RealityScan 2.2 がリリース!AMD GPU対応でハードウェアの選択肢が拡大

CGソフト

2026年6月24日 (現地時間)- フォトグラメトリソフトウェア「RealityScan」の最新バージョンである 2.2 の提供が開始されました。 今回のアップデートでは、コミュニティから特に要望の多かった機能の一つである AMD GPU のフルサポートが実装されており、より幅広いハードウェア環境での利用が可能になっています。

RealityScan 2.2 の主な新機能

AMD GPUのフルサポート

RealityScan 2.2 では、これまでの NVIDIA 製 GPU に加え、AMD Radeon および Ryzen AI Max シリーズにおいてハードウェアアクセラレーションがサポートされました。 これまで GeForce や Quadro で高速化されていた 3D 再構築の全工程が、Radeon および Radeon PRO でも同様に高速化されるようになります。

RealityScan 2.2 is here with full AMD GPU support

注目ポイントは、PC 環境でのGPUの混在利用が可能な点です。一つのシステムに AMD と NVIDIA の GPU が両方搭載されている場合、RealityScan はどちらか一方を選ぶのではなく、両方の GPU を同時に使用して処理を並列化します。 これにより、遊休状態のハードウェアリソースを最小限に抑え、再構築にかかる時間をより短縮することが可能になります。

このリリースでは、RDNA 4 アーキテクチャを採用した最新のゲーミング向けグラフィックボードから、RDNA 3 PRO を搭載したワークステーション向け GPU まで、現代の AMD デスクトップおよびワークステーション向けシリコンを幅広くカバーしています。

※ 現時点では Windows 版のみの対応となります。Linux 版については後日提供される予定です。

新たにサポートされた AMD GPU および APU の一覧:

  • RDNA 3 (gfx1100): Radeon RX 7900 XTX / XT, Radeon PRO W7900 / W7800
  • RDNA 3 (gfx1101): Radeon RX 7800 XT, RX 7700 XT, PRO W7700
  • RDNA 3 (gfx1102): Radeon RX 7600 XT / 7600 / 7650 GRE
  • RDNA 3.5 (gfx1151): Ryzen AI Max series “Strix Halo” APUs
  • RDNA 4 (gfx1200): Radeon RX 9060 XT / 9060
  • RDNA 4 (gfx1201): Radeon RX 9070 XT / 9070 / 9070 GRE, Radeon AI PRO R9700

360度カメラを利用したワークフローの紹介

今回のリリースと併せて、Epic Developer Community にて、360度カメラを活用するための新しいチュートリアルが公開されました。 以下に、その内容を要約してご紹介します。

360度画像の特性と変換ツール

360度カメラは、1度の撮影でシーン全体を捉えることができるため、フォトグラメトリにおいて非常に役立ちます。 しかし、多くの 360度カメラが生成するパノラマ画像(正距円筒図法:アスペクト比 2:1 の水平360度、垂直180度の画像)は、通常の 3D 再構築パイプラインが想定しているフォーマットとは異なります。

ブラウザ上で動作する変換ツール「PanoToViews」

この課題を解決するため、正距円筒図法の画像から RealityScan に適したキューブマップ(立方体の展開図)を作成するシンプルな Web アプリケーションが提供されています。 このツールは公式 GitHub ページからブラウザ上で直接利用でき、ドラッグ&ドロップで簡単に画像を変換できます。

ツールの主な設定項目

  • FOV(視野角): キューブマップ各面の視野角を設定します。標準は 90度ですが、最大 120度まで広げることができます。視野角を広げると各面の画像に重なり(オーバーラップ)が生じるため、特徴点が掴みやすくなり、ソフトウェアでのアライメント(位置合わせ)の成功率が向上します。
  • Face Size(解像度): ピクセルが潰れない最適なサイズが自動で計算されるため、基本的にはデフォルト設定が推奨されています。
  • XMP Sidecars(メタデータ): このツールは、画像の焦点距離などを計算した XMP ファイルを出力します。正距円筒図法は元々歪みがない性質を持つため、出力されるキューブ面も歪みのない状態になります。RealityScan がこの情報を読み込むことでレンズ補正処理をスキップできるため、アライメントの高速化に寄与します。

効果的なキャプチャ(撮影)のためのポイント

360度カメラを使用して良好なスキャン結果を得るために、以下の撮影のコツが紹介されています。

  • 視差(パララックス)の確保: 対象となる空間を、高さを変えながら複数回に分けて撮影します。アライメントを適切に行うには、高さの変化による視差が必要となります。
  • 最高解像度の使用: カメラが対応している最も高い解像度での撮影が推奨されます。動画モード、インターバル撮影モードのどちらを使用しても問題ありません。
  • フレーム密度の調整: 壁が近い狭い部屋などでは、移動による景色の変化が激しいため、フレーム間隔を狭く(密に)撮影する必要があります。逆に、開けた広い空間では、背景の変化が緩やかなため、ショットの間隔を広く取ることができます。
  • オーバーラップの目安: 隣接するフレーム間で少なくとも 70〜80% の重なりを持たせることが推奨されます。アライメントが失敗する場合はより密に撮影し、処理時間がかかりすぎる場合はフレームを間引くなど、状況に応じた調整が有効です。

変換用の Web ツールは Epic Games Slovakia によって作成された実験的なものであり、動作に関する保証は提供されていません。

バグ修正

このリリースでは、ソフトウェアの安定性と操作性を向上させるため、以下の不具合が修正されています。

エディタ

  • 3D Maker Pro Eagle SLAM スキャナーからの COLMAP データをインポートする際に発生していた「end of physical tape(物理テープの終端)」エラーの修正。
  • 入力データ末尾のスペースが原因で、COLMAP データのインポート時に発生していた「end of physical tape」エラーの修正。
  • 「Marginal Triangle Selection(マージナルトライアングル選択)」ツールと「Set Reconstruction Region(再構築領域の設定)」ツールを特定の順序で使用した際に発生する可能性があったクラッシュの修正。
  • 「Render Image(画像のレンダリング)」ダイアログで選択したカメラ設定が、レンダー出力時に正しく適用されない問題の修正。

アライメント

  • 保存された Trajectory(軌跡)設定が、解析不可能な設定ファイルを生成してしまう問題の修正。
  • Web ブラウザ閲覧用にエクスポートされた、sparse reconstruction(疎な再構築)レポートにおいて、カメラの回転情報が不正確になる問題の修正。
  • 特定のデータセットにおいて、アライメント処理がフリーズし、完了しなくなる問題の修正。
  • ロックされたカメラ位置を使用してアライメントを実行する際に発生していたクラッシュの修正。
  • アライメント処理において、単一のカメラのみを含むコンポーネントが誤って生成される問題の修正。

テクスチャリング

  • 2つの平面間でテクスチャを再投影した際、ディスプレイスメントマップに目視できるパターン状のアーティファクト(ノイズ)が発生する問題の修正。

コマンドラインインターフェース(CLI)

  • プロジェクト内に既に存在する画像をインポートする際、-addImageWithCalibration コマンドが指定された XMP メタデータを適用しない問題の修正。
  • -importLaserScanFolder コマンドが .lsp ファイルを誤った場所に配置してしまう問題の修正。

価格とダウンロード

RealityScan 2.2 は現在ダウンロード可能です。 既存のユーザーの方は、Epic Games Launcher、または(サブスクリプションをご利用の場合は)Developer Portal より入手できます。

利用にあたっては、過去12ヶ月の総収益(売上高)に応じたライセンス形態が設定されています。

総収益100万米ドル未満の場合
無料

過去12ヶ月の総収益が100万米ドル未満の個人および中小企業、または教育機関や学生の方は、無料でご利用いただけます。

  • RealityScan のすべての機能
  • 学習資料へのアクセス
  • コミュニティフォーラムの利用
総収益100万米ドル以上の場合
年額 189,496円 / 1シート

年間総収益が100万米ドルを超える個人および企業の場合は、サブスクリプションによる有料ライセンスの購入が必要となります。

  • RealityScan のすべての機能
  • ドキュメントおよび学習資料へのアクセス
  • コミュニティフォーラムの利用
  • 1年間のアップデート提供

シートの購入や管理は Developer Portal より行えます。新規での利用を検討されている方は、30日間の無料トライアルから開始することも可能です。


RealityScan 2.2 is here with full AMD GPU support—download today

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