2026年7月2日(現地時間)、Boris FXは、iZotope を買収したことを発表しました。
iZotope について
iZotopeは、プロフェッショナル向けのオーディオ分野において非常に高い評価を得ているソフトウェア開発企業です。
ポストプロダクションの現場で、納期が迫る中、収録音声のノイズ処理や品質改善が必要な際に業界標準として使われている修復ツール「RX」をはじめ、マスタリング向けの「Ozone」、そしてミキシングやボーカル処理、メータリングに関する包括的なツール群を提供しています。
今回の合流により、映像と音声というポストプロダクションにおける2つの重要な領域のツールが、一つの体制のもとで提供されることになります。

映像と音声のプロフェッショナルツールの融合
Boris FXは過去30年にわたり、Continuum、Sapphire、Mocha Proといった、品質に妥協を許さないプロフェッショナル向けのVFX・映像編集ツールを開発してきました。同社の創設者兼CEOであるBoris Yamnitsky氏は、両社が「ツール作りに対する情熱と、妥協を許さない姿勢」を共有している点を強調しています。
実際に、2019年のエンジニアリング・エミー賞において、iZotopeがRXで、Boris FXがSapphire、Mocha Pro、Silhouetteでそれぞれ表彰されるなど、両社の開発力の高さは業界内で広く認知されています。
Yamnitsky氏は、自身のビジョンについて次のように述べています。
「私のビジョンは常に、目に見えるもの(映像)と耳に聞こえるもの(音声)のすべてが、同じ妥協のない基準で作られたツールによって処理されるBoris FXを作ることでした。iZotopeの合流により、私たちはその目標にこれまで以上に近づきました。」
一方、iZotope側の発表において、VP of ProductであるTodd Baker氏もこの統合の自然さについて触れています。
複雑な技術的ハードルをスマートなアシスト技術によって取り除き、ユーザーがクリエイティブな作業に集中できるようにすること、そしてユーザーのスキルアップを支援する教育への深い取り組みは、両社に共通するDNAであると述べています。

Boris FXが推進するオーディオ分野への展開
なお、Boris FXによるオーディオ分野への展開はすでに以前から進んでおり、今回のiZotope合流以前にも、世界中の音楽スタジオやマスタリングルーム、放送局で信頼されている「Sequoia」「Samplitude」「CrumplePop」といったツールが同社のファミリーに加わっています。
これにiZotopeが持つ実践的なAI技術の活用ノウハウが組み合わさることで、今後の開発スピードの向上と、クリエイター向けのより強力なツールの創出が期待されています。
Boris FXは過去10年間にも、Imagineer、GenArts、Silhouetteなどの企業を迎え入れ、それぞれのツールを発展させてきた実績があり、今回のiZotopeの合流は同社にとって最も重要なステップの一つとして位置づけられています。
既存ユーザーへの影響と今後の開発体制について
今回の体制変更に伴う、ユーザーが現在利用している製品やライセンスへの影響についても明確な案内が行われています。
ライセンスやアカウントはそのまま利用可能
まず、現在iZotope製品を利用しているユーザーの皆様は、特別な手続き等を行う必要はありません。現在保有しているiZotopeの製品、ライセンス、サブスクリプション、およびアカウント情報はすべてそのまま有効であり、Product Portalをはじめとするログイン環境やダウンロードページも含めてこれまで通り利用可能です。
また、多くのユーザーが気に掛けているライセンス形態についても、今後もサブスクリプションだけでなく、従来通りの買い切り(パーペチュアル)ライセンスの提供を継続することが明言されています。ユーザーは自身に最適なプランを引き続き選択することができます。
開発チームは留任、映像分野への投資もさらに強化
製品開発やカスタマーサポートが途切れることはなく、RX、Ozone、Neutron、Nectarなどの開発チームもそのままの体制で、次世代のオーディオ技術の開発を継続していきます。iZotopeのVP of ProductであるTodd Baker氏も引き続き同職に留まり、今後の製品ロードマップを牽引していくとのことです。ユーザーサポートについても、従来通りiZotopeのサポートページを通じて提供されます。
同時に、既存のBoris FX製品(Sapphire、Continuum、Mocha Pro、Silhouette、SynthEyesなど)に対する開発体制やサポートへのコミットメントも一切変更はありません。Boris FXは、VFXや映像編集の分野から撤退するわけではなく、ポストプロダクションにおける「音声」というもう半分の領域へとミッションを拡大するとしており、より強固な体制となることで、すべての製品に対する投資を強化していく意向を示しています。































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