Unity より、最新のUnity Engine「Unity 6.5」のリリースが発表されました。
今回のUnity 6.5は、既存の6.3 LTSを基盤としつつ、将来予定されている6.7 LTSに向けた重要なステップとして位置づけられており、ワークフローの改善を求める開発者やアーティスト向けに、基礎的なシステムの改良と数多くの新機能が盛り込まれました。
主な新機能
このアップデートでは、2D機能の強化をはじめ、グラフィックスやシェーダーの改善、コアエンジンの変更、プラットフォーム向けのアップデートなど、多岐にわたる機能強化が盛り込まれています。
パフォーマンスの基盤と統合
エンティティの統合
開発者が使い慣れたGameObjectのワークフローを変更することなく、Entitiesのパフォーマンスの恩恵をすべてのユーザーと機能に提供するための「Entity Unification(エンティティの統合)」に向けた取り組みが進められています。
この移行は、識別子として使用されていたInstanceIDをEntityIDに置き換えることから始まっており、その背景や詳細については公式ドキュメントやフォーラムのディスカッション投稿で解説されています。
Core CLRエディタへの移行とLifecycle API
また、Unity向けのCore CLRエディタへの移行も段階的に進行しています。
Unity 6.5では、将来的にドメインリロードを伴わないCoreCLRエディタを実現するための準備として、コードリロードをより細かく制御できるEditor Lifecycle APIが導入されました。
これに加え、ドメインリロード無効時のワークフローをさらにサポートするため、CoreCLR向けの自動静的クリーンアップコールバック(Automatic state static cleanup callback)も新たに追加されています。
AIプロファイラーと移行支援ツール
さらに、開発中によく直面する問題のトラブルシューティングを支援するProfiler AI Assistant Integrationが実装されました。移行のサポートツールであるProject AuditorもUnity 6.5向けにアップデートされており、ランタイムのハイレベルなパフォーマンス指標を収集するためのPerformance Metric Signalsも利用可能になっています。
Unity.Mathematicsモジュールの標準組み込み
特筆すべき点として、これまでPackage Manager経由で手動インストールする必要があった「Unity.Mathematics」モジュールがエンジンに標準で組み込まれました。これにより、事前準備なしで高度な数学的演算(Unity.Mathematics)をすぐにプロジェクトで利用できるようになります。
2Dグラフィックス、物理演算、パフォーマンスの向上
Unity 6.5では、2Dライティングとシャドウのカスタマイズ機能や、Physics Core 2Dの改善など、2Dゲーム開発の基盤を強化するアップデートが複数含まれています。
2Dライティングとスプライトレンダリングの強化
カスタム2Dライトおよびカスタム2Dシャドウのサポートにより、2Dゲームにおける独特な照明効果の作成がしやすくなりました。
新しいAPIでは、Light2DProviderやShadowShape2DProviderを継承したクラスを作成し、GetMeshやOnBeforeRenderメソッドを実装することで、三角形など独自のカスタム形状を持ったライトやシャドウソースを柔軟に定義できるよう設計されています。
また、GameObjectのオーバーヘッドなしでスプライトを描画できる新しいRenderSprite APIも導入され、これらのスプライトは2Dライト、Sprite Masks、およびSRP Batcherと連携して機能します。
プロファイリングとパフォーマンス最適化
グラフィックがリッチな2Dゲームを幅広いデバイス向けに最適化できるよう、プロファイラーウィンドウの2Dモジュールが改善され、スプライトのレンダリング数や使用されているスプライトアトラスの詳細なデータが提供されるようになりました。
プロファイラーから直接、使用率が低く無駄になっているテクスチャスペースを特定できるため、テクスチャアトラス化による最適化がより直感的に行えます。また、タイルマップ上でタイルを設定する際の処理負荷を軽減するEntity IDタイルも導入されています。


2Dプロファイラーと、Entity IDタイルを用いたタイルマップ
スプライト変形とBlendShape API
スプライト向けには新しいBlendShape APIが追加され、FFD(自由形状変形)ベースのスプライト変形の基盤が整いました。
これは、従来のボーンベースのアプローチを超えて、柔軟なアニメーションやスプライト変形を実現したいツール開発者に役立つ仕様変更です。
新しいPhysics Core 2Dモジュール
Physics Core 2D API用の新しいビルトインモジュールが導入されました。Physics Core 2Dには専用のプロジェクト設定が用意されており、不要な場合は古い物理モジュールを無効にすることで、メモリ消費量とビルドサイズの削減が可能です。
今回のリリースにおけるPhysics Core 2Dでは、新しいTransform Writing(トランスフォーム書き込み)オプションが導入され、カスタムトランスフォームへの書き込みとトゥイーン(補間)に対応しました。
シミュレーション結果をECSコンポーネントなどの独自ターゲットに直接書き込むことができ、ポーズのトゥイーンは自動的に処理されます。Unity標準のTransformコンポーネントに書き込む場合は、新設されたParallel(並行)またはSequential(順次)の設定を利用して、階層構造に最適な書き込み戦略を選択可能です。
詳細は公式フォーラムのディスカッションで確認できます。
VFXおよびシェーダーのオーサリング向上
グラフテンプレートワークフローの改善
Decal ProjectorsおよびFullscreen Renderer Featureを対象に、新しい「from Template(テンプレートから作成)」メニューが導入されました。
これにより、FullscreenやDecalといったマテリアルタイプごとに分類されたグラフテンプレートから、用途に合わせたシェーダーグラフを迅速に新規作成できるようになります。
このワークフローでは、グラフのメタデータや「お気に入り」をサポートするようになったTemplate Windowの並べ替え・フィルタリング機能が活用されており、よりスムーズな作業が期待できます。詳細はこちら。
シェーダーサブグラフの改善とSwitch Node
サブグラフの作成者がカスタムノードと同等の機能を利用できるよう、エディタの機能強化が行われました。主な改善点は以下の通りです。
- Inline Editors(インラインエディター): 定数値フィールドが値の型を適切に反映するようになり、カラー入力用のカラーフィールドや、Float入力用の制約(列挙型、整数、スライダー)などの追加ウィジェットをサポートしました。
- Input Constraints(入力の制約): 入力コネクタを意図的に無効にし、定数のみの編集を強制させることができるようになりました。
- Switch Node: 複数の条件を手動で構成したり、列挙型の入力が述語として接続された場合に自動的に照合したりできる、新しい分岐用ノードが追加されました。

Shader Function Reflection API
新しいShader Function Reflection APIが導入されました。これにより、プログラマーやテクニカルアーティストがHLSLファイル内に記述したカスタムシェーダー関数が、自動的に解析されてShader Graph上に反映・利用可能になります。関数のシグネチャに合わせてノードのトポロジを手動で調整する手間が省け、関数の定義方法に関する制限が緩和されます。
この機能は、長期的には既存のCustom Function NodeやCustom Nodeの内部APIを置き換えることを目的として実装されています。詳細はこちら。
3Dグラフィックスの最適化
スムーズなゲームプレイを確保する上で課題となる、シェーダーコンパイルによるパフォーマンスの低下(スパイク)を最小限に抑えるため、Pipeline State Object (PSO)のトレースとキャッシュの活用が推奨されています。
過去に導入されたPSO Tracingとプレキャッシュの仕組みに基づき、Unity 6.5ではそのワークフローがさらに改善されました。Caching miss tracing機能により、PSOコレクションのギャップが埋められ、より堅牢で網羅的なキャッシュ構築が可能になります。
エディタのUIも改良され、PSOのトレース、ウォーミング、検査をコードレスかつ自動で実行できる環境が整っています。また、VFX Graphには、VFXアセットで使用されるコンピュートシェーダーを事前にウォームアップするための新しいAPIが含まれています。詳細はこちら。
モバイル向けのエフェクトとHDRレンダリング
Unity 6.5のOn-Tile Post Processing(オンタイル・ポストプロセッシング)により、モバイル環境におけるポストプロセッシングエフェクトの実用性が大きく向上しました。HDR、トーンマッピング、カラーグレーディング、ビネットなどのエフェクトが、GPUタイル上で直接1パスで実行されるようになり、システムメモリとの間のコストのかかる往復処理が不要になるため、VulkanやMetalデバイスでの帯域幅使用量の削減が見込めます。
これにより、長時間のゲームセッションにおいてもパフォーマンスが安定し、バッテリー消費の悪化や熱によるサーマルスロットリングの発生が軽減されます。
同時に導入された新しいTile-Only(タイル専用)モードは、開発プロセスの後半においても上記のパフォーマンス上の利点を維持できるようサポートします。
カメラ、レンダラー、URPアセットの設定を自動的に検証し、追加のパスを強制してタイルベースのレンダリングの恩恵を損なうようなオプションが設定されている場合、警告を出したり自動的に無効化したりします。開発の終盤で意図せずパフォーマンスを低下させるリスクを防ぎ、モバイル向けのポストプロセッシングを安定して利用できるよう配慮されています。

ビルトインレンダーパイプラインとDynamic Batchingの非推奨化
グラフィックス関連の重要な変更として、ビルトインレンダーパイプライン(Built-in Render Pipeline)およびDynamic Batchingが非推奨(Deprecated)となり、将来のリリースで完全に削除される予定であることがアナウンスされました。
ただし、これらの機能は既存プロジェクトへの影響を考慮し、Unity 6.7 LTSのライフサイクル終了まではバグ修正やパフォーマンス改善といったサポートが継続されます。該当機能を使用している開発者は、将来的な移行を見据えた最適化戦略を検討することが推奨されています。
ライティングとシャドウの管理強化
URPの追加ライト向けシャドウ解像度制御
URPアセット内のライティング設定において、追加ライト(ポイントライトやスポットライトなど)のシャドウ解像度ティア(Low, Medium, High)を個別に定義できるようになりました。
これにより、実行時(プレイモード中)に状況に応じて個々のライトのシャドウ品質を動的に制御することが可能になり、パフォーマンスとビジュアルのバランス調整がしやすくなります。

Lighting Search – 新しいLight Explorer
複雑なシーンにおけるライティング関連データの管理を容易にする新しいワークフロー「Lighting Search」がUnity Editorに導入されました。
UnityのSearchフレームワーク上に構築されたLighting Searchは、ライティング関連のオブジェクトやデータの検索、検査、一括編集を行うためのテーブルベースの直感的なインターフェースを提供します。
強力な検索、フィルタリング、編集機能が1箇所に統合されたことで、大規模なシーンデータでの作業も高速化されます。また、ライティングオブジェクトの分類が不完全であったり、フィルターや選択範囲を保存できなかったりといった、従来のLight Explorerにおける長年の課題にも対応しています。

検索、フィルタリング、編集の強力な機能を1箇所に集約したLighting Search
Graph Toolkit – オーサリングとグラフのカスタマイズ強化
バージョン6.4でエディタのコアコンポーネントとなったGraph Toolkitですが、6.5ではプログラムからグラフを作成・操作するための高度な機能が追加され、チームごとの独自のワークフローとより深く統合することが可能になりました。
データモデルも柔軟になり、型指定のない変数やコレクションをサポートしています。視覚面では、データタイプのアイコン、色、スタイリングをカスタマイズして、グラフエディタのルックアンドフィールを細かく制御できるよう設計されています。

また、Package Managerの新しいサンプルビューを通じて、Graph Toolkitの実践的なサンプル(ダンジョンジェネレーターやビジュアルノベルのノードエディタ等)を簡単にプロジェクトへインポートできるようになりました。これらのサンプルを活用することで、ノードアイコンや色、タイトルのカスタマイズ手法や、新しい縦型ポート(Vertical ports)の運用方法を実際に確認しながら学ぶことができます。
UIシステム
uGUI – ユーザビリティとAPIの改善
uGUIにおいて、UIインタラクションの制御を向上させるための複数の機能強化が行われました。レンダリング処理のオーバーヘッドなしでヒットエリア(クリック判定)を作成できるRaycastReceiverコンポーネントが追加されたほか、Canvas GroupにはUI要素のフェード状態を簡単にインスペクターから調整できるAlphaスライダーが導入されました。
さらに、Button、Toggle、SliderなどのSelectableコンポーネントにおいて、新たにisPressedおよびisHighlightedプロパティがAPIとして公開され、カスタムソリューションを用意することなくUIのホバーやクリック状態を簡単に取得できるようになっています。
また、TextMesh Proにおけるカスタムアセット読み込み用の新しいコールバックや、GridLayoutGroup向けの新しいAPIセットも追加されており、既存のワークフローを破壊することなくUIの構築と保守を支援します。
UI Toolkit – パフォーマンスと基盤の改善
UI Toolkitの内部処理が見直され、計算されたスタイル(Computed Style)および関連データをアンマネージドメモリを使用して割り当てる手法に変更されました。これにより、ガベージコレクション(GC)の負荷が抑えられ、ネイティブコードへのデータ受け渡し時のオーバーヘッドが削減され、パフォーマンスとプロファイリングの正確性が改善されています。
また、より高品質で一貫したテキストレンダリングを提供するためにAdvanced Text Generatorがデフォルトで有効化されており、同機能によりCPUパフォーマンスが10〜40%向上するなど、実用面での大きな向上が報告されています。さらに、柔軟なランタイム基盤を構築するためのステップとして、従来のUIDocumentが新しいPanelRendererコンポーネントになっています。
プラットフォーム関連のアップデート
Apple Swift プロジェクトタイプとiOS向け最適化
iOS、iPadOS、tvOSの各ランタイムターゲットにおいて、Swift Project Typeの実験的サポートが導入されました。これは、UnityエンジンとAppleプラットフォームを接続するレイヤーを、最新のSwift言語を用いて完全に再設計したものであり、Unityにおける次世代のAppleプラットフォーム開発の基盤となる重要な変更です。
この新しいアプローチにより、クリーンなSwiftファーストの構造や、Swiftネイティブなプラグインワークフロー、Appleプラットフォーム標準へのより厳格な適合、将来性のある開発アーキテクチャ、およびプラグイン専用のUnity公開APIの提供が実現されます。さらに、iOS環境における最適化機能として、デバイスの温度状態(Thermal state)に基づいて自動的にフレームレートを低下させる仕組みが導入され、発熱によるパフォーマンスの急激な低下や過度なバッテリー消費をシステムレベルで緩和できるようになりました。
Android パフォーマンスの向上
Android環境に向けては、起動速度とランタイムのパフォーマンス向上に焦点を当てたアップデートが行われています。すべてのAndroidターゲットで、Unity EngineライブラリのThinLTOバージョンが利用可能になりました。プロダクションビルド時にこれを有効にすることで、特にCPUバウンドなゲームにおいてランタイムパフォーマンスが向上し、メモリ使用量の削減が見込めます。さらに、IL2CPP CompilerのMaster構成でビルドした際のランタイムパフォーマンスも改善されています。
ThinLTOとMaster IL2CPP構成の両方を有効にした場合、起動時間、シーンロード時間、CPUスレッドのフレームタイムなど、複数の領域で安定した向上が確認されており、各領域で平均5%のパフォーマンスゲインが見込まれるとのことです。ローエンドデバイスをターゲットにしている場合でも、よりスムーズな体験を提供できるようになるため、多くのモバイル開発者にとって恩恵の大きいアップデートと言えます。詳細はフォーラムの該当投稿で確認できます。

ThinLTOおよびMaster IL2CPP構成を有効にしたビルドと、非LTOビルドの各種ランタイム指標の平均比較
Android:マルチスクリーン構成への適応
折りたたみ式端末などの登場により多様化する画面構成に対応するため、AndroidのスクリーンAPIサポートが再構築され、安定性と最新デバイス向け機能が強化されました。System Barsの表示と動作を細かく管理する新しいAPIが利用可能になり、アプリケーションのセットアップ中に設定を行ったり、ランタイム時の状態変化を検知したりすることができます。
また、折りたたみ式デバイスの機能(折りたたまれた状態、端末の向き、ヒンジの有無など)を詳細に把握できるAPIも追加されました。これにより、デバイスの物理的な状態に合わせてゲームのインターフェースを最適化し、変化に動的に対応することが可能になります。
エディターとワークフローの改善
再設計されたアニメーションウィンドウ
AnimationウィンドウのUIが再設計され、タイムラインの上部にアニメーションクリップの選択、再生コントロール、アニメーションモード切替(Dope SheetやCurves)が集約され、必要な機能へ迷わずアクセスできるように整理されました。
また、従来の「Filter by Selection」が廃止され、新たに「Ripple Mode(波及モード)」が導入されたことで、アニメーションキーの移動やスケール調整などのタイムライン編集がより直感的でスムーズに行えるよう改善されています。

プロジェクト固有のローカルエディターログ
これまでOSのユーザーディレクトリ等にグローバルに保存されていたエディターログが、デフォルトで各プロジェクトのフォルダ内(Logs/Editor.log)に保存されるよう仕様が変更されました。
これにより、複数のプロジェクトを並行して扱う際のログの混同を防ぎ、デバッグ時のログ確認が容易になります(Preferencesの設定から従来のグローバルログの挙動に戻すことも可能です)。

Package Manager – Samples View
Unity Core Standardsの一環として、Package Managerの操作性を向上させる取り組みが続けられています。6.5では、依存パッケージを含むインストール済みパッケージ全体に紐づく利用可能なサンプルを横断的に検索できる、新しい「All Samples」ビューが導入されました。
サンプルをキーワード検索・フィルタリングし、サンプル画像や説明文、ソースパッケージの情報を一覧表示で確認できるため、プロジェクトに必要なサンプルを迷わず素早くインポートできるよう改善されています。

Package Managerにおけるサンプルプレビューの例
Cloud Code – Stateful Cloud CodeおよびLocal Server
バックエンド関連の機能として、Stateful Cloud CodeとLocal Cloud Codeの実験的パッケージが新たに追加されました。
Stateful Cloud Codeには、個々のプレイヤーやマルチプレイヤーセッションの参加者間で、API呼び出しをまたいでサーバー側の状態(ステート)を持続させることができる「スコープ」のメカニズムが導入されました。
従来のCloud Codeは呼び出しごとにコンテキストがリセットされるステートレスなものでしたが、スコープ機能によりデータを持続できるようになります。これにより、カードゲームやターン制マルチプレイヤーゲームなど、永続的な状態の管理に依存するゲームにおいて専用のサーバー構築が不要になります。
マルチプレイヤーセッションの処理をクラウド側へ任せ、最小限のコストでゲームを拡張できるため、インフラ専任のエンジニアを持たない小規模なチームにとって、サーバー構築のハードルを大きく下げる仕組みとして期待されています。
一方Local Cloud Code Server は、バックエンド開発で発生しがちな「変更のたびにリモート環境へプッシュして動作確認する」という待ち時間を解消するためのツールです。C# で記述したモジュールをローカルサーバーにデプロイし、エディタから直接、高速な反復開発を行えるようになります。
Play モードでのサーバー呼び出しはローカルインスタンスへ自動的にリダイレクトされるため、ワークフローがローカル環境内で完結します。これにより、イテレーション速度が向上するだけでなく、ローカルプロセスにデバッガーを直接アタッチしてブレークポイントを設定し、メモリ状態を確認しながらランタイムの複雑な問題を調査できるなど、充実した診断サポートも利用できます。
その他のアップデート
エディターとワークフローの改善
特定の作業を効率化する、以下のようなエディターやパッケージ管理機能のアップデートも含まれています。
- 新しいヒエラルキーウィンドウ機能とAPI:Preferences(環境設定)のGeneralタブから、「Use new Hierarchy window」を有効にすることで、カスタマイズ性が向上した新しいヒエラルキーウィンドウを利用できます。旧来のGameObjectとEntities(ECS)の両方を統合して表示できるほか、操作用の新しいHierarchy API(HierarchyモジュールおよびHierarchy Coreモジュール)も提供されます。
- ビルドプロファイル作成API:自動化パイプラインを支援する機能として、新たに
CreateBuildProfileAPIが追加されました。スクリプトから特定のプラットフォーム向けビルドプロファイルを動的に作成し、必要なプラットフォームモジュールが存在すれば自動的にインストールすることが可能になり、CI/CD環境でのビルド構築が効率化されます。
プラットフォーム関連のアップデート
特定のプラットフォームや専門的なワークフローに特化した、以下の重要なアップデートも含まれています。
- Nintendo Switch™ 2 向け HDRPサポート:Nintendo Switch™ 2向けにHDRP(High Definition Render Pipeline)が正式にサポートされました。物理ライトユニット、物理スカイ、ボリューメトリック、高度なシャドウなど、ハイエンドなビジュアルを実現する幅広い機能が新プラットフォーム向けに提供されます。Nintendo Switch 2でHDRPを活用した最初のゲームとして、PGA Tour 2K25の映像もあわせて公開されています。
※Nintendo Switchは任天堂の商標です。 - Web Assembly 2023のデフォルト化:Webブラウザ向け開発パイプラインの最適化として、このリリースではWebAssembly 2023がデフォルト設定に変更されました。これにより、再生エンジンのバリエーションの複雑さが軽減され、Wasm64などの新たな技術の進歩にリソースを集中できる体制が整えられます。また、コードストリッピングの強化に関連する継続的なバグが修正され、Webブラウザ向けビルドの時間が顕著に短縮されるメリットがあります。
- AsyncReadManager APIによるWindows DirectStorage対応:C#のAsyncReadManagerインターフェースがWindowsの新しい低レベルI/Oアーキテクチャを使用するように書き直されました。この基盤レベルの変更により、新しいAPIをわざわざ導入することなく、独自のデータ読み取り処理において高速なDirectStorageの恩恵を透過的に利用できるようになります。
- Windows Build ProfileでのXbox PC Remote Iterationサポート:Xbox PC Remote Toolsのサポートが追加され、手元のWindowsマシンからリモート環境へのワンクリックでのビルドデプロイが可能になりました。開発マシンとリモート開発キットの両方にXbox PC Toolboxをインストールしてペアリングを行い、エディタのデプロイ方法として
Xbox PC Remote Iterationを選択するだけで、直接ビルドの転送・デプロイが実行されます(フルビルドおよびインクリメンタルビルド対応)。
オーディオワークフロー
オーディオ関連についても、基盤の近代化や将来に向けた新たなシステムのテストが進められています。
- Generatorsのクリップデータへのアクセス:バージョン6.3で行われたオーディオ基盤の近代化に基づき、6.5リリースではジェネレーター(Generators)がクリップデータへ直接アクセスできるように拡張されました。
- Scriptable Generators:オーディオクリップデータのサンプリングやストリーミング処理において、新たにスクリプタブルジェネレーターを利用できるようになりました。Scriptable Audio Pipelineが拡張され、IAudioGeneratorとICapabilitiesを実装するジェネレーターでのAudio Clipサポートが提供されます。これにより、高度なオーディオロジックにおいて、ネストされたスクリプタブルジェネレーターツリー内のリーフノードとしてクリップデータを使用できるようになります。内部処理としては、各AudioClipジェネレーターは、クリップがメモリ内に存在する場合でも、ディスクからストリーミングされる場合でも、非同期でサンプルデータをチャンク単位でデコードする堅牢なストリーミングパイプラインによって処理されます。ネストされたジェネレーターツリーを使用して再構築された簡略版のAudio Random Containerなどを通じて、この新しい構造の実用例を確認できます。
- Experimental Enhanced Audio Foundation (EAF)のモバイル展開:この新たな基盤(EAF)により、将来的にはネイティブエンドポイントの空間オーディオ(スペーシャライザー)やハプティクス、複数オーディオデバイスへの同時出力など、ハードウェア固有の技術とのより高度な統合が可能になると期待されています。EAFは現在、Windows、Mac、iOS、Android、XBox向けの既存のオーディオバックエンドに対する、透過的な代替システム(実験的機能)として利用可能です。
-showAudioFoundationUIフラグを付与してエディタを起動すると、Project SettingsのAudioセクションに隠された新しいオプションが表示され、新基盤の動作をテストできます。
ダウンロードとリソース
Unity 6.5はSupported release(サポート対象リリース)であり、次のリリース(Unity 6.6)が登場するまでの間、LTSバージョンと同等のサポート、安定性、重要なアップデートが提供されます。定期的なアップグレードを行うことで、最新の機能や不具合修正にいち早くアクセスでき、次期LTSへの移行もスムーズになります。
最新バージョンのダウンロードはこちらから
すべての機能の改善や新機能のリストについては、「What’s New」ドキュメントにて確認できます。
現在のバージョンから6.5への移行手順については、アップグレードガイドをご参照ください。































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