2026年6月17日(現地時間)- Epic Games は、「Unreal Engine 5.8」の提供開始を発表しました。
この最新バージョンでは、ワールド構築や地形作成ツール、リアルタイムでの高品質な植生作成、およびライティングワークフローの簡素化により、パフォーマンスとカスタマイズ性がさらに向上しています。
また、キャラクターやアニメーション作成ツールの処理高速化、バーチャルプロダクション機能の進化、高精度なフルボディパフォーマンスキャプチャ、そしてLLM(大規模言語モデル)ワークフローの統合によるコンテンツ制作の効率化など、多岐にわたる新機能が導入されています。
注目の新機能ハイライトを見たい場合は以下の記事をご覧ください。
この記事では、主な新機能をなるべく網羅的に分かりやすくまとめています。

ノイズ削減とパフォーマンス向上が図られたライティング機能。

Lumen高品質設定の2倍高速に動作する、新しい中品質グローバルイルミネーション。

濃い霧や煙における光の多重散乱をシミュレートし、シーンへの自然な統合を実現します。

Substrateを基盤とした、高度な制御が可能なトゥーンシェーディング・ソリューション。

ハイトフィールドの制約を解消する、次世代の3Dメッシュベース地形ソリューション。

Fast Geometry Streaming、World Partition Insights、HLOD UXなどの機能拡張やUX改善。

非破壊的な手動編集のサポート。

複合属性、埋め込みサブグラフ、各種新規ノードの追加やパフォーマンス・UXの改善など。

エディタ内で植物の成長をシミュレート可能な植生作成ツールの強化。

階層管理、コネクタワークフロー、ミラーリングの改善による使いやすさの向上。

フェイシャルリグおよびモーフターゲット編集ツールの拡張。

フォース(力)ベースの機能が追加され、より物理駆動のアニメーションワークフローが可能に。

コントロールリグ用のパーティクルベース物理演算。

メッシュ表面を直接操作してリグを動かす新しい制御システム。

シーケンサー、カーブエディタ、ビューポート間での選択やフィルタの完全同期システム。

シンプルビュー、オートベイク、アニメーションミキシング [試験段階] など、シーケンサー関連の機能が追加・改善されています。

Foot Definitionの追加やRetarget Override Setsによるリターゲティングワークフローの改善。

異なるキャラクター間での複雑なフェイシャルアニメーション転送を可能にするツールの改善。

フルプロダクション対応。データレスなカスタマイズ可能オブジェクトによる生成とパフォーマンス最適化。

iOSおよびAndroidからUnreal Engineへリアルタイムで直接ビデオをストリーミング。

群集配置、メッシュのMetaHuman化、Animatorの改善など(詳細は専用ページへ)。

StateTreeの柔軟性が向上し、開始状態の定義やコンパイル管理が強化されました。

データ指向エンティティシステムが刷新され、マルチコアの活用やモジュール化が図られました。

AIナビゲーションにおいて、スタティックメッシュごとに歩行可能なエリアコストを設定可能に。

新しいレプリケーションシステム「Iris」がフルプロダクション対応となりました。

コアな移動システム、ネットワーク予測、アニメーション連携が全体的に改善されました。

Enhanced InputとCommon Input/UIが統合され、クロスプラットフォームでの入力処理が簡素化されました。

フルプロダクション対応。ラウドネス測定やシグナルフローの可視化など診断機能が大幅にアップデート。

完全なパイプライン統合や、Ambisonicsおよびトランスコーディングの自動処理をサポート。

アクセシビリティ向けのオーディオ字幕機能がベータ版に移行し、安定性と機能が向上。

エンジン内での強力な波形編集。フェードの独立制御や再インポートワークフローの改善。

ノード構成や再利用可能なテンプレート機能の追加により、編集体験が向上。

Control Bus / Mixトラックの追加や、再生挙動、Movie Render Queueでのオーディオ改善。
Windows環境のデフォルトオーディオバックエンドがXAudio2からWASAPIに切り替わりました。

複数のレガシーなギズモを単一フレームワークに統合し、視覚と操作性が改善された新しいギズモシステム。

アセットエディタのプレビューシーンで、カスタムフロアやプロファイル切り替えのワークフローが向上。

ネイティブのシェーダーボールメッシュや、ドラッグ&ドロップでのアセット適用をサポート。

Shortcut ManagerやEditor Preferences、Sandboxesなど、エディタ全体のUI/UXや環境構築プロセスが洗練されました。

正投影ビューにおけるライティング表現の改善や、ギズモの視認性が向上。

AIシステムをUnreal Editorに接続し、プロジェクトの理解やアセット構築を支援するMCPプラグイン。

フルプロダクション対応。レガシープリセットの全主要機能をサポートし、今後の新機能の基盤となります。

MRG内で、レンダーレイヤーごとに個々のライトやライトグループのプロパティを上書き可能に。

ディファードレンダリングのルックを維持しつつ、パストレーサーに匹敵する映画のような被写界深度を実現。

nDisplayとMRGの統合。プリレンダリングやWIPレビュー向けにスケーラブルなレンダリング設定をサポート。

解像度や出力タイプなどをパネル上で直接設定できる、新しい合理化されたキューウィンドウ。

オートカメラ、専用のフェイシャルアニメーションプレビュー、オーディオ録音設定など多数の改善。

シーケンサーの完全サポート、新しいパスの追加、UXの大幅な改善が行われました。

キーカラーのプレビュー、クリーンプレートの取得、LumaやUltimatteパスのサポートが追加されました。

RGBA各チャンネルをビューポート内で直接視覚化できるオプションが追加されました。

詳細はロードマップをご確認ください。

nDisplayにおいて、DCRA全体や特定のノード/ビューポートを通じた自動露出をサポート。

デバイス制御(Device Framework)、タイムコードの同期、ビデオモニタリング機能が統合。

VCam内蔵の専用アタッチブラウザや、アニメーション制約を用いた軸ごとのアタッチ機能。

Editor Utility Naming Tokens、Timeline Template Editor、Take Records時の機能拡張、Rivermax on Linuxなど。

放送用グラフィックスの再生の信頼性が向上し、各種モディファイアの最適化や事前コンパイルが追加されました。

マスクの合成機能が強化され、最大4つのマスクソースから影響を受ける出力が可能になりました。

Text3Dコンポーネントのパフォーマンス最適化やブループリント対応、字形形成の制御が追加されました。

Transition Logicセットアップの再利用性が向上し、複数のレベル間で共有できるようになりました。

スケルタルメッシュを使用した車両構築や、車両と地面の双方向インタラクションのサポート。

シネマティック品質の破壊をリアルタイムで実現するツールの改善とバグ修正。

ランタイムグラフ評価やスケルタルメッシュオーサリングのサポートなど、UXと機能が向上。

カメラトラッキングやジオメトリ可視化パネルなど、物理シミュレーションのデバッグツールを強化。

より応答性の高いスケーラブルなシミュレーションのための、基盤となる物理システムの改善。

クロス、流体、破壊などのシミュレーションデータを効率的に保存および再生するためのシステム拡張。

Nanite対応のレンダリングや、Skeletal Meshへのカード生成、Groom編集ツールの追加。

クロスとフレッシュのソルバーを統合し、スキン、筋肉、衣服間のプロシージャルな相互作用を実現。

CLO/Marvelous Designerとの非破壊的な往復編集やUSDインポートのサポート。

浮力やレンダリングの最適化、Baked Riverワークフロー改善など水シミュレーションの拡張。
Content Pipeline、Platforms、Media、Developer Iteration などのアップデート項目は、カードではなくリスト形式でまとめています。
その他のアップデート内容を見る以下では、上記の主な新機能について詳しく解説します。
- レンダリング
- ワールドビルディング
- PCG (プロシージャルコンテンツ生成)
- キャラクター&アニメーション
- Framework
- Audio
- エディター
- Production Rendering Pipeline
- Virtual Production
- モーションデザイン
- Simulation & VFX
- その他のアップデート一覧
- Unreal Engine 5.8 を今すぐ利用する
レンダリング
MegaLights:フルプロダクションへの移行

UE 5.8にて、MegaLightsが「プロダクション対応(Production Ready)」のステータスに移行しました。視覚的な忠実度を最大化するためにノイズを削減しつつ、全体的なパフォーマンスを向上させることで60fpsの達成を可能としています。
また、シーンのデバッグや最適化を支援する新しいツール群が導入されており、パフォーマンス上の制約を軽減しながら、動的なライティング環境を構築できるよう設計されています。
新たにサポートされた機能- 透過(Subsurface Scattering)のサポート
- 新しいFroxelベースの半透明(Translucency)サポート
- 高品質なフロントレイヤー半透明ライティング
- ボリュメトリックおよび半透明に対するIESサポート
- ライティングチャンネル(Lighting Channels)のサポート
- クラウドシャドウ(雲の影)
- 一人称視点(First-Person Perspective)武器のサポート
- Light Finder Tool(デバッグおよび最適化用ツール)
- Ray Visualizer Tool(レイの反復回数の可視化)
- Shadow CasterおよびShadow Caster Mismatchビュー
Lumen Lite [ベータ]

Lumen Liteは、プローブオクルージョンを伴うイラディアンスフィールド(Irradiance Fields with Probe Occlusion)を使用した、グローバルイルミネーション(GI)の新しい中品質設定です。
PlayStation 5で60fpsをターゲットとするLumenの高品質設定と比較して「2倍の速度」で動作しつつ、GIに依存するゲームのアートディレクションを維持します。このパスは、現行世代の携帯型(ハンドヘルド)コンソールにおける新しいデフォルトとして採用され、60fpsでの動作が可能です。また、PC環境でもサポートされています。
FSSS – Fog Screen Space Scattering [試験段階]

Exponential Height Fog(指数関数的ハイトフォグ)コンポーネントに、媒質内の多重光散乱を近似する試験段階の機能「FSSS」が導入されました。光がボリュメトリックエフェクトを透過して散乱する様子をシミュレートすることで、濃い霧や煙、土埃などがより自然にぼやけ、シーンと統合して見えるようになります。
すべてのVolumetric FogおよびLocal Fog Volumeをサポートし、シーンカラーとの統合度合いや散乱の広がりを制御できます。 ※本機能は試験段階であり、現在は単一のブラー品質レベルのみを提供しているため視覚的なアーティファクトが発生する可能性があります。また、Volumetric CloudとHeterogeneous Volumeは未サポートです。
Substrate NPR Shading [試験段階]

Substrate Blendable GBuffer(レガシー)モード上に構築された、スタイライズされた非写実的レンダリング(NPR)ソリューションである「Substrate Toon Shading」が試験導入されました。
ローカルライト、スカイライト、Lumenグローバルイルミネーションを含むすべてのライトタイプをサポートします。新しい「Substrate Toon BSDF」と「Toon Profile」アセットにより、ディフューズ(拡散反射)とスペキュラ(鏡面反射)の反応を正確に制御できます。
NPRシェーディングの主な機能- ディザリングを伴うランプベースのディフューズ/スペキュラ制御
- ハッチングパターンを伴うセルフシャドウの減衰
- 異方性(Anisotropic)スペキュラハイライト
- グローバルイルミネーションのスケール制御
ワールドビルディング
メッシュテレイン [試験段階]

広大な環境を構築するための、新しい3Dメッシュベースのアーキテクチャが試験段階(Experimental)として導入されました。
このメッシュベースの地形ソリューションは、3Dモデリング、レイヤリング、バーチャルテクスチャ(Virtual Texture)、汎用的なエディタツール、可変テッセレーション、およびNaniteを使用した広大なワールドのサポートを可能としています。
本機能は、従来の「ハイトフィールド(高さマップ)のみ」のランドスケープが持つ制約を解消することを目的としており、PCG(プロシージャルコンテンツ生成)ともネイティブに連携します。
PCG (プロシージャルコンテンツ生成)
手動編集

PCGデータとアーティファクトに対する非破壊的な手動編集(選択、除外、変更、データの復元)がサポートされました。グラフ内の個々のノードを手動編集用にマークしたり、一時的にオーバーライドしたりすることができ、新しい「Data Overrides」ウィンドウで適用中のオーバーライドを一覧表示できます。
その他のPCGアップデート
PCGフレームワーク全体において、パフォーマンスの最適化やUXの向上など、複数のアップデートが行われています。
複合属性 (Complex Attributes)
メタデータ属性の値やオーバーライドとして、配列(Array)、構造体(Structure)、セット(Set)、マップ(Map)がサポートされました。 グラフパラメータとして複合型を使用できるほか、PCGグラフ内で直接使用できる「複合定数の作成(create complex constant)」および「複合定数の追加(add complex constant)」ノードが追加されました。
埋め込みサブグラフ (Embedded Subgraphs)
ブループリントの関数と同様に、PCGグラフ内に直接保存・編集できるカスタムサブグラフの作成がサポートされました。
グラフパラメータエディタ (Graph Parameters Editor)
新しいパラメータ階層エディタツールにより、PCGパラメータの分類、並べ替え、グループ化、および説明の追加が可能になりました。
PCG パフォーマンス
ランタイム:- GPUランタイムスキャッターの処理負荷がランドスケープのGPUグラスシステムと同水準に調整されました。
- アクタやコンポーネントに依存しないランタイム生成がサポートされました。
- グラフ実行時のCRCとキャッシュ処理が改善され、キャッシュ無効化の発生頻度が低下しました。
- 大量のスタティックメッシュをスポーンする際のISM(Instanced Static Mesh)の再利用ロジックが調整されました。
- グラフの実行およびスケジューリングにおける競合箇所の解消が行われました。
PCG UX
- コンテキストフィルタリング: 型指定されたピンからドラッグして新しいノードを追加する際、サポートされている操作のみにノードパレットが自動的にフィルタリングされます。
- HLSLカーネル: ノード設定内ではなく、HLSLカーネルから直接属性を作成できるようになりました。
- HLSLエディタ: フォントサイズの変更が可能になりました。
- データビューポート: PCGエディタのデータビューポートから手動オーバーライドを直接編集できるようになりました。
PCGノードと演算子
- Metadata Array operations: 配列に対する操作(作成、追加、一意の追加、包含確認など)。
- Align Points: あるポイントの位置と回転を、任意の軸で別のポイントの境界(Bounds)にスナップさせます。
- Scene Capture: 入力トランスフォームがサポートされ、任意の方向からのキャプチャが可能になりました。
- Create / Add Complex Constant: 任意の複合属性タイプをグラフ内に直接作成または追加します。
- Apply Spline to Component: PCGのスプラインデータを既存のスプラインコンポーネントに書き込みます。
- Teleport Actors and Components: ワールド内のアクタやコンポーネントの参照にトランスフォームを適用します。
- Get Class from Attribute: ソフトオブジェクト参照からクラスを取得し、属性として返します。
- Get Editor Cameras: 現在表示されているエディタビューポートのカメラをポイントとして返します。
- Set Materials On Dynamic Mesh: ダイナミックメッシュのデータにマテリアルを適用します。
プロシージャル植生エディタ [試験段階]
プロシージャル植生エディタ(Procedural Vegetation Editor)は、Nanite対応のフォリッジを含む植生メッシュをUnreal Editor内で直接作成および編集するための試験段階のプラグインです。外部のDCCツールからメッシュをインポートすることも可能です。
本バージョンでは、インポートされたレシピを使用せず、エディタ内で直接植物の「成長(Growth)」プロセスをシミュレートできる機能など、コア機能の拡張が含まれています。
主な新機能と改善点- Growth Node(成長ノード)
- Seed Generation(シード生成)
- 3Dメッシュまたは2D画像/アトラスからのSkeletal Extraction(骨格抽出)
- Foliage Grafting(フォリッジの接ぎ木)
- Object Avoidance and Carving(オブジェクトの回避とカービング)
- Trimming(トリミング):ブランチループ、ディスプレイスメントテッセレーション
- Mesher Improvements(メッシャーの改善)
- Visualization Modes(可視化モード)
- Trunk Material Compositor(幹マテリアルのコンポジタ)
キャラクター&アニメーション
MetaHuman関連のアップデート
MetaHuman Crowd プラグインにより、数十人から数千人規模のMetaHumanの群集をリアルタイムワールドに配置する機能が追加されました。また、人間のメッシュをMetaHumanに変換する機能において、頭部と身体の同時コンフォーミングがサポートされています。
MetaHumanの最新機能については、以下の専用ページで詳しく解説しています。
ブレンドシェイプ・リギングツール
フェイシャルリグおよびモーフターゲット編集ツールが拡張され、スケルタルエディタおよびコントロールリグにおいて、スカルプト駆動のフェイシャルワークフローのサポートが強化されました。これにより、エンジン内でのブレンドシェイプのオーサリングやポーズ補正の機能が調整されています。
- スキニングワークフローにおけるジョイントロックのサポート
- ソフト選択を伴う、モーフターゲットのためのメッシュ要素の選択と編集
- モーフターゲットをミラーリング(対称化)するホットキー
- モーフターゲットを反転(フリップ)させるメニューオプション
- 頂点マップを使用してモーフターゲットを2つに分割するツール
- モーフターゲット編集用のラティス(Lattice)デフォーマ
- LOD生成用のポストプロセスジオメトリスクリプト
- Move Brush(移動ブラシ)の動作の一貫性向上
- サーフェスベースのブラシフォールオフ
スケルタルエディタの安定性および操作性の改善(クリックして展開)
スケルタルエディタツールの安定性および操作性の向上を目的とした以下の改善が含まれています。
選択機能- 「選択を分離(Isolate Selected)」を終了する際、頂点/コンポーネントの選択状態を維持
- ボタンのCtrl+クリックによる新しい選択モードへの切り替え
- ボタンのShift+クリックによる既存選択状態の変更
- ウェイトコンポーネントエディタからの直接的なボーン選択
- アセットエディタ向けの統合ギズモシステムとの連携
- ボーンへのウェイト追加時にスケルトンツリーが更新されない問題の修正
- ウェイトペイントのランプウィジェットの更新
- ウェイト調整ツールの改善
- スキンウェイトのロック機能(他のインフルエンスに影響を与えずに2つのインフルエンス間のウェイトを調整可能)
- ミラーストリング(Mirror strings)のボーン名内での位置制限の解除
- 階層をまたいだジョイントのミラーリングサポート
- ボーンの名称変更に関する問題の修正
- 階層折りたたみ時の子ノードの選択可視性の修正
- 軸ドロップダウンの項目修正
- ローカル回転軸(LRA)のデバッグ表示の追加
- 「選択したボーンのみを方向付け(Orient Selected Bones Only)」オプションの追加
- アセット間でジョイントを転送する「形式を選択して貼り付け(Paste Special)」オプションの追加
- Mesh + Bonesメニューのツールバーへの移動
- ベースメッシュとモーフターゲットへの基本的なメッシュ要素編集(要素の移動)の追加
- スケルタルメッシュから未使用(スキンウェイトから参照されていない)のボーンを削除するオプションの追加
モジュラー・コントロールリグ

モジュラー・コントロールリグにおいて、階層管理、モジュール作成、コネクタワークフロー、およびミラーリング動作の安定性と操作性を向上させるためのアップデートが行われました。
表示 (Display)
- ビューポートに「空のソケットのみを表示(Show Empty Sockets Only)」オプションが追加され、モジュール上へのソケット構築が整理されました。
階層と状態の保持
- コンパイル後におけるリグ階層とモジュール階層の状態保持の信頼性が向上しました。
- モジュールリグクラスのフィールドに、アセット名とアセットパスの両方が表示されるようになりました。
- モジュール階層でShift+クリックおよびマウス中ボタン(MMB)+クリックを使用し、子ノードを展開・折りたたみできるようになりました。
- コネクタとモジュールクラス列の表示設定、およびオプションや未解決コネクタを表示・非表示にするホットキーが追加されました。
モジュール作成とコネクタシステム
- モジュールの複製や新しいソケット作成のためのホットキーが追加されました。
- コネクタのシェイプタイプがドロップダウンから選択可能になり、定義された説明がツールチップで表示されるようになりました。
- 詳細パネルからの直接的なコネクタのドラッグ&ドロップがサポートされました。
- 配列コネクタに対するMin/Maxルールや「デフォルトの一致を設定」などのルールサポートが追加されました。
ミラーリング
- モジュラーリグがミラー入力の設定を保持するようになりました。
- ミラーモジュールがサブ階層と複数選択を正しくミラーリングするよう修正されました。
Control Rig Physics [ベータ] と Dynamics
Control Rig Physics によるアニメーション
Control Rig Physicsがベータ版に移行し、フォース(力)ベースの機能と拡張ツールが追加されました。 物理リグはレイヤーリグとして機能するようになり、明示的なセットアップを必要とせず既存のアニメーション上に合成されます。
- Control Rig Physics内での力の適用と、時間経過に伴う力のアニメーション機能
- ランタイムパフォーマンスの改善
- モジュラー・コントロールリグ用の新しいPhysics Module
- Animator Kit内の新しいPhysics Utility Rigs
Dynamics:コントロールリグ用のパーティクルベース物理演算
Control Rig Dynamicsは、コントロールリグに組み込まれた軽量なパーティクルベースの計算システム(ソルバー)です。衣服や髪の毛などの外見要素に対して、物理エンジン全体の負荷をかけることなく物理シミュレーションを提供します。
- リアルタイムパフォーマンス向けに構築された専用ソルバー
- 既存の物理ソリューションと比較してのランタイムパフォーマンスの向上
- ゲーム内の装飾品や物理駆動のキャラクターアセット向けに設計されたシンプルな作成ワークフロー
Direct Mesh Controls [試験段階]
試験段階の新システムであるDirect Mesh Controls (DMC)により、コントロールリグの制御点をスケルタルメッシュのセクション上に直接表現できるようになりました。これにより、キャラクターの表面を直接操作する形式の制御が導入されています。
- コントロールリグの制御点として機能する、メッシュベースのコントロールグループの作成
- ビューポートおよびシーケンサーにおける、メッシュ領域の直接選択と操作
- 静的なシェイプコントロールとの共存
- ビューポート上でのクリック&ドラッグ操作によるリグ操作
フィルターおよびリンクシステム
ビューポート、シーケンサー(Sequencer)、カーブエディタ(Curve Editor)間での選択状態が完全に同期されるようになりました。ビューポート内のキャラクターのコントロールをクリックしたり、シーケンサーのアウトライナでトラックを選択したり、カーブエディタでカーブを選択すると、3つのパネルすべてが即座に連動して更新されます。
また、デフォルトですべてのフィルタと検索もリンクされるため、1つのエディタで行った操作が他のエディタにも反映されます。新しい「リンク」アイコンを使用することで、この同期動作の有効・無効を任意に切り替えることが可能です。
シーケンサー機能の強化
シーケンサーにおけるアニメーション制作の柔軟性と効率をさらに高めるため、複数の新機能が追加されています。
シーケンサー向けシンプルビュー
アニメーション作成時にアーティストがビューポートに集中できるよう、シーケンサーを簡略化されたビューに折りたたむ機能が追加されました。「選択およびピン留め(Selected and pinned)」「選択中(Selected)」「すべて(All)」の3つのモードでタイムラインのキーを表示でき、いつでも完全なシーケンサービューに展開可能です。
Simple Viewの機能詳細(クリックして展開)
- 簡略化の切り替え:
Ctrl + Backspace - ツールバーの表示/非表示:
Shift + Backspace
- 複数のキーの選択
- 移動、スケール、コピー/ペースト、削除
- フレームへのスナップ機能とスマートスナップのサポート
- キャラクターアニメーション作成に特化して厳選されたツールバー
- インビトゥイーン(中割り)の追加・削除
- グリッドカラーブロック
- ツールバー、トランスポートコントロール、範囲スライダーの表示/非表示
- 色、外観、スタイルのカスタマイズ
シーケンサーでのオートベイク
アニメーションシーケンスへの自動ベイクや、ベイクデータとライブのコントロールリグ(Control Rig)データとをシームレスに行き来するための新しいワークフローが追加されました。
- 右クリックメニューに「Configure AutoBake(オートベイクの設定)」オプションを追加。
- リンクされたアニメーションシーケンスのワークフローを活用。
- オートベイクが設定された要素に、クイックトグルアイコンを追加。
シーケンサーでのアニメーションミキシング [試験段階]
シネマティックアーティス向けに、異なるアニメーション入力をシーケンサー内で直接ミックスする機能(Animation Mixer)が追加されました。別個のAnimation Blueprintや特定のソロットを必要とせずに、キャラクターアニメーションのレイヤー化やマスキングが可能になります(新しいUnreal Animation Frameworkのワークフローもサポートしています)。
Animation Mixingの機能詳細(クリックして展開)
- Animation Blueprintのソロットやカスタムアニメーションインスタンスに割り当てるための「アニメーションミキサー」の作成。
- スケルタルアニメーション、コントロールリグ、その他スケルタルポーズに影響を与える入力を優先順位に従って重ねる「ミックスレイヤー」の作成。
- 任意のミックスレイヤー上で、ブレンドマスクアセットを使用してボーンやカーブをマスキング。
- ボーンのマッチング、ルートモーションのオフセット、ミラーリングなどのための「モディファイア」を、ミキサー、レイヤー、またはセクションに追加。
- アニメーション間のクロスフェードやデッドブレンディングなどの「トランジション(遷移)」の追加。
アニメーション・リターゲティングの強化
モーションキャプチャのワークフローやランタイムにおけるリターゲティングをより高い精度で行えるよう、IK Retargeter(IKリターゲッタ)の機能が向上しています。
リターゲティング向けのFoot Definition
多種多様なキャラクター間での足のアニメーション転送(Foot Definition)が改善され、より確実な結果を得られるようになりました。
Foot Definitionの機能詳細(クリックして展開)
- より細かく制御された転送を実現するため、ターゲットキャラクターの足の平面(Foot plane)とつま先(Toes)を定義可能に。
- 足の定義に合わせて、リターゲットチェーンの「オートリターゲットテンプレート」を更新。
- 身長の低いキャラクターへリターゲットした際に、骨盤の垂直方向の動きが減衰してしまう現象を防ぐためのコントロールを追加。
- 順序付けの柔軟性を高めるため、IK Op Stack内の「Blend to Source」「Scale Goals」「Offset Goals」を分離。
リターゲットオーバーライドセット (Retarget Override Sets)
ゲームプレイ向けのリターゲティングにおいて、新しいアセットや追加のBlueprintロジックを作成することなく、1つのIK Retargeterアセットで異なるリターゲット関係を処理できる「Retarget Override Sets(リターゲットオーバーライドセット)」が導入されました。
Override Setsの機能詳細(クリックして展開)
- Ops(オペレーション)とそのプロパティのコレクションを作成し、リターゲッタアセット内にオーバーライドセットとして保存。
- 既存のオーバーライドセットを追加・継承することで、より柔軟なリターゲットを実現。
- Opsおよびそのプロパティを、アニメーションカーブやオーバーライドセット内の変数にバインド。
- ランタイムまたはオフラインでのリターゲティング実行時に、使用するオーバーライドセットを指定可能。
RigMapper [ベータ]

Rig Mapperの改善が進み、ノードグラフのオーサリング機能が向上したほか、IK Retargeterとの統合が強化されました。これにより、ARKitアニメーションをMetaHumanに適用したり、MetaHuman Animator (MHA)のアニメーションをARKitキャラクターに使用したりするなど、異なるキャラクターセットアップ間でのより複雑なフェイシャルアニメーションの転送処理が可能になります。
RigMapperの機能詳細(クリックして展開)
- カーブリターゲティングの全操作を優先順位で処理するため、リマップカーブ(remap curves)をopsスタックに拡張。
- 前バージョン(5.7)のワークフローは、配列順に評価を行う「user data rig mapper op」によって引き続きサポート。
- 単一のRig Mapper定義を割り当てるための新しい「single rig mapper op」を提供。
- remap curvesスタック内に複数のsingle rig mapper opを作成し、評価の優先順位を決定することが可能。
- Rig Mapper Definitionエディタのノードグラフ改善:
- コンテキストメニューやピンのドラッグ&ドロップからの新規ノード作成。
- コンテキストと方向を認識したノード間のピン接続。
- ノードグループの移動と配置の改善。
- グラフ上の編集がリアルタイムで反映されるよう詳細パネルを更新。
Mutable:プロダクション対応

UE 5.8において、Mutableは安定性、パフォーマンス、パイプラインの改善を経て「フルプロダクション対応(Production Ready)」となりました。
Mutableの機能詳細(クリックして展開)
- データレス・ワークフロー (Dataless customizable objects): パラメータ入力をコンパイル時ではなくランタイム時に評価できるようになり、Unreal Engineのパッケージングや暗号化システムとの互換性を保ちつつ、イテレーションコストを大幅に削減。メッシュ操作とシンプルなテクスチャ合成に最適化されています。
- スケルタルメッシュ・ピン: メッシュセクション単位ではなく、スケルタルメッシュレベルで作業するためのピンが導入され、一般的なワークフローが簡素化されました。
- パフォーマンスの全面的な向上: 群集(Crowds)の生成スループットを高めるための並列更新、ゲームスレッドのワークロード削減、メッシュおよびテクスチャ操作の最適化が含まれます。
Live Link Face ビデオストリーミング

iOSおよびAndroidのLive Link FaceからUnreal Engineへ直接リアルタイムでビデオストリーミングが可能になり、現場のスーパーバイザーやディレクターが俳優の演技をリアルタイムでモニタリングできるようになりました。
- ビデオストリームはUnreal Engineのメディアプロファイルと統合されており、キャプチャされた映像と、計算(ソルブ)済みのアニメーションを並べて確認・レビューすることが可能です。
- 最新のデバイスでは、ビデオストリーミングとリアルタイムのアニメーションソルブを同時に実行できます。
- このストリーミング機能は、低帯域幅で遅延の大きいWi-Fiネットワーク上でも安定して動作するように設計されています。
Framework
StateTreeの開始状態とコンパイラ拡張

UE 5.8にて、State Treeの柔軟性が向上し、オーサリングワークフローが改善されました。
- ツリーが独自の「開始状態(Starting State)」を定義できるようになりました。
- 新しいCompiler Managerの導入により、イテレーションが効率化されました。エディタはツリーが古くなったタイミングを追跡し、再コンパイルの必要性が明確になります。
- プロパティバインディングがより堅牢になり、バインディングの逆転が容易に行えるようになったことで、完了したタスク間でのデータの移動が簡単になりました。
Mass Framework
データ指向のエンティティシステムであるMassが大幅に刷新され、パフォーマンスと使いやすさが向上しています。
Mass Frameworkの改善詳細(クリックして展開)
- Mass Signals: コアエンジンの一部となり、アーキタイプベースのロックフリーなスケジューリングにより、ゲームスレッド外でエンティティを作成できるようになりました。
- スパース/バーチャルフラグメントシステム: メモリ使用量を削減し、コストの高いアーキタイプ変更を引き起こすことなく、オプションのフラグメントやタグを追加・削除できます。
- 実行モデルの刷新: マルチコアCPUをより効果的に活用するため、Massプロセッサの実行と依存関係の解決が全面的に見直され、よりきめ細かいスケジューリングやスレッドセーフなオブザーバー通知により、最新ハードウェアでの安全かつ高速な実行を実現しています。
- MassCore モジュール: コアなエンティティシステムを幅広いMassGameplayスタックから分離することで、導入(Adoption)がさらに簡素化されました。
Iris: プロダクション対応

UE 5.8において、新しいレプリケーションシステム「Iris」がライセンシー向けにフルプロダクション対応(Production-Ready)となりました。このマイルストーンに合わせ、安定性と日常的な使いやすさに焦点を当てた一連の改善が行われています。
- クライアントとサーバー間の同期がずれた際に、より明確なエラーを出すためのプロトコルの不一致処理の改善。
- オブジェクトのライフサイクルに関する問題を早期に発見できる新しい警告の追加。
- シリアライゼーション、カリング距離の処理、および診断機能の改良。
- RPC DoS(サービス拒否)検出機能の再有効化。
- エンジンの幅広い方向性に合わせ、Scene Graphの統合やRemoteObjects RPCルーティングのサポートを追加。
Mover: 物理・アニメーション・ネットワークの改善
キャラクターの移動制御システム「Mover」に対し、コアの動き、ネットワーク機能、アニメーション連携、およびChaosMoverにわたる幅広いアップデートが実施されました。
Moverの改善詳細(クリックして展開)
- コア移動モードの改善: Detour Crowd向けのNavWalkingサポート、移動するプラットフォームや揺れる船などのシナリオに向けたベース付き移動(Based movement)の改善、ルートモーションとモンタージュ処理の改善が含まれます。
- レイヤードムーブと予測: 同期を改善するためにレイヤードムーブ(Layered moves)の事前スケジュールが可能になったほか、ロールバックと予測のサポートが拡大されました。
- ネットワーキング: Network PredictionにおけるオプションのIrisレプリケーションサポートの追加や、クライアントの先行予測を軽減する適応型タイムダイレーション(Adaptive time dilation)の導入により、ネットワーキングが向上しています。
- ChaosMover: モーションマッチングワークフローのための軌道予測、Chaos Visual Debuggerのより深い統合、さらにシミュレーション駆動のモンタージュ、レイヤードムーブ、ゲームプレイタグ、即時移動エフェクトなどのサポートが追加されています。
統合された入力システム

Enhanced Input と Common Input/UI の統合により、入力ワークフローが合理化されました。これにより、クロスプラットフォームでの入力処理が簡素化され、重複するデータアセットの必要性がなくなり、デバッグがより分かりやすくなっています。
- より確実なイベント処理
- ウィジェットのバインディング(関連付け)挙動の改善
- 仮想キー(Virtual key)のサポート拡大
- トリガーのエッジケースにおける修正
- 新しいツール: Enhanced Input UI向けの「Input Debugger」の導入や拡張性の追加により、入力駆動型エクスペリエンスの構築とトラブルシューティングが容易になりました。
Audio
Audio Insights:プロダクション対応
Audio Insightsがプロダクション対応となり、ラウドネス測定、シグナルフローの可視化、ライブイベント監視、データプロットなどの診断機能が大幅に拡充されたほか、安定性やUXが多数改善されました。
Audio Insightsの新機能と改善点(クリックして展開)
- Loudness Metering: モメンタリー、ショートターム、インテグレーテッドのラウドネス値に加えて、ラウドネスレンジ、トゥルーピーク値、ターゲット最大値などをエンジン上で処理し、エディタおよびスタンドアロンアプリへストリーミングします。
- Signal Flow Visualizer: 新しいタブで、音源からサブミックス、出力デバイスまでの瞬時のオーディオシグナルグラフを追跡し、各段階のミキシング値を表示してルーティングのデバッグを支援します。
- Live Monitoring: トレースファイルを保存することなくリアルタイムでトレースデータを表示できるようになり、長時間の監視におけるディスク容量の懸念が解消されました。
- Event Log: サウンドの開始・停止などのイベントを時系列でログ表示する、ドッキング可能な新しいタブ。テキストフィルタリングや、表示と同期した時間選択が可能です。
- その他: タイムラインのキャッシュコントロールの改善、Control Busタブの可視性向上、サウンドごとのパラメータをプロットする専用のPlotsタブ、スタンドアロンやキャッシュの機能改善が含まれます。
オーディオ字幕 [ベータ]
ダイアログシステム、クローズドキャプション、ボイスチャットなどのアクセシビリティに必要なオーディオ字幕(Audio Subtitles)プラグインがベータ版に移行し、安定性と機能が向上しました。
Audio Subtitlesの機能詳細(クリックして展開)
- ネストされたMetaSoundを含め、MetaSoundグラフ内でトリガーされたすべてのサウンドタイプで字幕が正しく表示されるようになりました。
- プラットフォームごとの字幕表示オーバーライドがサポートされ、モバイルやNintendo Switchなど画面レイアウトが異なるデバイスでウィジェットの配置やスタイルを変更できます。
- レベルシーケンス内の字幕を、PIE(Play In Editor)に入ることなくエディタで直接プレビューできるようになりました。
- 字幕の表示時間をロケールごとにオーバーライドできるようになり、ローカライズされたアセットが存在する場合は自動的にそのサウンドウェーブの長さを適用します。
- 新しい
QueueSingleSubtitle関数(旧QueueSubtitleは非推奨)およびアセットに保存されたすべての字幕行を正しいタイミングオフセットでキューに入れるQueueSubtitlesFromAsset関数を追加しました。 - エディタ内でのみ表示される内部メモ用の「コメント」フィールドを字幕アセットに追加しました。
波形エディタ [ベータ]
外部のオーディオツールへの往復を減らすため、エンジン内の波形エディタ(Waveform Editor)が強化され、フェードに対するより深い制御やワークフローの改善が行われました。
Waveform Editorの機能詳細(クリックして展開)
- フェードの分離: フェードがトリム(切り取り)から分離されました。新しいFade変換により、独自のフェードイン/アウトを持つ複数のフェード領域を波形上の任意の場所に配置可能になりました。カーブの形状やスロープの調整も直感的に行えます。
- 再インポート (Reimport): エディタのツールバーから直接再インポートが可能になり、「変換の上書き」「既存の変換の保持」「完全に新しいファイルからの再インポート」の3つのモードが提供されます。
- Launch Transformations: 変換を持たないSoundWaveを開いた際に、どの変換を自動適用するかを事前設定できるようになり、標準的な編集ワークフローでの反復作業が不要になります。
- メタデータの自動更新: 変換が適用された際、SoundWaveのLUFSおよびSample Peakのメタデータが自動的に更新されるようになりました。
- ショートカットの追加:
Gキーで次のマーカーへスキップ、F/Bで次/前のループマーカー選択、Hで最も近いゼロクロス点へのスナップなど、ナビゲーションが強化されました。
MetaSound 関連アップデート
MetaSound ノード構成 [試験段階]
UE 5.7で導入されたMetaSound Node Configurationが拡張され、開発者のためのボイラープレート(定型コード)を削減し、デザイナーの編集体験を向上させる新しいツールが導入されました。
- Dynamic Interface Node Configuration: 新しい構造体により、ノードのインターフェース定義に基づいてサブインターフェースのインスタンス数やバリアント型の選択を自動管理します。詳細パネルにドロップダウンやカウントフィールドとして自動的に表示されるため、カスタム設定構造体を記述する必要がなくなりました。
- Node Update Transform API: メジャーバージョン間でインターフェースが変更された際、ノードの移行処理(デフォルト値の更新など)を開発者がきめ細かく制御できる、構造化された新しいAPIが追加されました。
- APIの安定化:
FClassInterfaceが試験段階から外れ、ノード設定の統合を構築する開発者にとって安定したパブリックAPIとなりました。
MetaSound テンプレート [試験段階]
オーディオプログラマーが再利用可能なプロパティ駆動型のMetaSound生成ロジックを作成し、サウンドデザイナーが「グラフに触れることなく」詳細パネルからプロパティを編集して迅速にイテレーションを行える新しい仕組みです。
- 「Template」は、デザイナーがプロパティを変更するたびにMetaSoundグラフ、インターフェース、入力をプロシージャルに設定・再構築できるC++定義のUStructです。
- プログラマーはサウンドリスト、ピッチ範囲、フィルターのカットオフなど制御させたいパラメータのみを公開し、基礎となるグラフやメンバーリストを隠すことができます。
- UE 5.8には、リファレンス実装として、指定されたサウンドリストからランダムに選択し、設定可能な半音範囲でピッチオフセットを適用する「Randomizer template」が同梱されています。
フォーマット/チャンネル非依存タイプ (CAT) [試験段階]

フォーマットおよびチャンネルに依存しないタイプ「CAT」の導入がさらに進み、シグナルの柔軟なパイプライン統合が強化されています。
CATの機能詳細(クリックして展開)
- 完全なパイプライン統合: CAT出力が
MetaSoundSourceを介して接続されるようになり、MetaSoundグラフでCATシグナルを生成し、オーディオエンジンに直接配信できるようになりました。チャンネル形式はサウンドウェーブの入力を見て自動的に決定されます。 - データ定義オーディオフォーマット: カスタムのチャンネル構成を第一級(first-class)のオーディオフォーマットとして宣言し、グラフ内で直接使用できるようになりました。
- Ambisonicsとトランスコーディング: 1次アンビソニックス(First-order Ambisonics)が組み込みのCATフォーマットになりました。ディスクリートとアンビソニックス間の変換は自動的に処理されるため、手動の変換ノードが不要になります。
- 実験的な新ノード群: CAT基盤上に再実装された次世代ウェーブプレイヤー「Wave Player 2.0」、マルチチャンネルCAT信号を結合する「CAT Mixer」、CATパイプライン上に構築された「Grain Player」、およびマルチチャンネル信号をモノラルに折りたたむことなくスケーリングやモジュレーションが可能な「Multiply」と「Ladder Filter」が追加されました。
シーケンサーでのオーディオ機能拡張

シネマティック、ゲームプレイシーケンス、レンダリング時にシーケンサーを利用するサウンドデザイナー向けに、オーディオのミックス制御や再生の挙動、エクスポート時のオーディオ品質を改善する多数のアップデートが行われました。
シーケンサーおよびMRQオーディオ改善の詳細(クリックして展開)
Control Bus / Mix トラック
- Control Bus Track: 音量、ピッチ、フィルターカットオフなどの任意のオーディオモジュレーション・コントロールバスを、シーケンス内で時間経過に合わせてキーフレームアニメーションさせることが可能です。
- Control Bus Mix Track: 事前定義されたコントロールバス・ミックスを、シーケンスの特定のポイントでアクティブ/非アクティブ化し、シネマティックイベントに合わせた正確なオーディオミックス状態を実現します。
再生およびセクションの動作改善
- オーディオセクションのループ動作を再定義し、セクション終了時に「KeepState」等を使用するのではなく、サウンドが最後まで再生されるかどうかをユーザーが定義するようになりました(フレーム境界でのループと、アセットのサンプル境界でのループを区別)。
- オーディオ評価システムが改善され、プレイヘッドがジャンプした際の不要な停止・再開を回避し、よりスムーズなスクラブ再生や一時停止/再開を実現します。
Movie Render Queue (MRQ) のオーディオ改善
- オーディオエクスポート時のサブミックス選択が拡張され、デフォルト出力だけでなく録音対象のサブミックスを直接制御できるようになりました。
- カメラカットの境界で発生していたポップノイズやギャップ、リピート問題が修正され、カットをまたいでもオーディオコンポーネントが停止せず一時停止・再開されるため、レンダリング出力におけるサンプルレベルの不連続性が解消されました。
デフォルトバックエンドのWASAPI移行
Unreal Engine 5.8より、WindowsにおけるデフォルトのオーディオバックエンドがXAudio2から「WASAPI」へ切り替わりました。新しい AudioMixerWasapi モジュールが自動的に選択され、XAudio2はオプトインのフォールバックとして残ります(Xboxでも同じバックエンドが使用されます)。開発者側で必要な変更はなく、すべてのコンテンツはこれまで通り動作します。
WASAPI移行の利点とポイント(クリックして展開)
- 将来性: レガシーなAPIではなく、サポートされ、活発にメンテナンスされているWindows APIを基盤としています。
- レイテンシの改善: 低レベルAPIへの直接アクセスにより、オーディオミキサーがバッファのスケジューリングをより細かく制御できるようになりました。
- 堅牢なデバイス処理: ヘッドホンの抜き差しや、Windowsのデフォルトデバイスの切り替え、ドライバによる強制的なデバイス変更など、デバイスの切り替え(Device-swap)をエンジンがクリーンに処理します。
- 品質と信頼性の向上: プロダクション環境で発見された、現実の様々なエッジケース(フォーマットネゴシエーションやシャットダウン時など)に対してバックエンドが強化され、より安定したWindowsオーディオパスが提供されます。
- これはプラグインではなく、エンジン内部のモジュールとして機能するため、インストールや有効化の作業は不要です。
- 特定のプロジェクトで問題が発生した場合は、
Config/Windows/WindowsEngine.iniに[Audio] AudioMixerModuleName=AudioMixerXAudio2と追記することで、以前のXAudio2バックエンドに戻す(オプトアウトする)ことが可能です。
エディター
エディタギズモシステム
エディタ全体でより一貫性があり柔軟なインタラクション体験を提供するため、新しい「Editor Gizmo System」が導入されました。Interactive Tools Framework上に構築されたこの新システムは、複数のレガシーなギズモ実装を、ビューポートやツール全体で使用される単一のフレームワークに統合します。
再設計されたギズモには、MayaやBlenderといったアーティストやレベルデザイナーに馴染み深いツールのワークフローにインスパイアされた、さまざまな視覚的および操作的な改善が含まれています。
Editor Gizmo Systemの機能詳細(クリックして展開)
- 洗練されたデザイン: ヒットターゲットが改善された細いビジュアルプロファイルにより、選択と操作の精度が向上しました。
- フィードバックの改善: 軸や平面にホバーまたはインタラクションした際のハイライトが明確になりました。
- 平面ハンドルの位置変更: 平面移動軸が中心から遠ざけられ、誤選択を減らしつつアクセスしやすくなりました。
- スクリーンスペース移動の拡張: 中心部の移動用四角形が大きくなり、スクリーンスペースでの移動が容易になりました。
- 軸の可視性: 操作中は一時的に軸が非表示になり、視覚的な明瞭さが向上します。
- スケーリングの挙動改善: どの視野角からでもギズモが確実に機能するようになりました。
- 数値デルタのオーバーレイ: 操作中に移動、回転、スケールの変化量(デルタ)がリアルタイムで表示されます。
- デルタラインインジケーター: オブジェクトが元の位置からどれだけ移動したかを視覚的なラインで示します(回転時にもBlenderに似た視覚的なデルタラインが表示されます)。
- スナップが有効になっている場合、ギズモの中心アイコンで視覚的に示されます。
- 修飾キーを押している間、位置、回転、スケール、サーフェススナップを素早く切り替える一時的なスナップコントロールが可能になりました。
- デフォルトのUnreal Engine、クラシックUnreal、Mayaスタイルのインタラクションプリセットから選択可能です。
- 微調整のために一時的にトランスフォームを遅くする「プレシジョンモード」や、段階的に調整を行う「ナッジモード」が追加されました。
プレビューシーンの改善

アセットエディタ向けの「Preview Scene」システムが拡張され、カスタマイズ性やワークフローが向上しました。マテリアル、メッシュ、ライティング条件をエディタ内で直接、より適切に評価できるようになります。
- カスタムフロアのサポート: アセットが実際に使用される環境に合わせて、プレビューシーンにカスタムのフロアメッシュやフロアマテリアルを適用できるようになりました。
- レイアウト改善: プロファイル管理へのアクセスを容易にするため、タブの上部に移動されました。
- プレビュープロファイルの切り替え: キーボードショートカットを使用してAdvanced Preview Sceneプロファイルを素早く循環させ、ライティングや環境のセットアップを高速に切り替えることができます。
マテリアルプレビューエディタの改善

ルックデヴの高速化と柔軟なプレビューワークフローをサポートするため、マテリアルプレビューエディタにいくつかの改善が加えられました。
- シェーダーボールプレビュー: マテリアルやライティングの反応を評価するのに適した「シェーダーボール」が、ネイティブのプレビューメッシュオプションとして利用可能になりました。
- ドラッグ&ドロップのサポート: コンテンツブラウザから直接プレビューウィンドウへアセットをドラッグ&ドロップできるようになり、メッシュやマテリアルのテストが高速化しました。
- カスタムメッシュへのスロット適用: カスタムのプレビューメッシュを選択している場合、特定のマテリアルスロットに直接マテリアルを適用できるようになりました。
正投影ビューポートの改善
トップ、サイド、フロントなどの正投影(Orthographic)ビューポートにおいて、視認性と使いやすさを向上させるための改善が行われました。
- Litビューレンダリングの改善: 正投影ビューにおける大気フォグ(Atmospheric fog)の干渉を削減し、より明確で予測可能なライティング結果を得られるようになりました。
- グリッド密度の削減: 正投影グリッドのスケールが調整され、視覚的なノイズが減り、シーンの可読性が向上しました。
- ギズモの最前面レンダリング: トランスフォームギズモが選択されたオブジェクトの上にレンダリングされるようになり、編集中の視認性と操作性が確保されました。
エディタUXおよび操作性の改善
環境設定やショートカット管理、日常的なエディタ操作を最適化し、開発者やアーティストの作業効率を向上させるための各種アップデートが行われています。
Shortcut Manager

「Shortcut Manager(ショートカットマネージャー)」のインターフェースが刷新されました。モダンなダークテーマに合わせた専用ウィンドウが用意され、不要なツールチップの削減などにより視認性が向上しています。
Shortcut Managerの機能詳細(クリックして展開)
- 検索がキーボードショートカットに限定され、無関係な結果が表示されなくなりました。
- ショートカットキー検索: 「Ctrl + S」などの特定のキーバインドを入力して、それに割り当てられているすべてのコマンドを検索できます(専用のキーバインド検索ボタンも追加)。
- バインドされていないコマンドなど、特定の状態のものを絞り込む高度な検索構文が追加されました。
- 設定のインポート/エクスポートが合理化され、チーム間での共有が容易になりました。
Editor Preferences Improvements

エディタ環境設定(Editor Preferences)、プロジェクト設定、プラグイン設定のビジュアルスタイルとレイアウトが統一され、一貫性が向上しました。
環境設定の機能詳細(クリックして展開)
- 開いた際にデフォルトで「All Settings(すべての設定)」が表示されるようになり、設定の発見が容易になりました。
- カテゴリを選択することで、そのカテゴリ内に限定したスコープ検索が可能になりました。
- 設定項目がコンソール変数(CVar)によって制御または影響を受けている場合、検索時に容易に識別できるようになりました。
- 環境設定、プロジェクト設定、キーボードショートカットを素早く開くための専用ホットキーが追加されました。
- 多くの設定で、簡単にデフォルト値へリセット(Reset to Default)できるようになりました。
Content Browser Right-Click Menu

コンテンツブラウザの右クリックメニューが簡素化され、メニューの高さが抑えられました。トップレベルのカテゴリが減り、「Audio」や「Animation」などの専用サブカテゴリや、「Data」カテゴリが新設されたことで、より論理的で分かりやすい構成になっています。また、頻繁に使用される「Material Instances」がCommon(共通)セクションに追加され、より素早くアクセスできるようになりました。
Details Panel Favorites

詳細パネルのお気に入りシステムが拡張され、個別のプロパティだけでなく「プロパティカテゴリ全体」をお気に入り登録できるようになりました。さらに、詳細パネルの上部にあるセクションフィルターバーのオプションを有効にすることで、お気に入りのカテゴリや変更されたプロパティのみを即座にフィルタリング表示することが可能です。
Sandboxes

メインプロジェクトに影響を与えることなく実験を行える、分離されたワークスペース「Sandboxes(サンドボックス)」が追加されました。
- 新しい機能やアセットを試すために、サイドブランチを作ったりWIP(作業中)フォルダにコピーしたりする必要がなくなります。
- 専用ブラウザからサンドボックスの切り替えや変更の確認ができ、維持したい変更のみをメインプロジェクトに永続化(Persist)させることが可能です。
- サンドボックスをエクスポートしてチームメイトと共有し、相手がその作業を引き継ぐこともできます。
MCP Server [試験段階]
エディタ向けの新しいプラグイン「MCP (Model Context Protocol)」の試験提供が開始されました。このプラグインにより、エージェント型のAIシステムをUnreal Editorに接続することが可能になります。接続されたAIシステムは、エンジンやプロジェクトの構造を理解し、ユーザーのアセットやシステムの構築作業を支援することができます。
Production Rendering Pipeline
Movie Render Graph:プロダクション対応

UE 5.8において、Movie Render Graph (MRG) がフルプロダクション対応(Production Ready)となりました。グラフベースの構成は、レガシープリセットにあるすべての主要機能をサポートするようになりました。ユーザーは引き続きプリセットベースの構成を使用できますが、今後の新機能はグラフ専用となります。
Light Modifier

ポストコンポジット(合成)ワークフローを視野に入れ、Movie Render Graphにおいて、アーティストが「レンダーレイヤーごと」にライトアクタのプロパティ値を設定およびオーバーライド(上書き)できるようになりました。同じレベルおよびレベルシーケンスを使用しながら、個々のライトやライトグループを分離し、任意のタイプのライトの強度、色、またはカスタムプロパティを異なる値にしてショットをレンダリングできます。
Light Modifierの機能詳細(クリックして展開)
- Collectionノードの新しい「Light Actor Type Condition」により、レンダーレイヤーごとの変更を行うためのライトのグループ化が簡単かつ便利になります。
- プロパティをグラフ変数にして、Quick RenderおよびMovie Render Queueウィンドウの両方でオーバーライドとして公開することも可能です。
Accumulation Depth of Field
Movie Render Graphを使用して、複数の絞り視点(Aperture view points)からのディファードレンダリングを蓄積(Accumulate)することで被写界深度をレンダリングする新機能です。
これまで、より「映画的(filmic)」なDoFを実現するためには、レンダリングコストの高いパストレーサー(Path Tracer)を使用する必要がありました。この新機能により、ディファードレンダリングのルックデヴを維持したまま、視差の欠如によるアーティファクトを大幅に軽減できます。デフォルトのDoFで望む結果が得られない場合に使用でき、パストレーサーを全体に適用するコストを回避できます(レンダリング時間はサンプル数に比例して増加します)。
グラフでのnDisplayレンダリング

nDisplayのデプロイメントは通常ライブおよびリアルタイムで実行されますが、Movie Render Queueを使用してクラスターをレンダリングする機能は、プリレンダリングされたプレイバックやWIPコンテンツのレビューなどのユースケースに非常に役立ちます。UE 5.8では、スケーラブルなレンダリング設定をより適切にサポートするため、nDisplayとMovie Render Graphが統合されました。
サポートされる機能(クリックして展開)
- コレクション、モディファイア、およびレンダーレイヤーのサポート。
- ディファードレンダラーとパストレーサーの両方のサポート。
- シーケンサーでのDCRA制御、またはグラフ設定でのオーバーライド。
- DCRA、ノード、ビューポートなどのnDisplayコンセプト向けの組み込みファイル命名トークン。
- ステレオレンダリングのサポート。
- ※ICVFXカメラのサポートは将来のリリースで予定されています。
新しいキューウィンドウ – “Basic”設定

新しい合理化された「Queue(キュー)」ウィンドウが導入されました。パネル内で直接、単一レイヤーレンダリングのための名前、解像度、保存場所といった一般的なプロパティを設定できる「Basic(基本)」構成が含まれています。
- アーティストは、別のウィンドウを開いたりアセットを保存したりすることなく、ディファードレンダラーとパストレーサーの選択や出力タイプの変更を行えます。
- デフォルト値をカスタマイズして保存できるため、キューは常に希望する設定で開きます。
- Basic構成の現在の状態を「グラフ設定」として保存し、より複雑なレンダリング設定の出発点として使用することも可能です。
Virtual Production
Mocap Manager [ベータ]
Mocap Managerの機能が改善され、モーションキャプチャのワークフローがより柔軟で効率的になりました。
- オートカメラ: アクションを動的に追跡し、フレーミングを行うプロシージャルカメラをスポーン・制御できます。
- ユーザー拡張性: ユーザー独自のカスタムワークフローUIを作成できるようになりました。
- 専用フェイシャルプレビュー: ビューポートカメラを動かすことなく、素早く顔のアニメーションを確認できます。
- Retarget(リターゲット)調整の改善。
- ビデオインジェストのサポート: Capture Managerでフェイシャルアニメーションの動画と、その他のパフォーマンスキャプチャデータをパイプライン化できます。
- オーディオ録音の設定: Take Recorderと同等の機能となり、録音トラックごとにオーディオデバイスとチャンネルを定義できるようになりました。
- Live Link Hub デバイスの統合: Mocap ManagerからHubの録画を制御できます。
Composure [ベータ]
新しくなったComposureがベータ版に移行しました。ライブおよびポストビズのシナリオ向けに、キーヤーの品質向上を含む多数の機能追加とUXの大幅な改善が行われています。
Composureの改善詳細(クリックして展開)
- シーケンサーの完全サポート: コンポジットアクタおよび参照カメラアクタに対して(スポーン可能オブジェクトも含め)シーケンサーがフルサポートされました。
- パフォーマンス・オプション: より高速なパフォーマンスを得るための、軽量な「平面反射(Planar reflections)」および「単一ライトのシャドウレイヤー(Single light shadow layers)」のサポート。
- パス(Passes)の拡張: プレートレイヤーだけでなく、すべてのレイヤーでパスを設定できるようになり、Blur(ブラー)、Dilation(膨張)、Masking(マスキング)、Post Process Material、Transform、Translucency(半透明)などの新パスや改善パスが追加されました。
- カラーグレーディング: パスがエディタのColor Gradingパネルと統合されました。
- パネルのUX改善: アクタの選択同期、コンポジットメッシュマテリアルの管理、特定のコンポーネントをコンポジットメッシュやシャドウ/反射キャッチャーとして割り当てる機能、Composureから直接メディアキャプチャを開始する機能、現在のプレートからSkySphereアクタを作成する便利なオプションなどが含まれます。
Composure Keyer
高品質なキーはあらゆる合成ツールセットの基礎であり、いくつかの重要な領域でオプションが拡張されました。
- キーカラーを選択する際、エディタ内でコンテキストを切り替えることなくメディアテクスチャのプレビューを表示できるようになりました。
- Composureパネルのワンクリックでライブフィードから「クリーンプレート」のテクスチャを取得し、アセットとして保存して、自動的にコンポジットアクタに設定できるようになりました。
- カラーキーヤーパスの代わりに、あるいは追加として「Luma(ルマ)キーヤー」パスを使用できます。
- 正しい色精度を確保するようレンダリングパイプラインを構成するカスタマイズされたパスを通じて、Ultimatteを利用できます。
- エッジの調整に新しい「Dilation(膨張)」パスを使用できます。
ビューポートでのアルファ視覚化

新しいビューポートの可視化オプションにより、エディタ内で直接レッド、グリーン、ブルー、またはアルファチャンネルを個別に検査できるようになりました。Channelsメニューから、ビューポートメニューへのピン留め(アクセスを高速化)や、アルファチャンネルをチェッカーボードとして視覚化する追加オプションを利用できます。
深度合成 (Depth Compositing) [試験段階]
Unreal Engine 5.8 では、従来のキーイングベースのコンポジット手法を拡張し、深度情報を活用した新しい合成ワークフロー が実験的に導入されました。 その中心となるのが Composite Depth Mesh Actor で、深度マップを受け取り、それを World Position Offset を用いた静的グリッドメッシュとしてシーンに投影します。これにより、オクルージョンやシャドウなど、深度に基づく表現が可能になります。この新しいアクタは、将来的にハードウェアシステムやソフトウェア手法と連携した 深度統合型コンポジット の基盤となることを目指しており、ライブおよび収録済みの映像制作の両方で活用できる設計になっています。また、この機能の一環として、Image Media Source Assets が Multilayer EXR に対応しました。これにより、メインカメラ映像と同じコンテンツから深度マップを読み込むことが可能となり、深度ベースの合成ワークフローがより扱いやすくなっています。
nDisplayの自動露出
これまで nDisplay ではビューポート間の一貫性を保つために手動のEV(露出)設定が必要でしたが、UE 5.8より nDisplay での Auto Exposure(自動露出)がサポートされました。測光には、nDisplay DCRA 全体を使用することも、クラスター全体に適用する特定のノードやビューポートを指定することもできます。また、Auto Exposure の計算から特定のアイテムを除外することも可能です。
Live Link Hub アップデート

Live Link Hubに、複数のデバイスを統合・管理するための強力な新機能が追加されました。
デバイスフレームワーク
パフォーマンスキャプチャセッション中に複数の録画デバイスを使用するチーム向けに、スタジオ内のデバイスをIP経由で制御するフレームワークが提供されます。これにより、Live Linkデータ、UEエディタクライアント、録画デバイスを1箇所で監視・制御できます。
- Live Link Face (iOS/Android), AJAビデオデッキ, Sound Devicesオーディオレコーダー, OBSをサポート(サードパーティ製モーションキャプチャのプラグインアップデートも予定)。
- Mocap Manager や Take Recorder を実行しているUEクライアントから、Live Link Hub および接続されているすべてのデバイスに「スレート名」と「テイク番号」を送信し、録画の開始・停止を同期制御できます。
タイムコードおよびタイムステップ制御
Live Link Hubのメディアプロファイルを使用し、接続されたすべてのUEクライアントのタイムコードとタイムステップをリモートで一括設定できるようになりました。これにより、ステージのセットアップとプロジェクト間で記録データの一貫性を維持できます(Live Linkおよびシステムのタイムコードプロバイダー、カスタムタイムステップをサポート)。
ビデオモニタリング
UEのメディアプロファイルを使用して、アニメーションのソルブやリファレンス監視用のビデオデータを表示・制御できます。 RTSP、AJA、BlackMagic、NDIメディアソースを使用し、Live Link Faceアプリからのストリーミングを含め、複数のビデオソースを同時に監視できます。MetaHumanビデオ Live Linkソースもこれらを利用でき、フェイシャルキャプチャ用のカメラの選択肢が大きく広がりました。
VCam アップデート

バーチャルカメラ(VCam)の制御性が強化されました。
- アタッチブラウザと制約: 親子関係(ペアレンティング)やプラットフォーム用の専用ブラウザがVCam UI内に組み込まれました。アタッチ可能なアクタやコンポーネントをブラウズ・フィルタリングし、VCamから離れることなく対象へのアタッチ/デタッチが行えます。
- 軸ごとのアタッチ: VCamはアニメーション制約(Constraints)を通じて親にアタッチされるようになり、どの軸(Axis)を継承し、どの軸を無視するかを選択できるようになりました。これにより、よりきめ細かい制御が可能になります。
その他の Virtual Production アップデート

Virtual Production関連の以下の機能も追加・強化されています。
- Rivermax on Linux: Nvidia Rivermax プラグインが、Windowsに加えてLinuxオペレーティングシステムにも対応しました(nDisplayでのICVFX機能として検証済み)。
- Editor Utility Naming Tokens: ランタイムでは利用できないエディタ機能にアクセス可能な「エディタユーティリティ・ネーミングトークン」を作成できるようになりました。BP内で直接呼び出したり、Pythonノードを実行してデータベースから値を取得したりできます。
- Integrated Timeline Template Editor in CAT Schemas: スキーマエディタから直接タイムラインテンプレートをオーサリングできるようになりました。カメラ、FX、ライティングなどのテンプレートをネストされた階層で作成し、すべてのアセンブリ(Assembly)で再利用できます。
- Reference and Parent to Spawnables During Take Records: Take Record中に、アクタがスポーン可能なオブジェクト(Spawnables)への参照や親子関係を維持できるようになりました。記録開始時に参照が切れる問題がなくなり、アタッチメントトラックに正しく記録されます。
モーションデザイン
再生の信頼性向上
ライブ放送では「テイク2」が許されないため、モーションデザイン・グラフィックスの再生は初回から常にスムーズで信頼できるものでなければなりません。UE 5.8では、放送中のクリーンな視覚結果を保証するために、Motion Designツールセット全体でパフォーマンスと安定性が優先されています。
- クローナー(Cloners)、エフェクター(Effectors)、モディファイア(Modifiers)、およびシェイプ(Shapes)の大幅な最適化。
- Rundownでシェーダーを事前コンパイルするための新しい「Load Page」オプション。
- ページを取り込む(Taking in)前に、コンテンツのロードやコンパイルの完了を待機する自動ロジック。
- モディファイアを実行し、その結果を「フリーズ」する機能。
マスクの合成

マスクを組み合わせる機能は、放送用グラフィックスを制作するクリエイティブプロセスにおいて非常に重要です。UE 5.8では、最大4つのマスクソースから「Mask Output Modifiers」が影響を受ける機能がサポートされました。
Text3Dの強化
テキストは放送用グラフィックスの基本的な機能であり、視聴者に重要な情報を伝え、ニュースやスポーツイベントの理解を助けます。Motion DesignツールセットにおけるText3Dの主な強化点は以下の通りです。
- スタティックメッシュ・テキストの大幅なパフォーマンス最適化と、ダイナミックメッシュ・テキストの向上。
- Blueprint内でのText3Dコンポーネントのサポート。
- フォントのスケールや押し出し(Extrude)を行う際の一貫性向上。
- 任意のフォントで正確な結果を生成するためのテキストシェーピングメソッド(Auto、Full、Kerning Only)の制御機能。
Transition Logicの柔軟性向上

放送ワークフローではTransition Logicの設定を再利用することが多く、UE 5.8では単一のツリーアセットを複数のレベル間で再利用できるようになりました。制作チームは一度Transition Logicを構成すれば、データを手動で個別にインポートすることなく、すべてのレベルに適用させることができます。
さらに、Scene Stateによってデバッグワークフローが拡張され、トランジションや現在選択されている状態(ステート)を視覚化できるようになりました。
Simulation & VFX
Chaos Destruction
Chaos Destructionシステムは、高い視覚的忠実度と強力なパフォーマンス最適化を組み合わせ、シネマティック品質の破壊をリアルタイムで実現します。UE 5.8では多くの改善と修正が含まれています。
Chaos Destructionの改善詳細(クリックして展開)
- アセット作成時にデフォルトのDataflowテンプレートが利用可能になりました。
- Dataflowがアタッチされた新規アセットのサムネイルにアイコンが表示されるようになりました。
- Geometry Collectionのレンダリング可能タイプ(renderable types)のレンダー設定が追加されました。
- トランスフォームごとにリニア(線形)およびアンギュラー(角度)ダンピングを設定可能になりました。
- 現在のトランスフォームをクエリするための新しいBlueprint関数(
GetCurrentTransforms、GetCurrentTransformsFromIndices)を追加。 - Geometry Collectionへの
GyroscopicTorqueオプションのサポートを追加。
- Niagara Destruction Data Interfaceにおけるインデックスの誤り(一部のパーティクルが原点にスポーンする問題)を修正。
- Geometry Collectionコンポーネントのコリジョン応答設定の問題、GTパーティクル同期時の速度の問題、キャラクター移動時のボーン名受け渡しの問題などを修正。
- フィールド(Fields)が部分的なクラスターを処理する際の潜在的なクラッシュを修正。
Chaos Dataflow Editor
物理ベースアセット(クロス、破壊、髪、筋肉、MetaHumanなど)のプロシージャル生成のためのノードベースシステムであるDataflowがアップデートされました。
- ランタイムでのグラフ評価のサポート。
- UIおよびUXの強化(よりインタラクティブなツール、ギズモなど)。
- スケルタルメッシュのオーサリング対応。
- ジオメトリツールの改善(マージ機能など)。
- コンストレイント(制約)作成のためのより完全なツールキットの提供。
- グラフ内キャッシング機能の追加。
Chaos Visual Debugger
物理シミュレーションを効果的に観察・デバッグするための Chaos Visual Debugger (CVD) がアップデートされました。Unreal Editor内またはスタンドアロンのCVDインスタンスから利用できます。
- カメラトラッキングシステムの追加。
- ジオメトリ可視化パネルの実装。
- 複数選択(マルチセレクト)のサポート。
- トライメッシュ(Trimesh)の複雑度ビューの追加。
Chaos Core
より応答性の高いスケーラブルなシミュレーションワークフローをサポートするため、Unreal Engineの物理システム基盤に基本的な改善が加えられました。
Chaos Coreの改善詳細(クリックして展開)
- スレッドセーフなアイランド生成の改善。
- オブジェクトの感度とアイランドのスリープ状態に対する制御の強化。
- 空間または色分離(color separation)によるアイランド内の並列化の改善。
- 保護されたソルバーAPIと新しい実行モデル。モノリシックな物理スレッドを削除し、ジョブグラフへ移行する継続的な取り組み。
- メタバース対応の拡張フィルタリングモデル: 64ビットチャンネル、チャンネルマスクと単一チャンネル選択、64チャンネルを超える拡張フィルターのサポート。
- 剛体および変形ソルバー内のスケールとクランプ機能の改善、ローカルスペースでのシミュレーション、速度のクランプ。
- シェイプごとのスケールに関する
ImplicitObjectScaledの削除。 - ワールドソルバーの外部にある初期APIを検証するための、Dataflow用の「Chaos++」ソルバーノード。
Chaos Caching
Cachingフレームワークは、クロス(衣服)、流体、破壊、フレッシュ(肉体)といったChaosベースの機能全体にわたり、シミュレーションデータを効率的に保存・再生するための既存システムの拡張に焦点を当てています。
- シーケンサーにおけるコンポーネント単位のキャッシング。
- エディタ側でのベイクとランタイム再生の両方をサポート。
- より関連性が高く最適化されたフォーマットを指し示すメタアセットとしての Chaos Cache アセットの使用。
- キャッシュのバージョニング、トリミング、無効化(Invalidation)のためのツールを追加。
- シネマティックワークフローの検証。
- シーケンサーにおけるクロスのレストポーズ(Rest posing)。
Chaos Hair
髪の毛の物理シミュレーション(Chaos Hair)において、以下のアップデートが行われました。
- 属性のペイント、スキンウェイト、ガイドの交換(guide swapping)のサポート拡大。
- Naniteと互換性のあるレンダリングおよびシミュレーション。
- スケルタルメッシュへのカード生成(Card generation)機能。
- Groom編集ツール(カット / カール)の追加。
- プロトタイプのストランド(束)レンダリングの実装。
Chaos Flesh

クロス(衣服)とフレッシュ(肉体)のChaosソルバーを、単一の変形可能なシミュレーションフレームワークに統合するアップデートです。
- クロスとフレッシュのソルバーを1つのデフォーマブル・コアにマージ。
- レイヤー(スキン、筋肉、衣服)間でのプロシージャルな相互作用(Interactions)を有効化。
- 共有メモリとソルバーロジックによるパフォーマンスの向上。
- 新しいDataflowレンダリングシステムを使用するためのノードの更新。
Chaos Cloth:プロダクション対応
UE 5.8において、Chaos Clothがプロダクション対応(Production ready)となりました。
- CLO/Marvelous Designerを使用した、非破壊的な更新と往復(Round-trip)編集を有効化。
- USDのコンストレイントおよびクロス属性のUnreal Engineへのインポート。
- パネル構造、スプリング、シミュレーションメタデータの保持。
- Dataflowでのシミュレーション再生および再オーサリングをサポート。
- フレッシュ(Flesh)ソルバー統合によるレイヤー間の相互作用の有効化とパフォーマンス向上。
- Blueprintからプロパティのグループ設定を管理しやすくするための Cloth Interactor アセットデータ。
- フルベロシティスケールのシミュレーションに「見かけの力(Fictitious forces)」を追加。
Chaos Modular Vehicles
モジュラー・ビークルシステムは、固定されたスケルタルメッシュに依存せず、動的なシーングラフコンポーネントを使用してリアルタイムで車両を構築する機能を提供します。クライアント予測とサーバー主導の物理学で設計されており、柔軟な構築をサポートします。
- スケルタルメッシュを使用した車両構築のサポートが追加され、同じフレームワークを使用してシンプルな車両を簡単に作成できるようになりました。
- 車両と地面との間の「双方向のインタラクション」がサポートされました。
Chaos Fluids (5.8)
Fluids(流体)プロジェクトにより、Unreal Engineの水シミュレーション機能が継続的に拡張されています。
- Neighbor Query: Neighbor Grid 3Dに代わる、メモリ効率の良い新しい Niagara Data Interface。
- 浮力の改善 (Buoyancy Improvements): パフォーマンスの最適化、揚力、波のサポート、安定した抗力、水と布のインタラクション。
- 3Dガスと液体の改善: メモリと速度の最適化。
- Baked River ワークフロー: Chaosデータ用のスパースグリッド(CPUメモリを90%削減)、川のベイク・パフォーマンスの改善、水中ポストプロセスのサポート。
- 3D液体のためのScreen Space Rendering: 従来より3倍高速な新しいデフォルトのレンダリングパイプライン。
その他のアップデート一覧
以下のカテゴリに関するアップデートの詳細は、後日追記予定です。概要のみリスト形式で紹介します。
Content Pipeline
- UI rework – Interchange Import Dialog UI:InterchangeインポートダイアログのUIが簡素化され、アセットタイプの変換やマテリアルインポートのオプションがより明確に再構成されました。
- FBX import performance:uFBXライブラリ(試験段階)の安定化により、特にメッシュ数が多い重いファイルのインポート時間が大幅に短縮されました。また、非表示ノードの状態がゲーム内に正しく引き継がれるようになりました。
- USD Asset Pre-Generation [試験段階]:参照されたUSDアセット間の関係を追跡・保持することで、インポート時のデータの重複を削減する新しいフレームワークです。
- USD Import with Interchange:Interchangeを介したUSDアセットインポートがプロダクション対応に。スキーマハンドラの順序付けや拡張、Nanite、Chaos Clothのサポート等が追加されました。
- X-Rite AXF Materials as Substrate:Substrateマテリアルシステムを利用し、X-RiteのAxFフォーマットから高精度な実世界の計測マテリアルをインポートできる機能。
Developer Iteration
- Incremental Cooking (Beta):ターゲットデバイスでのイテレーションを高速化するため、Zen Serverに保存された出力とアセットの変更を比較し、更新されたアセットのみをクックする機能。決定性の向上により、未変更アセットを再クックする必要性がさらに減少しました。
- Zenserver as Cooked Output Store:クック済み出力ストアとしてのZen Serverがデフォルトで有効化されました。デバイスでのゲーム起動時に自動的にストリーミングが使用され、リモートリクエスト時の認証キー(デフォルト設定)によるセキュリティもサポートされています。
- Horde – Performance Reporting [試験段階]:Horde AnalyticsツールのダッシュボードUX(CPU、メモリ使用量など)やジョブの健全性の可視性を改善しました。また、Automated Performance Tests(APT)やPerf Report Toolを利用して、GPU/CPU時間、ピークメモリ使用量、ヒッチ(カクつき)などのランタイムトレンドを表示し、パフォーマンスの低下(リグレッション)を容易に特定できる新しいビューが導入されています(※現在はユーザー独自のデータベースストアモデルが必要です)。
Platforms
- Mobile Renderer:モバイルのデフォルトがマルチパス・ディファードレンダリングとなり、SSAO、SSR、コンタクトシャドウ等の高品質な機能や、パフォーマンスを向上させる半精度(FP16)シェーダーがサポートされました。
- Android Platform Support:コントローラーマッピングのサポート向上や、Turnkeyを使用した開発環境の自動セットアップの簡素化など、開発者の生産性を高める改善が行われました。
- Preview Platform:エディタ上で表示されるビジュアルの忠実度が向上し、ターゲットハードウェアの見た目や動作をより正確に確認できるようになりました。
- Keyboard & Mouse Support for iOS & iPadOS:iOSおよびiPadOSにおいてキーボードとマウスの完全なサポートが追加され、デスクトップに近い操作性が実現されました。
- Gesture Events for iOS & Android [試験段階]:ピンチやスワイプなどのネイティブなジェスチャー認識をエンジンに直接提供し、モバイル間で一貫したタッチベースの操作を構築できるシステムです。
- iOS Application Extensions:新しい
.uappex制御ファイルを通じて、Notification Service等のiOS App Extensionのファーストクラスサポートが追加されました。 - Unreal Engine Remote:実機にデプロイすることなくモバイル入力をテストできるコンパニオンアプリです。Android版が追加され、バックエンドがPixel Streaming 2に移行しました。
- Steam Frame Support [試験段階]:Valveの次世代XRプラットフォーム「Steam Frame」の実験的サポートが追加されました。
- Stereo Layer Underlays:OpenXRのステレオレイヤーをメインシーンの後ろ(アンダーレイ)に描画できるようになり、レイヤーの優先順位による柔軟な制御が可能になりました。
- PICO Controller OpenXR Plugin:PICOコントローラーのOpenXRインタラクションプロファイルが標準でサポートされました。
- iOS Shader Model 6 [試験段階]:Apple Siliconの高度なGPU機能を活用するため、iOSでのShader Model 6(SM6)の実験的サポートが追加されました。
Media
- Tiled Mipmap Video [試験段階]:高解像度でのスムーズな再生やスクラブを実現するため、必要なピクセルのみをディスクからストリーミングするタイルおよびミップ対応の圧縮ビデオコンテナ「TMV」が追加されました。
- Video Transcoder [試験段階]:一般的なビデオフォーマットや連番画像(EXR等)を、ゲームエンジンでの再生に最適化された新しいTMVフォーマットへトランスコードする専用ツールです。
- Media Viewer [ベータ]:アニメーション作業時にリファレンス映像をドッキング表示する機能が強化され、シーケンサーメディアへのアクセス向上、画像バンクの反転、TMVサポートなどが追加されました。
上記はUE 5.8のアップデートの一部となります。この他にも、多岐にわたる分野で機能追加や調整が行われています。
各機能の全体像および上記以外のカテゴリのアップデート詳細については、公式のUnreal Engine 5.8 リリースノートにて確認が可能です。
Unreal Engine 5.8 を今すぐ利用する
既存のユーザーはEpic Games Launcher、またはサブスクライバー向けのDeveloper PortalからUnreal Engine 5.8をダウンロードできます。新規のユーザーにとっても、導入に適したタイミングとなっています。
コミュニティに参加
Unreal Engine 5.8に関する最新情報や意見交換は、Epic Developer Community フォーラムからご参加いただけます。

































コメント