2026年6月の NVIDIA Studio Driver アップデートがリリース!

CGソフト

2026年6月16日(現地時間)、NVIDIAよりクリエイターおよび3D開発者向けの最新グラフィックスドライバー「6月版 NVIDIA Studio Driver(バージョン 610.62)」がリリースされました。

NVIDIA Studio ドライバーは、アーティストやクリエイター、3D 開発者がクリエイティブアプリケーションを使用する際に、最適なパフォーマンスと高い信頼性を得られるよう設計されています。高い信頼性を確保するために、Studio ドライバーは複数のクリエイティブアプリケーションを組み合わせたワークフローや、主要な3DCG・映像制作アプリケーションの複数バージョンを対象に、広範なテストが実施されています。

今月の NVIDIA Studio Driver アップデート

6月版の NVIDIA Studio Driver では、NVIDIA Broadcast、Character Creator などの最新アップデートに対する最適なサポートが提供されているほか、AIを活用した推論・生成環境向けの最適化が行われています。

NVIDIA Broadcast 2.2 の新機能と最適化

映像・音声処理アプリ「NVIDIA Broadcast 2.2」のアップデートがサポートされました。本バージョンでは、これまでベータ版として提供されていたAI音声強化機能「Studio Voice」が正式実装されています。これにより、一般的なマイク入力の音声をハイエンドなレコーディングスタジオで収録したような品質へと向上させることが可能です。

また、新たに「Elgato Stream Deck」との連携機能が追加されました。専用のプラグインを介して、Stream Deckの物理ボタンから直接BroadcastのAIエフェクトの切り替えやマイクのミュート操作などを行えるようになり、配信や通話時の操作性が大きく改善されています。

Reallusion Character Creator 5.1 の AI Studio 連携

3Dキャラクター作成ツール「Reallusion Character Creator 5.1」にて新たに導入された、AI Studioとの統合機能に最適化されています。

インターフェース内に「AI Studio Toolbar(専用ツールバー)」が追加されたことで、ユーザーは3D空間で作成したモデルやポーズをベースとして、画像生成や動画生成(3D to Image / Video)のワークフローに必要なガイド素材を、より迅速かつシームレスにインポートできるようになりました。

ComfyUI および Llama.cpp 向けのマルチGPU最適化

ノードベースの画像生成UIである「ComfyUI」と、大規模言語モデル(LLM)の推論フレームワークである「Llama.cpp」において、最新のマルチGPU最適化が提供されています。

複数のGPUを活用する分散処理の効率が向上したことで、大規模なAIモデルを扱う際のVRAMの制限が緩和され、推論パフォーマンスや生成速度の向上が期待できます。

Llama.cpp での主な強化点:

  • テンソル並列処理(Tensor Parallelism)の追加: 同等のGPUを2基使用した場合に、メモリで最大2倍、演算性能で最大1.8倍のパフォーマンスを引き出せるようになりました。
  • Multi-Token Prediction(MTP): 投機的デコーディング手法により、Qwen 3.6 / 3.5 モデル等において最大2倍の推論速度向上が実現しています。

ComfyUIの最近のアップデートでは、以下のようなマルチGPU関連の機能強化・修正が行われており、本ドライバーと組み合わせることでさらなる安定性とパフォーマンスが得られます。

ComfyUI での主な強化点:

  • マルチGPUでのCFG最適化とチェーン分割: 新しい Classifier-Free Guidance (CFG) 手法が導入され、同等のGPU2基で最大2倍のパフォーマンスを発揮します。また、GPU間でモデルのチェーンを分割し、組み合わせてメモリを活用するオプションも追加されました。
  • サンプリング処理の高速化(Accelerated Sampling):複数のGPUに生成処理のワークユニットを分散させる機能が追加され、画像の生成時間を大幅に短縮できるようになりました(PR #7063)。
  • CFG Splitの安定性向上:Windows環境において、複数GPUでCFGを分割処理する機能が有効化されたほか(PR #14191)、手動で処理を中断した際にフリーズしてしまう問題が修正され(PR #14235)、動作の安定性が向上しています。
  • RTX Video Frame Generation ノードの追加: AIによって生成された低フレームレート(15〜20 fps程度)の動画を、リアルタイムで2倍〜4倍の滑らかなフレームレートに補間できる機能がComfyUIノードとして提供されます。

修正リスト(バグフィックス)

本ドライバ(ホットフィックス 610.52 からの修正を含む)では、これまでに報告されていたゲームや一般的な使用環境における以下の不具合が修正されています。

アプリケーション・ゲーム関連の不具合修正

  • World of Warcraft:ゲームプレイ中の全般的な安定性を向上。
  • Apex Legends:長時間のゲームプレイ後に、画面上に表示の乱れ(視覚的な破損)が発生することがある問題を修正。
  • DLSS設定の不具合:ディスプレイ・ドライバー バージョン 610.47 へのアップデート後、一部のタイトルでDLSSの設定項目がグレーアウトし、変更できなくなる問題を修正。
  • マルチモニター環境:V-SYNC(垂直同期)とDLSS Frame Generation(フレーム生成)を併用したマルチモニター構成において、ゲームの安定性が向上。
  • DirectX 11タイトル:「Smooth Motion」を有効にしている際、特定のゲームでジッター(微小な揺れ)やゴースティング(残像)が発生する問題を修正。
  • DirectX 11タイトル:「Smooth Motion」を有効にした状態で特定のゲームを起動すると、クラッシュを引き起こすことがある問題を修正。

一般的な不具合修正

  • Ada Lovelace世代(RTX 40シリーズなど):G-SYNCを有効にしている際、特定のモニター環境下で発生していたフレームペーシング(フレーム描画間隔の乱れ)の問題を修正。
  • ディスプレイ認識の不具合:特定のモニターでEDID(ディスプレイ情報)が正しく読み取られず、「NVIDIA NV-Failsafe」として誤認識されてしまう問題を修正。
  • スリープ復帰の不具合:一部のモニターがスリープモードから正常に復帰しない問題を修正。
  • システム割り当ての不具合:システムが新しいメモリ割り当て(アロケーション)に失敗した際の、全体的な安定性を改善。

ダウンロード

以上の新機能サポートとバグ修正を含んだ最新の「NVIDIA Studio Driver 610.62」は、現在ダウンロード可能です。ドライバーの更新は、各種アプリケーションの安定動作のために推奨されています。

※環境のクリーンインストールを行いたい場合は、NVIDIA アプリのインストールオプションから選択するか、既存のドライバーを削除してから適用してください。


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