2026年7月9日(現地時間) – Webプラットフォームである「SuperSplat」、編集ツールである「SuperSplat Editor」、そしてデータ変換ツールである「splat-transform」の3つのツール群における最新のアップデートが発表されました。
先月実施された新しいWebGPUレンダラーと自動ストリーミングの実装により、3D Gaussian Splattingデータの読み込みとレンダリングパフォーマンスが大きく向上しました。今回のアップデートでは、作成したSplatデータを「どのように活用するか」という点に焦点を当てているとのことです。
SuperSplat
AIを活用した「Vibe Coding」によるSplatアプリ開発の効率化
これまで、Gaussian SplattingデータをインタラクティブなWebアプリケーションとして公開するには、エンジンやビルドツール、ビューアを手動で設定する必要がありました。
今回のアップデートにより、SuperSplat上でダウンロード可能なSplatデータには、ワンクリックで取得できる「スタータープロジェクト」が付属するようになりました。
ダウンロード時にViteプロジェクトを選択すると、PlayCanvas Engine、Vite、TypeScriptで構成された、すぐに実行可能なWebアプリケーション一式を取得できます。プロジェクトにはSplatデータ自体が同梱されており、SuperSplat上で設定したカメラの初期位置も維持されます。展開して npm install と npm run dev を実行するだけで、ブラウザ上でSplatがライブ動作するのを確認できます。
また、このプロジェクトは、AIコーディングアシスタント(CursorやClaude Codeなど)を利用した「Vibe Coding(バイブコーディング:自然言語でAIに指示を出し、直感的に開発を進める手法)」に最適化されています。構成ファイルが最小限に抑えられており、ビューアのロジックは単一のファイル(src/main.ts)、設定項目は明確に命名された設定ファイル(src/splat-config.ts)に集約されています。
これにより、AIアシスタントにプロジェクト全体を把握させやすく、ホットスポットの追加や製品コンフィギュレーターの構築などをスムーズに行うことが可能です。
SuperSplat Editor 2.29.0
ローカル環境などでGaussian Splattingデータを編集・最適化するためのツールであるSuperSplat Editorがバージョン2.29.0へアップデートされ、以下の強力なエクスポート機能が追加されました。
360度動画・静止画のレンダリング対応
目玉機能として、アニメーションを設定したSplatシーンを、エクイレクタングラー(正距円筒図法)形式の「360度動画」として直接出力できるようになりました。
出力された動画は、YouTube 360へのアップロードや、VRヘッドセットでの没入感のある視聴、スマートフォン上での直感的なスワイプ操作など、多様なプラットフォームでの共有に活用できます。
また、動画だけでなく360度のエクイレクタングラー静止画の出力にも対応しました。さらに、通常の画像エクスポートフォーマットがWebP形式へ変更され、より小さなファイルサイズで高品質な出力を得られるようになっています。
軽量フォーマット「SPZ」形式のエクスポート
さらに、Niantic Labsが3Dスキャンアプリ「Scaniverse」向けに開発したオープンな圧縮Splatフォーマットである「SPZ」形式のエクスポートにも対応しました。
SPZファイルは、視覚的な品質の低下をほとんど伴わずに、従来のPLY形式と比較して約10分の1のファイルサイズに圧縮できるという特徴があります。この対応により、SuperSplatで編集したシーンを、Scaniverseをはじめとする他のSPZ互換アプリケーションやパイプラインへ、スムーズに移行させることが可能になります。
splat-transform 3.0
大規模データ処理を実現するストリーミングアーキテクチャ
PlayCanvasが提供するオープンソースのコマンドラインツールおよびライブラリであるsplat-transformが、バージョン3.0へとメジャーアップデートされました。本ツールは、SuperSplatで使用される高度に圧縮された「SOG」や「Streamed SOG」データを出力するための基盤技術です。
バージョン3.0の最大の改良点は、内部処理がストリーミングアーキテクチャへと根本から書き換えられたことです。従来はシーン全体を一度メモリにロードする必要がありましたが、新しい仕様ではデータを一定の「チャンク(塊)」ごとにストリーミング処理します。これにより、メモリ使用量はシーン全体の規模ではなくチャンクサイズに依存するようになり、一般的なハードウェア環境でも1億Splatを超えるような大規模なシーンの処理が可能になりました。
また、処理速度も飛躍的に向上しています。PlayCanvasのテストによれば、1000万Splatのフィルター処理において、バージョン2.x系と比較して約5分の1のピークメモリ使用量に抑えつつ、約7倍の処理速度を記録しています。
なお、内部アーキテクチャの大幅な変更に伴い、本バージョンはNode.js 22以上が必須環境となり、APIおよびCLIコマンドにいくつかの破壊的変更が含まれています。(npx @playcanvas/splat-transform でお試しいただけます)。移行に関する詳細な情報は、公式のリリースノートやプルリクエストで確認できます。
オープンソースとしての提供形態とコミュニティ
PlayCanvas Engine、SuperSplat Editor、およびsplat-transformを含む一連のツールチェーンは、すべてMITライセンスの下、無料で利用できるオープンソースソフトウェアとして公開されています。「Web上の3Dのための最高のツールは、すべての人が利用できるべきである」という理念に基づき、これらのツールは提供されています。
PlayCanvas上でのGaussian Splatting開発に初めて取り組む場合は、公式のGaussian Splatting ドキュメントが最適なスタート地点となります。
New in SuperSplat: Vibe Code Splat Apps, 360° Video and splat-transform 3.0































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