JangaFX、リアルタイムVFX向けベクターフィールド生成ツール「VectorayGen」を無償でリリース!

CGソフト

2026年6月30日 – JangaFXは、過去に提供を終了していたリアルタイムVFX向けベクターフィールド生成ツール「VectorayGen」を、無償で再リリースしたことを発表しました。

かつて同社初のソフトウェアとしてリリースされたVectorayGenは、一部のユーザー向けに有料で提供されていましたが、その後開発が終了し、公式サイトからのダウンロードも取り下げられていました。今回の再リリースは、同社が過去の対応を見直し、ツールを必要とするアーティストに向けて再び提供を行うための措置となります。

VectorayGenについて

VectorayGenは、リアルタイムVFXアーティスト向けに特化して開発されたベクターフィールド生成ツールです。

ベクターフィールドとは、パーティクルの方向や速度、加速度に影響を与えるベクトル(矢印)が均一なグリッド状に配置されたデータ構造のことで、主にGPUパーティクルと組み合わせて複雑なモーションを作成するために使用されます。各ベクトルの大きさと方向がパーティクルの挙動を制御し、ベクトルのサイズが大きい場所ほど、そこを通過するパーティクルの速度が上昇する仕組みとなっています。

このツールを使用することで、以下のような作業が可能になります。

  • 3Dオブジェクトをインポートし、その周囲を流れるパーティクルフローの計算
  • ノイズやタービュランス(乱流)の容易な生成
  • 多様なノードを組み合わせた、数学的かつアーティスティックな動きの構築

次のチュートリアル動画のシリーズで利用方法を確認することができます。

VectorayGen Tutorial 01: Complete Overview Of All Settings And The UI

再リリースに至った経緯

今回の再リリースの背景には、ビジネスや製品販売に関する独自の見解を発信している活動家のLouis Rossmann氏の理念への共感があるとJangaFXは述べています。

近年、企業がソフトウェアの提供を終了する際、ユーザーがすでにその製品を購入し「所有」しているにもかかわらず、アクセス権自体を奪ってしまう事例が問題視されています。JangaFXの声明では、直近の他社事例としてサブスクリプション型である「Adobe Animate」の提供終了を挙げ、来年にはユーザーが完全にアクセス権を失う事態について「ゲームのサービス終了に似たひどい対応だ」と言及しています。

同社はこうした状況と自社のソフトウェア提供方針を比較し、現在開発が実質的に一時停止状態にある地形・惑星エディター「GeoGen」を例に挙げています。GeoGenは投資の大半を回収できず商業的な継続は困難な状況にあるものの、ツールとしては機能的で有用であるため、ユーザーへの提供は引き続き行われています。

同社はこうした現在の姿勢と対比する形で、過去にVectorayGenの提供を完全に終了し、購入者からのダウンロードアクセスさえも遮断してしまった対応を「当時の判断としては賢明に思えたが、ユーザーの視点に立てば不適切な措置であった」と振り返っています。

「ユーザーがツールを求める声があれば、個別で実行ファイルを提供するようにはしていましたが、それは決してアーティストにとって親切な方法ではありませんでした。当時このツールを楽しんでくれていたアーティストにとって残念だったのは、ゲーム向けのベクターフィールドを簡単かつ実用的に生成できる唯一の手段がこれであり、現在もその状況が変わっていないことです。」

(JangaFXの声明より要約)- 全文はこちら

こうした反省を踏まえ、同社は過去の判断を改め、ライセンス認証を取り除いた状態のVectorayGenを、現状のまま、永久に無償で公開することを決定しました。

今後のサポートと展望について

今回のリリースはあくまで過去のツールの復刻であるため、今後のアップデートやバグ修正などの延長サポートは提供されません。

しかしながら、JangaFXは現在開発中の新しいソフトウェア「IlluGen」において、今後のアップデートでベクターフィールドの生成機能をネイティブにサポートする予定であることを明かしています。

IlluGenがモダンなベクターフィールド制作ワークフローを提供する真の後継ツールとして機能するまでの間、VectorayGenがその役割を繋ぐツールとして利用できるようになります。

ダウンロードとシステム要件

VectorayGenは現在、JangaFXの公式サイトより無料でダウンロード可能です。ライセンス認証は不要で、そのまま永久に無償で利用できます。

システム要件

  • プラットフォーム: デスクトップまたはノートPC
  • OS: Windows 10 または 11(※Windows 7は現在動作しません)
  • CPU: クアッドコア Intel または AMD プロセッサー (2.5 GHz 以上)
  • GPU: NVIDIA GTX 1060 以上、または AMD RX 580 以上
  • メモリ (RAM): 8 GB

※GPUの性能が高いほど、パフォーマンスが向上します。

※本ツールは過去にリリースされたソフトウェアの復刻版であるため、今後の延長サポートやバグ修正は行われません。最新のハードウェア・OS環境での完全な動作は保証されておらず、現状渡し(as is)での提供となります。

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