2026年7月14日(現地時間)- Blender Foundationおよびオンラインコミュニティは、長期サポート版となる「Blender 5.2 LTS」を発表しました。
新機能ハイライト
Blender 5.2 LTSは、新機能の追加と安定性の向上を両立させたリリースです。2028年7月までの2年間にわたる公式サポートが提供されるため、長期間に及ぶプロダクション制作において信頼できる選択肢となります。
ジオメトリノードの分野では、ヘア(毛髪)やクロス(布)のシミュレーションに対する実験的なプロシージャルアプローチが導入されたほか、コンポジターでの文字列(ストリング)ノードのサポート、様々な新しいノードの追加が行われました。また、アセットライブラリはリモートホスティングに対応し、公式の「Blender Online Essentials」にオンデマンドでアクセスできるようになっただけでなく、ユーザー自身でアセットをホストすることも可能になっています。
レンダリング面では、Cyclesにおけるテクスチャキャッシュ機能や、プリンシプルBSDFの「Thin Wall(薄い壁)」モードが主な追加要素となっています。さらに、EEVEEも長年のユーザビリティの課題を多数解決しました。
2Dアニメーション機能であるグリースペンシルは、新しい塗りつぶしアルゴリズムによって操作感が向上し、ラインマテリアルの新設定や、オンラインアセットを活用したブラシツールセットの拡張が行われています。
スカルプト機能には新たな「Scene Project」ブラシや「Add Primitive」オペレータが追加され、ボクセルリメッシャーが頂点カラーなどの属性を保持できるようになりました。アニメーション、ビデオシーケンサー(VSE)、ユーザーインターフェース(UI)においても、日々のワークフローの最適化と品質向上が図られています。そして、VRを活用したロケーションスカウティング機能も追加されました。
次の公式の動画で新機能をざっと確認することができます。
ジオメトリノード
ノードで音声を扱う:オーディオ反応型アニメーション
インポートした音声ファイルでノードを制御できるようになりました。新しく追加された「Sound(サウンド)」ソケットと「Sample Sound Frequencies」ノードを組み合わせることで、オーディオに反応するアニメーションやシミュレーションをジオメトリノードで構築できます。
音声ファイルはノードツリーに直接読み込むことが可能です。再生中に音声を聞くには、ビデオシーケンサーにも同じ音声を追加し、再生の同期設定を「Sync to Audio(音声に同期)」にする必要があります。

ベベル(面取り)ノードが追加
新たに「Mesh Bevel(メッシュベベル)」ノードが追加されました。
これにより、辺や頂点に対してプロシージャルかつ詳細な面取りの制御が可能になります。
物理シミュレーションの刷新
Blender 5.2 LTSでは、ノードベースの新しい物理演算アプローチを利用したヘア(毛髪)およびクロス(布)の物理シミュレーションシステムが新たに導入されました。この実験的な機能の核となるのが、内蔵された「XPBD Solver」ノードです。
この機能は、広範なテストを経て設計を確定させるため、現段階では「実験的機能(Experimental)」として提供されています。
XPBDソルバー
ClothおよびHair Dynamicsには、内部的に新しい「XPBD Solver」ノードが利用されています。
XPBD(Extended Position-Based Dynamics)は、従来のPBD(位置ベース物理)という手法を拡張した物理シミュレーションのアルゴリズムです。物体の硬さ(剛性)などの物理的特性を、時間ステップの大きさに依存せず安定してシミュレーションできる特徴を持っています。
「XPBD Solver」は、このアルゴリズムをBlenderのジオメトリノードで直接使えるようにするためのノードです。このノードが様々な制約(コンストレイント)を解決する重い処理を担い、アセットはその周囲に用途特化型のシステムを構築しています。

このソルバーを利用して以下のようなことが可能です。
クロスダイナミクス
新しい実験的なCloth Dynamicsモディファイアーおよびノードグループを任意のメッシュに追加するだけで、布のような挙動を再現できます。
ピン留め、伸縮性や曲げの制御、引き裂きなどの様々な機能が組み込まれており、アセットとしてだけでなくノードグループとしても使用可能です。
ヘアダイナミクス
ヘアの物理演算もクロスと同様に機能しますが、ヘアがアタッチされる表面(サーフェス)が必要となるため、少しセットアップが必要です。追加メニューの更新された「Empty Hair」オペレーターを使用すると、このセットアップが自動で行われます。
このプロセスにおいて、サーフェスメッシュには新たに「Capture Rest Geometry」モディファイアーが追加されます。これは、サーフェスが静止状態からどのように変形したかをシミュレーションが把握するために必要であり、データは新しい「ジオメトリバンドル」に保存されます。もちろん、ジオメトリノード内で完全にプロシージャルなセットアップを構築することも可能です。
エフェクター
エフェクターは、シミュレーションに影響を与える要素です。HairおよびCloth Dynamicsには、重力や表面衝突など、使いやすい組み込みエフェクターが用意されています。
さらに、ユーザーが追加のエフェクターを渡すこともでき、現在3種類のカスタマイズ可能なエフェクターが利用できます。
コライダー (Colliders)
任意の閉じたメッシュを衝突判定(コライダー)として使用できます。Colliderモディファイアーを追加するか、プロシージャルなセットアップでコライダーエフェクターバンドルとして渡すことができます。
カスタムフォース (Custom Forces)
各ポイントに対して独自の力(フォース)ベクトルを計算できる特化したエフェクターです。組み込みの重力以外にも、カスタムフォースオブジェクトを簡単に構築し、「Set Effector」アセットを使用してジオメトリにアタッチできます。Emptyオブジェクトでのジオメトリノードサポートと相性が良い仕様です。
カスタムエフェクター (Custom Effectors)
クロージャ(Closure)を使用して、シミュレーションループ内の特定の段階(例:”Post Solve”)において独自のカスタム挙動を注入できます。

また、エフェクターにはタグを使用したフィルタリングシステムがあり、各ジオメトリに設定されたタグを指定することで、影響を与える対象を正確にコントロールできます。
バンドルの強化
Blender 5.0で導入された「バンドル(Bundles)」の概念が拡張され、ジオメトリにアタッチしてモディファイアーやオブジェクトの境界を越えて任意のデータを受け渡すことができるようになりました。
「Get Geometry Bundle」および「Set Geometry Bundle」ノードを使用することで、データの受け渡しを含む新しいワークフローの構築が可能になります。

その他のジオメトリノード強化機能
- 任意の長さのシーケンス(数値や文字列など)を格納できる、新しい基本データ型「リスト」に対応。制御用のノードも多数追加されました。
- Field to List(フィールドからリストへ)および Closure to List(クロージャからリストへ)ノードを使用してリストを作成できるようになりました。
- List Length(リストの長さ)および Get List Item(リストアイテムの取得)ノードにより、リストへのアクセスが可能になりました。
- 従来の数式(Math)ノードに加え、新しい Filter List(リストフィルタ)や Sort List(リストソート)ノードを用いてリストを編集できるようになりました。
- Capture Attribute(属性のキャプチャ)ノードが、選択範囲(Selection)の入力に対応しました。
- 特定の接頭辞(プレフィックス)を持つ属性の名前を一括で変更できる、新しい Rename Attribute(属性のリネーム)ノードが追加されました。
- ジオメトリ内に含まれる属性名の一覧を取得できる Get Attribute Names(属性名の取得)ノードが追加されました。ドメインやデータ型でのフィルタリングも可能です。
- 任意の数の属性をあるジオメトリから別のジオメトリへ一括転送できる、新しい Transfer Attributes(属性の転送)ノードが追加されました。
- 属性を4D浮動小数点数ベクトルとして保存できるようになりました(※ただし、現在のジオメトリノードが演算処理できるのは3Dベクトルまでとなります)。
- ジオメトリノードで文字列(String)フィールドがサポートされるようになりました。
- Find in String(文字列検索)ノードで、文字列の末尾(後ろ側)から最初に一致した箇所を検索できるようになりました。
- 文字列の先頭や末尾から特定の文字を切り除ける、新しい Trim String(文字列のトリム)ノードが追加されました。
- 文字列の文字の並び順を反転させることができる、新しい Reverse String(文字列の反転)ノードが追加されました。
- 大文字と小文字を変換・統一できる、新しい Set String Case(文字列の大文字・小文字変換)ノードが追加されました。
String(文字列入力)およびString to Value(文字列から数値への変換)ノードに、デフォルト値を設定できる「Baseinput」機能が導入されました。- 指定した区切り文字に基づいてテキストを分割しリスト化できる、新しい Split String(文字列の分割)ノードが追加されました。
- コレクション内にあるすべての子オブジェクトや子コレクションを、リストとして取得できる Collection Children ノードが新登場。
- データ解析や向きの割り出し等に役立つ Principal Component Analysis(主成分分析)ノードが新登場。
- Merge by Distance(距離でマージ)ノードに連動し、マージ時の挙動を細かく制御できる3つの新しいビルディングブロック(補助ノード)が追加されました。
- ノードグループの入力タイプに、デフォルト値として「Scene Frame(現在のシーンフレーム)」が指定できるようになりました。
- オブジェクト用のソケットにおいて、デフォルト入力モードとして「Self Object(自身を対象とする)」がサポートされました。
- インスタンス化している元のジオメトリデータを特定・取得できる、新しい Instance Reference(インスタンス参照)ノードが追加されました。
- ジオメトリから単一のコンポーネントだけを抽出し、よりシンプルに編集できる Get Geometry Component(ジオメトリコンポーネント取得)ノードが追加されました。
- クロージャ(Closures)ノードの再帰呼び出し(自分自身をノードツリー内で再度呼び出す処理)が可能になりました。
- Viewer(ビューアー)ノードで、現在プレビューしているデータブロック(マテリアルやメッシュなど)の名前が表示されるようになりました。
- データブロック用のソケット同士を直接比較できるようになり、さらに値が「空(
None)」であるかどうかも判定できるようになりました。 - Bone Info(ボーン情報)ノードに、指定したボーンがリグ内に実在するかどうかを真偽値で返す “Exists” 出力が追加されました。
CYCLESとレンダリング
テクスチャキャッシュ機能によるメモリ削減
多数の画像テクスチャを使用するシーンにおいて役立つ「テクスチャキャッシュ(Texture Cache)」機能が追加されました。
これの機能は、レンダリングに必要なタイルと解像度のみをロードする最適化されたテクスチャファイルを自動生成することで、メモリ使用量と起動時間を削減します。
テクスチャキャッシュの設定は簡単に行えます。プロパティエディターの「Performance(パフォーマンス)」タブ内にある「Texture Cache」の設定から、「Auto Generate(自動生成)」を有効にするか、「Generate(生成)」ボタンをクリックするだけです。
これにより各画像に対して最適化された .tx ファイルが生成され、元の画像が変更されるたびに自動的に更新されます。

詳しい情報は以下の記事をご覧ください。
紙や葉などの「薄い質感」をリアルに再現
Principled BSDF(プリンシプルBSDF)ノードに「Thin Wall(薄い壁)」モードが追加されました。
これを使用することで、紙、葉、窓ガラスといった薄い材質の表現をより物理的に正確にレンダリングできます。


Thin Wallモードが有効な場合、表面は厚みを持たないスラブ(層がベースの周囲にミラーリングされた状態)として扱われます。このモードにより、薄いガラス表面における反射と透過や、薄い表面下(サブサーフェス)材質の拡散と半透明の散乱を組み合わせた、透明・半透明材質の正確な近似表現が可能になります。
Thin Wall OFF
Thin Wall ON主要カメラや広色域に対応したカラースペース
カラースペースがメニュー内で整理され、より選びやすくなりました。さらに、Apple、ARRI、Blackmagic Design、Canon、Sonyなどの主要カメラ用の新しい入力カラースペースが追加されたほか、Adobe RGBや広色域テクスチャのサポートも追加されています。

その他のCyclesおよびレンダリング関連の改善
- Subsurface BSDF(サブサーフェス散乱)およびPrincipled BSDFのサブサーフェス成分において、負の異方性(Negative Anisotropy)の表現がサポートされました。
- 他のレンダラーとの質感を合わせやすくするため、ランダムウォーク(Random Walk)の半径スケーリングや異方性からアルベドへのマッピング処理が調整されました。
- ワールド(背景)の設定に「影を落とす(Cast Shadows)」オプションが追加されました。
- ジオメトリデータのメモリ使用量が最適化され、レンダリング開始時の同期(Sync)パフォーマンスが向上しました。
- レイキャスト(Raycast)ノード:レイが衝突した交点(ヒットポイント)のカスタム属性に直接アクセスできるようになりました。
EEVEE
Nextアーキテクチャへの進化と最適化
Blender 5.2 LTSはEEVEEにとって重要なアップデートとなっており、EEVEE Nextプロジェクトのアーキテクチャへの移行に伴う、以前からの操作性や描画に関する課題が解決されています。
スクリーンスペース・レイトレーシングのオーバーホール
スクリーンスペース・レイトレーシングのパイプラインが整理されました。この変更により一部の互換性が失われますが、長期的な操作性の向上します。
※過去のバージョンで作成されたシーンの多くは問題なく読み込まれ、同様に表示されます。外観が異なる場合は、厚み(Thickness)パラメータの微調整で対応できる場合があります。また、エネルギー保存法則の修正により、一部のシーンはBlender 5.1よりも暗くレンダリングされる可能性があります。
裏面ポリゴンの描画制御
Screen Tracing(スクリーントレーシング)サブパネルに、新しい Backface(背面) オプションが追加されました。
この設定により、光漏れ(ライトリーク)を減らし、GI(グローバルイルミネーション)の外観を微調整できます。このオプションは、Screen Space GIとFast GI Approximationの両方に影響します。



リフレクションデノイザーの改善
リフレクションデノイザー(反射のノイズ除去)の調整により、反射している接点付近のシャープネスが適切に維持されるようになりました。
Before
Afterレイキャストノードの改善
Raycast(レイキャスト)ノードは交差判定の精度が向上し、カメラに向かって移動するレイに対する誤検知(フォールスポジティブ)が発生しなくなりました。
Before
AfterFast GI とアンビエントオクルージョンの修正
Fast GIの実装における重要な不具合が修正され、動作がより安定しました。
この変更はAO(アンビエントオクルージョン)パスおよびAOシェーディングノードにも影響するため、該当機能を使用している既存ファイルの見え方が変わる場合があることにご注意ください。
Before (AO)
After (AO)また、オブジェクトの周囲に暗い輪郭(ヘイロー)を発生させていたFast GI Approximationの「Far Thickness」パラメータは削除されました。加えて、Precisionスライダーが1未満に設定されている場合、処理速度の向上とノイズ低減のための最適化が機能するようになっています。
EEVEEのその他のアップデート
オンラインアセット
新しいエッセンシャルアセット
新しいパラメトリックマテリアル、コンポジットエフェクト、HDRワールド背景、ジオメトリノードのセットアップなど、多数のアセットが公式の「Essentials」ライブラリに追加されました。
これらの新しいアセットはオンラインでホストされるため、Blender自体のファイルサイズを増加させることなく、必要な時にダウンロードして利用することができます。

この機能を利用するには、環境設定で「インターネットへのアクセスを許可(Allow Internet Access)」を有効にする必要があります。有効にすると、オンラインのアセットが組み込みの基本アセットと一緒に表示され、Blender内から直接閲覧して必要なものだけをダウンロードすることが可能になります。
独自ライブラリの構築と共有
さらにアセットが必要な場合は、独自のライブラリをホストしたり、お気に入りのクリエイターが公開しているオンラインアセットライブラリを追加することができます。
スマートインデックス機能により、数千規模のアセットであっても効率的に閲覧が可能です。また、アセットはワンクリックで最新の状態に保つことができます。

Blender StudioのSimonによる、オンラインアセットのカスタマイズに関するデモンストレーション映像です。
その他のアセット関連改善
コンポジター
コンポジターでの処理能力が拡張されました。新たに Matrix、Rotation、String、Object、Font、Integer Vector の6つのソケットタイプがサポートされています。
さらに、文字列操作を行うものからジオメトリノードでおなじみのものまで、全体で 35個の新しいノード が追加され、ノードベースでの柔軟な調整が可能になりました。
アセットによる多様なルックの適用
実写のようなフィルム調(filmic)の仕上げから、水彩画(watercolor)や油彩画(oil painting)といった手描き風のスタイルまで、新しいコンポジティングアセットを使用することで幅広いルックを迅速に構築できるようになりました。
新しいアセット
また、独自のセットアップに組み込んで利用できる新しいアセットとユーティリティノードグループも追加されました。
- Film Grain: アナログフィルムのノイズや挙動をシミュレートします。
- 3D to Screen Space: ワールド空間の3D座標を正規化されたカメラ空間に変換します。
- Screen to 3D Space: 指定された深度と正規化された2Dベクトルから、3D空間内の座標を計算します(「3D to Screen Space」の逆変換)。
- Transform and Project: 「3D to Screen Space」の汎用的な低レベルバリエーションです。カメラオブジェクトの代わりにトランスフォーム(Transform)と投影(Projection)を入力として受け取り、スクリーンスペースの2D座標を計算します。
- Project with Depth: 「Screen to 3D Space」の汎用的な低レベルバリエーションです。

ギズモ機能の拡張とオートキーイング対応
コンポジターのギズモが オートキーイング をサポートするようになりました。
ギズモを直接操作して変形させることで自動的にキーフレームが挿入され、バックドロップや ギズモのサポートが開始された画像エディター 上から直感的にアニメーションを作成できます。
また、ビューヤーギズモ が画像の表示オフセットに追従するように改善されたため、ビューをパンやズームしてもギズモのハンドルがバックドロップの適切な位置に留まるようになりました。
リアルタイムコンポジターの高速化とアニメーション再生対応
インタラクティブ(リアルタイム)コンポジターの実行効率が根本から見直され、操作時の応答性が向上しました。これにより、ビューポート上でコンポジティング結果をリアルタイムに再生・確認できるようになりました。
また、出力に繋がっていないノードの調整や、関係のないUndo操作、時間変化を伴わないフレーム切り替え時などの不要な再計算がトリガーされない賢い仕組みが導入されています。
文字列の画像化
入力したテキスト(文字列)を直接画像データとして生成し、コンポジット内で扱える新しいノード「String To Image」が追加されました。
この機能によりクレジットの追加や動的なテキスト合成がしやすくなります。

コンポジターのその他のアップデート
- インタラクティブ・コンポジターの応答性・快適性が大幅に向上しました。
- Switch(切り替え)ノードにおいて、条件が固定されている場合(未接続、またはグループ入力に直接接続されている場合)に遅延評価(Lazy Evaluation)が適用され、処理時間が短縮されるようになりました。
- Dilate/Erode(膨張/収縮)ノードの「Distance Threshold(距離しきい値)」モードが高速化されました。サイズやインセットの入力値の大きさに関わらず、一定の速度で処理が実行されます。
- Group Output(グループ出力)ノードにおいて、ノードツリー全体の総実行時間が表示されるようになりました。
- Anisotropic(異方性)サンプリングが Transform(変形)ノードに対応し、より高品質な縮小処理が可能になりました。(これまでは自動的にBi-Cubicサンプリングが使用されていました)
- File Output(ファイル出力)ノードにおいて、シーンのレンダリング設定とは独立して制御できる「File Extension(ファイル拡張子)」チェックボックスが追加されました。
- EEVEE限定:ビューポートコンポジターのデプス(深度)パスにおいて、グリースペンシルオブジェクトの反射の深さが反映されるようになりました。
- 指定したサイズと単一の色で新しい画像を生成して返す、便利な Blank Image(空白画像)ノードが追加されました。
- Integer Vector(整数ベクトル)ソケットがサポートされ、可能な限りデフォルトで使用されるようになりました。
- Stabilize 2D(2D手ブレ補正)ノードに、新しい Frame(フレーム)入力が追加されました。
- Levels(レベル)ノードに、Minimum(最小値)と Maximum(最大値)の出力端子が追加されました。
- ジオメトリノードでお馴染みの「Object ソケット」や「Active Camera」「Camera Info」「Input Object」「Object Info」などのノードがコンポジターでもサポートされました。
- アウトライナーからノードエディターへ、オブジェクトを直接ドラッグ&ドロップして配置できるようになりました。
- バックドロップ表示が有効な場合、ノードエディター上にもレンダー地域(Render Region)の枠線が表示されるようになりました。
- ソケット(接続端子)にマウスをホバーした際の値のプレビュー表示に対応しました。
- ピクセル値を表すソケットにおいて、数値の後にピクセル単位(px)が表示されるようになりました。
- Mask(マスク)ノードから、新しいマスクを直接作成できるようになりました。
- ソケットのデフォルト入力タイプ(Default Input Types)の設定に対応しました。
グリースペンシル
境界線から正確に塗りつぶすDelaunayアルゴリズム
Grease Pencilの塗りつぶし(Fill)ツールに、新しいアルゴリズムが導入され、境界線から正確に塗りつぶすことができるようになりました。
新しい Delaunay(ドロネー)フィル アルゴリズムは、境界となるストロークから正確なジオメトリを作成し、自動的な隙間検出や反転塗りつぶしに対応します。ズーム倍率に依存しない安定した結果を出力し、従来より高速に処理が行われます。
ストローク上のドットやスクエア配置のランダム化
Dots(ドット)および Squares(四角形)のラインマテリアルに、ストロークに沿った形状の分布を制御する Placement(配置)設定 が追加されました。
これらの形状は余分なジオメトリとしてではなく、レンダリング時に生成されるようになります。これにより、モディファイアーを使用してストロークを細分化する従来の方法と比較して、パフォーマンスが改善されています。
描画ツールでのカーブタイプ設定
描画(Draw)ツールに、作成されるカーブの種類を指定する新しい設定が追加されました。
ポストプロセッシング(Post-Processing)セクション内の設定から、ベジェ(Bézier)、Catmull-Rom、またはNURBSカーブを選択することができます。
新しいオンラインアセットブラシ
Blender StudioのアーティストやDaniel Martínez Lara氏の制作した新しいテクスチャブラシが、「Online Essentials」アセットライブラリの一部として追加されました。

アセットシェルフでこれらのオンラインブラシを使用するには、環境設定の「System(システム) > Network(ネットワーク)」から 「Allow Online Access(オンラインアクセスを許可)」 を有効にする必要があります。
また、同梱されている標準のブラシセットも更新されました。サムネイルが刷新されたほか、Dots用の新しいマテリアル設定の適用、およびAirbrush、Ink Pen Rough、Pencil Softブラシの設定が見直されています。
グリースペンシルのその他のアップデート
- Move to Layer(レイヤーへ移動)機能が、レイヤーのツリー階層構造に一致するグループを表示するようになりました。
- Vertex Brush(頂点ブラシ)が、描画時のブレンドモード(混色設定)に対応しました。
- 頂点ペイント(Vertex Paint)モードのツールバーにおいて、アイコン類を含むUIが刷新されました。
- ショートカットキー Shift + L で、現在完全に選択状態にあるストロークの選択をすばやく解除できるようになりました。
- Draw Tool(描画ツール)に、生成するカーブタイプを選択できる新しい設定が追加されました。
- Eraser(消しゴムツール)が、最後にアクティブ(選択)にしていた消しゴム用ブラシを自動的に記憶して使用するようになりました。
- 新機能として、生成されるストロークに最初から塗りつぶし用マテリアルを適用できる Fill Strokes オプションが追加されました。
- SVGインポーターにおいて、読み込みサイズをBlenderシーンの単位スケールに自動で合わせる新しい Scene Units(シーン単位)トグルが追加されました。
- PDFおよびSVGエクスポーターが、接続部や角の形状(コーナータイプ)を維持した書き出しに対応しました。
アニメーション
往復再生など柔軟になったループ再生モード
タイムラインの再生(Playback)ポップオーバーが拡張され、アニメーション再生時のループ動作を細かく制御できるようになりました。
- Infinite (無限): デフォルトの動作です。最後のフレームの後に最初のフレームに戻り、再生を続けます。
- Stop at End Frame (最終フレームで停止): 最後のフレームで再生を停止します。この状態から再生を開始すると、一度最初のフレームに戻ってから再び最後のフレームで停止します。
- Stop at Start Frame (開始フレームで停止): 最後のフレームに到達した後、再生を停止して最初のフレームに戻ります。
- Restore Frame (元のフレームに戻る): 最後のフレームに到達した後、再生を停止し、再生を開始したフレームに戻ります(Escapeキーを押した時と同様の挙動)。
- Bounce (ピンポン再生): 最後のフレームに到達した後、逆再生を行います。
In-Between ツールのオブジェクトモード対応
中間フレーム(In-Between)を作成する各オペレーターが更新され、ポーズモードだけでなくオブジェクトモードでも利用可能になりました。
3Dビューポートのメニュー「Object(オブジェクト) > Animation(アニメーション) > In-Betweens」からアクセスできるほか、一部のオペレーターはツールバーから直接使用することも可能です。
アニメーションとリギングのその他のアップデート
- Smooth(スムーズ)およびCycles(ループ)のFカーブモディファイアを使用する際の、UI上のフィードバック(表示通知)が改善されました。
- Fカーブモディファイアを一括削除(すべて、最初のもの、種類ごと)できるようになりました。
- グラフエディターのチャンネル表示設定を Ctrl + 左クリック することで、そのチャンネルだけを単独表示(孤立化)できるようになりました。
- 選択したFカーブのみをフォーカスして表示するローカルビュー機能が追加されました。
- グラフエディターの「自動正規化(Auto Normalization)」が無効になっていても、正規化ボタンをクリックすれば手動で正規化を実行できるようになりました。
- オブジェクトモードでも「インビトウィーン(キーフレーム間の中間ポーズ作成)ツール」が使用可能になりました。
- データのリンク/転送メニュー(Ctrl + L)に「コンストレイントのコピー」が追加されました。
- 自動IK(Auto IK)の反転挙動が、親子関係が「接続」されていない親ボーンに対しても機能するようになりました。
- ドープシートの新機能:キーフレームの「種類」を指定して選択できるオペレーター(選択 → タイプで選択)が追加されました。
- アーマチュア編集モードの新機能:選択したボーンを複製しつつ、名前の検索・置換を一括で行える「複製とリネーム」オペレーターが追加されました。
- ユーザー設定の「Only Insert Available(存在するFカーブにのみキーを挿入)」がデフォルトでオンになりました。
- 自動キーフレーム挿入中のトランスフォーム操作時に、モーションパスが現在のフレームで逐一更新されないように調整されました。
- ボーンを親に設定する際、ボーンに沿った位置を調整できる新しい「ヘッド/テール」スライダーが追加されました。
- ボーン追加時の調整パネル(Redoパネル)に、配置を細かく設定できる「Space」「Align」「Length」「Deform」の各オプションが追加されました。
- 再生ヘッド(カレントフレーム)の左側または右側にあるマーカーを、ショートカットキー [ および ] で素早く選択できるオペレーターが追加されました。
モデリング&UV
標準機能に統合されたループツール
広く利用されてきた「LoopTools」アドオンの機能から、To Circle(円に変換)、Space Edge Loops Evenly(辺ループを均等に配置)、そして Flatten(平坦化) の各オペレーターが、Blenderのネイティブ機能として利用可能になりました。
これらの機能はパフォーマンスを向上させるためにC++でゼロから書き直されており、特定のケースで発生していた不具合も修正されています。
モデリングのその他のアップデート
- スナップの基準点を指定する「ベーススナップ(Base Snap)」機能に対応しました。
- 「リンク選択(Select Linked)」において、シーム(Seam)、シャープ(Sharp)、マテリアルを境界線にする制限(Delimit)設定に対応しました。
- 「対称UV座標のコピー(Copy Mirrored UV coordinates)」機能に、軸方向を選択できるオプションが追加されました。
- ポリゴンの表裏(時計回り/反時計回り)に基づいて選択できる、新しい「巻上げ順で選択(Select by Winding)」オペレーターが追加されました。
- 重なり合うUVを検出・選択する機能が、UVアイランド(Island)単位での処理をサポートしました。
- UV展開時に、変形前の「オリジナルのバウンディングボックス(境界枠)」を基準に展開する新しいオプションが追加されました。
スカルプト
スカルプトモードでのプリミティブ追加
スカルプトモードのツールキットが拡張され、新たに Add Primitive ツールが追加されました。これにより、オブジェクトモードに切り替えることなく、スカルプト作業中に直接プリミティブ形状を配置できます。
現在、立方体(Cube)、円錐(Cone)、円柱(Cylinder)、UV球(UV Sphere)、ICO球(Icosphere)を挿入することができるようになりました。

Scene Project ブラシ
新たに追加された Scene Project ブラシ を使用すると、スカルプト中のメッシュ表面を周囲のジオメトリに巻き付ける(投影する)ように変形させることができます。

ボクセルリメッシャーの属性保持
ボクセルリメッシャーのアルゴリズムが改善され、元のメッシュの最近接点の値を単に取得するのではなく、頂点およびコーナーの属性を適切に補間するようになりました。
このアップデートにより、リメッシュを繰り返した際にも、頂点ペイントの色などの属性データがより正確に保持されるようになりました。
Before (AO)
After (AO)スカルプトのその他のアップデート
ビデオシーケンサー
Blender 5.2 LTSでは、ビデオシーケンサー(VSE)の機能拡張が行われました。
コンポジターエフェクトをモディファイアーアセットとして共有する機能や、タイトルのスタイリング、プレビュー時とレンダリング時のモディファイアー可視性の切り替え機能などが追加され、さらにHDRスコープを使用したグレーディングもサポートされています。
コンポジターとビデオシーケンサーの連携
新しい Compositor(コンポジター)エフェクトストリップ の導入により、コンポジターのノードツリーをタイムライン上で直接実行できるようになりました。

ストリップモディファイアーがパネル内で入力を公開するようになり、ジオメトリノードのようなノードグループのインターフェースを通じた制御が可能です。コンポジターのノードツリーをストリップモディファイアーのアセットとして保存しておくことで、後から「モディファイアーを追加」メニューを通じて簡単に利用できます。
さらに、モディファイアーとエフェクトがGPU上で実行可能になったため、複雑なノードグラフや広範囲のブラー処理においても実行速度が向上しています。

コンポジタベースのトランジションノードツリー
テキストスタイルのプリセットと行間調整
テキストストリップが、フォント、アウトライン、シャドウ、レイアウトといったスタイルパネルの全設定を保存できるスタイルプリセットをサポートするようになりました。デフォルトで以下の3つのプリセットが内蔵されています。また、行間(Line Spacing) をフォントの高さに対する相対値で調整したり、絶対ピクセル値 で指定できるようにもなりました。



プレビュー可視性の切り替えトグル
ストリップモディファイアーに、オブジェクトモディファイアーと同様の プレビュー可視性トグル(モニターアイコン)が追加されました。
これにより、最終的なレンダリング出力には影響を与えずに、ビューポート再生時の重い処理のみを一時的に無効化することができます。

パフォーマンスの向上
- フッテージ(素材)とコンポジターの結果が、必要に応じてシーケンサーのカラースペースに変換されるようになりました。
- コンポジターモディファイアーが完全な不透明(Full Opacity)を検出し、アルファ透過を想定しない高速なレンダーパスを使用するようになりました。
- マスク(Mask)入力のレンダリングが高速化されました。
ビデオシーケンサーのその他のアップデート
- 編集中の数フレーム巻き戻し操作が大幅に高速化されました(プリフェッチが再生ヘッドの手前5フレームを事前に読み込むようになったため)。
- タイムライン内のストリップ開始・終了位置のサムネイルがデフォルトで表示されるようになり、ストリップ全体に並べて表示することも可能になりました。
- シーンストリップにビューレイヤーのセレクターが追加され、初期設定としてシーンのデフォルトビューレイヤーが指定されるようになりました。
- すべてのシーンストリップの背景色をまとめて微調整できる、新しいオーバーライド用のワークベンチワールド設定が追加されました。
- ファイル内に編集中のシーン(Edit scene)しか存在しない場合、追加メニューのシーンストリップの下に「他のシーンなし(No other scenes)」と表示されるようになりました。
- スコープ(各種モニター表示)が、HDRおよび広色域(ワイドガマット)カラースペースをサポートしました。
- 再生フッター部分に、任意で表示・非表示を切り替えられるスクラブ領域(Scrubbing region)オプションが追加されました。
- 動画ファイルをインポートする際、すべてのオーディオおよびビデオストリームをまとめて読み込むようになりました。
- 「オーディオのレンダリング(Render Audio)」実行時に、リアルタイムの進捗バーが表示されるようになり、途中でのキャンセルも可能になりました。
- VSEプレビュー上で、構図の決定を支援する「コンポジションガイド(三分割法など)」が表示可能になりました。
- 「ストリッププロパティ > トランスフォーム」メニューから、カラーストリップのサイズをピクセル単位(Raw Pixels)で直接指定できるようになりました。
- ストリップ画像の原点に対するスナップオプション(プレビュー中心などへのスナップ)がさらに追加されました。
- コンポジッターストリップのモディファイアにおいて、未使用のマスク入力が「透過」から「黒かつ不透明」として処理されるように修正されました。
- 半透明画像を扱うシーケンサーのカラースペース変換挙動が、コンポジターの「カラースペース変換」ノードと同じ処理に統一・一致するようになりました。
- タイムコードファイル機能の削除に伴い、プロキシ構築時に
*.blen_tcファイルが生成されないよう変更されました。
ユーザーインターフェース
長期サポート(LTS)リリースには、日常的な操作性を向上させるためのユーザーインターフェース(UI)の細かな改善が多数含まれています。
レンダー解像度の素早い入れ替え
出力解像度(Resolution)のXとYの値を右クリックし、新しい縦横を入れ替え(Swap Dimensions) オペレーターを実行することで、縦横のサイズを即座に入れ替えることができるようになりました。
横長の構図から縦長の構図(またはその逆)へ素早く変更する際に役立ちます。

アウトライナーのアクティブフォーカス
アウトライナー設定でアクティブにスクロール (Scroll to Active )を有効にして、リストが自動的にスクロールし、常にアクティブなオブジェクトにフォーカスできるようになりました。
この際、アウトライナーのツリーが煩雑になるのを防ぐため、折りたたまれたコレクションや階層内の要素は自動展開されず、現在の表示状態が保持されます。
サイドバーのコンパクト表示
サイドバーのタブを正方形に縮小する Compact(コンパクト)モード が追加されました。このモードでは、タブ名の最初の2文字、または割り当てられたアイコンが表示されます。
bl_icon を定義することで、ユーザー独自のアドオンタブにもアイコンを設定できます。
さらに、クリック&ドラッグによるタブの切り替え操作に対応し、タブが1つしかない場合でもサイドバーが非表示にならず常に表示される仕様に変更されました。

その他のアップデート
- システム設定に、未保存の編集済み画像がある場合に保存を促す「Save Modified Images(変更された画像を保存)」プロンプト設定が新しく追加されました。
- 右クリック選択を使用している場合でも、ファイルブラウザーやアセットブラウザーでファイルやアセットを右クリックした際に、通常どおりコンテキストメニューが開くようになりました。
- エリアの境界線をリサイズする際、デフォルトでは隣接する他の境界線が連動して動かないよう変更されました(Shift キーを押しながら操作することで、まとめて同時に移動できます)。
- 「開発者用オプション(Developer Extras)」を有効にしている場合、ツールチップ内に対象プロパティのアイコンIDが表示されるようになりました。
- サークル選択や投げ縄選択における要素の選択順序が、すべてのエディター間で統一されました。
- 選択中のアクティブ要素にズームする操作(フレーム表示)が、テンキーの「ドット/カンマ」に加えて、デフォルトで「マウスの第4ボタン」にも割り当てられました。
- 複数行のテキスト入力に対応した、新しいテキストボックスウィジェットが追加されました。
- ボタンをリンク風のデザイン(青字、下線、テーマに沿ったカスタムカラーなど)にスタイル変更できる、新しい「リンク」ウィジェットタイプが追加されました。
- 他のBlenderエリアと同様に、メニューやポップオーバー内をマウスの中ボタンでパン(スクロール)できるようになりました。
- カラーウィジェットに対して、カラーコード(HEX値)を直接コピー&ペーストできるようになりました。
- ポップオーバー内にあるサブパネルを折りたためるようになりました。
- 数値ウィジェットにおいて、単位(mやpxなど)が選択テキストに含まれないよう変更され、代わりに数値の後ろに薄く単位のヒント(インジケーター)が表示されるようになりました。
- 新しいシステムアイコンが追加されました(FILTER_FILLED, DOWNLOAD, DOWNLOAD_DONE, PACKAGE_INDIRECT)。
- 「Set Parent To(ペアレント対象を設定)」メニューにおいて、データやオブジェクトの種類を識別しやすいようアイコンが表示されるようになりました。
- 3Dビューポート:カメラオブジェクトに、平行投影(等角)スケールを直感的に調整できるギズモ(操作用ガイド)が追加されました。
- 3Dビューポート:ブラシ設定ポップオーバーの「詳細(Advanced)」セクションが、折りたたみ可能なサブパネル形式に変更・整理されました。
- 画像エディター:すべての編集・ペイントモードにおいて、UVグリッドのオーバーレイオプションが常に確認・利用できるようになりました。
- アウトライナー:オブジェクトに設定されている個々のシェイプキーが、リスト上に直接表示されるようになりました。
- アウトライナー:フィルターパネルが整理され、サブパネル形式の構造に再編されました(これに伴いフィルターアイコンは削除されています)。
- アニメーション:キーフレームに対する「対称(Mirror)」メニューの視認性と読みやすさが向上しました。
- 「グループ作成(Make Group)」実行時に、複数に接続された入力ソケットや重複する出力ソケットでの余分なデータ型変換を自動的に避けるよう最適化されました。
- 「グループ解除(Ungroup)」実行時に、プロキシ入力とデータ変換ノードを自動配置することで、解除後も回路の挙動が崩れず維持されるようになりました。
- 特定のデータタイプ変換を安全に行うための、新しい「暗黙の変換(Implicit Conversion)」ノードが追加されました。
- すべてのノードエディターにおいて、メニュー(Menu)ソケットおよびフォントデータブロックを扱うための、新しい定数入力ノードが追加されました。
- シェーダーエディターに、真偽値(Boolean)、整数(Integer)、ベクトル(Vector)を入力するための専用ノードが新しく追加されました。
- ベクトル入力ノードが、2Dおよび4Dベクトルデータに対応しました。
- Alt キーを押しながら操作することで、選択中のすべてのツリーインターフェース項目に一括で影響を与えることができるようになりました。
- 複数のノードのサイズを、ドラッグ操作で一度にまとめて変更できるようになりました。
- ノード上でダブルクリックするなどして、直接その場で名前をリネームできる箇所がさらに増加しました。
- ノード上に直接、動的なソケット(入力・出力端子)を追加できるようになりました。
- 文字列(String)入力ノードにおいて、テキスト編集中にリアルタイムで評価・表示が更新されるようになりました。
- Float(浮動小数点)、Integer(整数)、Vector、およびInteger Vectorの各ソケットが、ピクセル(Pixel)サブタイプをサポートしました。
- 標準アドオン「Node Wrangler」のノード結合機能(Merge)が、整数演算(Integer Math)ノードの自動結合にも対応しました。
- リンクアセット内のノードグループが、追加メニューのサブメニューに整理して配置されるようになり、間接的にリンクされているだけの不要なグループは非表示になりました。
- ワールド(World)用のシェーディングエディターに画像を直接ドラッグ&ドロップした際、通常の「画像テクスチャ」ノードではなく、適切な「環境テクスチャ(Environment Texture)」ノードが自動で生成されるようになりました。
- AOV Output(任意のレンダリングパス出力)ノードにおいて、出力するAOVを検索・フィルタリングできるようになりました。
- テーマエディター:UI全体のカラー設定、テキストスタイル、各UIパネルのレイアウト構造がより扱いやすく整理されました。
- 「Allow Online Access(オンラインアクセスを許可)」を一度無効化した後でも、そのままオフラインで使い続けるか、再度オンラインにアクセスするかを個別に選択・切替できるようになりました。
- Linux (Wayland環境):非ラテン語(日本語など)のキーボード配列を使用していても、システム側でラテン語のフォールバックレイアウト(A~Z)が設定されていれば、Blenderのキーボードショートカットが正しく認識されるようになりました。
- macOS 15.0以降(26+ビルド):新デザインの立体的なアプリアイコン「Liquid Glass(リキッドグラス)」が新しく採用されました。
バーチャルリアリティ
ロケーションスカウティング
Location Scouting 機能が追加され、3Dシーン内をVR環境で直接探索できるようになりました。
VRを通じて3D環境に没入した状態で、カメラ視点の決定や、カメラプロパティの評価を行うことが可能です。

「ビューファインダー(Viewfinder)」を使用することで、VR環境に留まったままカメラ設定の制御やショットのキャプチャ、および再生を行うことが可能です。キャプチャしたショットは、後のレビュー時にシーンカメラやマーカーに変換することができます。
コントローラー設定の調整
よりスムーズな操作体験を提供するため、VRコントローラーのデフォルトのデッドゾーンしきい値が調整されました。

その他のアップデート
- Alembic:アーカイブからのオブジェクト可視性(Visibility)のインポートに対応しました。Fカーブとしてアニメーション化された可視性データも読み込めます。
- Alembic:アニメーション化されたカメラデータが、Fカーブとしてインポートされるようになりました。
- Alembic:サブディビジョンメッシュが、インポート時にオリジナルの座標を維持するようになりました。
- Alembic:フレーム間でAlembic側のトポロジー(メッシュ構造)が変化する場合でも、サブディビジョンメッシュが正しく再構築されるようになりました。
- OpenUSD:カラースペース(色空間)のサポート。インポート時にカラーが「.blend」ファイルの作業用スペースに自動変換され、エクスポート時にはPrim(構成要素)や画像テクスチャにその色空間情報がタグ付けされるようになりました。
- OpenUSD:大規模なエクスポート時に、USDデータをディスクにフラッシュ(書き出し)する頻度を制御し、メモリ使用量のピークを抑えるための新しいエクスポートオプションが追加されました。
- OpenEXR:半精度浮動小数点(FP16)フォーマットのEXRファイルの書き出し速度が大幅に高速化されました。
- 動画入出力:ビデオエクスポート時に立体視(3D)用メタデータが書き込まれるようになり、対応ビデオプレーヤーで正しく再生できるようになりました。
- 画像入出力:フル正距円筒(エクイレクタングラー)パノラマカメラのメタデータエクスポートに対応しました。
- STL:エクスポート時に、評価するモディファイアの状態を「ビューポート(Viewport)」と「レンダー(Render)」のどちらにするかを選択できる新しいオプションが追加されました。
- glTF:ポイントクラウド(点群データ)のインポートおよびエクスポートがサポートされました。
- glTF:
EXT_meshopt_compressionおよびKHR_meshopt_compression拡張による、Meshopt圧縮に対応しました。 - glTF:
KHR_materials_iridescence(遊色・虹彩)およびKHR_materials_dispersion(波長分散)拡張を用いたマテリアルの入出力に対応しました。 - glTF:公式のglTFプリミティブ属性セットに準拠した「KHRプリミティブ属性」がサポートされました。
- glTF:glTFフック(カスタムスクリプトなど)によってエラーが発生した場合に、エクスポート処理を安全に停止するようになりました。
- glTF:パフォーマンス改善(可能な場合、インラインマテリアルを使用して効率的に処理するようになりました)。
- glTF:パフォーマンス改善(ビューポート表示を無効化することで、アニメーションのエクスポート処理が強化・高速化されました)。
- glTF:ノードが名前順(アルファベット順)でソートされるようになりました。
- glTF:バグ修正(ソケット名が同じ場合に、名前ではなくインデックス(番号)でソケットを正しく取得できるよう修正されました)。
- glTF:バグ修正(スクリプトの再読み込み時に発生していたクラッシュが修正されました)。
- glTF:バグ修正(一部のマテリアルのみを使用するケースにおいて、頂点カラーが正しくエクスポートされるよう修正されました)。
- glTF:glTFコレクションを絞り込んで管理できる、UIフィルター機能が追加されました。
- glTF:バグ修正(複数のカスタム属性を含むデータをインポートする際に発生していたクラッシュが修正されました)。
- glTF:アニメーションポインターに関する各種不具合が修正されました。
- ジオメトリノード:モディファイアーの入出力が、カスタムの
modifier["..."]キーではなく RNA プロパティ になりました。古い方法で値を設定するスクリプトは 更新が必要 です。 - 画像バッファAPIの拡張:ファイルフォーマット間の変換、直接的なピクセルアクセス、およびグレースケール/RGB/RGBAのサポートが追加されました。
- すべてのデータブロックを一度にループ処理できる新しい
bpy.data.all_idsイテレータが追加されました。 bpy.data.file_path_foreachに、UDIMタイル、画像/ボリュームシーケンス、およびキャッシュファイル(Cyclesテクスチャキャッシュを含む)を展開する新しいオプションが追加されました。- 新機能:バックグラウンドモード(
--background)でGPUを使用するためのgpu.init()が追加されました。 - スカルプトモードの自動マスク(Automasking)設定が、
PaintとBrush上のMeshAutomaskingSettingsに移動されました。 mathutilsの型(Vector、Matrix、Color、Euler)でスライスステップ(例:vector[begin:end:step])がサポートされました。- アノテーションのストロークやポイントを追加、編集、削除するための新しい関数が追加されました。
bpy.data.libraries.load()で、リンクされたライブラリのblendファイルパスが取得可能になりました。- 新機能:ディスクに保存せずにスクリーンショットのピクセルデータにアクセスできる
Window.screenshotメソッドが追加されました。 - 新機能:パネル内にスタイル付きリンクボタンや複数行テキストを配置できる
UILayout.linkとUILayout.textboxが追加されました。 - Blenderのレポートが、セッション全体で一意のIDを持つ読み取り専用リストとして
WindowManagerに公開されるようになりました。 - グリースペンシル:レイヤーマスクを追加/削除する新しい関数
layer.layer_masks.addとlayer.layer_masks.removeが追加されました。 - グリースペンシル:高レベルPython APIのストロークに、新しい
fill_idおよびhide_strokeプロパティが追加されました。 - すべてのAPIの変更点を確認する。
Blender Extensions プラットフォームの拡大
Blender Extensions プラットフォームでは、ワークフローをカスタマイズするための1100以上の無料アドオンやテーマが提供されています。
また、自身で作成した拡張機能をコミュニティと共有することも可能です。
さらに数百のバグ修正、コードのクリーンアップ、リファクタリングが行われています。
変更点の完全なリストはこちらをご覧ください。
ダウンロード
Blenderはコミュニティ主導のプロジェクトです。
Blenderへの貢献方法についてはこちら
Blender 5.2 LTSへの貢献者、およびこれまでのすべての開発者のリスト
スプラッシュアートワーク:Joanna Kobierska(ベースモデル作成:Ken Barthelmey)
Thin Wall レンダリング作例:Christopher 3D
VR Location Scouting 画像:Daniel Bystedt
Huge thanks to everyone involved! 🧡
The Blender team. July 14th, 2026

































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