Vision 3.0のローンチ時点では、指のトラッキング機能は意図的に搭載されていません。

これは、ユーザーからのフィードバックにおいて「身体全体のモーション品質」「処理速度」「ワークフローのシンプルさ」、そして「アクセシビリティ」が最も高く評価されていたため、今回のリリースではそれらを最優先課題としたためです。機能の拡張については、今後もコミュニティの意見を反映しながら検討を進めていくとしています。

モーション制作の今後の展望

AI技術はアニメーション制作のプロセスに変化をもたらしており、モーションキャプチャはより迅速に、生成機能はより柔軟に、編集作業はより効率的になりつつあります。Rokokoは、こうした複数のワークフローを統合するプラットフォームが今後のスタンダードになると予測しています。

Vision 3.0は、その将来を見据えたステップとして位置づけられています。精度の高いモーション、迅速な処理、改善されたクリエイティブワークフローを備え、次世代のモーション制作を支える基盤として展開されていくとのことです。

Vision 3.0を試す

Rokoko Vision 3.0は、手持ちの映像を使って無料でテストすることが可能です。


Introducing Rokoko Vision 3.0: Faster, better, and built for iteration

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