QuadSpinner は、2026年6月、開発中の地形作成ソフトウェ「Gaea 3」の開発状況を更新。8月末にはアーリーアクセスプレビュー版をリリースしました。
開発スケジュールの変更と背景
Gaea 3.0 の早期アクセス(Early Access)は、2026 年7月に開始される予定です。当初の想定より準備期間は長くなりましたが、早期アクセス開始後は比較的スムーズに最終版へ移行できる見込みとされています。(早期アクセスは8月末に開始されました。)
そして、正式リリースは 9 月10月の予定となっています。

こうしたスケジュールの変更には理由があります。開発チームは現在も作業を継続していますが、ドバイオフィスの閉鎖という予期しない事態が発生し、地域的・国際的な情勢変化への対応が必要となりました。この影響により、開発プロセスに数週間の遅れが生じているとのことです。
一方で、この期間は別の成果にもつながっています。 安定性向上を目的として、Gaea 3.0 のエンジンで進められていた多数の小規模な内部修正が、現行バージョンである Gaea 2.3 にバックポートされました。これにより、Gaea 3.0 のリリースを待つ間も、Gaea 2.3 を用いた制作作業をより安定した環境で行えるようになりました。今後リリース予定の Gaea 2.4 でも、XPU の最適化や利便性向上につながる機能が引き続きバックポートされる予定です。
また、開発チームとは別に活動する研究チームは、Gaea 3.0 の新しいノードやシミュレーションに追加できる機能やオプションを検討するため、より複雑なアルゴリズムの研究を進めています。
さらに、開発チームは数週間後に予定されている Gaea 2.4 のリリースに向けて、「God Mode」の開発でも前進しています。近く、フォーラムにて Bleeding Edge(テスト版)のビルドが公開される見込みです。
God Mode は Gaea 2.4 と 3.0 の間で大きく異なるものではなく、Gaea 3.0 では新しいエンジンを基盤とした追加要素が利用可能になります。その後の Gaea 3.1 や 3.2 では、God Mode 向けのより大規模な新ツールの導入が予定されています。
Gaea 3.0の開発状況:4つのマイルストーン
早期アクセス(ベータ版)の安定性を確保するため、開発チームは4つの内部マイルストーンを設定しています。内部ベータチームは、ソフトウェアの各部分が統合されるたびに、個別のテストを進めています。
現時点で、早期アクセスプログラムによる広範なテストを開始するための準備はほぼ全て整っているとのことで、各マイルストーンの進捗状況は以下の通りです。※6月4日時点
- マイルストーン 1(グラフアーキテクチャの改修など): 90%
- マイルストーン 2(新しい3Dおよび2Dビューポート): 80%
- マイルストーン 3(新SwarmおよびSCVビルドエンジン): 50%
- マイルストーン 4(新ノード・シミュレーション・デザインツール): 60%
グラフアーキテクチャの改修とGaea 2.4との同等性
フィードバックと内部テストの結果を踏まえ、グラフシステムの約 50% がオーバーホールされました。これにより、応答性の向上やエラー発生率の低下、インタラクティブ性の改善が図られています。
また、新しいノードの作成や既存ノードへの移動を行える検索システムの導入に加え、既存ノードやポータルへの接続をより簡単にする機能など、操作性を高める要素も追加されています。

グラフの外観や基本的な動作は従来と大きく変わりませんが、コア部分が書き直されたことで、全体的な操作感がより滑らかになりました。これにより、従来の使い勝手を維持しつつ、新たに追加された利便性を自然に活用できるようになっています。
新しい3Dおよび2Dビューポート
長年にわたり、Gaea は 3D 表示に Unity を利用してきましたが、より高精度な地形を扱う場面では、求める品質を十分に再現できない状況が生じていました。こうした背景を受け、Gaea 3.0 では独自のビューポートが新たに開発されています。
ローレベルのコードを用いて描画処理を最適化したことで、最大 8K(実験的モードでは 16K)といった高解像度の地形でも、高いフレームレートを維持したまま可視化できるようになりました。これにより、従来よりも大規模で詳細な地形を扱う際の表示品質と操作性が向上しています。

新しいSwarmおよびSCVビルドエンジン
技術スタックの刷新により、新しいエンジンでは処理効率が向上し、最大で約 20% の最適化が実現されています。さらに、ポータブルな SCV(Standalone Construction Vehicle)ビルドエンジン の導入により、ビルドの高速化が可能になるだけでなく、ブリッジが Gaea とより迅速にやり取りできる新しい仕組みも提供されました。

また、独自の SCV エンジンは、カスタムパイプラインへの Gaea の統合や、独自ブリッジの構築といったワークフローを簡略化する役割も担っています。

新しいノード、シミュレーション、デザインツール
通常、ノードやシミュレーションはメインアプリケーションとは独立して構築されます。エンジンが安定して動作する段階に達してから、中心となるコードベースへ統合されるという流れになります。
その後、道路生成用の UI やトリプラナーディスプレイスメントツール、新しいギズモなどのデザインツールが追加され、ノードをより扱いやすくするため改善が行われます。



全体的な改善
特定のマイルストーン以外にも、UIから検索の利便性、カスタマイズ性に至るまで、全体で125以上の改善が進行中です。
いくつかのスタジオやパワーユーザーからは、「再利用可能なテンプレートを作成したい」という要望が寄せられていました。こうしたニーズを受けて、ファイルへのアクセス性を重視して設計された新しいスタートアップ画面には、Create from Template…(テンプレートから作成)ボタンが追加されています。これにより、あらかじめ用意した構成を基にプロジェクトを素早く立ち上げることが可能になりました。

さらに、パワーユーザー向けには、コンパクトでドラッグ可能なコントロールパネルがオプションとして用意されます。このパネルを利用することで、パラメータや設定を柔軟に調整でき、作業スタイルに合わせた操作性を確保できます。
その他詳しい新機能情報は以下の記事をご覧ください。
早期アクセスのリリースプラン
早期アクセスが開始されると、毎週水曜日と金曜日の週 2 回、新しいビルドが提供される予定です。Gaea 3.0 は Gaea 2.4 の強固なフレームワークを基盤として構築されているため、バグ修正や新機能の追加についても、迅速な対応が可能になると見込まれています。
また、開発チームは、早期アクセス開始から 6〜8 週間 で実務に耐えうる「プロダクションレディ(Production Ready)」の状態に到達させることを目標としています。7 月に早期アクセスが始まることを踏まえると、最初のプロダクションレディ版は 9 月頃に提供される見込み です。
開発チームは、皆様のご協力とフィードバックに支えられながら、週末も含めて作業を続けています。その中で、将来の実装として予定されていたいくつかの機能については、前倒しで Gaea 3.0 に取り込む取り組みも進められています。
これらの追加要素は、地形制作ワークフローをさらに充実させるものとなる見込みで、今後のアップデートで順次公開される予定とのことです。
利用について
Gaea 3 EAPはプレビュー版であり、製品版としての使用は推奨されていません。
プレビュー版は、2025年のサイバーウィーク以降Gaea 3の早期アクセスを含むライセンスを購入した方が利用可能です。


































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