Unreal Engine 5.8 が正式リリース!Mesh TerrainやMegaLights、リギングおよびアニメーション機能強化など

CGソフト

2026年6月17日(現地時間)- Epic Games は、「Unreal Engine 5.8」の提供開始を発表しました。

この記事では新機能のハイライトを紹介します。より詳しく知りたい場合こちらをご覧ください。

主な新機能

この最新バージョンでは、ワールド構築や地形作成ツール、リアルタイムでの高品質な植生作成、およびライティングワークフローの簡素化により、パフォーマンスとカスタマイズ性がさらに向上しています。

また、キャラクターやアニメーション作成ツールの処理高速化、バーチャルプロダクション機能の進化、高精度なフルボディパフォーマンスキャプチャ、そしてLLM(大規模言語モデル)ワークフローの統合によるコンテンツ制作の効率化など、多岐にわたる新機能が導入されています。

なお、UE5.8はUE6に向けた開発体制への移行に伴い、ロードマップ上で計画されているUnreal Engine 5の最後のメジャーリリースとなります。今後のUE5については、バグ修正やリグレッションに対するサポートが継続される予定です。

Unreal Engine 5.8 Feature Highlights

広大なオープンワールドの構築

Mesh Terrainを活用した大規模かつ機能豊富なワールドの迅速な構築や、PCG(プロシージャルコンテンツ生成)フレームワークによる高度なオープンワールドの編集とカスタマイズ、そしてエディタ内で直接行える植生オーサリングの合理化が行わま下。

Mesh Terrain(メッシュ地形)

Mesh Terrainは、より大規模で複雑な地形を作成するために新しく追加された、実験的な3Dメッシュベースのシステムです。

従来のLandscapeツールや2.5Dのハイトフィールドシステムとは異なり、真の3Dメッシュモデルとして機能するため、オーバーハングや浮遊島、トンネルなどの任意の形状を作成できます。メッシュはUnreal Editor上で直接作成することも、外部アプリケーションからメッシュやハイトマップをインポートして開始することも可能です。

また、非破壊的なモディファイヤを採用しているため、シーンの変更もスムーズに行えます。例えば、地形の特定の要素を移動させるだけで、地形全体が自動的に再生成される仕組みを備えています。

さらに、このシステムはPCG(プロシージャルコンテンツ生成)と高度に連携するほか、World PartitionやOFPA(One File Per Actor)とも密接に統合されています。これにより、距離ベースの自動ストリーミングや効率的なデータ管理が可能になるだけでなく、共同作業のワークフローも可能になります。

PCG(プロシージャルコンテンツ生成)の強化

PCGにおいては、プロシージャルな仕組みを壊すことなく、生成されたコンテンツの上に手動で編集を加えることができるようになりました。これにより、上流のパラメータ調整を継続しながら、システムが生成した結果に対してアーティストの意図を反映させることができます。

さらに、配列、構造体、セット、マップといった複雑な属性タイプのサポートが追加され、空間操作向けに設計された新しいサンプルPCGグラフも用意されています。これらの機能を組み合わせることで、建物や市街地の道路など、多岐にわたる要素の生成が可能になります。

Procedural Vegetation Editor (PVE)

実験的機能である「Procedural Vegetation Editor (PVE)」では、生物学的に正確なNanite対応の植生をゼロから育てることができるようになりました。木々は光を求めて競い合いながら自然に群生を形成し、外部メッシュを避けて成長します。基本的なスカルプトツールや枝の追加・削除機能を用いて、意図的に自然の形状をコントロールすることも可能です。

また、DCCツールなどの外部ソースからメッシュをインポートし、骨格を抽出してPVE対応アセットに変換できるほか、2Dスケッチや写真をインプットとして利用できるため、コンセプトや現実の参考資料から制作へと素早く移行できます。

さらに、PCGの埋め込みサブグラフ作成機能と連携し、テクニカルアーティストが複雑な処理を隠蔽した使いやすい植生ツールを構築し、バリエーションの作成に必要なパラメータのみをアーティストに公開することも可能です。

プロジェクトを素早く開始できるよう、Quixel Megaplantsの植生データも継続して追加されており、こちらからコレクション全体を確認することができます。

Fast Geometry Streaming Plugin

昨年のState of Unrealで公開された『The Witcher 4』のテクニカルデモでは、「Fast Geometry Streaming Plugin」の実装が紹介されました。

Unreal Editor for Fortnite | State of Unreal | Unreal Fest Orlando

このプラグインは、広大なオープンワールドにおいて静的アセットを高速かつシームレスに読み込むための実験的な技術ですが、現在は速度や安定性、さらには対応するユースケースの拡大など、いくつかの改善が行われました。

キャラクターとアニメーション制作の効率化

エディタ内のリギングおよびアニメーション機能に新機能と強化が加わり、エディタ内でより多くの作業を完結できるようになりました。

フェイシャルワークフローとショットスカルプト

エディタ内でのスカルプト駆動によるフェイシャルワークフローやショットスカルプトのサポートが向上しました。

これには、スカルプトブラシツールセットの更新、ターゲットのミラーリングと反転の新しいオプション、ウェイトロックなどが含まれています。さらに、スタイライズされたキャラクター、カスタムスケルタルメッシュ、MetaHuman、さらにはポーズ修正のためのブレンドシェイプ作成が強化されています。

Control Rig Physics と Dynamics

「Control Rig Physics」がベータ版に移行し、リガーとアニメーター双方に機能強化がもたらされました。キャラクターが階段から落ちるような完全にダイナミックなラグドールアニメーションから、肉の揺れといった微細な二次モーションまで、あらゆる用途に適しています。

物理リグはモジュール化され、独自のリグと組み合わせて使用できるようになりました。既存のアニメーションの上に物理演算をレイヤー化し、そのウェイトをキーフレーム化することで、時間経過に伴う影響を正確に制御することが可能です。

さらに、シネマティクスに最適なControl Rig Physicsに加えて、ランタイム向けに高速な評価を行うパーティクルベースの新しいソルバー「Control Rig Dynamics」も導入されました。これにより、元のソルバーの5倍の速度で評価が行え、精度とリアルタイムパフォーマンスのバランスを調整することができます。

Direct Mesh Controls (DMC)

実験的機能である Direct Mesh Controls(DMC) により、Control Rig のコントロールをスケルタルメッシュのセクション上で直接扱えるようになりました。これは、大手長編アニメーションスタジオのワークフローから着想を得たこの仕組みで、アニメーターはキャラクターの表面を直接操作しながらリグを動かすことができます。この機能は、特にフェイシャルアニメーションの作成で役立ちます。

DMCを含むUnreal Engine 5.8のアニメーションとリギングのフルツールセットを試すことができる、新しいZebra Character SampleがFabからダウンロード可能となっています。

このサンプルには、DMCに完全対応したフェイスリグや、Fortniteのキャラクターアニメーションに使用されているのと同じリギングモジュールを採用したプロダクション用のボディリグ、二次モーションを備えた完全な物理リグなどが含まれており、最新のワークフローを実際に確認できます。

自動アニメーションベイクとエディタ機能の強化

自動アニメーションベイク機能の追加により、アニメーターはワンクリックでキャラクターアニメーションのベイク、テスト、リベイクを即座に行えるようになり、イテレーションの効率が大きく向上しました。

また、強化された Curve Editor と Sequencer のワークフローでは、選択やフィルタリングが統一され、ナビゲーションも改善されたことで、アニメーションデータをより迅速かつ集中的にコントロールできるようになっています。

リターゲティング機能の拡張

リターゲティングでは、プロポーションやデフォルメされた骨格が異なるキャラクター間でのアニメーション転送を改善するために、新たに 足の定義(foot definition)オプションが追加されました。これにより、足の接地や動きの整合性がより正確に保たれます。

さらに、Retarget Override Sets の導入により、プロポーションの異なるキャラクターへアニメーションをリターゲティングする際の手戻りが軽減され、調整作業の負担が大きく減っています。

バーチャルプロダクション機能の強化

Live Link Hub と Mocap Manager

プロのモーションキャプチャステージと個人クリエイター双方のニーズに応えるべく、Live Link Hubがプロダクションレディとなりました。

Live Link Hubのインターフェース内で、複数ソースからのライブビデオフィードを直接監視できます。さらに、モーションキャプチャスタジオ全体でIP経由のデバイス制御が可能になったため、すべてのLive Linkデータ、UEエディタクライアントの同期監視、および録画デバイスの制御を1つの場所から行うことができます。

また、Mocap Managerには専用のフェイシャルアニメーションプレビューウィンドウや、アクションを動的に追従するプロシージャルな自動カメラが新たに追加されました。

Movie Render Graph と被写界深度の改善

Movie Render Graphもプロダクションレディとなりました。再設計されたキューウィンドウ(Queue Window)では、アーティストがパネル内で直接レンダリング設定をコントロールできるグラフベースの新しい設定画面が導入されています。本リリースではnDisplayのサポートに加え、任意のライトの色や強度などの値を変更しながらショットをレンダリングするためのライト分離機能も追加されています。

そして、新しい「Accumulation Depth of Field」機能は、Movie Render Graph を通じて複数の絞り位置(aperture viewpoints)から取得した Deferred レンダーを蓄積することで被写界深度を表現する新しい機能です。

この手法により、リアルタイムのルックデベロップメントを維持しながら、パス・トレーサーに近い映画のような焦点効果を、より低い計算コストと時間で提供し、視覚的なアーティファクトを軽減できます。

デジタルヒューマンの強化

MetaHuman Collections

実験的な新アセットタイプである MetaHuman Collections が導入され、モバイル環境では数百人、ハイエンドプラットフォームでは数千人規模までスケール可能な MetaHuman の群衆を、リアルタイムのワールドに配置できるようになりました。

このアセットタイプは、群衆のオーケストレーションに Mass を活用し、可能な場合には Nanite を用いてレンダリングするという、新しい群衆作成ワークフローの中核を担うものです。

この機能では、カメラとの距離に応じて、高忠実度の個別アクタと、低忠実度のインスタンス化スキンメッシュ(ISKM)の間でキャラクターをシームレスに切り替えることができます。これにより、クローズアップではリアルな表現を維持しつつ、パフォーマンスとメモリ使用量を最適化することが可能です。

さらに、すぐに試せるよう Fab では新しいMetaHuman Crowds Sampleが公開されており、数千人規模の MetaHuman をシーンに配置するための、高いパフォーマンスとスケーラビリティを備えたアプローチを確認できます。

Mesh to MetaHuman のボディ対応とフルボディキャプチャ

MetaHumanに関するもう一つの大きなニュースは、あらゆる人型メッシュをMetaHumanに変換できる新しい機能です。

MetaHuman Creatorに完全に統合されたMesh to MetaHumanは、これまで頭部のみの対応でしたが、ボディ(身体)にも適合するようになりました。この強化により、任意のトポロジを持つあらゆる人型キャラクターメッシュを、単一のワークフローでMetaHumanトポロジを持つ完全にリギングされたMetaHumanへと変換できます。

MetaHuman Animator Markerless Motion Capture Plugin

またこれと並行して、「MetaHuman Animator」では、単一のオフアクターカメラ(俳優から離れたカメラ)から、顔、体、またはその両方の完全なキャラクターパフォーマンスを同時にキャプチャできるようになりました。

モーションキャプチャ用のリグ、ヘルメットカメラ、マーカーなどは必要ありません。頭からつま先までの高品質なアニメーションをキャプチャするには、Webカメラだけで十分です。

この新機能は、Windows向けに提供されている新しいMetaHuman Animator Markerless Motion Capture Pluginの統合によるもので、Fabからダウンロード可能です。

State of Unreal のライブストリームでも紹介されたように、Epic は RigLogic と DNA へのオープンソースアクセス を、GitHub上のOpenRigLogicを通じて MIT ライセンスのもと全ての開発者に公開しています。この OpenRigLogic リポジトリは、Unreal Engine 以外のプラットフォームやアプリケーションにも組み込むことができる、MetaHuman キャラクター技術の進化するコレクション MetaHuman Devkitの出発点となるものです。

MetaHuman に関するこれらの新機能の詳細については、以下の記事をご覧ください。

リアルタイムレンダリングの強化

MegaLights

無数のダイナミックなエリアライトやシャドウをシーン内に配置できる MegaLights が、ついにプロダクションレディとなりました。ノイズが大幅に抑えられ、視覚的な忠実度がこれまで以上に高められています。

MegaLights は、現行世代のコンソール機で 60fps を達成するための全体的なパフォーマンス改善に加え、ライトを自信を持って配置できるようにする 新しいデバッグツール や 最適化機能 が追加されています。これにより、真にダイナミックなライティングを備えた世界を構築しやすくなり、制作ワークフロー全体の効率も向上します。

Lumen Lite

Lumen の動的グローバルイルミネーションに、新たに Lumen Lite モード が追加されました。このモードは、プローブオクルージョンを伴う放射照度フィールドを利用することで、GPU コストを大幅に抑えつつ、視覚的なインパクトの多くを維持できるよう設計されています。

Lumen High Quality の約 2 倍の速度で動作し、グローバルイルミネーションを重要な表現要素として活用するゲームが、Nintendo Switch 2 で 60fps を達成できるようになるとのことです。また、このモードは PC 環境でも利用可能です。

Fog Screen Space Scattering

ボリュメトリックフォグおよびローカルフォグボリュームで、実験的な新機能「Fog Screen Space Scattering (FSSS)」が利用可能になりました。

FSSSを使用すると、光の多重散乱をシミュレートし、濃い霧や煙、ほこりをよりぼやけさせてシーンと一体化させ、リアリティを高めることができます。

Toon Shader

2D、スタイライズ、または手描きのアニメやカートゥーンのスタイルを模倣したいユーザーのために、UE 5.8ではSubstrateフレームワーク上に構築された実験的な新しい「Toon Shader」が導入されました。

この新しいシェーディングモデルは、UE5のターゲットプラットフォーム全域をサポートしています。

物理シミュレーションの強化

Dataflow

物理ベースのアセットをプロシージャルに生成するUnreal Engineのノードベースシステム「Dataflow」が、多数の拡張を伴ってプロダクションレディとなりました。

このリリースでは、Dataflow Editorフレームワークの新機能として、グラフ評価の改善、UIとUXの強化、ほとんどのデータタイプに対する高度なレンダリングサポートなどが含まれています。

Dataflow の最も興味深い応用のひとつが、Chaos Destruction(破壊シミュレーション)との連携 です。Dataflow を利用することで、非破壊的な変更を即座に反映でき、イテレーションがこれまでよりも高速かつ柔軟になります。

Chaos Cloth

Chaos Cloth もプロダクションレディとなりました。クロスオーサリングパイプラインは Dataflow ベースの新しい Cloth Panel Editor に移行し、パネル駆動の衣類ワークフローとの統合がより緊密になっています。

これにより、衣類シミュレーションの制作プロセスが一貫性を持って扱いやすくなり、調整作業の効率も向上します。

その他の新機能クリエイティブなイテレーションの効率化

モバイルワークフローのスピードアップ

  • モバイル向けオンボーディング改善 — Unreal Engine 5.8 では、モバイル開発者向けの初期設定がより分かりやすく、作業開始までの流れが短縮されています。
  • Android ワークステーション自動セットアップ — Android 開発環境の構築が自動化され、短時間で開発を始められるようになり、関連ドキュメントも大幅に更新。
  • Unreal Engine Remote の強化 — 物理デバイスへのビルドなしで、タッチ操作やジェスチャーを含むモバイル入力をプレビュー・テスト・反復可能。
  • Platform Preview の精度向上 — ターゲットデバイスの見た目により近い表示が可能になり、ビルド不要でエディタ内から正確なビジュアル確認ができるように。
  • Android クック時間の短縮 — Android 向けビルドのクック時間が改善され、反復作業がさらに高速化。

Gizmo システムの統合

レガシーおよびカスタムの Gizmo(ギズモ)システムが、単一の統合フレームワークへと再構築されました。これにより、一貫性や使いやすさ、信頼性が大きく向上しています。

業界標準の DCC ツールのワークフローを参考に、より扱いやすいヒットターゲット、明確な視覚的フィードバック、カスタマイズ可能なプリセット、精度向上などが追加され、操作性がより高速で予測しやすいものになりました。

LLM システムとの連携(MCP プラグイン)

Unreal Engine 向けに実験的な MCP(Model Context Protocol)プラグイン が導入されました。このオープンスタンダードなプラグインにより、任意の LLM がエンジンおよびプロジェクトに接続し、内容を理解できるようになります。これにより、アセットやシステムの構築、エンジン機能の拡張、テストや最適化タスクの実行など、幅広い用途で LLM を活用できます。

プラグインには、ブループリント、アセット、レベル、マテリアル、メッシュなど、多くのコアシステムへのアクセスがあらかじめ組み込まれており、開発者は独自機能を簡単に拡張できます。

Sandboxes による安全な実験環境

実験的機能として Sandboxes が追加されました。これは、実験・イテレーション・コラボレーションのための安全で隔離された環境を提供するもので、必要な変更だけをメインプロジェクトへ選択的にマージしたり、サンドボックス内の作業内容をチームメンバーと簡単に共有したりできます。

※機能の一部はBetaまたはExperimental(実験的機能)として提供されており、実作業環境への適用にはご注意ください。詳細についてはリリースノートをご確認ください。

また、より詳しくわかりやすく新機能をまとめたページを作成しましたので是非ご参考に

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